山形県酒田市で、大雨の日に道路の冠水を知らせる市の浸水センサーは18か所です。亀ケ崎(かめがさき)には、三丁目と四丁目の2か所にあります。国の「道路冠水想定箇所」に載っているのは、国道7号の広田IC付近と、広野(ひろの)の奥井いなほ地下道の2か所だけです。
センサーは道路に5センチの水がたまると反応し、市の「さかたコンポ」に登録し、受け取りたい地点をONにした人のLINEかメールに知らせが届きます。2024年7月25日は、亀ケ崎にある気象庁の酒田の観測所で1時間86.0ミリと、1937年からの記録で1位の雨を観測しました。市長の答弁では、この日の午前8時40分ごろ、当時の13か所すべてのセンサーが反応しています。
この記事でわかること
- ✓ 市が浸水常襲地区の大半とするのは、富士見町地区をはじめ、宅地造成のあとに地盤沈下が生じてくぼ地になったところです(市の答弁)
- ✓ 市の分析では、ほとんどの地区で、10分間におおむね10ミリを超える強い雨のとき、同時に冠水が始まる傾向があります(市の答弁)
- ✓ 市の内水氾濫マップは、過去の大雨で「特に冠水の回数が多かった場所(道路)」を示す地図です
雨の日に「いま冠水している道」を知る方法
「酒田市 冠水情報」「冠水状況」と調べている人は、まず次のページを開いてください。
- さかたコンポ(市公式LINEかメールで登録。「道路冠水のお知らせ」で受け取りたい地点をONにする)
- 山形県の通行規制情報(県が管理する国道・県道の通行止め)
- 庄内の国道ライブカメラ(酒田河川国道事務所)
- 国土交通省「道路情報提供システム」(国が管理する国道7号などの規制も)
- 川の水位情報(市が排水路6か所に置いた危機管理型水位計の水位も見られます)
- 川の防災情報・山形県 河川・砂防情報(最上川・京田川(きょうでんがわ)・新井田川(にいだがわ)などの水位)
- 気象庁 キキクル(浸水害の危険度)
市の答弁では、2025年8月末で通知を受け取る設定をしていた人は1,943人で、さかたコンポの登録者24,078人の1割に届きません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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浸水センサーの地点と、場所の選び方
市は2022年度、「冠水頻度の高い地域」にセンサーを13か所置き、2025年7月25日から上安町・曙町・宮野浦・十五軒・福岡の5か所を加えました。最初の13か所の場所は「地区内の標高が最も低い箇所を選定し、自治会と御相談の上」決めたと建設部長が答えています(2022年12月)。
センサーは地面から5センチと15センチの2段で水を検知します。15センチは「ほとんどの車種の車両で走行できない状況」だと市は説明しています。

| No. | 地点 | 記録(出どころ) | 地図 |
|---|---|---|---|
| 1 | 豊里(とよさと) | 2018年9月の市長答弁で「浸水しやすい場所」の1つ | 地図で開く |
| 2 | 泉町(いずみちょう) | 2022年12月の答弁で、センサーを置く「冠水頻度の高い」地区として名前が出る | 地図で開く |
| 3 | 東泉町一丁目(ひがしいずみちょう) | 2018年8月5・6日に浸水の被害(市長答弁「東泉町一、二、三丁目あたり」) | 地図で開く |
| 4 | 上安町(かみやすちょう) | 2025年7月25日から追加 | 地図で開く |
| 5 | 富士見町一丁目(ふじみちょう) | 浸水常襲地区として市が「富士見町地区をはじめ」と名前を挙げる(2022年9月の答弁) | 地図で開く |
| 6 | 富士見町二丁目 | 2023年9月6日に冠水を検知 | 地図で開く |
| 7 | 曙町(あけぼのちょう) | 2025年7月25日から追加 | 地図で開く |
| 8 | 若浜町(わかはまちょう) | 2018年8月と2020年9月4日に浸水の被害(答弁) | 地図で開く |
| 9 | 東栄町(とうえいちょう) | 2023年9月6日に15センチを超える冠水を検知 | 地図で開く |
| 10 | 東中の口町(ひがしなかのくちまち) | 2023年9月6日に冠水を検知 | 地図で開く |
| 11 | 末広町(すえひろちょう) | 2018年9月の市長答弁で「浸水しやすい場所」の1つ | 地図で開く |
| 12 | 千石町二丁目(せんごくちょう) | 2007年6月の議会で、議員が千石町を「道路の冠水が常襲地域」と発言 | 地図で開く |
| 13 | 亀ケ崎三丁目(かめがさき) | 2022年度からのセンサーの地点 | 地図で開く |
| 14 | 亀ケ崎四丁目 | 2023年9月6日に冠水を検知 | 地図で開く |
| 15 | 宮野浦三丁目(みやのうら) | 2025年7月25日から追加 | 地図で開く |
| 16 | 錦町一丁目(にしきちょう) | 2023年9月6日に冠水を検知。2024年7月25日は袖浦川の越水で錦町の約50件が浸水(市の報告) | 地図で開く |
