🗨️「アンダーパスの水、まだ浅そうに見えるので通れますよね?」
JAF(ジャフ)のユーザーテストでは、セダンは水深60cmで走れなくなり、同じ60cmで後輪が浮いてドアも開かなくなりました。走れる限界と、外へ出られなくなる深さがほぼ同じです。
[災害] この記事の要点
2026年9月2日 発表
- 3日朝から4日に愛知県・岐阜県で車を運転する人
- 通勤・送迎の経路にアンダーパスや立体交差の下がある人
- 地面より低い駐車場や、川沿いの平場に車を置いている人
「非常に激しい雨」と書かれたのは岐阜だけ
岐阜地方気象台は2日16時42分、「岐阜県では、3日朝から4日にかけて雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう」と発表しました。名古屋地方気象台が同じ日の16時20分に出した愛知県の解説情報は「雷を伴った激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう」で、「非常に激しい雨」は入っていません。
同じ前線でも、県ごとに書き分けられています。三重県は「3日昼過ぎから4日にかけて、竜巻などの激しい突風や落雷、急な強い雨に注意」で大雨の表現がなく、静岡県は「4日は低い土地の浸水や河川の増水、土砂災害に注意・警戒」と、山場が1日うしろにずれています。
気象庁の「雨の強さと降り方」では、1時間に30ミリ以上50ミリ未満が「激しい雨」、50ミリ以上80ミリ未満が「非常に激しい雨」です。人の受けるイメージは「バケツをひっくり返したように降る」から「滝のように降る」に変わり、車に乗っているときの欄は「ハイドロプレーニング現象」から「車の運転は危険」という言い切りに変わります。
2日の夕方に発表された、雨の予想です。
| いつ | 愛知県(西部・東部) | 岐阜県(美濃・飛騨) |
|---|---|---|
| 3日の1時間降水量(多い所) | 40ミリ | 50ミリ |
| 2日18時〜3日18時の24時間 | 80ミリ | 80ミリ |
| 3日18時〜4日18時の24時間 | 120ミリ | 120ミリ |
| 4日18時〜5日18時の24時間 | 150ミリ | 150ミリ |
鉄道と高速道路の見通しは、台風24号と秋雨前線で交通機関に影響のおそれにまとめました。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/)を画面キャプチャ
アンダーパスの冠水は何センチから危ないのか
先に答えを書きます。車が動けなくなるのは水深60cm、人が水の中の階段を上がれなくなるのは水深30cmです。どちらも試験で測った値で、目の前の道路の底が何センチまで沈んでいるかは、入口に立っても見えません。
知恵袋に、こんな質問が残っています。「1週間ほど前、雨が降っている日に冠水しているアンダーパスを車で通ってしまいました。」低速で5秒ほど、距離は長くなかった、と本人が書いています。通ってしまってから、この人は水がどこまで入ったのかを調べ始めました。
手前から見たかぎり、そんなに深くなさそうだったんです。
「これくらいの深さなら行ける」と思うところです。JAF(ジャフ)の試験では、そうではありませんでした。
JAFが公開しているユーザーテストの結果です。冠水した路面を走らせると、セダンは水深60cmで走行できなくなり、31m進んだ地点でエンジンが止まりました。別のテストでは、同じ水深60cmで後輪が浮き上がり、水圧でドアが開かなくなっています。
走れなくなる深さと、ドアが開かなくなる深さがほぼ同じだということです。止まった瞬間から、閉じ込めが始まります。
窓を割って外へ出られたとしても、そこで終わりではありません。国土交通省の地下空間浸水対策ガイドライン技術資料には、水深20cmで階段を上がる速さが普段の33%まで落ち、水深30cmでは地下から地上への階段を上がれなくなる、という試験結果が載っています。地下街や地下室を想定した試験で、アンダーパスの階段そのものを測ったものではありませんが、人が動けなくなる深さは、車が止まる深さより浅いという関係は変わりません。
| 水の深さ | そこで起きること | 出どころ |
|---|---|---|
| 20cm | 階段を上がる速さが、普段の33%まで落ちる | 国土交通省 技術資料 |
| 30cm | 地下から地上への階段を上がれなくなる | 国土交通省 技術資料 |
| 60cm | セダンが走行できなくなる(31m地点でエンジン停止) | JAF ユーザーテスト |
| 60cm | 後輪が浮き、水圧でドアが開かなくなる | JAF ユーザーテスト |
雨の日の運転でやってはいけないことは、大雨のとき絶対にやってはいけない6つの行動にまとめています。

入口の水深と、いちばん深い所の水深は違う
手前に立って見えている水面は、その区間でいちばん浅い場所の水面です。深さは、入口からは測れません。
名古屋市は、名東区の上社駅西・国道302号アンダーパスについて、最大冠水深を約3.9mと公表しています。そのうえで「水深が15cm以上になると『通行止め』の表示に切り替わり、エアー遮断機が作動します」と書いています。
遮断機が下りていないなら、まだ通れるという意味ですよね。
