🗨️「「運転技能検査が強化」って、うちの親も新しく対象になるの?」
対象になる条件(75歳以上・更新前3年以内に信号無視や速度超過など11種類の違反歴がある人)は変わりません。今回警察庁が公表したのは、検査の「難易度」を上げる見直しです。車庫入れを想定した「方向変換」を新しい課題に加え、左右の安全確認をしていないと10点減点、一時停止で停止線を大きく越えた場合の減点は20点から40点に引き上げます。7月の実証実験では合格率が81.6%まで下がりました(現行は93%)。ただしこれはまだ警察庁の有識者検討会がまとめた報告書の段階で、正式決定ではありません。道路交通法施行規則を改正し、2027年中の実施を目指す方針です。
[交通] この記事の要点
2026年9月3日 発表
- 2027年以降の免許更新時点で75歳以上になり、更新前3年以内に信号無視・速度超過など対象の違反歴がある人(対象の条件自体は今と変わらない)
- その親や家族の免許更新について相談されている人
- 運転技能検査の合格を前提に、更新後も車に乗り続けるつもりでいる人(今より合格しにくくなる)
この記事でわかること
- ✓ 対象の条件(75歳以上・過去3年間の違反歴11種類)は変わらない。変わるのは検査の中身
- ✓ 7月の実証実験で合格率は81.6%(現行は93%)。「方向変換」とペダル操作の確認が新しく加わる
- ✓ まだ警察庁の検討会報告書の段階。施行は道路交通法施行規則を改正して2027年中を目指す方針
運転技能検査の対象は拡大しない 変わるのは「基準」
「うちの親も急に対象になるかもしれない」と不安に思った方もいるかもしれませんが、対象が拡大するわけではありません。今回警察庁が公表したのは、検査を受ける人の範囲を広げる案ではなく、検査そのものを難しくする案です。
現行の制度を表にまとめます。ここは今回の見直しでも変わりません。
| 項目 | 現行の内容 |
|---|---|
| 対象 | 75歳以上で、更新前3年以内に信号無視・速度超過など11種類の違反歴がある人 |
| 検査内容 | 実際にコースを運転し、100点満点からの減点方式。普通免許は70点以上で合格(2025年の合格率93%、15万6,513人が受検) |
| 不合格の場合 | 運転技能検査に合格しないと免許を更新できない。ただし更新期間が満了するまでは何度でも受け直せる |
対象になる違反は「信号無視/通行区分違反/通行帯違反等/速度超過/横断等禁止違反/踏切不停止等・遮断踏切立入り/交差点右左折方法違反等/交差点安全進行義務違反等/横断歩行者等妨害等/安全運転義務違反/携帯電話使用等」の11項目です(警察庁公表)。ここに新しい違反が加わるという発表はありません。
じゃあ、うちの親がいきなり対象になることはないんですね。
今回の内容を見るかぎりは、そうです。対象の年齢や違反の種類は今のままで、これまで対象外だった人が急に対象になる話ではありません。
何が厳しくなるのか 合格率は93%→81.6%の見込み
変わるのは検査の課題と採点です。警察庁が9月3日に公表した内容は次の3つです。
- 車庫入れを想定した「方向変換」を新しい課題として追加し、アクセル・ブレーキの操作を確認する
- 交差点や一時停止のときに首を振って左右を確認していない場合、新たに10点を減点する
- 一時停止で停止線を大きく越えた場合の減点を、現行の20点から40点に引き上げる
効果は数字にも出ています。今年7月に行われた実証実験では、合格率が81.6%まで下がりました。現行制度の2025年実績は93%なので、同じ運転をしても10人に1人前後は今より落ちる計算になります。
「方向変換」って、具体的には何をするんですか。
ハンドルを切りながらバックしていったん停止し、逆方向にハンドルを切って発進する課題です。車庫入れ・車庫出しの動きそのものです。
これは決定? まだ警察庁の検討段階です
ここは誤解しやすいところなので、はっきり書きます。今回発表されたのは有識者検討会がまとめた報告書であって、制度改正そのものではありません。警察庁は道路交通法施行規則を改正したうえで、2027年中の実施を目指す方針を示している段階です。何年何月から始まるかは、まだ決まっていません。
