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羽咋市で車が水没・30〜40人が孤立 レベル5解除は「もう安全」ではありません、余喜と邑知は避難指示のままです

🗨️「羽咋のレベル5が解除されたと聞いたけど、もう安全になったの?」

まだです。27日16時20分に切り替わったのは大雨の警報だけで、土砂災害の危険度はレベル4のまま。羽咋市の余喜地区と邑知地区には、朝4時40分に出た避難指示(レベル4)が今も残っています。

[災害] この記事の要点

何が起きたか

2026年8月27日未明から石川県能登地方と富山県西部で線状降水帯による記録的な大雨となり、羽咋市では道路の冠水、建物への浸水、車の水没が相次いだ。気象庁は27日6時20分に羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町・氷見市へレベル5大雨特別警報を発表し、16時20分にレベル3大雨警報へ切り替えた。羽咋市立開町では30〜40人が孤立し、消防がゴムボートで救助にあたった。石川県は16時7分、孤立した住民について安全が確認できており命に別条はないと説明している。

発表日・更新日

2026年8月27日 発表

影響を受ける人
  • 羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町・氷見市に住んでいる人
  • これから車で能登方面へ移動しようとしている人
  • 冠水した道路やアンダーパスを通る予定がある人
目次

この記事でわかること

  • 27日18時時点で、どの警報と避難情報が残っているのか
  • 羽咋にどれだけ降ったのか(アメダスの実測値で検算した結果)
  • 冠水した道路に車で入るとどうなるのか(水深別の限界値)

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先に結論。16時20分に解けたのは「大雨」だけです

気象庁は8月27日16時20分、石川県の羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町と、富山県氷見市に出していたレベル5大雨特別警報を、レベル3大雨警報に切り替えました。見出しだけ読むと、山を越えたように見えます。

ところが同じ16時20分の発表で、羽咋市の土砂災害の危険度はレベル4相当のまま据え置かれました。市が出している避難情報も、全部が下がったわけではありません。27日18時時点の状態を1つの表にします。

何について27日18時時点いつから
大雨(気象庁)レベル3大雨警報27日16時20分にレベル5から切替
土砂災害(気象庁)レベル4土砂災害危険警報継続(16時20分の発表で「16時から18時まで警戒レベル4相当」)
羽咋市 余喜地区・邑知地区避難指示(レベル4)/1,791世帯・4,215人27日4時40分から継続
羽咋市 全域高齢者等避難(レベル3)/8,559世帯・19,187人27日16時20分に緊急安全確保から引き下げ

朝6時20分に市内全域へ出ていた緊急安全確保(レベル5)は、16時20分にレベル3へ下がりました。それでも余喜と邑知の2地区だけは、朝4時40分に出た避難指示がそのまま残っています。この2地区に住んでいる人にとって、今日はまだ終わっていません。

読者

特別警報が解除されたのに、どうして土砂災害は下がらないんですか。

おかあさん

雨がやんでも、地面にしみこんだ水はすぐには抜けないからです。気象庁が大雨の警報を1段階下げた同じ時刻に、土砂の危険度は下げなかった。それが答えです。

i ここに書いた警報と避難情報は、2026年8月27日18時時点のものです。状況は変わるので、行動する前に必ず下の「確認先」で今の値を見てください。

羽咋市で車が水没 道路が広範囲に冠水しました

羽咋市では27日朝、道路の冠水と建物への浸水が相次ぎました。報道各社が現地から伝えているのは、次のような状態です。

  • 住宅地の道路が広い範囲で水につかった
  • 車体の半分ほどまで水につかった車、水没した車がある
  • アンダーパスで動けなくなった車がある
  • 床下浸水を含む建物への浸水が出ている

石川県によると、27日5時10分ごろ、羽咋市を流れる飯山川の飯山橋付近で川の水が堤防の高さを超えてあふれ、周辺の道路が冠水しました。国土交通省は石川県内で飯山川・菱根川・樋の川の3河川で氾濫が発生したとしています。県内では羽咋・志賀・宝達志水・金沢・七尾・中能登の6市町にある6河川で、堤防を越えて水があふれる「越水」が確認されました。

