鹿児島県霧島市(きりしまし)で、市が豪雨のときの現地調査で浸水を確かめ、地図にしているのは、隼人(はやと)の日当山(ひなたやま)・姫城(ひめぎ)・見次(みつぎ)と、国分(こくぶ)の中央地区です。市は、すべての浸水箇所ではないと断っています。この4地区は、どれも国の冠水注意箇所の一覧に入っていません。
2025年8月7日からの大雨では、霧島市の床上浸水が540棟にのぼりました(鹿児島県が最終報とした8月26日15時の集計)。県内の床上浸水746棟のうち、7割あまりが霧島市です(当サイトの計算)。
市長は2026年2月の市議会で、「霧島市内で起こる水害については内水氾濫であります」と答えています。内水氾濫は、雨水などを川や海へ流しきれず、側溝や地下の水があふれて起こる氾濫です(市の説明)。
この記事でわかること
- ✓ 国の冠水注意箇所は、横川の県道、鹿児島空港の「空港第二地下道」、国道10号の交差点です
- ✓ 2025年8月8日、日当山温泉センターの周辺では、排水ポンプの場所まで水につかり、消防団が一時避難しました(市の答弁)
- ✓ 霧島市は内水の浸水想定区域図を設定していません。市のページには「霧島市指定外」とあります
大雨の日に、いま通れない道を見るページ
- 鹿児島県道路規制情報(国道・県道の通行止め)
- 霧島市ホームページ「市道・林道等の交通規制」(市道の通行止め)
- 未来共生災害救援マップ(市道の通行止めを地図で。市が試験的に取り入れたと答弁)
- 鹿児島県河川砂防情報システム(川の水位と雨量)
- 川の防災情報(国土交通省)
- 気象庁「霧島市の防災情報」
霧島市の「市道・林道等の交通規制」(2026年8月6日17時現在の版)は、土砂崩れや路肩の崩れが中心で、道路の冠水の一覧ではありません。
隼人・国分で、市が浸水を確かめて地図にした4地区
霧島市の下水道工務課と土木課は「国分・隼人地区内水浸水実績」として、2016年以降の豪雨のときに市が現地で調べた浸水の場所を、3枚の地図で公開しています。地図には、溝辺(みぞべ)観測所(気象庁)の雨量が添えられています。
| 地区 | 浸水を確かめた日 | アメダス溝辺の最大1時間雨量 |
|---|---|---|
| 日当山・姫城 | 2016年7月14日/2019年7月1日 | 54ミリ/53ミリ |
| 国分中央 | 2016年7月14日 | 54ミリ |
| 見次 | 2018年6月20日 | 37ミリ |
日当山・姫城の地図では、天降川(あもりがわ)の東岸、日当山橋より下流に大きな範囲が塗られています。国分中央の地図は、霧島市役所の東、霧島市民会館を含む一帯です。見次の地図には、国道223号をはさんで丸い印が2つあります。
市は地図に「全ての浸水箇所を反映したものではありません」「浸水の深さについては不明です」と添えています。ページの更新日は2024年1月10日で、2025年8月の浸水はまだ入っていません。
表の最大1時間雨量は、アメダス溝辺(鹿児島空港)の気象庁の記録と一致します。日雨量は、2016年7月14日の値が市の資料(186ミリ)と気象庁(160.0ミリ)で合わないため載せていません。空港にある観測所1か所の値で、市街地で降った量ではありません。

市のサイトは掲載物の無断の複製・転用を禁じているため、市の地図の範囲は写していません。地図の1〜4は当サイトが置いた地区の目印です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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2025年8月8日の大雨と、天降川沿いの排水ポンプ
気象庁は8月8日5時、霧島市に大雨特別警報を出しました(13時30分に警報へ切り替え)。アメダス溝辺では3時までの1時間に107.5ミリが降り、1976年からの記録で1位でした。

市長は2025年9月の市議会で、この大雨で「市内各所において、道路の冠水や土砂災害等が発生し」たと答えています。県の集計では、霧島市全体で全壊2棟、床下浸水354棟、軽いけがの人が3人でした(地区ごとの数は県の表にありません)。国分重久(しげひさ)で川があふれた床上浸水5戸も県の表にあり、こちらは川の水による外水の被害です。

