🗨️「ひょうで屋根や車がへこんだら、火災保険で直せるの?」
家のほうは火災保険の「風災・雹災・雪災」で対象になります。ただし車のへこみは火災保険では出ません。過去の大きな降雹では、支払われた保険金の6割が自動車の車両保険でした。
[災害] この記事の要点
気象庁が2026年8月25日夜から26日朝にかけて、茨城・栃木・群馬・千葉・神奈川・山梨・福島・宮城・山形・秋田などに気象解説情報を発表。26日昼前から27日にかけて大気の状態が非常に不安定になり、落雷や竜巻などの激しい突風、降ひょうに注意するよう呼びかけている。
2026年8月26日 発表
- 屋根・カーポート・天窓・雨どいのある戸建てに住んでいる人
- 屋外の駐車場に車を置いている人
- ビニールハウス・看板・太陽光パネルを持っている人
この記事でわかること
- ひょうの被害で使えるのは火災保険と車両保険のどちらか、その分かれ目
- 過去の大きな降雹で、実際に何にいくら支払われたのか
- 請求できるのに気づかれないまま終わる、金額の「壁」の話
8月26日から27日にかけて、10を超える県に「降ひょう」の情報が出ています
気象庁は2026年8月25日の夜から26日の朝にかけて、各地の気象台から気象解説情報を出しました。前線が日本海から北日本・東日本を通って停滞し、上空の寒気と暖かく湿った空気が入るためです。文面に「降ひょう」がはっきり入っているのは、茨城・栃木・群馬・千葉・神奈川・山梨・福島・宮城・山形・秋田など。神奈川県の情報は「26日昼過ぎから27日にかけて、大気の状態が非常に不安定」と書いています。
ひょうって、たまに降っても数分で終わりますよね。そんなに気にすることですか?
それが、金額でみるとまったく小さくないんです。たった1日の降雹で、保険金が1,360億円支払われた例があります。数字を先に見てください。
1日のひょうで1,360億円。6割は家ではなく車でした
日本損害保険協会が全社を集計した調査に、2024年4月16日に兵庫県を中心に降ったひょうの記録が残っています。2025年3月末時点の数字です。
| 保険の種類 | 台数・件数 | 支払保険金 | 構成比 | 1件あたり |
|---|---|---|---|---|
| 車両保険(商品車を含む) | 102,937台 | 約835億円 | 61.4% | 約81万円 |
| 火災保険 | 46,418件 | 約519億円 | 38.2% | 約112万円 |
| 新種保険(傷害保険を含む) | 257件 | 約5.4億円 | 0.4% | — |
| 合計 | 149,612 | 約1,360億円 | 100% | — |
支払いの6割は自動車の車両保険で、家の火災保険は4割弱でした。ひょうは上から落ちてくるので、屋根と同じくらい、屋外に置いた車のボンネット・ルーフ・フロントガラスに当たります。台数が10万台を超えたのは、そのためです。
地域の偏り方も極端でした。
| 都道府県 | 台数・件数 | 支払保険金 | 全体に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 兵庫県 | 140,407 | 約1,279億円 | 94.1% |
| 滋賀県 | 6,632 | 約54億円 | 4.0% |
| 岡山県 | 910 | 約7.2億円 | 0.5% |
| 大阪府 | 177 | 約2.2億円 | 0.2% |
兵庫県だけで94%。ひょうは台風のように県をまたいで広く降るのではなく、細長い帯のような範囲に集中して落ちます。同じ市内でも、降った町と降らなかった町がはっきり分かれます。
家と車は、別々の保険に別々に請求します
ここが混ざりやすいところです。ひとつの空から降ってきた同じひょうでも、当たった先で扱う保険が変わります。
| 壊れたもの | 使う保険 | 補償の名前 |
|---|---|---|
| 屋根・外壁・雨どい・天窓・窓ガラス | 火災保険(建物) | 風災・雹災・雪災 |
| カーポート・物置・門・塀 | 火災保険(建物または付属建物) | 風災・雹災・雪災 |
| 割れた窓から入って濡れた家具・家電 | 火災保険(家財) | 風災・雹災・雪災 |
| 車のボンネット・ルーフ・ガラス | 自動車保険 | 車両保険 |
家財を対象にしていない契約なら、家具の被害は出ません。車両保険を付けていない契約なら、車のへこみは自費です。「ひょうは火災保険」とだけ覚えていると、金額の大きいほうを取りこぼします。私は、6割が車だったというあの数字が、その取りこぼしの大きさをそのまま表していると見ています。
金額の「壁」があるので、へこみ1か所で判断しない
火災保険の風災・雹災・雪災には、支払い方が2つの型に分かれています。契約時期や商品によってどちらかになっています。
- 損害額が20万円以上のときだけ、全額が支払われる型(20万円未満なら1円も出ない)
- あらかじめ決めた自己負担額を差し引いて支払われる型
前者の型だと、「雨どいが1本割れただけ」で終わらせると請求できません。屋根・雨どい・カーポート・物置・網戸を1件の損害としてまとめて見積もると20万円を超えることがあります。逆に、へこみを1か所ずつ別々に直すと、どれも壁を越えません。
屋根は自分で上って確かめたほうがいいですか?
上らないでください。ひょうのあとの屋根は濡れていて、傾斜も見た目より急です。地上から、2階の窓から、そして雨どいの受け皿にたまったひょうの粒。この3つを撮っておけば、あとの話は進みます。
降った直後にやることは3つだけ
- 片づける前に撮る。ひょうの粒が地面に残っているうちに、粒の大きさが分かるもの(500円玉・ペットボトルのふた)を並べて1枚撮る
- 家は火災保険の会社、車は自動車保険の会社。別々に電話する。同じ会社でも受付の窓口が違う
- 修理業者に先に契約しない。「保険が下りるから自己負担ゼロ」と言って回る業者が、大きな降雹のあとには必ず出る
生活・仕事にどう効くか
- 家の修理:屋根・カーポート・雨どい・窓ガラスの損害は、火災保険の風災・雹災・雪災補償の対象。2024年4月16日の降雹では火災保険1件あたり平均が約112万円だった。
- 車の修理:ボンネットやルーフのへこみは火災保険では出ず、自動車保険の車両保険を使う。同じ降雹での支払いは1台あたり平均約81万円。
- 請求のしかた:契約によっては損害額が20万円に届かないと1円も出ない型がある。片づける前の撮影と、複数箇所をまとめて見積もることが金額を左右する。
結局どうすればよいか
- 降った直後に、片づける前の状態をスマホで撮る(屋根は上らず、地上と窓からで足りる)
- 家は火災保険、車は車両保険と分けて、それぞれの保険会社へ連絡する
- 自分の契約が「20万円以上でないと出ない型」か「自己負担額を引く型」かを証券か約款で確認する
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くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
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公式出典
- 日本損害保険協会「兵庫県を中心とする令和6年4月16日の降雹による支払保険金(見込含む)年度末調査結果」(2025年3月末現在・全社集計)(2025年3月31日発表)
- 気象庁 気象解説情報(落雷・突風・降ひょう)/気象庁防災情報XML(エックスエムエル)配信(2026年8月26日発表)
更新履歴
- 2026年8月26日 初版を公開
※本記事は2026年8月26日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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