| 17 | 福岡(ふくおか) | 2025年7月25日から追加(地図の南、約4キロ) | 地図で開く |
| 18 | 十五軒 | 2025年7月25日から追加(場所を確かめられなかったため地図に置いていません) | — |
地点名は市の「さかたコンポ操作マニュアル」の画面に並ぶ順です(十五軒と福岡は入れ替え)。センサーの正確な位置をまとめた公開資料は見つかっていません(さかたコンポの画面の地図で確かめられます)。
センサーが反応した日:2024年度は7日間で延べ57か所

試験運用だった2023年度は、9月6日の夜の1回だけでした(市の答弁では時間雨量26ミリ)。反応したのは富士見町二丁目・東栄町・東中の口町・亀ケ崎四丁目・錦町一丁目の5か所で、東栄町は15センチも超えました。
この日いちばん冠水したのは、主要地方道酒田松山線と市道酒田駅東栄町線の交差点付近です。同じ市道でいちばん地盤の低い若浜コミセン前のセンサーは反応せず、地盤の高い交差点近くのセンサーが反応しました(建設部長の答弁)。
2025年度は9月14日までの11日間で延べ32か所が反応し、いちばん多かった8月15日は18か所のうち8か所でした。
市は気象庁の雨のデータと比べて、「10分間雨量で、おおむね10ミリメートルを超える強い豪雨があるときに、同時に冠水が始まっている傾向」があると答えています(2025年9月)。
読者
10分で10ミリって、どれくらいの雨ですか?
1時間にならすと60ミリの強さです。キキクルの浸水害の危険度とあわせて見てください。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
亀ケ崎で分かっていること
「酒田市 亀ヶ崎 冠水」と調べる人がいます。2023年9月6日は亀ケ崎四丁目のセンサーが冠水を検知しました。
市長は2009年9月の議会で、亀ケ崎の「第一排水区」の幹線排水路をその年度に完成させたと答え、翌年には建設部長が「亀ケ崎につきましては一定の整備を終わっております」と話しました。2022年度には、その亀ケ崎にもセンサーが置かれています。
2020年9月の議会では、議員が「大雨が降るといつも通れなくなる亀ケ崎公園の近く」で消防団が通行止めの標示を出していたと話しています(議員の発言)。亀ケ崎の冠水の回数や、浸水した家の数をまとめた市の資料は見つかっていません。
2024年7月26日の未明、亀ケ崎などに出た緊急安全確保は、最上川の遊摺部(ゆするべ)付近で越水の可能性があったためです(市の報告)。雨水が道にたまる冠水とは別の、川の水の話です。
酒田の観測所の1時間の雨、上位5つのうち4つが2018年以降

上位5つのうち、2位の1949年8月24日を除く4つが2018年以降の雨です。
| 日 | 酒田の観測所の1時間の雨 | 市の記録(出どころ) |
|---|---|---|
| 2018年8月5日 | 71.5ミリ | 若浜町・浜田一丁目・東栄町・東泉町一〜三丁目あたりで浸水の被害(市長の答弁) |
| 2020年9月4日 | 76.5ミリ | 主要地方道酒田松山線などが冠水で通行止め。東栄町・若浜町・栄町・富士見町・新橋・御成町などで床上浸水4件・床下浸水22件・車庫内1件(建設部長の答弁) |
| 2024年7月25日 | 86.0ミリ | 午前11時12分、「酒田地域で浸水被害の危険が高まったため」市全域に避難指示(市の報告) |
| 2024年9月20日 | 68.5ミリ | センサー13か所すべてが反応(建設部長の答弁) |
市は、雨水の排水施設を1時間50.4ミリまでの雨に対応する計画で整えてきました。2018年8月5日と2020年9月4日は「約1か月分の雨が短時間で降る」などして、市内全域で道路冠水などが起きたと答弁しています。
同じ答弁で市は、富士見町地区などでは50.4ミリ以下の雨でも道路冠水や宅地の浸水が起きていると話しています。
雨の値は、亀ケ崎付近にある気象庁の雨量計1か所のものです。センサーのある町や、冠水した場所で降った量ではありません。
2024年7月25日:市道の冠水は443か所(推定)
443か所は市の広報(2024年8月7日時点)の数で、市は「推定」としています。市長は議会で、これまで冠水していない場所でも冠水が起き、土木課が確かめただけでも西荒瀬・宮野浦・広野や、八幡(やわた)・松山・平田の各管内に広がったと答えています。
家の被害は、地区によって原因が違います。市長の答弁では、酒田駅周辺や第四中学校などの旧酒田地域は「一部床上浸水に至った家屋はありますが、多くは床下浸水にとどまりました」。市長は、川が氾濫した西荒瀬・観音寺・大沢の各地区では「多くの家屋が床上浸水」し、排水設備が止まった竹田地区では「地区内のほとんどの家屋が床上浸水」したと答えています。錦町では袖浦川の越水で約50件が浸水しています(市の報告)。
県のまとめ(令和8年2月12日10時現在の概要版)で、酒田市の住家の被害は計799件(全壊13・半壊228・床上浸水47・床下浸水511)。川があふれた地区の被害も入った数です。
読者
7月25日の被害が大きくなったのは、どうしてですか?
