「やさしい文章で」「前と同じ雰囲気で」と頼んでも、ChatGPTの文章が毎回少しずつ変わることがあります。原因は、やさしい、自然、プロらしいといった言葉の基準が人によって違うからです。
抽象的な好みを長く説明するより、完成例を一つ渡し、どこを参考にするかを指定すると修正回数を減らせます。
先に結論
- 完成例をそのままコピーさせず、文体・構成・表記ルールを抽出させる
- お手本の事実と、新しく書く内容の事実を混ぜない
- 完成後は「似ているか」ではなく、決めた評価基準で差分を見る
お手本は「答え」ではなく「基準表」
完成例を渡して「同じように書いて」だけでは、固有名詞や古い数字まで混ざることがあります。最初にお手本の役割を限定します。
- 文体:敬語の強さ、一文の長さ、読者との距離
- 構成:どの順で説明するか、見出しの役割
- 表記:数字、記号、商品名、日付の書き方
- 禁止:真似してはいけない固有表現や事実
この四つを言葉にすると、別の題材でも同じ型を使えます。

手順1 完成例は一つか二つに絞る
参考資料を十本入れると、丁寧な文とくだけた文が混ざり、基準がぼやけます。まずは「これに近づけたい」と判断できる完成例を一つ選びます。
例が二つあるなら、Aは構成、Bは言葉づかいの参考と役割を分けます。
手順2 先に特徴を抽出させる
いきなり新しい文章を書かせず、お手本の特徴を表へします。抽出結果を見れば、ChatGPTがどこを基準として読んだか確認できます。
お手本を分析するプロンプト
添付した完成例を、内容ではなく書き方の見本として分析してください。
読者/冒頭の役割/見出しの順番/一文の長さ/敬語の強さ/よく使う接続/避けている表現、の順で表にしてください。
固有名詞と数字は、新しい文章へ引き継がない項目として別にしてください。
抽出表が自分の感覚と違えば、その時点で直します。「やさしい」を「専門語の直後に一言で説明する」のように、確認できる表現へ変えます。
手順3 新しい材料と変えない条件を渡す
お手本から引き継ぐのは書き方です。新しい文章の名前、数字、事実、結論は、新しい材料から作ります。

新しい文章を作るプロンプト
先ほど抽出した「書き方の基準」を使い、次の材料から【用途】の文章を作ってください。
新しい材料:【ここへ貼る】
読者:【誰が読むか】
長さ:【文字数または読む時間】
完成例の固有名詞、数字、出来事は使わず、新しい材料にない内容は追加しないでください。
手順4 差分表を作ってから直す
完成後に「もっと似せて」ではなく、基準ごとの差を出します。
差分を確認するプロンプト
作成した文章を、お手本から抽出した基準と比較してください。
基準/お手本の特徴/作成文の状態/直す必要の有無、の4列で表にしてください。
事実の正しさは別項目とし、新しい材料と一致するか確認してください。

仕事別のお手本の使い方
メール
過去に承認されたメールを一つ使い、件名、冒頭、依頼内容、締めの順番を抽出します。宛先名、日付、金額は新しい材料だけを使わせます。
報告書
前月の報告書から、結論を置く位置、表の列、課題の書き方を抽出します。前月の数字や原因は引き継ぎません。
ブログ記事
読みやすかった自分の記事から、リード文の長さ、見出しの役割、例の置き方を抽出します。文章そのものを言い換えて再利用するのではなく、新しい調査材料で書きます。
商品説明
ブランドの表記と説明の順番をそろえる用途に向きます。ただし、別商品の特徴や効能が混ざっていないかを確認します。
失敗しやすい渡し方
- お手本を五本以上入れ、どれを優先するか書かない
- 「同じ文章にして」とだけ頼む
- 古い完成例の数字をそのまま残す
- 書き方と事実確認を一度に済ませる
- 著作権や秘密保持を確認せず、他社の文章を丸ごと入れる
他人の文章を参考にする場合は、表現のコピーではなく、見出しの役割や説明順の分析にとどめます。社外秘や個人情報を含む完成例は入れません。
例がない仕事ではどうするか
まだ完成例がなければ、ChatGPTに三案を作らせ、人が一案を選びます。その案を直して承認版にし、次回からお手本として使います。
最初のお手本を作るプロンプト
同じ材料から、A:簡潔、B:親しみやすい、C:説明を厚く、の3案を作ってください。
事実と見出し順は変えず、文体だけを変えてください。
各案の違いも表にしてください。
よくある質問
お手本はプロジェクトへ入れた方がよいですか
同じ案件で繰り返し使うなら、承認済みの完成例と案件ルールをプロジェクトへ置くと再利用しやすくなります。基礎はChatGPTのプロジェクト機能の使い方で確認できます。
文体だけ合わせたいのに内容まで似ます
「固有名詞・数字・結論は引き継がない」と書き、先に文体の特徴だけを抽出します。生成後は新しい材料との一致を別に確認します。
完成例と同じ長さになりません
文字数だけでなく、見出し数、段落数、一文の目安を抽出してください。長さの違いを修正箇所として指定できます。
参考にした公式情報
この記事は2026年8月23日にOpenAI Docs「Prompting」を確認しました。公式ドキュメントは、結果に影響する材料を渡し、用途と出力形式を伝え、初稿を見て具体的に直す流れを案内しています。
まとめ
お手本は、文章をコピーするためではなく、自分の「ちょうどいい」を確認できる言葉へ変えるために使います。書き方の基準と新しい事実を分け、差分表で直せば、毎回の出力をそろえやすくなります。
基本の指示を組み立てる順番はChatGPTのプロンプトの書き方【中級編】で説明しています。
基礎から確認したい方へ


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