🗨️「3日にひょうが降るのはどこ? 車は先に動かしたほうがいい?」
気象台が表題に「降ひょう」を掲げたのは埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨の5県です。時間帯は3日の昼前から夜遅くまで(茨城だけ4日まで、山梨だけ昼過ぎから)。東京は3日ではなく4〜5日が山で、降ひょうの記載はありません。
[災害] この記事の要点
2026年9月2日 発表
- 埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨で、屋根のない場所に車を置いている人
- 北関東と山梨でビニールハウス・果樹・露地野菜を持っている人
- 3日の昼から夜にかけて、この5県で屋外の作業や移動の予定がある人
気象台が「降ひょう」を表題に出したのは5件だけです
9月2日の夜、いま発表中の気象解説情報を発表元ごとに拾うと57件ありました。並べて表題だけ見ていくと、大半は「大雨・落雷・突風」で、先頭に立っているのは大雨です。その57件のうち、表題そのものが「落雷・突風・降ひょう」になっているのは、埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨の5件だけでした。
埼玉県の分は、熊谷地方気象台が2日16時05分に発表しています。前線を伴った低気圧が日本海をゆっくり北東に進み、前線は3日に本州付近をゆっくり南下する。そこへ前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気、日中の気温上昇、上空の寒気が重なるため、3日昼前から夜遅くにかけて大気の状態が非常に不安定になる、という筋書きです。
防災事項の文はこうです。「3日昼前から夜遅くにかけて、落雷や竜巻などの激しい突風、局地的な激しい雨に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めてください。また、降ひょうのおそれもありますので、農作物や農業施設の管理にも注意してください。」
この文には、雨量の予想が1つも入っていません。何ミリ降るという数字がどこにも書かれていない気象情報です。大雨の情報ではなく、上から落ちてくるものと、横から吹く風の情報だからです。
ひょうと聞くと5月か6月の話だと思っていました。9月にも降るんですか。
降るのは5月から8月上旬が中心です。9月に多いとは言えません。ただ、条件がそろった日に、9月だからという理由で降らないわけではありません。今回は上空の寒気と暖かく湿った空気がぶつかる形になったので、気象台が5県に名指しで「降ひょう」と書いています。

出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/)を画面キャプチャ
3日の昼前から夜遅くまで 東京だけ日程がずれています
同じ関東でも、身構える日が県によって違います。気象台の文面をそのまま並べます。
| 都県 | いつ | 気象台が挙げているもの |
|---|---|---|
| 埼玉 | 3日昼前〜夜遅く | 落雷/竜巻などの激しい突風/局地的な激しい雨/降ひょう(農作物・農業施設) |
| 群馬 | 3日昼前〜夜遅く | 落雷/竜巻などの激しい突風/降ひょう |
| 栃木 | 3日昼前〜夜遅く | 落雷/竜巻などの激しい突風/降ひょう |
| 茨城 | 3日昼前〜4日 | 落雷/竜巻などの激しい突風/降ひょう/急な強い雨 |
| 山梨 | 3日昼過ぎ〜夜遅く | 落雷/竜巻などの激しい突風/降ひょう/急な強い雨 |
| 東京 | 4日〜5日頃 | 低い土地の浸水/河川の増水/土砂災害(降ひょうの記載なし) |
茨城だけ4日まで続き、山梨だけ昼過ぎからです。そして東京の情報には、降ひょうという語が1度も出てきません。「関東はどこも3日が山場」ではありません。東京が挙げているのは4日から5日頃の浸水・増水・土砂災害で、5県とは1日以上ずれています。3日に車と農業施設を守るのが5県、4日以降に水を警戒するのが東京。混ぜると、動く日を1日間違えます。水のほうの備えは大雨のとき絶対にやってはいけない6つの行動にまとめてあります。

車のボディがへこむのは直径1センチのひょうからです
「ひょうなんて、せいぜい雨粒が固まったくらいでしょう」と思うところです。そうとは限りません。