羽咋市三ツ屋町では、タンクから油が流れ出るおそれがあるとして消防が対応しています。

立開町で30〜40人が孤立 県は「命に別条はない」

羽咋郡市広域圏事務組合消防本部によると、27日8時40分現在、子浦川の左岸にある羽咋市立開町で30〜40人が冠水により孤立した状態になり、消防がゴムボートで救助にあたりました。同じ時点で、羽咋市と宝達志水町から寄せられた救助要請は計14件です。10時現在の消防の説明では、立開町の4人が救出されています。

孤立は羽咋市だけではありません。石川県のまとめによると、10時現在で県内の孤立者は160人以上。内訳は宝達志水町の4地区で130人、羽咋市で30〜40人です。志賀町上棚、宝達志水町所司原、中能登町でも孤立が起きました。

石川県は27日16時7分、羽咋市など3市町の一部地区で住民が孤立状態になったことを明らかにしたうえで、安全が確認できており、命に別条はないと説明しています。10時の時点では、志賀町で孤立した3世帯のうち1世帯と連絡が取れていない状態でした。

富山県は27日の時点で「人的被害の情報は入っていない」としたうえで、住宅から避難できないという通報が8件、車が浸水したという通報が4件あったと説明しています。

石川県内の浸水は、床上浸水が羽咋市と志賀町、床下浸水が羽咋市・志賀町・宝達志水町で確認されました。10時現在、緊急安全確保と避難指示の対象は11市町の17万9605世帯・39万7056人にのぼり、このうち避難指示は4市3町の5万5376世帯・13万1337人です。内閣府は27日、石川県の羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町と、富山県の高岡市・氷見市・小矢部市・射水市の計8市町に災害救助法を適用することを決めました。

i 人数は救助と確認が進むにつれて変わります。この記事に書いた人数は、それぞれ上に記した時刻に発表されたものです。死者や行方不明者の発表は、27日18時30分の時点で確認していません。

26日21時に降り始めて、11時間半で316ミリ降りました

どれくらいの降り方だったのかを、気象庁のアメダスの10分ごとの値から自分で積み上げました。

羽咋(アメダス)
雨が降り始めた時刻26日21時10分
26日20時30分〜27日8時30分の12時間316.0mm
27日0時〜18時の積算299.5mm
最大1時間降水量82.0mm(27日6時30分まで)
最大6時間降水量237.5mm(27日8時まで)

報道されている「12時間で316.0ミリ、観測史上1位を大幅に更新」という数字と、私の計算は一致しました。そのうえで1つ足せることがあります。この316ミリは、26日21時10分に降り始めた雨が11時間半で積み上がった量です。前の日の夜まで、羽咋の雨量計はゼロを指していました。

読者

ニュースは「1時間に約100ミリ」と言っていましたが、82.0ミリとは違うんですか。

おかあさん

どちらも本当です。約100ミリはレーダーで解析した雨量で、羽咋市付近のいちばん降ったところの値。82.0ミリは羽咋の雨量計が実際に測った値です。測っている場所が違うだけで、矛盾していません。

気象庁は27日5時48分に、気象防災速報(記録的短時間大雨)を発表しています。羽咋市付近で5時20分までの1時間に約100ミリ、志賀町付近で5時30分までの1時間に約100ミリ。この2つが出た約30分後に、レベル5大雨特別警報が発表されました。

「氾濫」は起きています。「決壊」は発表されていません

災害のニュースでは、似た言葉が同じ画面に並びます。ここを分けておくと、自分の家が危ないのかどうかを判断しやすくなります。

  • 越水(えっすい)=堤防を越えて水があふれること。堤防そのものは残っている
  • 氾濫=川の水が堤防の外に出ている状態。越水でも氾濫と呼ぶ
  • 決壊=堤防が壊れて水が流れ出ること。あふれるより勢いが強く、水位が下がりにくい

今回、羽咋市について公的機関が発表しているのは越水と氾濫です。飯山橋付近で水が堤防の高さを超えた、と石川県が説明しています。テレビ朝日系は27日17時34分に飯山川沿いの崩落を報じていますが、決壊の発表は、この記事を書いている時点では確認できていません。

i 確認できていないことは書きません。決壊があったかどうかは、石川県か国土交通省の発表で確かめてください。

冠水した道路に、車で入らないでください

今回いちばん多く報じられている被害は、車です。ここは数字がはっきりしています。

水深起きること
30cm地下から地上への階段を上がれない。地下のドアが開かない
60cmセダンが走れなくなる(31m地点でエンジンが停止)。後輪が浮いてドアが開かない
70cm平らな道でも歩けなくなる

