🗨️「沖縄の家はコンクリートだから、台風が来ても平気なんでしょ?」
沖縄県の住宅の96.5%は非木造で、全国の46.0%の2倍以上です。ただし2003年に宮古島を通った台風14号では、住家の全壊18棟に対して一部損壊が1,437棟出ています。構造体は残っても、窓や雨戸は別の話です。
[不動産] この記事の要点
気象庁は2026年8月23日18時45分、台風18号(ソウデル)が「非常に強い」勢力で小笠原近海を西北西に進み、26日ごろ沖縄本島に接近する見込みだと発表した。その沖縄では、県企画部統計課が2026年3月31日に公表した令和5年住宅・土地統計調査で、住宅の96.5%が非木造であることが分かっている。
2026年8月23日 発表
- 沖縄に住んでいる人・8月下旬に帰省する人
- 台風や強風の多い地域で家を建てる・買う人
- 「コンクリート造なら台風に強い」と考えている人
この記事でわかること
- 沖縄の住宅の構造別割合と、全国との差
- 50年間減り続けた木造が、2023年の調査ではじめて増えたこと
- コンクリートの家が台風で実際にどう壊れたか(2003年・宮古島の実数)
先に結論
- 沖縄県の住宅の96.5%は非木造です。全国は46.0%なので、2倍以上の差があります
- 鉄骨・鉄筋コンクリート造だけで93.8%。全国は36.6%です
- その沖縄で、2023年の調査ではじめて木造が増えました。1973年の調査開始以来はじめてです
- ただしコンクリートでも壊れます。2003年に宮古島を通った台風14号では、住家の全壊18棟に対して一部損壊が1,437棟でした
- 台風18号は8月26日ごろ沖縄本島に接近する見込みです(気象庁・8月23日18時45分発表)
沖縄の住宅の96.5%は、木造ではありません
「沖縄の家はコンクリートでしょ」というのは、思い込みではなく事実です。沖縄県企画部統計課が2026年3月31日に公表した令和5年住宅・土地統計調査の県結果によると、居住世帯のある住宅627,400戸のうち、木造は21,700戸しかありません。残りの605,700戸、96.5%が非木造です。
全国と並べると、どれだけ特殊かが分かります。
| 構造 | 沖縄県(2023年) | 全国(2023年) |
|---|---|---|
| 木造 | 3.5%(21,700戸) | 54.0% |
| 非木造 | 96.5%(605,700戸) | 46.0% |
| うち鉄骨・鉄筋コンクリート造 | 93.8%(588,700戸) | 36.6% |
| うち鉄骨造 | 1.3%(8,100戸) | 9.1% |
| うちその他(ブロック造を含む) | 1.4%(8,900戸) | 0.2% |
全国では家の半分以上が木造です。沖縄では28軒に1軒しかありません。同じ国の住宅統計とは思えない開き方をしています。
30年で、木造は12.0%から3.5%まで減りました
最初からこうだったわけではありません。1993年の沖縄は、木造が45,600戸・12.0%ありました。それが30年でこう動いています。
| 調査年 | 総数(戸) | 木造(戸) | 木造の割合 | 非木造の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 1993年 | 380,500 | 45,600 | 12.0% | 88.0% |
| 1998年 | 414,200 | 43,600 | 10.5% | 89.5% |
| 2003年 | 465,000 | 32,200 | 6.9% | 93.1% |
| 2008年 | 504,400 | 24,900 | 4.9% | 95.1% |
| 2013年 | 537,300 | 24,400 | 4.5% | 95.5% |
| 2018年 | 577,000 | 19,800 | 3.4% | 96.6% |
| 2023年 | 627,400 | 21,700 | 3.5% | 96.5% |
総数は1.6倍に増えているのに、木造だけが減り続けました。1993年に45,600戸あった木造は、2018年には19,800戸まで落ちています。25年で6割が消えた計算です。
沖縄がここまで振り切った理由を、県の統計は説明していません。ただ、この島に吹いた風の記録は残っています。1966年9月5日、宮古島の観測所は最大瞬間風速85.3メートルを記録しました。第2宮古島台風です。1938年に統計を取りはじめてから、この日を超えた記録は宮古島にありません。同じ日の最大風速60.8メートルは、富士山と室戸岬に次ぐ全国3位です。
その沖縄で、50年ぶりに木造が増えました
上の表の最終行だけ、それまでと動きが違います。木造が19,800戸から21,700戸へ、1,900戸ふえました。増加率は9.5%です。
県の資料はこの1行にわざわざ注記を付けています。調査を開始した1973年以降で、木造がふえたのはこれが初めてだ、と。50年間ずっと減り続けたものが、ここで向きを変えました。
ただし非木造も同じ期間に48,500戸(8.7%)ふえています。総住宅数そのものが699,400戸で、増加率7.2%は全国で最も高い。木造だけが特別に伸びたのではなく、家が増えるなかで木造も久しぶりに増えた、というのが数字の形です。
なぜ増えたのかは、県の資料に書かれていません。私は、これを「木造が台風に勝てるようになった」話としては読んでいません。同じ調査で、沖縄の持ち家率は42.6%と全国最低(全国は60.9%)、共同住宅の割合は60.9%と東京都に次ぐ全国2位です。50年前の持ち家率は68.2%でしたから、25.6ポイント下がったことになります。持ち家が減り、賃貸の共同住宅が増え続けてきた県で、一戸建てを建てる少数派の選択肢がわずかに動いた——数字から言えるのはそこまでで、それ以上は資料の外だと考えます。