気象庁の説明では、直径およそ2〜5ミリの氷の粒があられで、直径5ミリ以上になるとひょうと呼びます。「ゴルフボール大のものや、ときには野球ボールより大きいものが降ることもあります」とも書かれています。
では、車は何センチからへこむのか。2022年6月2日の夕方、群馬県と埼玉県で激しい降ひょうがありました。この日を調べた自然災害科学の論文(43巻4号・2025年)に、自動車のボディーのへこみは直径1センチ以上のひょうが降った地域で確認されたと書かれています。1円玉の直径が2センチですから、その半分の粒です。
このときの降ひょう域は、北西から南東へ長さ約70キロ・幅約17キロの帯でした。最大粒径は1センチ未満のものから5センチ以上のものまで。人的被害は95人、住家・非住家の被害はおおむね2,325件、農業被害は少なくとも33億9千万円です。
粒が大きくなると、当たり方が変わります。茨城県龍ケ崎市が出している防災読み物によると、直径2センチのひょうの終端速度は秒速16メートル、5センチでは秒速33メートル、時速に直すと120キロです。
その読み物には、雹(ひょう)害が起きる場所についてもう1行あります。「雹害が最も著しいのは、福島の内陸域から北関東を経て長野・山梨に至る地域です」。今回「降ひょう」を表題に出した埼玉・群馬・栃木・茨城・山梨は、この帯の上にそのまま乗っています。西日本では降雹はほとんどみられない、とも書かれています。今日の5件は、たまたまその日そこに寒気が来たという話ではないと私は見ています。
車のへこみに使えるのは車両保険 翌年の等級は1つ下がります
家の屋根・カーポート・窓は火災保険の風災・雹災・雪災、車のへこみは自動車保険の車両保険です。この分かれ目と、過去の大きな降ひょうで実際に何にいくら支払われたかはひょうの被害は火災保険で直せる?に書いたので、ここでは車のほうだけ、契約の中身に踏み込みます。
降ったあとの声は、Yahoo!知恵袋に残っています。「車両保険入ってない人で先日の雹で車がボコボコになった人は保険おりないですよね、 なんとかなる場合もあるんですか?」。付いた回答は「車両保険に入ってなければ自腹修理以外、何ともならないです。」でした。
対人・対物と混ざっている投稿もあります。「車の雹被害について。車輌保険入ってなくても。普通の車の保険でも、おりるんですか?」。回答は「自車の損害なので車両保険の範疇 対物とかは相手に対する保険。」と切り分けたうえで、限定型の特約でも支払い対象になると説明していました。
契約を開くと、論点は4つに分かれます。
- 一般型でも「車対車+A」(エコノミー型)でも出る。アクサダイレクトは「雹による車の損害は、一般車両保険・「車対車+A」車両保険のいずれでも補償されます」と書いています
- 使えば翌年の等級が1等級下がる。三井住友海上・あいおいニッセイ同和・東京海上ダイレクトの3社が同じ説明をしています
- あわせて「事故有係数適用期間」が1年加算される。割引率の低い期間が1年延びるので、効くのは翌年だけではありません
- 支払われるのは、修理費から免責金額(自己負担額)を差し引いた額。修理費が免責金額に届かなければ、請求しても手元には残りません
13年落ち・15万キロの車がへこんだという投稿には、「修理代もらって買い替えですよ。こんないいタイミング無いですよ」という回答が付いていました。直すのか、直さずに乗り替えるのか。免責金額と1等級ダウンを並べてから決める話で、へこみを見た当日に電話1本で決める話ではありません。
「竜巻注意情報」は5月29日から名前が変わりました
3日に竜巻や突風の兆しが出れば、その地域に短い情報が出ます。ただし名前が変わっています。気象庁は「令和8年(2026年)5月29日に、竜巻注意情報は気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)に変更となりました。」と告知しています。検索やテレビの速報では旧名のまま流れることがあるので、同じものとして見てください。
当たり方は、気象庁自身が数字で公開しています。適中率はおおむね5%。竜巻だけでなく、最大瞬間風速が毎秒20メートル以上の突風まで含めると20〜30%。実際に起きた突風のうち情報が出ていた割合(捕捉率)は30%程度で、有効時間は約1時間です。
20回出て、突風が起きるのは1回。私はこの5%を、情報の失敗だとは考えていません。求められている行動が「1時間だけ建物の中にいる」ことである以上、5%は十分に高い数字だと見ています。
