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Claude初心者編「コワークの使い方」

「このフォルダの資料を全部読んで、要点をまとめて」と頼みたいのに、AIのチャット欄に1ファイルずつ貼り付けていると、貼る作業だけで午前中が終わります。

Claudeの「Cowork(コワーク)」は、その貼り付け作業ごとClaudeに手渡すための機能です。

この記事では、Coworkがチャットと何が違うのか、使う前に確認しておく条件は何か、最初に何から試せばいいのかを初心者向けに解説します。

先に結論

  • Coworkは有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)専用。無料プランのまま画面を探しても見つからない
  • チャットは質問に答える機能、Coworkは作業を引き受ける機能。伝えるのは「やり方」ではなく「望む結果」
  • まだ展開の途中の機能で、使える場所や画面は変わっていく。チャットより使用量を多く消費するので、最初はファイルを書き換えない要約から試す
目次

Coworkでできること

Cowork(コワーク)は、AI「Claude」を提供しているAnthropicの機能です。開発者向けのエージェント機能「Claude Code」を、コーディング以外の知識労働に広げたものです。

チャットとの違いは、引き受ける範囲です。チャットは質問に答えます。Coworkは作業そのものを引き受けます

公式の説明は「タスクを手渡したいときにClaude Coworkに切り替える(Switch to Claude Cowork when you want to hand off a task.)」。そして使い方の合言葉が「やり方ではなく、望む結果を伝える(Say what, not how)」です。

チャットは自分が質問と次の一手を出すのに対し、Coworkは望む結果を伝えるとClaudeが手順を組み立てて1ステップずつ進める、という進み方の違いを示した図
同じ仕事でも、チャットは自分が進め、Coworkはこちらが見て承認する
見るところ チャット Cowork
役割 質問に答える 作業を引き受ける
人が伝えること 聞きたいこと 望む結果(やり方ではなく)
進み方 聞くたびに答えが返る 1ステップずつ表示され、途中で方向を変えられる

使い始める前に確認する条件が3つあります。

  • Coworkは有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)でのみ使えます。無料プランでは使えません
  • 使える場所は、デスクトップアプリ(macOS・Windows)が全有料プラン、claude.aiのウェブ、iOS/Androidアプリが Pro・Max・Team。Chromeのサイドパネルは Max・Team で、Proへ展開中です
  • 始め方は、メッセージボックスで「Cowork」を選び、やりたいことを説明するだけです(Chatの隣にあります)

Coworkができることは3つです。

  • 自分が許可したフォルダにあるファイルを読み書きする(デスクトップアプリ経由)
  • Chromeを開いて、クリック・入力・フォームの記入をする
  • 設定で有効にしたコネクタ(MCP。外部のサービスとClaudeをつなぐ仕組み)を使う

処理はAnthropicのサーバー上の隔離された環境で動きます。そのためノートPCを閉じても作業は続き、別の端末から同じセッションを開いて続きを見られます。

「勝手に何かされないか」が気になる人ほど見ておきたいのが進み方です。Claudeは、どのファイルを開いたか、どのツールを使ったかを1ステップずつ表示します。読み違えたまま進んでいれば、その場で止めて方向を変えられます。

Claude本体の基本的な使い方はClaude初心者編「Claudeの使い方」で解説しています。

こんな仕事に便利

Anthropicが公式に用途の例として挙げている4つを、日本の事務職・小規模事業者の場面に置き換えると次のようになります。

  • 定例レポートの作成 — 各部署や各店舗から上がってきた数字を集め、前期と比べて報告資料の形にする
  • 支店別・地域別の表の突き合わせ — 事業所ごとに作られた集計表を並べ、数字が合っていない行を洗い出す
  • 契約書のまとめ確認 — 取引先ごとの契約書をまとめて読み、自社の基準から外れた条項を挙げる
  • 商談メモの整理 — 営業担当が残したメモをまとめて読み、繰り返し出てくる断り文句を抜き出す

共通しているのは「資料をまたいで読み、比べて、まとめる」形の仕事です。ここに無い作業を頼めないわけではありませんが、初めて使うときはこの形から始めるのが確実です。

