🗨️「日経平均が7万円なのに、景気がいい実感がないのはなぜ?」
株価の上げは、一部の株と株を持つ家計に偏っています。家計の株・投資信託は3カ月で88.9兆円増えましたが、96%は値上がり分で、株や投資信託を持たない家計には入っていません。10月5日の上げ幅1,637円も、74%はアドバンテストなど5社の株によるものでした。
[経済] この記事の要点
2026年10月5日 発表
- NISA(ニーサ)や投資信託で日経平均の値動きを見ている人
- 株高のニュースと暮らしの実感の差が気になる人
一時7万円台、終値は届かず
10月5日の日経平均株価は、前週末比804円高の6万9,113円で始まりました。買いは止まらず、10時44分に7万72円13銭。7万円台は、取引時間中では7月6日以来、約3カ月ぶりです。
ただし、7万円台で終わったわけではありません。終値は6万9,946円86銭で、前週末比1,637円40銭高(2.40%高)。7万円には53円届きませんでした。
きっかけは米国です。2日発表の9月の米雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回り、早期の追加利上げ観測が後退しました。主要7カ国(G7)が石油備蓄の放出を決め、ニューヨークの原油先物が下がったことも追い風になったと日本経済新聞は伝えています。

上げ幅の大半は5社の株
日経平均は225社の株価から計算しますが、1株の値段が高い「値がさ株」の動きほど大きく効きます。5日にいちばん押し上げたのはアドバンテストで360円、次が東京エレクトロンの336円でした。
ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、TDK(ティーディーケイ)まで足すと、5社で1,210円。上げ幅1,637円の74%を、5社だけで押し上げた計算です。

東証プライム全体では、値上がり860銘柄に対して値下がりが633銘柄。上がった株は55.6%で、4割の株は下がっていました。東証プライムの全銘柄を対象にするTOPIX(トピックス、東証株価指数)は1.33%高で、日経平均の2.40%高の半分強にとどまっています。
日経平均が2.4%上がった日に、自分の株が下がることもあるんですか?
あります。5日は東証プライムの633銘柄が下がっています。日経平均は「日本の株全部の平均」ではありません。
AI・半導体株が指数を持ち上げる形は、9月24日に一時1,230円高になった日も同じでした(日経平均が一時急上昇 AI・半導体株が主導)。
給料は物価を上回り始めた
日経平均が初めて7万円を超えた6月16日、熊本市の街頭で地元テレビ局のKAB(熊本朝日放送)に聞かれた人は、こう答えています。
「どうですかね、あんまり(好景気の)実感ないですね」
同じ取材では「入ってくるお金は、そんなに変わらないけど、出ていくお金が多い」という声もありました。ただ、給料の数字は今年に入って変わりました。厚生労働省の毎月勤労統計(7月速報)では、物価の上昇分(持家の帰属家賃を除く)を差し引いた実質賃金が前年同月比2.4%増。1月から7カ月続けてプラスです。
2022年から2025年までは、実質賃金は4年続けて年間でマイナスでした。今は、その目減りのあとで、ようやく前の年を上回り始めた段階です。
実質賃金の2種類の計算方法は、実質賃金 7月/持家の家賃を除くと2.4%増で詳しく書いています。
家計の株は3カ月で89兆円増
給料とは別に、「株や投資信託を持っているかどうか」でも差がついています。日銀の資金循環統計では、家計の金融資産は6月末に2,519兆円で過去最大になりました。3月末から3カ月で112.8兆円増え、そのうち株式等・投資信託が88.9兆円です。
第一生命経済研究所の集計では、88.9兆円のうち家計が新しくお金を入れて買った分は3.7兆円。残りの約85兆円は、6月にかけての株高による値上がりでした。

