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大牟田 冠水 どこが危ないの?

福岡県大牟田市(おおむたし)で、市が議会で道路冠水の場所として何度も名前を挙げてきたのは、新開町と、有明海沿岸道路の健老(けんろう)インターチェンジ付近です。新開町について市は2020年9月の議会で「大雨が満潮と重なった場合などは、長時間の道路冠水が発生しておりました」と答えています。

2020年7月の豪雨では、新開町の道路で深いところ1.2メートルの冠水を市が確かめました。それまでは雨量や潮位によって、深いところで40センチ、引くまで2時間ほどかかることもありました。

この記事でわかること

  • ✓ 大雨のときは、市の「防災リアルタイム情報」で被害の場所と画像、カメラ画像が見られます
  • ✓ 新開町の道や健老インター付近の市道は、国の「道路冠水注意箇所」に入っていません
  • ✓ 健老町地区の道路冠水は、2025年8月の大雨で「解消が確認」されたと市が答えています(2026年6月の議会)
目次

雨の日に「今どこが浸かっているか」を見るところ

  • 市の「防災リアルタイム情報」:市は「災害時に避難情報、市内の被害状況の位置や画像」などを確認できると説明しています。河川の水位とカメラ画像も出ます
  • 市の公式X(旧ツイッター)「大牟田市公式」:市の一覧では「災害関連等緊急情報を発信」するアカウントです
  • 市のメール「愛情ねっと」:防災情報などを登録したメールに届けます
  • 気象庁の「潮位表(大牟田)」:日ごとの満潮の時刻が出ています

市は2024年3月の議会で、3つの川と汐屋町・新開町の道路、アンダーパスなどに計11台のカメラを置き、国や県のものと合わせた39台を常時監視していると答えています。

国の一覧は3か所、2つは線路や陸橋の下をくぐる道

国土交通省 九州地方整備局の「道路冠水注意箇所」は、福岡県で147か所。そのうち大牟田市は3か所です(当サイトで数えた)。一覧に載っていない道が冠水しないわけではありません。

A は明治町三丁目の長溝線アンダーパスで、JR鹿児島本線と西鉄天神大牟田線の下をくぐる区間です。B は北磯町の北磯陸橋下で、どちらも市道。C は国の福岡国道事務所が管理する国道208号の八江町です。

大牟田市の道路冠水注意箇所(A〜C)と、市の答弁・資料に出てくる町(1〜7)の地図
A〜Cは国の冠水注意箇所を当サイトが地図に合わせた点。1〜7は市の答弁・資料に出てくる町の代表点に当サイトが置いた点で、冠水した地点そのものではありません

地図の記号と同じ順です

A 長溝線(ながみぞせん)アンダーパス

市道 通町1丁目健老町線(とおりちょう1ちょうめけんろうまちせん)

大牟田市明治町三丁目64-4(説明表の住所)。番地の代表点の標高は3.8メートル

管理: 大牟田市 / 警察: 大牟田警察署 / 消防: 大牟田市消防本部

※ ピンは道路地図(OpenStreetMap〈オープンストリートマップ〉)で、この道がJR鹿児島本線と西鉄天神大牟田線の下をくぐる区間の中ほど

A をGoogleマップで開く

B 北磯(きたいそ)陸橋下

市道 唐船松原町線(とうせんまつばらまちせん)

大牟田市北磯町304(説明表の住所)。北磯町の町の代表点の標高は4.8メートル

管理: 大牟田市 / 警察: 大牟田警察署 / 消防: 大牟田市消防署(説明表の表記)

※ ピンは説明表の位置図とOpenStreetMapから当サイトが合わせた点。304番地は国土地理院の住所検索で番地まで一致しませんでした

B をGoogleマップで開く

C 国道208号(八江町)

国道208号 説明表の備考欄はCCTV(シーシーティーブイ=監視カメラ)