実際にやってみる

いちばん低リスクな「フォルダの中の資料をまとめて要約させる」を題材に進めます。ファイルを書き換えないので、うまくいかなくても元の資料は減りません。なお、画面のデザインやボタンの名前は更新されることがあります。

STEP1 プランを確認する

Coworkは有料プラン専用です。無料プランのまま画面を探しても出てきません。機能の場所を探す前に自分のプランを確認してください。手元のファイルを扱うならデスクトップアプリを使います。

STEP2 入力欄でCoworkに切り替える

メッセージを打つ入力欄のまわりに、ChatとCoworkの切り替えがあります。Coworkを選び、やってほしいことを書きます。

STEP3 読ませるフォルダを1つだけつなぐ

最初につなぐフォルダは、なくなっても困らないものにします。デスクトップに練習用フォルダを1つ作り、要約させたい資料のコピーだけを入れます。

Claudeが届く範囲は、自分がつないだフォルダだけです。つないでいないフォルダの中身は見えません。

STEP4 やり方ではなく、望む結果を伝える

手順を細かく書かず、ほしい結果を書きます。「まずAを開いて、次にBを見て」と指示するほど、かえって遠回りになります。

たとえば「このフォルダの議事録を全部読んで、決まったことと宿題を分けて、1枚にまとめて」。これで足ります。

STEP5 途中経過を見て、承認しながら進める

最初は手動承認にしておきます。Claudeが1ステップずつ「何を開いたか・何をしたか」を表示するので、違う方向へ進んでいればその場で止めて指示を出し直せます。

作業はAnthropicのサーバー側で動くため、途中でノートPCを閉じても止まりません。

コピペで使えるプロンプト

【 】の中は自分の仕事に合わせて書き換えてください。

1つ目は、最初に試す要約です。ファイルを1つも変えないので練習に向きます。

コピーして使えるプロンプト(フォルダの資料をまとめて要約)

【フォルダ名】の中にあるファイルをすべて読んでください。
・ファイルごとに要点を3行でまとめる
・全体で共通している話を最後に5行でまとめる
・書かれていないことは補わず、判断できない点は「要確認」と記載する
・ファイルの作成・変更・削除はせず、結果はこの画面に表示するだけにする

2つ目は、表の突き合わせです。判断は人がやる、という線を先に引いておきます。

コピーして使えるプロンプト(複数の表の差異を出す)

【フォルダ名】にある【店舗別の売上表】を突き合わせてください。
・同じ項目で数字が食い違っている行だけを一覧にする
・どのファイルのどの行かを必ず添える
・どちらが正しいかの判断はせず、食い違いの提示までにとどめる
・元のファイルは変更しない

3つ目は、いきなり動き出させないための頼み方です。

コピーして使えるプロンプト(計画だけ先に出させる)

これから【作業内容】を頼みます。
まだ作業は始めないでください。
・何をどの順番でやるつもりかを箇条書きで先に出す
・どのファイルを開き、どのファイルを変更するのかを明記する
・私が「進めて」と返すまで待つ

4つ目は、毎回最後に足しておく共通の枠です。依頼の中身が変わってもそのまま使い回せます。

コピーして使えるプロンプト(毎回付ける共通の枠)

【共通の約束】
・ファイルの削除と上書きはしない
・新しく作る場合は、元のファイルとは別の名前で保存する
・つないだフォルダの外には出ない
・迷ったら実行せず、私に質問する

実際の仕事での使用例

小売店を2店舗経営している人の例です。月末に店舗ごとの売上表が別々のExcelで上がってきて、項目名も並び順もそろっていません。2つの表のコピーを入れたフォルダをつなぎ、食い違う行だけを出すよう頼むと、確認すべき行の一覧が先に出ます。人がやるのは正誤判断だけです。

もう1つは、総務と法務を1人で見ている会社の例です。取引先ごとの契約書が20通あり、自社の基準(支払いサイト・自動更新の有無・解約予告の期間)から外れた条項を探したいとします。契約書のコピーを入れたフォルダをつなぎ、基準を文章で伝えて、外れた条項と箇所を挙げてもらいます。