60cmという水深に、2つのことが同時に書いてあります。車が走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じです。止まった瞬間に閉じ込めが始まる、ということになります。日本自動車連盟(JAF・ジャフ)のユーザーテストと、国土交通省の地下空間浸水対策ガイドライン技術資料の値です。テスト条件下の数字なので、60cmまでなら走れるという意味ではありません。

「車なら通れる」という判断が危ないのは、水深が見えないからです。冠水した道路は水が濁っていて、深さも、その下に穴が開いているかどうかも分かりません。アンダーパスは周りより低いので、手前の道路が乾いて見えても、そこだけ水がたまります。国土交通省によると、道路が下を通る立体交差はいまも全国に約3,700か所あります。

2019年の台風19号を分析した研究では、亡くなった88人のうち58%が屋外で被災し、そのうち54%が自動車で移動している最中でした。避難の途中ではなく、いつも通りの移動です。冠水したあとに無理に避難所へ向かうと、この54%と同じ状況に入ります。

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逃げ場がないときに、その場でできること

レベル5は「避難所へ急いでください」という意味ではありません。気象庁は特設ページで、こう書いています。

指定された避難場所へ向かうことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上層階に避難するなど、自らの判断でその時点で最善の安全確保行動を

すでに周りが冠水しているなら、外に出ることのほうが危険になります。その場で選べるのは、この4つです。

  • 建物の2階以上へ上がる
  • 崖や斜面と反対側の部屋へ移る
  • 川や水路から離れた部屋へ移る
  • 近くに頑丈な建物があるなら、その上の階へ移らせてもらう

私は、16時20分の切り替えを「危険が去った合図」ではなく、「雨の降り方がこれ以上強まらない見込みになった合図」だと読んでいます。地面と川の水は、雨が弱まってから遅れて動きます。気象庁が大雨を1段階下げた同じ時刻に土砂の危険度を下げなかったのは、その遅れを見ているからだと考えます。

今夜、また降ります

27日夕方の時点で、秋雨前線は北陸から関東付近に停滞する予想です。新潟地方気象台は、北陸地方では28日昼前にかけて土砂災害に厳重に警戒し、28日朝にかけて低い土地の浸水と川の増水・氾濫に警戒するよう呼びかけています。

予想降水量石川県富山県
1時間50mm60mm
27日18時〜28日18時の24時間150mm180mm

今朝の羽咋は、11時間半で316ミリでした。予想されている24時間150ミリは、それより少ない量です。ただしすでに水を含んだ地面と、水位が下がりきっていない川に、その雨が足されます。同じ雨量でも、今日の朝と今夜とでは意味が違います。

読者

そろそろ片づけを始めても大丈夫でしょうか。

おかあさん

余喜と邑知の2地区は避難指示が続いています。まず自分の地区の避難情報を見てからにしてください。土砂災害の危険度も、まだレベル4のままです。

最新の情報は、この4つで確かめられます

羽咋の平野がなぜここまで水に弱いのかは、羽咋市はなぜ水につかりやすいのかで地形と排水のしくみから書いています。今回の特別警報そのものの経緯は能登にまた大雨特別警報、避難情報の読み方は避難勧告っていつ出るの?にあります。

生活・仕事にどう効くか

  • 車で出かける前に:水深60cmでセダンは走れなくなり、同じ水深で後輪が浮いてドアが開かなくなる。止まった瞬間に閉じ込めが始まる。
  • 自分の地区を確かめる:羽咋市は全域が高齢者等避難(レベル3)に下がったが、余喜地区と邑知地区の1,791世帯・4,215人には避難指示(レベル4)が残っている。
  • 今夜からの雨に備える:27日18時から28日18時までの24時間予想降水量は石川県150mm、富山県180mm。水を含んだ地面と、下がりきっていない川に、その雨が足される。

結局どうすればよいか

  • 自分の住んでいる地区にいまどの避難情報が出ているかを、羽咋市の防災ページで確かめる
  • 冠水している道路とアンダーパスには車で入らず、迂回するか動かない
  • すでに周りが冠水しているなら、外に出ずに建物の2階以上か、崖と反対側の部屋へ移る

公式出典

更新履歴

  • 2026年8月27日 27日18時30分時点の警報・避難情報・救助状況で初版を公開

※本記事は2026年8月27日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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