大牟田市八江町(説明表の番地の欄は空)。八江町の町の代表点の標高は3.7メートル

管理: 福岡国道事務所 久留米維持出張所瀬高庁舎 / 警察: 大牟田警察署 / 消防: 大牟田市消防本部

※ ピンは説明表の写真に写る県道789号との交差点(OpenStreetMapで位置を合わせた)。位置図の赤い範囲はその北側にも広がっています

C をGoogleマップで開く

市の排水対策基本計画(2023年3月)には「長溝アンダーパスのポンプの更新」(車両の水没防止)が載っています。A と名前はほぼ同じですが、同じ施設だと書いた資料は見つけていません。令和7年度末時点の着手状況の図では、着手を示す色は付いていませんでした(図から読み取った)。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

緊急脱出用ハンマー シートベルトカッター付(JIS規格適合品)

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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新開町と健老インター付近、市の説明は「大雨と満潮が重なった場合」

2017年3月、市は「市道新開町1号線の健老インターチェンジ付近は、梅雨時期等の大雨と満潮が重なった場合、道路が冠水し、年に一、二回程度、一時通行どめが発生」と答えました。通行止めになると有明海沿岸道路も一部規制されるため、国と警察からも改善の検討を求められていたとしています。

新開町は雨水を「自然流下のみで大牟田川へ排水していることから」冠水が長引いたとして、市は2013年度から排水ポンプや暗渠・側溝の増設を進めてきたと2020年9月に答えています。2020年7月の豪雨では国土交通省の排水ポンプ車を呼んで水を出し、引ききったのは7月8日の深夜でした。

2021年8月の大雨でも、健老町交差点から大牟田エコタウンへ向かう新開町1号線、大牟田川沿いの北磯町新開町線、新開クリーンセンターの西側の道の一部が冠水し、「頻繁に通行止め」になったと市は答えています(2021年9月の議会)。

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読者

満潮の時刻は、どこで分かりますか?

おかあさん

気象庁の潮位表(大牟田)です。大雨の予報が満潮と重なる日は、この一帯を通る予定を見直す目安になります。

2022年の台風4号では、市内8か所で冠水などによる通行止め

2022年7月上旬の台風4号で、市内は床上浸水14件・床下浸水53件。市は「健老町や新開町などの市内8か所での道路冠水等による通行止め」があったと答えました。8か所すべての場所は答弁に出てきません。別の答弁では「市内各所で冠水が発生」とも述べています。

2023年7月1日には、「時間80ミリの降雨が三池港の満潮時と重なり、市内の一部で道路冠水等の被害」が出たと市は答えています(どの雨量計の値かは答弁に書かれていません)。

市の計画は「大雨時に道路冠水を頻繁に引き起こす新開町や山下町など」を、局所的な対策が必要な場所としています。2025年12月の議会では、四山町の物流センターで「団地内の一部箇所で一時的に冠水」が起きていることを、市も大雨のときに現地で確かめたと答えました。

No. 町(代表点) 出てくる資料 地図
1 新開町 2020年7月・2021年8月・2022年7月の大雨についての答弁、市の排水対策基本計画 地図で開く
2 健老町(健老インター付近) 2017年3月の答弁、2021年8月・2022年7月・2025年8月の大雨についての答弁 地図で開く
3 山下町 市の排水対策基本計画(「道路冠水を頻繁に引き起こす」場所の例) 地図で開く
4 旭町 2020年7月の豪雨(検証報告書の「国道208号線(旭町)冠水」の写真) 地図で開く
5 三川町 2020年7月の豪雨(「国道389号線(三川地区)冠水」の写真。資料の表記は三川地区) 地図で開く
6 七浦町 2021年12月の答弁(浸水被害が見られ、冠水監視カメラを置く予定とされた道路の例) 地図で開く
7 四山町 2025年12月の答弁(物流センターの団地内で一時的に冠水) 地図で開く
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1〜7は町の代表点に当サイトが置いた点で、冠水した地点そのものではありません。答弁と計画は例を挙げたもので、市内で冠水する場所の全部ではありません。

