伊勢崎市で実際に売買された土地は、1区画350㎡でした。坪に直すと105.9坪、坪単価の中央値6.9万円と組み合わせた総額は概算735.0万円です。40坪や50坪の区画を前提に組んだ予算表は、この街ではそのまま当てはまりません。
国土交通省の不動産情報ライブラリに載っている伊勢崎市の土地の成約は200件(2024年第4四半期〜2025年第4四半期)。そのうち坪単価が極端な10件は集計から外しています。残った取引の坪単価は0.8万円から31.4万円まで開いていて、その真ん中が6.9万円という並びです。
町別に見ると、取引10件の連取町が坪14.9万円、取引11件の国定町が坪2.7万円。同じ広さの土地でも、町が変われば坪単価は5.5倍ちがいます。
先に結論
- 伊勢崎市の土地は1区画350㎡(105.9坪)。坪単価の中央値6.9万円と組み合わせた総額は概算735.0万円です
- この総額は別々に取った2つの中央値を掛けた概算で、実在する1件の値段ではありません
- 町別は連取町(10件)坪14.9万円、国定町(11件)坪2.7万円で5.5倍。町選びがそのまま総額に効きます
- 地価公示(住宅地29地点)は坪12.1万円。実際の成約はそれより42.8%低い水準です
- 中古戸建ては延床坪66.1万円、新築戸建ては78.7万円。土地の坪単価とは分母が違うので引き算できません
町別の坪単価は5.5倍。取引が5件以上あった12町
伊勢崎市で取引が3件以上あったのは28町ですが、ここでは取引が5件以上あった12町だけを抜粋しました。3件や4件の町は、1件の特殊な取引で中央値が動いてしまうからです。
伊勢崎市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引5件以上の12町を抜粋)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上と下で5.5倍です。28町の端どうし、連取元町の坪17.5万円と国定町の坪2.7万円で測ると6.5倍になりますが、連取元町は3件しかありません。1件の値段で跳ねる数字なので、この記事では件数10件と11件で測った5.5倍を採りました。
注記をひとつ。28町のなかには間野谷町の坪1.5万円(4件)、境下渕名の坪0.3万円(3件)という町もあります。市全体の中央値6.9万円の4分の1を下回る水準で、農地や山林、市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。「伊勢崎でいちばん安い町」として住宅用の予算に使える数字ではないので、上の12町から外しました。
窓口で「土地の予算は735万円ぐらいで」と伝えたとき、連取町の担当者と国定町の担当者では、出してくる区画の広さがまるで変わります。坪単価が5.5倍ちがうというのは、そういうことです。
1区画350㎡が中央値。総額735万円は「概算」です
伊勢崎市で成約した土地の面積の中央値は350㎡、坪に直すと105.9坪でした。坪単価の中央値6.9万円と組み合わせると、1区画あたりの総額は概算で735.0万円になります。
この735.0万円は、実在する1件の値段ではありません。坪単価の中央値と面積の中央値は別々に取った数字で、それを掛けた概算です。同じ105.9坪でも、連取町なら上に、国定町なら下に振れます。
それでも、この面積は予算の組み方を変えます。105.9坪あれば、駐車場と庭を取ったうえでまだ余ります。平屋も選べる広さです。都市部の40坪を前提にした間取りをそのまま持ち込むと、土地が余るか、余ったぶんの管理が後から効いてきます。予算は坪単価ではなく、区画の広さから逆算してください。
坪単価の幅も見ておきます。極端な10件を除いたあとでも、坪0.8万円から31.4万円まで開いていました。中央値の6.9万円は、この長い裾野の真ん中にある数字です。売り出し中の土地が坪20万円でも、それだけで「相場外れ」とは言えません。
地価公示は坪12.1万円、実際の成約は6.9万円
伊勢崎市の地価公示(住宅地29地点)の中央値は坪12.1万円です。実際に成約した土地の中央値6.9万円は、それより42.8%低い水準でした。
ここは読み違えやすいところです。公示価格は住宅地として選ばれた標準地の値段、成約価格は実際に売れた土地の値段で、母集団が違います。42.8%の差は「伊勢崎の土地が値下がりした」という意味ではありません。成約のほうには、住宅地として整った区画ではない土地も入っています。
実務上の使い道はこうです。ニュースで見た公示価格をそのまま105.9坪に当てはめると、予算を高いほうに見積もることになります。逆に、売り出し価格が公示に近い水準で出ていても、それは高すぎるという証拠にはなりません。二つは別の物差しです。
中古戸建て66.1万円・新築戸建て78.7万円は「延床坪」の値段