天降川沿いには、雨水を川へくみ出す排水機場と、川の水が逆流しないように閉める樋門(ひもん)があります。市長の答弁では、排水機場と一緒に置かれた樋門などは8か所で、自動化された1か所を除く7か所は、消防団が人の手で開け閉めしています。
8月8日の未明、日当山温泉センターの周辺について、市の危機管理監は「4時間で279㎜というような記録的な大雨」と答えました。どの観測所の値かは、答弁では示されていません。
市長公室長によると、川の増水で樋門を閉めたあと、内水の水位が上がり、「排水ポンプの場所も浸水しまして、一時的に消防団が避難をせざるを得ない状況」になりました。樋門を開けたのは午前7時ごろで、膝の上まで水につかりながらだったといいます。
整備中の日当山地区の調整池では、排水ポンプ盤の計画の高さを超える浸水が確かめられ、市は設置の高さを変える予定だと答えています(2025年9月)。
読者
排水機場があれば、安心なんじゃないの?
市は、天降川周辺の7か所の排水ポンプの中に、設置から30年以上たつ施設があると答えています。2022年度には、姫城3号排水機場が電気系統の不具合で動かなかったこともあり、市は翌年度に「全7施設を対象とした定期メンテナンス表の見直しを行い」ました。そのうえで2026年2月の答弁では「現時点では、機能維持に支障が生じている施設はなく」としています。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します(道路の冠水・内水は出ません)
国分の市街地は「もともと川が流れていた場所」と市長が答弁
市の雨水計画は、中心市街地が天降川などに囲まれた「低平地」にあり、浸水被害が頻発していると書いています。
市長は2025年9月の市議会で、市街地について「もともとの土地柄、川が流れていた場所」「全体的に川の跡ですので、低いですので、その排水を持って行く場所がないというところもあります」と答えました。
2025年8月については、市は「本庁舎や消防局周辺でも道路冠水が発生しました」と答えています(2026年6月)。一方で、どれくらいの雨で中心地が浸水するかの資料は「手元に持ち合わせておりません」と、危機管理課長は述べました。
読者
国分駅のあたりも気をつけたほうがいいですか?
市の国分中央の地図で範囲が塗られているのは、国分駅の南東、市役所の東から市民会館を含むあたりです。
市は2019年3月に雨水管理総合計画をつくり、1時間67.4ミリの雨(10年に1度)に対して、床上浸水をおおむね解消することを当面の目標にしています。重点対策地区は国分中央・見次・姫城・日当山の4つです。
日当山第1調整池(4,100立方メートル・総事業費約6億円)は、2026年3月24日に運用を始めました。姫城地区の圧力管などは「令和9年度に完成」する予定です(市長の答弁)。
国の冠水注意箇所は3か所
国土交通省九州地方整備局の「道路冠水注意箇所」で、鹿児島県は142か所、そのうち霧島市は3か所です(当サイトで数えた)。
地図の記号と同じ順です
A 県道 牧園(まきぞの)薩摩線(横川町中ノ)
県道(国の一覧 鹿児島県-02-101)
説明表の住所:霧島市横川町中ノ 水流178-11,12
管理: 姶良(あいら)・伊佐(いさ)地域振興局(0995-63-8365) / 警察: 横川警察署 / 消防: 霧島市消防局北消防署
※ 備考は「水位センサー」。位置図の赤い丸は、県道が線路と九州自動車道の下をくぐるあたり(当サイトの読み取り)
B 市道 嘉例川(かれいがわ)中道線「空港第二地下道」
市道(鹿児島県-02-102)
説明表の住所:霧島市溝辺町麓 261-14
管理: 霧島市(0995-45-5111) / 警察: 霧島警察署 / 消防: 霧島市消防局
※ 備考は空欄。位置図と地図から、鹿児島空港の滑走路の下をくぐる地下道と当サイトが読み取りました。写真はトンネルの入口で、「冠水注意」の看板が写っています。ボタンは西側の入口に合わせています