2020年7月の豪雨では、国道208号の旭町や三川地区も冠水

2020年7月6日16時30分、大牟田市に大雨特別警報が出ました。アメダス大牟田(萩尾町付近)の6日の雨量は388.5ミリで、当時の7月の平年値(373.5ミリ)を超えました(市の計画)。市の資料が代表として示した雨量計の1時間最大は、74〜105ミリと場所で違います。

2020年7月の豪雨で大牟田市内の雨量計が記録した1時間最大雨量
市の資料が代表として示した5か所。歴木(くぬぎ)中学校105ミリ、アメダス大牟田74ミリ。田隈(たくま)は国の雨量計

市の検証報告書には「国道208号線(旭町)冠水」「国道389号線(三川地区)冠水」の写真が載っています。旭町について市の計画は、上流であふれた水が「東泉橋踏切跡から鉄道敷跡を伝って国道208号へ流下し浸水が大きくなる傾向」があるとしています。

浸水は、下水や水路で雨を流しきれない内水と、川からあふれた水の両方で起きたと検証報告書は整理しています。市の計画によると市全体で床上浸水1,266戸・床下浸水1,054戸、亡くなった人は2人。検証報告書では土砂災害による全壊も11棟です(2020年11月10日時点)。家が洪水や土砂災害の区域に入っているかは、住所から調べられます。

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排水対策は74事業のうち28事業が完成(2026年3月時点)

2023年3月の市の排水対策基本計画は、20年間で約330億円を見込み、令和2年7月豪雨のような雨でも「まずは、床上浸水被害を半分以下に抑えること」を目指しています。

大牟田市排水対策基本計画の事業数・着手数・完成数(2026年3月時点)
2026年6月の議会の答弁から

2026年6月の議会で市は、74事業のうち57事業に着手し、28事業が完成したと答えています。別の日の答弁では、「取組の効果の事例」として「令和7年8月10日から11にかけての大雨時において、以前は降雨が発生していた際に見受けられていた健老町地区などの道路冠水の解消が確認」と述べています。どの工事の効果かは、答弁に書かれていません。

アメダス大牟田の雨は、2025年8月10日が157.5ミリ、11日が113.0ミリでした。健老町で降った量ではありません。

2021年12月に市が示した計画は、新開町では大牟田川へ直接流す配水管と潮位が高いときのポンプ、健老町では道路の水が流れ込む水路の拡幅です。完成したかは確かめられていません。

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読者

対策が進んだなら、もう大丈夫ですか?

おかあさん

市は2023年12月の議会で「令和2年7月豪雨以降、同程度の降雨はあっておりません」と答えています。雨の日は、防災リアルタイム情報で道の様子を見てから出かけてください。

自分の家と通る道を調べる3つ

冠水した道に車が入ると「沿線の店舗や住宅に雨水が入り込む被害や車両の水没など」が起きていると、市は2023年3月に答えています。水のたまった道とアンダーパスには入らないのが確実です。

1つ目は、市の「大牟田市防災ハザードマップ」にある内水氾濫ハザードマップです。水防法にもとづき、有明海の満潮時に1時間153ミリ(想定最大規模)の雨が降ったときの浸水を示しています。市内の2級河川の氾濫は想定していないため、区域の外でも浸水することがあると市は書いています。凡例にはアンダーパスとライブカメラの記号もあります。

2つ目は、2020年に実際に浸水した範囲を示した「令和2年7月豪雨浸水マップ」です。3つ目は、洪水と土砂災害の区域です。

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このツールでは、道路の冠水と内水の想定は出ません。新しく指定された区域はツールに入っていないことがあるので、市の防災ハザードマップでも確かめてください。市のサイトは掲載物の無断の複製・転用を禁じているため、市の地図の範囲や記号の位置は、この記事の地図に写していません。

福岡県のほかの市の冠水の記事

公式出典

この記事の数値は公表資料を集計したものです。冠水や通行止めは雨と潮のたびに変わります。避難や通行の判断は、必ず大牟田市と福岡県、国の最新の発表を確認してください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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