「遮断機が下りていないなら通っていい」とは限りません。15cmは入口のセンサーが見ている深さで、いちばん深い所の深さではありません。
15cmで遮断機が作動する場所に、約3.9mまで溜まる余地がある。この2つの数字の開きが、そのまま「行けそうに見える」と「もう出られない」の距離です。国土交通省は、こうしたアンダーパスが2025年3月末時点で全国に約3,700か所あるとしています。
26年前の9月、名古屋では1時間に97.0ミリ降った
2000年9月11日から12日にかけての東海豪雨で、名古屋の日最大1時間降水量は97.0ミリ、最大24時間降水量は534.5ミリを記録しました。内閣府の記録には、一級河川の新川で堤防が決壊し、県内各河川の破堤は45か所に達した、と書かれています。
住まいの被害は、平成13年3月30日現在で床上浸水9,818棟、床下浸水21,852棟。26年前の、同じ9月の話です。
3日から4日の予想は、この規模ではありません。ただ、水が集まる低い場所は26年前と同じ場所にあります。自分の家と通勤路がどのあたりにあるかは、雨が降る前にしか落ち着いて確かめられません。
3日の朝までにやっておくこと
- 通勤・送迎の経路にアンダーパスや立体交差の下がないかを地図で見て、迂回路を1本決めておく
- 地面より低い駐車場、川沿いの平場に置いている車を高い場所へ動かす
- 脱出用のハンマーを、荷室ではなく運転席から手の届く場所へ移す
3つめの理由は、知恵袋のもう1つの質問に出てきます。「アンダーパス冠水でバッテリー停止、ドアロック窓ロック?で出れません~!? 水が入ってきます。」という質問への答えは、「窓ガラスを割って、そこから脱出するしかないのです。そのために先のとがった『トンカチ状のハンマー』を売っていますが、備え付けしている人は少ないでしょうね。」でした。ドアが開かなくなるのは水深60cmです。そのとき、荷室のハンマーを取りに行くことはできません。
迂回路は、雨が降ってから地図を見て決めるものではありません。前の晩に1本決めておくと、当日は判断そのものが要らなくなります。私は、冠水で怖いのは水の量より、その場で考えさせられることだと見ています。ワイパーが追いつかない前を見ながら、行くか戻るかを5秒で決めるのは無理です。
ここまでは「入る前」の話です。それでも車が水につかってしまったときは、水につかった車、エンジンをかけてもいいの?を先に読んでください。エンジンをかけないのが国土交通省の案内です。家に水が入った場合の証明の取り方は、床下浸水でもり災証明は出ますか?にあります。
生活・仕事にどう効くか
- 3日の運転:気象庁の「雨の強さと降り方」では、1時間30ミリ以上50ミリ未満が「激しい雨」、50ミリ以上80ミリ未満が「非常に激しい雨」。車に乗っているときの欄は、前者が「ハイドロプレーニング現象」、後者が「車の運転は危険」と言い切りに変わる。
- 冠水した道に入ったとき:JAF(ジャフ)のユーザーテストでは、セダンは水深60cmで走行できなくなり31m進んだ地点でエンジンが止まった。別のテストでは同じ水深60cmで後輪が浮き、水圧でドアが開かなくなった。走れなくなる深さと閉じ込めが始まる深さがほぼ同じになる。
- 車から出たあと:国土交通省の地下空間浸水対策ガイドライン技術資料では、水深20cmで階段を上がる速さが普段の33%に落ち、水深30cmで地下から地上への階段を上がれなくなるとされている。人が動けなくなる深さは、車が止まる深さより浅い。
結局どうすればよいか
- 通勤・送迎の経路にアンダーパスや立体交差の下がないかを地図で見て、迂回路を1本決めておく
- 地面より低い駐車場や川沿いの平場に置いている車を、3日の朝までに高い場所へ動かす
- 脱出用のハンマーを、荷室ではなく運転席から手の届く場所に移しておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 気象庁 防災情報XML「岐阜県気象解説情報(大雨・落雷・突風)」岐阜地方気象台 2日16時42分発表(2026年9月2日発表)
- 気象庁 防災情報XML「愛知県気象解説情報(大雨・落雷・突風)」名古屋地方気象台 2日16時20分発表(2026年9月2日発表)
- 気象庁「雨の強さと降り方」
- JAF(ジャフ)ユーザーテスト「冠水路の走行」
- JAF(ジャフ)ユーザーテスト「水没した車のドア」
- 国土交通省「地下空間における浸水対策ガイドライン」技術資料
- 国土交通省「道路の冠水対策」(2025年3月末時点)
- 名古屋市「大雨時、アンダーパスの通行にご注意ください」(名東区)
- 内閣府 防災情報のページ「平成12年 東海豪雨」
- Yahoo!知恵袋「冠水しているアンダーパスを車で通ってしまいました」(質問)
- Yahoo!知恵袋「アンダーパス冠水でバッテリー停止、ドアロック窓ロック?で出れません」(質問)
更新履歴
- 2026年9月2日 初版を公開(気象庁 9月2日16時20分・16時42分発表の県別気象解説情報にもとづく)
※本記事は2026年9月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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