議員が亡くなったり辞めたりすると、空いた席を埋めるために補欠選挙が行われます。補欠選挙で当選した人の任期は4年ではなく、前の議員の残りの期間だけです。決めているのは公職選挙法260条です。
開票のあとに「この人、何年議員をやるの?」と気になった人も多いはずです。答えは、次の改選までの残りの期間です。
2026年10月25日には、兵庫県議会議員の高砂市選挙区で補欠選挙がありました。結果は兵庫県議補選 高砂 結果にまとめています。
先に結論
- ✓ 補欠選挙で当選した議員の任期は、前の議員の残りの期間だけ
- ✓ 県議会は、同じ選挙区で2人欠けたら補欠選挙。定数1の選挙区は1人欠けたら行う
- ✓ 任期の終わる6か月前より後に欠けたときは、原則として補欠選挙をしない
- ✓ 知事や市長には補欠選挙がない。新しく選ばれた人の任期は選挙の日から4年
任期は「前任者の残任期間」
公職選挙法260条1項は、衆議院議員・参議院議員・地方議会の議員の補欠議員について、それぞれ前任者の残任期間在任すると定めています。地方自治法93条も、議員の任期は4年としたうえで、補欠議員の在任期間は公職選挙法260条によると書いています。
つまり、補欠選挙で当選しても4年まるごとは務められません。次の一般選挙(ふつうの改選)が近ければ、任期は数か月ということもあります。

高砂市の補選に当てはめると
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選挙の理由 | 現職の県議会議員が9月9日に亡くなったため |
| 選挙区の定数 | 1人 |
| 投票日 | 2026年10月25日 |
| 兵庫県議会議員の任期満了日 | 2027年(令和9年)4月29日 |
| 当選した人の任期 | 選挙の日から2027年4月29日まで(約半年) |
出典:兵庫県選挙管理委員会「令和8年執行兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙」「各種データ(任期満了日一覧)」、公職選挙法260条。半年後の一般選挙でもう一度選ばれないと、議員を続けられません。
読者
半年しかないなら、補欠選挙をしなくてもいいんじゃないの?
法律で線が引いてあるの。任期の終わる6か月前より後に欠けたときは補欠選挙をしないけれど、高砂市は9月9日に欠けたから、その線(10月末ごろ)より前だったのよ。定数1の選挙区だと、補選をしないと半年以上その地域の議員がいなくなってしまうからね。
補欠選挙が行われる条件
議員が1人欠けたら必ず補欠選挙、というわけではありません。何人欠けたら行うかは、議会の種類で違います(公職選挙法113条1項)。
| 議会 | 補欠選挙を行う条件 |
|---|---|
| 衆議院(小選挙区) | 1人欠けたとき |
| 都道府県議会 | 同じ選挙区で2人以上欠けたとき。定数1の選挙区は1人欠けたとき |
| 市町村議会 | 欠けた人数が定数の6分の1を超えたとき |
出典:公職選挙法113条1項(e-Gov法令検索で2026年10月25日に確認)。選挙の当選者に繰り上げできる人がいるときは、繰り上げが先です。条件に届かなくても、同じ自治体でほかの選挙(知事選・市長選など)があるときは、それと一緒に補欠選挙を行います(113条3項)。
補欠選挙が行われない場合
地方議会の補欠選挙は、行う理由ができた日から50日以内に行います(公職選挙法34条1項)。ただし、議員の任期が終わる前6か月以内に理由ができたときは行いません(34条2項)。残りが半年を切ったら、次の一般選挙まで空席のままになります。
例外は、議員の数が定数の3分の2に届かなくなったときです。議会がまともに開けなくなるので、残りが短くても選挙をします(34条2項ただし書き)。
知事・市長には補欠選挙がない
知事や市長が辞めたり亡くなったりしたときの選挙は、補欠選挙ではなく新しい選挙です。選ばれた人の任期は、選挙の日から4年まるごとです(地方自治法140条、公職選挙法259条)。ただし、辞職した本人がその選挙で当選したときは、元の任期の残りだけになります。くわしくは市長の任期 いつからにまとめています。
同じ25日には、任期満了に伴う福島県知事選挙もありました。結果は福島県知事選 結果にまとめています。無効票になる書き方は無効票になる書き方も参考にしてください。
出典
- 公職選挙法(e-Gov法令検索):34条・113条・259条・260条
- 地方自治法(e-Gov法令検索):93条・140条
- 兵庫県選挙管理委員会「令和8年執行兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙」
- 兵庫県選挙管理委員会「各種データ」(任期満了日一覧)
アイキャッチ写真の出典
兵庫県公館(旧兵庫県庁舎)。撮影 Kakidai/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0(ウィキメディア・コモンズ)。
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