見直しの背景には、6月に警察庁が公表した追跡調査があります。運転技能検査に合格した人がその後に事故を起こした割合は、検査の対象にならない同世代に比べて約2.8倍。75〜79歳に絞ると約4.5倍まで開いていました。検査に受かっても、その後の事故のリスクは下がっていなかった、ということです。
免許を返納したあと、住まいはどうなるか
この検査は「落ちたら即・免許取り消し」ではなく、更新のたびに何度でも受け直せる仕組みです。それでも、いずれ運転をやめる場面を考えておく人は増えています。ここは事実と選択肢だけを書きます。
車を手放して困るのは、多くの場合「駅までの距離」と「坂」です。当サイトの「住むならどこ」シリーズで各市の駅からの距離を調べたところ、たとえば札幌市は清田区・南区の住宅地の一部が駅まで3km以上離れています。こうしたエリアは、車があるうちは便利でも、運転をやめた瞬間に買い物や通院の手段が一気に減ります。
今の家に住み続ける場合の選択肢としては、宅配・移動販売の利用、コミュニティバスや乗合タクシーの経路確認、家族との同居や近居などがあります。駅の近くへの住み替えは選択肢の一つにすぎず、このサイトとして特定の行動をおすすめするものではありません。判断材料として、まず自分の家が「車が無いと何が困るか」を書き出しておくと、後で決めるときの負担が減ります。
実家を将来手放すことも考えたほうがいいんでしょうか。
今すぐ決める話ではありません。片付けや売却は、免許の話とは別に必要になったときに考えれば十分です。実家の片付けで何が売れるかは、別記事にまとめてあります。
まとめ
運転技能検査は「対象が拡大する」話ではなく、「基準が厳しくなる」話です。対象は今のまま75歳以上・過去3年の違反歴11種類のいずれかがある人で、変わるのは検査の課題と減点です。
まだ警察庁の検討会報告書の段階で、正式な施行は道路交通法施行規則の改正を経て2027年中を目指す方針です。うちの親が対象になるかどうかは、年齢と直近3年の違反歴で今すぐ確認できます。制度が変わるタイミングは、施行規則の改正案が出た時点であらためて確認してください。
生活・仕事にどう効くか
- 対象者の範囲:対象は今と同じ「75歳以上」かつ「更新前3年以内に信号無視や速度超過など11種類の違反歴がある人」。年齢が下がったり対象の違反が増えたりする発表ではない。
- 合格率:7月の実証実験で合格率は81.6%。2025年の実績93%(15万6,513人受検)から大きく下がる見込み。
- 新しい課題:車庫入れを想定した「方向変換」でアクセル・ブレーキ操作を確認。左右の安全確認ができていないと新たに10点減点。
- 減点の引き上げ:一時停止で停止線を大きく越えた場合の減点は現行20点から40点に。100点満点からの減点方式で、普通免許は70点以上が合格ライン。
結局どうすればよいか
- 自分や親が対象かどうかは、直近3年の違反歴と年齢で決まる。免許更新のはがきが届いたら、更新予定日の案内とあわせて確認する
- 今回の見直しはまだ報告書の段階。施行は2027年中を目指す方針なので、直近の更新には現行基準(70点以上・対象違反11種類)が適用される
- 検査は更新期間が満了するまでなら何度でも受け直せる。1回落ちても、その場で免許が失効するわけではない
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
公式出典
- 警察庁「運転技能検査について」(現行制度・対象となる違反行為)(2026年9月3日発表)
- TBS NEWS DIG「75歳以上の高齢ドライバー『運転技能検査』強化へ アクセル・ブレーキの確認項目を追加 一時停止も減点引き上げ 来年からの実施目指す 警察庁」(2026年9月3日発表)
- 日本経済新聞「75歳以上の運転免許更新、過去違反の実車試験に『方向変換』追加」(2026年9月3日発表)
- 時事通信「運転技能検査、内容見直し検討 対象高齢者の事故率2.8倍―追跡調査結果を公表・警察庁」(2026年6月25日発表)
- 埼玉県警察「運転技能検査について」(再受検・更新手続きの扱い)(2026年9月3日発表)
更新履歴
- 2026年9月3日 初版を公開
※本記事は2026年9月3日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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