伊勢崎市の土地以外の成約も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 土地 | 6.9万円/坪(土地面積あたり) | 200件 |
| 中古戸建て | 66.1万円/坪(建物の延床あたり) | 90件 |
| 新築戸建て | 78.7万円/坪(建物の延床あたり) | 41件 |
| 賃貸 | 1,621円/㎡ | 20,210件 |
土地の6.9万円と戸建ての66.1万円は、割っている分母が違います。土地は成約総額を土地面積で割った値、戸建ては成約総額を建物の延床面積で割った値です。差額を「建物のぶん」と読むことはできません。
比べてよいのは、同じ延床坪で計算している中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。中古の中央値は66.1万円で、25%から75%の帯は43.9万円から81.7万円。新築は78.7万円で、帯は72.1万円から91.3万円でした。中古の上位帯は、新築の下位帯と重なっています。築年数が新しくて条件のよい中古は、新築の安いほうと同じ単価で取引されているということです。
賃貸は1㎡あたり1,621円、20,210件。土地を買う前に借りて地域を見る、という進め方を残すなら、家賃が10年でどう動いたかをまとめた記事も合わせてどうぞ。
もうひとつ、105.9坪の区画を扱うときに総額へ乗ってくるのが解体費です。古い家ごと安く買って建て替える、実家を片づけて売る。どちらの場面でも、建物を壊す費用は土地の値段とは別に発生します。伊勢崎の土地が坪6.9万円という水準だと、解体費が総額に占める割合は小さくありません。
工事費が分かると、古家付きで買う案と更地を買う案を総額で比べられます
私はこう見ています
伊勢崎市で予算を組むなら、地価公示ではなく成約の中央値から入るべきだと私は考えています。差が42.8%あるからです。29地点の標準地から出た坪12.1万円は、実際に売買が成立した水準からは離れていました。
くり返しますが、これは「公示価格が高すぎる」という話ではありません。標準地と実売買では母集団が違うので、そもそも一致しないほうが自然です。私が言いたいのは、どちらを予算表の出発点に置くかで、105.9坪という広い区画では金額のずれが積み上がるということです。
もう一点、正直に書いておきます。この記事の町別の数字は、いちばん件数の多い波志江町と国定町でも11件です。連取町は10件、東小保方町は5件。5.5倍という開きは、幅を持って読んでください。町のなかでどこを買うかで、この差は簡単に埋まります。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 区画の広さから逆算する。 伊勢崎市の中央値は350㎡(105.9坪)です。40坪を前提にした総額の感覚のままだと、土地の予算が足りなくなります。
2. 町を先に絞る。 連取町の坪14.9万円と国定町の坪2.7万円で5.5倍。同じ広さを買っても、支払う金額が変わります。
3. 建物を壊す費用まで含めて比べる。 中古戸建ては90件、新築戸建ては41件が成約しています。古家付きの土地・中古・新築を並べるなら、解体費と工事費を入れた総額で比べてください。
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地200件、中古戸建て90件、新築戸建て41件
- 土地の200件のうち、坪単価が極端な10件は集計から除いています。除外後の坪単価は0.8万円から31.4万円
- 坪単価の中央値と1区画の面積の中央値は、それぞれ独立に取った数字です。掛け合わせた総額735.0万円は概算で、実在する1件の成約価格ではありません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ(28町)。この記事では、そのうち取引5件以上の12町を抜粋して掲載しています
- 市の中央値の4分の1を下回る町(間野谷町・境下渕名)は、農地や山林、市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあるため、住宅地の比較からは外しました
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算や大小の比較はできません
- 地価公示:国土交通省の地価公示。伊勢崎市内の住宅地29地点の中央値。標準地と実際の成約は母集団が違うので、差を値上がり・値下がりとは読めません
- 賃貸:伊勢崎市の募集賃料20,210件の1㎡あたり中央値


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