C 国道10号「国道223入口交差点」
国道(鹿児島県-02-277)
説明表の字丁目・番地は空欄。当サイトが地図に合わせると隼人町住吉の交差点
管理: 鹿児島国道事務所(099-216-3111) / 警察: 霧島警察署 / 消防: 霧島消防局(説明表の表記)
※ 備考は「国道223入口交差点」。写真は雨の中の交差点です
位置は、説明表の位置図を地理院地図とOpenStreetMap(オープンストリートマップ)に重ねて当サイトが合わせた点です。標高は載せていません。
内水の浸水想定区域図は、霧島市にはありません
市のハザードマップのページには、市が設定していない想定区域として「内水浸水想定区図」が挙がっています。国土地理院の「重ねるハザードマップ」の内水の掲載一覧でも、鹿児島県は鹿児島市だけです。
川があふれる洪水の浸水想定は、天降川水系など4つの水系で、県が2024年9月3日に指定しています。前提は、天降川の流域で24時間807ミリという想定最大規模の雨です。
\天降川の洪水の想定は、住所から出せます/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します(道路の冠水・内水は出ません)
内水は、市の「国分・隼人地区内水浸水実績」の地図と、家の前の道が周りより低いかで確かめてください。
よくある質問
冠水した道を見つけたら、どこに連絡しますか
市道は、市の「市道・林道等の交通規制」のページが問い合わせ先にしている建設施設管理課(0995-64-0971)です。国の一覧の国道10号の交差点は、説明表では鹿児島国道事務所(099-216-3111)が管理者になっています。
鹿児島県のほかの記事
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 鹿児島市 冠水 どこが危ないの? 県内142か所のうち、遮断機があるのは1か所だけです
- 薩摩川内市 冠水 どこが危ないの?
- 鹿児島 通行止め 屋久島の3本は220ミリで自動的に閉まる区間 ところが霧島の5本は、去年8月から393日開いていません(霧島の県道の通行止めの記事)
公式出典
- 国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所」鹿児島県(一覧と説明表 鹿児島県-02-101・102・277。2026年9月25日取得)
- 霧島市ホームページ「国分・隼人地区内水浸水実績について」(2024年1月10日更新。浸水確認箇所の地図3枚)
- 霧島市ホームページ「霧島市下水道事業による浸水計画(雨水)」・「霧島市下水道事業による雨水計画について」/霧島市ホームページ「日当山第1調整池」の運用開始
- 霧島市ホームページ「霧島市ハザードマップについて」(2026年3月31日更新)
- 霧島市議会 会議録検索システム(令和7年第3回定例会 9月2日・3日・4日、第4回定例会 12月16日、令和8年第1回定例会 2月24日・26日、第2回定例会 6月18日の答弁)
- 鹿児島県「令和7年8月7日からの大雨に関する情報」/「令和7年8月7日からの大雨による被害状況等」(8月26日15時00分現在)
- 気象庁「令和7年(2025年)8月8日に鹿児島県に大雨特別警報を発表した事例」(速報)/気象庁「観測史上1〜10位の値」溝辺・過去の気象データ(日別値)
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」内水(雨水出水)浸水想定区域 掲載状況一覧
- 国土地理院 地理院タイル(地図)・住所検索API・逆ジオコーダ/位置合わせ:OpenStreetMap(オープンストリートマップ/© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月25日取得)。避難や通行の判断は、必ず霧島市と鹿児島県の最新の発表を確認してください。
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