コンクリートの家でも、一部損壊は全壊の80倍でした
「コンクリートの家なら、台風が来ても壊れないでしょ」。ここは、そうとは言い切れません。
2003年9月11日、猛烈な勢力の台風14号が宮古島を通りました。最大瞬間風速74.1メートル。宮古島の観測史上4位で、全国で見ても屈指の記録です。当時の住宅の9割以上はすでに非木造でした。それでもこうなっています。
| 被害 | 棟数 |
|---|---|
| 住家 全壊 | 18棟 |
| 住家 半壊 | 87棟 |
| 住家 一部損壊 | 1,437棟 |
| 床上浸水 | 72棟 |
| 床下浸水 | 303棟 |
全壊18棟に対して、一部損壊は1,437棟。約80倍です。浸水を除いた住家被害1,542棟のうち、93%が一部損壊でした。この台風では死者3名、負傷者110名も出ています(気象庁「災害をもたらした気象事例」・消防白書より)。
この数字の並びが意味しているのは、コンクリートが効いた場所と効かなかった場所がはっきり分かれる、ということです。建物そのものが崩れたのは18棟。壊れたのはその外側——窓、雨戸、屋根まわりの金物、外に置いてあったもの。そして風が止まっても、停電と断水は残ります。
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台風18号は8月26日ごろ沖縄本島へ
気象庁が8月23日18時45分に発表した実況では、台風18号(ソウデル)は23日18時に小笠原近海(北緯22.2度・東経140.4度)にあり、中心気圧950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速45メートル、最大瞬間風速60メートルの「非常に強い」勢力で、西北西へ時速30キロで進んでいます。
予報では25日15時に南大東島近海(955ヘクトパスカル・最大風速40メートル)、26日15時には北緯26.7度・東経126.7度、沖縄本島のすぐ東に達する見込みです。この日は旧盆のナカビにあたります。同じ時刻に台風19号と20号、熱帯低気圧も同時に存在しています。
本土で家を建てる人が、この数字から読み取れること
「じゃあ台風の多い土地では、コンクリートで建てればいいんだ」。ここも、そのまま持ち帰らないほうがいい部分です。
沖縄の96.5%という数字が守ったのは、建物の構造体でした。宮古島の1,437棟が示すとおり、実際に被害の大半を占めるのは一部損壊です。構造を選び直すのは家を建てるときの一度きりですが、窓・雨戸・飛ばされるものの管理は毎年やることです。台風が来る前に効くのは、後者のほうです。
もう一つ。沖縄の空き家率は埼玉県に次いで全国で2番目に低く、空き家数も前回2018年の調査から減っています。空き家がふえ続けている全国とは逆向きです。台風のたびに隣の空き家から屋根材が飛んでくる、という本土でよく起きる問題が、この県では起きにくいことになります。家そのものの強さだけでなく、周りに管理されていない建物がどれだけあるかも、台風の日の被害を左右します。
生活・仕事にどう効くか
- 構造を選ぶとき:沖縄の鉄骨・鉄筋コンクリート造は93.8%、全国は36.6%。木造は沖縄3.5%に対して全国54.0%で、同じ「台風対策」でも地域によって標準がまったく違う
- 台風が来る前の数日:2003年の宮古島では住家被害1,542棟のうち93%が一部損壊。構造ではなく窓・雨戸・飛来物のほうが、当日の被害を決めている
- 中古住宅を選ぶとき:沖縄の空き家率は全国で2番目に低く、空き家数も2018年から減った。隣家の管理状態は、強風時に飛んでくるものの量に直結する
結局どうすればよいか
- 台風18号の進路は8月25日から27日にかけて変わる可能性があるため、気象庁の台風情報を1日2回は見直す
- 接近の前に、ベランダや庭に置いてあるもの(物干し竿、鉢、自転車)を屋内へ入れる。宮古島の被害の93%は一部損壊だった
- 窓の内側から飛散防止フィルムや養生テープで補強し、雨戸・シャッターがある家は必ず閉める
- 停電・断水は構造にかかわらず起きるため、飲料水と携帯トイレ、明かりを事前に確保しておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
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- 災害リスク診断 — 住所から浸水・土砂・地盤のリスクを確認する
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 沖縄県企画部統計課「令和5年住宅・土地統計調査(令和5年10月1日現在)沖縄県結果の要点」(2026年3月31日発表)
- 気象庁 台風第18号(ソウデル)の実況および予報(2026年8月23日発表)
- 気象庁 宮古島 観測史上1位の値(統計開始1938年1月)(2026年8月23日発表)
- 気象庁 災害をもたらした気象事例「台風第14号 平成15年(2003年)9月10日〜9月14日」(2003年9月14日発表)
更新履歴
- 2026年8月23日 初版を公開
※本記事は2026年8月23日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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