値上がり分は、持っている人の口座にしか入りません。NISA(ニーサ、少額投資非課税制度)の口座数は6月末で3,048万口座(金融庁)。昨年末から8%増えました。家計の金融資産も、44.9%は現金・預金のままです。
NISAで投資信託を積み立てていれば、7万円の恩恵はあるんですか?
何に連動する投資信託かで変わります。日経平均に連動するものは5日の上げに近く動きますが、TOPIX連動や全世界株は別の値動きです。
使う年が決まっているお金の置き場所を考えるなら
教育費のように使う年が決まっているお金は、株価が大きく下げた月にも必要になります。預金とNISAの分け方を、家計の数字から考えるための本です。
タイトルどおり、NISA・保険・助成金を子どもにかかるお金の流れの中でまとめた本です。使う年が決まっている教育費を、株価で動くものに置いてよいかを考える下地になります。
書き込みながら自分の家の数字を出す形式です。教育費を引き出す月に株価が大きく下がっていても足りるかを、手元の数字で確かめられます。
共働き世帯の貯め方と使い方の配分が中心です。株高のニュースを見て積み立てを増やすか迷ったとき、先に家計全体の配分を決めておくのに向きます。
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最高値からの下落率
7万円は初めての数字ではありません。日経平均は6月16日に取引時間中で初めて7万円を超え、6月25日に終値の最高値7万2,366円を付けました。
| 日付 | 日経平均 | できごと |
|---|---|---|
| 6月16日 | 7万20円(高値) | 取引時間中で初めて7万円台 |
| 6月25日 | 7万2,366円(終値) | 終値の最高値 |
| 7月29日 | 6万1,434円(終値) | 最高値から15.1%安 |
| 10月5日 | 6万9,947円(終値) | 高値7万72円。約3カ月ぶりの7万円台 |
そこから1カ月で下げ、7月29日の終値は6万1,434円。最高値から15.1%下がっています。6月25日の終値の水準で日経平均に連動する商品を買った人は、7月29日には約15%の含み損を抱えた計算です(手数料・分配金は含めない)。5日の終値は、最高値までまだ2,419円あります。
検索窓には「NISA 高値掴み」という言葉も出てきます。ここで言えるのは過去の値動きだけで、この先の上げ下げは分かりません。使う時期が決まっている教育費や住宅の頭金を株や投資信託に置くなら、使う月にこの幅で下がっている可能性がある、という数字として見てください。
株高と住まいの値段の関係は、8月の記事にまとめています。
この記事は市場の動きと家計の数字を整理したもので、特定の銘柄や商品の売買を勧めるものではありません。
生活・仕事にどう効くか
- 指数:5日の終値は6万9,946円86銭。7万円台は取引時間中だけで、終値の最高値7万2,366円まで2,419円ある。
- 持ち株:東証プライムの4割(633銘柄)は値下がり。日経平均と自分の持ち株は別に動く。
- 家計:家計の株・投資信託の増加88.9兆円のうち、新しく買った分は3.7兆円。株や投資信託を持っていない家計には、この値上がり分(約85兆円)は入っていない。
結局どうすればよいか
- ニュースの「7万円台」は、取引時間中の高値か終値かを分けて見る
- 持っている投資信託が日経平均・TOPIX(トピックス)・全世界株のどれに連動するかを確認する
- 使う時期が決まっているお金は、7月のような15%の下げが来ても足りるかで置き場所を考える
公式出典
- 日本経済新聞「日経平均株価、一時7万円台回復 米追加利上げ観測が後退」(2026年10月5日発表)
- 株探「日経平均5日大引け=反発、1637円高の6万9946円」(2026年10月5日発表)
- Yahoo!ファイナンス 日経平均株価 時系列(2026年10月5日発表)
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026年7月分結果速報」(2026年9月8日発表)
- 第一生命経済研究所「資金循環統計(2026年4-6月期)」(2026年9月17日発表)
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(2026年6月末時点)」(2026年10月2日発表)
- KAB熊本朝日放送「日経平均株価7万円台に 好景気?実感は…地方経済への影響は」(2026年6月16日発表)
更新履歴
- 2026年10月5日 大引け後の確定値で初版を公開
※本記事は2026年10月5日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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