市長は、朝の強い雨のあと夜10時ごろに再び強い雨が降り、水位が上がっていた最上川などに重なって「排水能力を超えた」と答えています。
国の一覧は2か所:広田IC付近と奥井いなほ地下道
国土交通省 東北地方整備局の「道路冠水想定箇所」は、山形県で78か所です。市町村ごとに数え直すと、酒田市は次のAとBです。
Aの広田ICは落野目(おちのめ)の国道7号の出入口のそばで、路線名は一覧が「47号」、説明表が「(国)7号」とそろっていません。Bの奥井いなほ地下道は、説明表の位置図とOpenStreetMap(オープンストリートマップ)で見ると、酒田ICの北で国道7号の下をくぐる市道の地下道です。
国の一覧のA・B
A 広田IC(国の一覧)
国道7号 管理番号 山形県-02-076(一覧の路線名は「47号」、説明表は「(国)7号」)
住所:酒田市落野目(番地の記載なし)。最上川にかかる国道7号の橋の南、ループ状の出入口のそば
管理: 酒田河川国道事務所 0234-27-3331 / 警察: 酒田警察署
B 奥井いなほ地下道(国の一覧)
市道 佐渡尻奥井線 管理番号 山形県-02-476
住所:酒田市広野(番地の記載なし)。酒田ICの北で国道7号の下をくぐる
管理: 酒田市役所 0234-22-5111 / 警察: 酒田警察署
※ 説明表の写真では、入口の両側に「冠水注意」の看板があります
Googleマップのリンクは、説明表の位置図に合わせたOpenStreetMapの道の位置で開きます。説明表の住所に番地は無く、数十メートルずれることがあります。
2か所とも説明表の備考は空欄で、落野目と広野はセンサーの地点名にも入っていません。
住む前・借りる前に見る地図
市の内水氾濫マップは、市の地図サイト「さかたまっぷ」で開きます。利用規約で営利目的の利用が認められていないため、線や位置は写さず、見方だけを案内します。
- 市のページから内水氾濫マップを開き、利用規約に同意して表示する
- 家、駐車場、通勤や通学の道が、冠水の回数が多かった道路として示されていないかを見る
- センサーの地点の町に住むなら、さかたコンポでその地点の通知をONにする
川の洪水は別の地図で、市の洪水ハザードマップ(最上川・京田川・小牧川など9つの川、7つの地図)や国土地理院の重ねるハザードマップで確かめられます。
\道路の冠水とは別に、川の洪水と土砂の区域を住所で確認/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に、その住所が入っているかを出します(道路の冠水や内水の情報は出ません)
山形県の記事:山形市 冠水 どこが危ないの? 15か所は市の一覧と1つ残らず同じでした/全国のまとめ:道路冠水マップ どこで見られるの?
公式出典
- 国土交通省 東北地方整備局「道路防災情報Webマップ」道路冠水想定箇所 山形県(一覧と説明表 yamagataken-02-076・476)
- 酒田市「酒田市内水氾濫マップ」「さかたコンポについて」(さかたコンポ操作マニュアル 28ページ)「洪水ハザードマップについて」
- 酒田市「令和6年7月25日からの大雨による状況について(第二十五報)」(令和7年1月31日17時時点)・「7月25日 大雨災害の被害状況」(8月7日時点)
- 酒田市議会 会議録(2007年6月21日、2009年9月16日、2010年9月17日、2018年9月20日、2020年9月18日、2021年3月15日、2022年9月30日・12月15日、2023年12月19日、2024年10月17日、2025年9月16日)
- 山形県「令和6年7月25日からの大雨」(被害の概況 令和8年2月12日10時現在【概要版】)
- 気象庁「過去の気象データ」酒田 観測史上1〜10位の値
- 国土地理院 住所検索API(地点名の代表点)/地理院タイル(地図)
- 道路の位置:OpenStreetMap(© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず酒田市と山形県の最新の発表を確認してください。
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