🗨️「富山と福井、3日の雨はどれくらい危ないの?」
富山地方気象台は3日の1時間降水量を50ミリ、24時間で120ミリと予想し、土砂災害に「厳重に警戒」と書きました。福井地方気象台も嶺北に同じ言葉を使っています。2日夜の時点では、どちらの県にもまだ警報は出ていません。
[災害] この記事の要点
2026年9月2日 発表
- 富山県で斜面の下・沢沿い・崖の近くに住んでいる人
- 福井県の嶺北(福井市や坂井市などの県北部)で崖下や沢沿いに住んでいる人
- 8月末の大雨のあと、片づけや復旧の作業が残っている富山県・福井県の人
- 3日に富山県・福井県で外回りや配送、屋外の工事を予定している人
気象庁が配信している気象解説情報を、9月2日の夜に発表元ごとに1件ずつ数えました。いま出ているのは全国で57件。そのうち本文に「厳重に」という言葉が入っていたのは3件だけでした。
その3件は、福井県(2日16時51分・福井地方気象台)、富山県(同16時48分・富山地方気象台)、それに北陸地方を対象にした広域の情報(同16時04分・新潟地方気象台)です。3件とも北陸に集まっています。
「厳重に」が入っているのは全国57件のうち3件
数えたのは、9月2日の夜に発表中だったものです。気象解説情報は各地の気象台が随時出し直すので、この57対3という数はその夜だけのものだと思ってください。翌朝には違う数になります。
ここで先に断っておきます。気象庁の予報用語のページを6つ開いて探しましたが、「厳重に警戒」という言い方の定義は見つかりませんでした。用語の索引にも載っていません。ですから「厳重に警戒は警戒より正式に一段上」とは書けません。書けるのは、定義が公開されていない言葉なのに、その夜に出ていた57件のうち3件にしか使われていなかった、という事実だけです。
私はこの3件が、3日に降る雨の量ではなく、8月末に降った雨のほうで選ばれていると見ています。根拠は次の節の数字です。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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雨が少ないほうの県にも、同じ言葉が付いている
「雨がいちばん多い県に、いちばん強い言葉が付くのでしょう」と思うところです。今回はそうではありません。富山と福井の予想雨量を並べると、順番が入れ替わります。
| 府県予報区 | 3日の予想雨量 | 土砂災害への呼びかけ |
|---|---|---|
| 富山県 | 1時間50ミリ 24時間120ミリ | 厳重に警戒 (3日昼過ぎ〜夜遅く) |
| 福井県 | 1時間40ミリ 24時間100ミリ | 厳重に警戒 (嶺北・3日昼過ぎ〜夜遅く) |
| 石川県 | — | 注意・警戒 (3日朝〜4日) |
| 新潟県 | — | 注意・警戒 (3日明け方〜4日午前中) |
富山地方気象台(2日16時48分発表)、福井地方気象台(同16時51分)、金沢地方気象台(同16時56分)、新潟地方気象台(同16時19分)の気象解説情報から。24時間は2日18時から3日18時まで、いずれも多い所の予想です。「—」は、この記事で予想雨量を確認していないところです。
福井の予想は、富山より1時間で10ミリ、24時間で20ミリ少ない。それでも呼びかけは同じ「厳重に警戒」です。そして8月27日に大雨特別警報まで出た石川県は、今回は「注意・警戒」でとまっています。
では、何を見て言葉を変えているんですか?