9月2日の未明には、宮城県西部・山形県置賜・福島県中通り・会津へ実際に竜巻注意情報が出ました。名前が変わった防災情報はこれだけではなく、警報そのものの呼び方も2026年に変わっています。そちらは「危険警報」って何?にまとめてあります。
停電でスマホを生かすための電源
設定で節約しても、数日の停電では足りません。充電の出どころを2系統以上にするのが現実的です。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
停電下で扇風機とスマホを動かせるかどうかが、夏の避難生活の体感を大きく変えます。大型より、避難所や車まで持ち運べる重さのほうが実際に使えます。
手回しは常用の充電手段にはなりません。電源が尽きたあとに情報を得る最後の一手として、そしてスマホの電池を情報収集で使い切らないための道具として持ちます。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
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3日の昼前までにやっておくこと
- 車を屋根のある場所へ移す。動かせないなら厚手の毛布かボディカバーをかけ、風で飛ばないようドアに挟むか重しで押さえる
- ベランダと庭のものを入れる。ひょうは真下ではなく、風に流されて斜めに当たる
- 降ったら、片づける前に撮る。溶ける前に、1円玉を粒の横に置いた1枚を残す
- ビニールハウスは張り具合と支柱の固定を昼前までに見る。埼玉県の情報が名指しで挙げているのはここです
毛布をかけるくらいで、本当に守れますか。
大きい粒には勝てません。確実に守れるとは言えません。それでも、直径1センチ台の粒が当たる面に1枚はさむかどうかで、残る跡は変わります。かけられないなら、せめて木の下は避けてください。折れた枝のほうが、車には重いです。
生活・仕事にどう効くか
- 車:ボディのへこみは直径1センチ以上のひょうで確認されている。2022年6月2日に群馬・埼玉で起きた降ひょうを調べた自然災害科学の論文の記述で、1円玉の直径2センチの半分にあたる大きさ。
- 農作物・農業施設:埼玉県の情報には雨量の予想が1つも書かれておらず、代わりに農作物と農業施設の管理が名指しされている。2022年6月2日の群馬・埼玉では農業被害が少なくとも33億9千万円。
- 保険:車のへこみは火災保険では出ず車両保険。一般型でもエコノミー型(車対車+A)でも補償されるが、使えば翌年の等級が1等級下がり、事故有係数適用期間が1年加算される。
結局どうすればよいか
- 3日の昼前までに車を屋根のある場所へ移す。動かせないなら厚手の毛布かボディカバーをかけ、風で飛ばないよう押さえる
- 降ったら片づける前に撮る。溶ける前に、1円玉を粒の横に置いた写真を1枚残す
- 車両保険を使うかは、修理見積もりと免責金額、1等級ダウンを並べてから決める
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公式出典
- 気象庁 埼玉県気象解説情報(落雷・突風・降ひょう)第1号(熊谷地方気象台 2026年9月2日16時05分発表・気象庁防災情報XML(エックスエムエル)配信)(2026年9月2日発表)
- 気象庁「知識・解説 気象に関する質問集」(あられとひょうの違い)(2026年9月2日発表)
- 気象庁「気象防災速報(竜巻注意/竜巻目撃)の精度について」(2026年9月2日発表)
- 横山仁・出世ゆかり・下瀬健一・鈴木真一「自然災害科学」43巻4号 789ページ(2025年)(2025年2月28日発表)
- 龍ケ崎市「防災読み物 雹(ひょう)害」(2026年9月2日発表)
- アクサダイレクト「雹(ひょう)による車の被害と車両保険」(2026年9月2日発表)
- 東京海上日動あんしん生命グループ 東京海上ダイレクト「雹による被害と等級への影響」(2026年9月2日発表)
- 三井住友海上「雹被害と車両保険」(2026年9月2日発表)
更新履歴
- 2026年9月2日 初版を公開
※本記事は2026年9月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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