どちらの例でも、最後に決めるのは人です。Coworkが出すのは「見るべき場所の一覧」までだと考えると、任せる範囲を決めやすくなります。

よくある失敗

  • 無料プランのまま画面を探す — 見つからないときは、機能の場所ではなくプランを先に確認します
  • いきなり仕事の本番フォルダをつなぐ — 最初は、なくなっても困らないコピーだけを入れた練習用フォルダにします
  • 自動承認にして席を立つ — 最初は手動承認にし、1ステップずつ見ながら進めます
  • やり方を細かく指示する — 「まずこれを開いて、次にこう操作して」と書くほど遠回りになります
  • チャットの続きのつもりで話しかける — チャットの記憶はCoworkに引き継がれません(プロジェクト内を除く)。前提はCowork側で改めて伝えます

安全に使うために

Coworkは、頼まれた作業を自分で進めていく機能です。使う前に、どこで必ず止まるのか、どこが危ないのかを知っておく必要があります。使い始める前に、この章だけは目を通してください。

Claudeが必ず止まるところ

  • ファイルを完全に削除する前には、必ず明示的な許可を求めます
  • アプリにアクセスする前にも許可を求めます
  • 届く範囲は、自分がつないだフォルダだけです

つまり「関係ないフォルダのファイルが気づかないうちに消えていた」は起きにくい作りです。それでも、つなぐフォルダを人が選び間違えれば、その中では作業が進みます。安全の大部分は最初のフォルダ選びで決まります。

名前が挙がっているリスク

Anthropicは、Coworkのリスクとして次を挙げています。

  • プロンプトインジェクション
  • ファイルの削除・変更
  • 信頼できないサイトの閲覧
  • アプリ間でのデータの漏れ
  • 悪意あるMCP・プラグインの導入

プロンプトインジェクションは聞き慣れない言葉ですが、中身は単純です。Claudeが読む文章の中に「こうしろ」という指示が仕込まれていて、Claudeが利用者ではなく、その仕込まれた指示のほうに従ってしまう、というものです。

Webページや届いたメール、送られてきた資料に、人の目には目立たない形で命令文が書かれていることがあります。Claudeにとっては、それも「読んだ文章」です。読むための文章と従うべき命令を、いつでも完全には切り分けられません。

先に読んでください

外から届いたファイルや、検索で出てきた知らないサイトをCoworkに読ませるときは、ファイルの変更・削除・送信をともなう作業と同時に頼まないでください。読むだけの依頼と書き換える依頼を分ける。これが初心者にできるいちばん簡単な自衛です。

公式が勧めている使い方

  • 低リスクな作業(要約など)から始める
  • 最初は手動承認モードにして、監督の強さを作業のリスクに合わせる
  • 機密情報(財務書類・認証情報・個人記録)へのアクセスを与えない
  • ブラウザとWebへのアクセスは、信頼できる範囲に限る
  • 定期実行しているタスクの出力は、定期的に見直す

この5つは慣れたころに崩れます。うまく動くのを何度も見ると承認が面倒になるからです。自動に切り替えるなら、対象は「読むだけで元のファイルを変えない」作業にとどめます。

注意点

  • Coworkはまだ展開の途中の機能です。使える場所(ウェブ・スマホ・Chromeの拡張)も画面も変わることがあります
  • Coworkはチャットより使用量を多く消費します。長い作業を並行させるほど早く上限に近づきます
  • 1つのセッションを他人と共有することはできません
  • チャットで話した内容はCoworkに引き継がれません(プロジェクト内を除く)
  • 成果物はそのまま提出せず、数字・固有名詞・日付は元の資料と突き合わせてから使ってください
  • 会社の資料や顧客の情報を扱う前に、勤務先のルールを確認してください

まとめ

Coworkは、これまでチャットに貼り付けていた作業ごとClaudeに手渡すための機能です。伝えるのは、やり方ではなく望む結果です。

ただし前提が2つあります。有料プランであること、そしてチャットより使用量を多く消費することです。まずはなくなっても困らないフォルダを1つ作り、中の資料を要約させるところから始めてください。書き換えない作業から入れば、失敗しても失うものはありません。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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