これから降る雨ではなく、その雨を受ける地面のほうです。両方の気象台が、同じ一文を書いています。
富山地方気象台の原文はこうです。「これまでの記録的な大雨により、地盤の緩んでいる所があるため、少ない雨量でも土砂災害の危険度が高まるおそれがあります。」福井地方気象台も、ほぼ同じ文を入れています。同じ50ミリでも、乾いた山に降るのと、水を含んだままの山に降るのとでは意味が違うということです。
8月末の雨がどれだけ残っているかは、福井の道路を見ると分かります。福井で通れない道は28か所、うち15か所は道が壊れたからではありませんにまとめたとおり、道そのものは無事でも通れない場所が残りました。

出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/)を画面キャプチャ
いま警報は出ていない。気象台が自分で予告している
気象庁が配信している警報の発表状況を見ると、9月2日夜の時点で富山県に最後に出ているのは、2日16時39分の「富山県では、竜巻などの激しい突風や急な強い雨、落雷に注意してください。」という呼びかけです。福井県は2日6時42分の「福井県では、急な強い雨や落雷に注意してください。」。どちらの県にも、大雨警報も土砂災害危険警報もまだ出ていません。
そのうえで富山地方気象台は、解説情報にこう書いています。「特に3日はレベル3大雨警報やレベル4土砂災害危険警報を発表する可能性が高いです。」気象台が、明日その警報を出す可能性が高いと自分で書いているのが、いまの状態です。
福井地方気象台の書き方はもう一段ゆるく、「雨雲が停滞したり、予想より雨雲が発達した場合は、警報級の大雨となる可能性があります」です。それでも嶺北への呼びかけは、富山と同じ「厳重に警戒」でそろえています。
「土砂災害警戒情報」という名前は、もうない
検索窓には、いまも「土砂災害警戒情報 富山」「土砂災害警戒情報 福井」と打ち込まれています。ただ「土砂災害警戒情報」は、いま使われている名前ではありません。2026年5月29日から「レベル4土砂災害危険警報」に変わりました。
学校で習ったのが古い名前のままだと、通知やニュースで「土砂災害危険警報」と出てきたときに、別の新しい情報だと思って一段軽く受け取ってしまいます。逃げる合図としては同じものです。名前の対応と、これが出たときに学校がどうなるかは「危険警報」って何?にまとめてあります。
富山は5月から、1キロ四方で判定されている
富山県は2026年5月28日、土砂災害の判定に使う格子を2,678から2,645に変え、発表基準の単位を県内5キロ四方から1キロ四方へ細かくしました。5月29日から動き出したレベル4土砂災害危険警報は、この新しい基準で判定されます。
3日の雨は、その基準になってから初めての本格的な大雨です。判定の目が細かくなったぶん、隣の地区には出ていない警報が自分の地区にだけ出る、ということが起こり得ます。「隣は何も言われていないから、うちも大丈夫」とは限りません。
危ないのは3日の昼過ぎから夜遅く
富山地方気象台は、3日昼過ぎから夜遅くにかけて土砂災害に厳重に警戒し、4日午前にかけて注意・警戒するよう書いています。低い土地の浸水と河川の増水は3日昼過ぎから夕方、落雷や竜巻などの激しい突風は3日未明から夜のはじめ頃。ひょうの降るおそれもあるとして、農作物や農業施設の管理にも注意を求めています。
福井県は、嶺北で3日昼過ぎから夜遅くにかけて土砂災害に厳重に警戒。県全体では3日昼前から4日にかけて、低い土地の浸水や河川の増水に注意・警戒です。福井平野は水が出ると引きにくい土地で、その理由はあわら市はなぜ水がたまるのかで標高のデータから説明しています。
雨が強くなってからでは、動ける範囲がかなり狭くなります。3日の予定を組み替えるなら、雨が降り出す前の午前中が最後の余裕です。
生活・仕事にどう効くか
- 3日の予定:富山県は3日昼過ぎから夜遅くにかけて土砂災害に厳重に警戒、4日午前にかけて注意・警戒。低い土地の浸水と河川の増水は3日昼過ぎから夕方、落雷や竜巻などの激しい突風は3日未明から夜のはじめ頃です。
- 住まいの足元:富山・福井の両気象台とも「これまでの記録的な大雨により、地盤の緩んでいる所があるため、少ない雨量でも土砂災害の危険度が高まるおそれがあります」と書いています。8月末に降った雨の影響が残ったままです。
- 農作物:富山地方気象台は、ひょうの降るおそれがあるとして農作物や農業施設の管理にも注意を求めています。ハウスや果樹の被覆は3日の朝までに確認しておくことになります。
結局どうすればよいか
- 3日は昼過ぎから夜遅くの予定を先に動かす。斜面の下・沢沿い・崖の近くの用事は、雨が降り出す前か、やんだあとに回す
- 自宅や実家が土砂災害の警戒区域に入っているかを、雨が降る前に住所で確かめておく
- 情報を探すときは「土砂災害警戒情報」ではなく「レベル4土砂災害危険警報」で見る。2026年5月29日に名前が変わっている
公式出典
- 富山地方気象台「富山県気象解説情報(大雨・落雷・突風)」9月2日16時48分発表(2026年9月2日発表)
- 福井地方気象台「福井県気象解説情報(大雨・落雷・突風)」9月2日16時51分発表(2026年9月2日発表)
- 気象庁「富山県の気象警報・注意報」(発表状況の配信データ)(2026年9月2日発表)
- 富山県 報道発表資料「土砂災害警戒情報の発表基準の見直しについて」(令和8年5月21日)(2026年5月21日発表)
更新履歴
- 2026年9月2日 初版を公開
※本記事は2026年9月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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