山形市で川の氾濫による浸水が深く想定されているのは、市の西部を南から北へ流れる須川の沿岸です。代表点で見ると、須川の西岸の南反田は深さ5〜10メートルで2階も水没し、北部の大字中野も3〜5メートルで2階まで浸水する想定です。
2020年7月28日の大雨では、市が市内5地区の3,191世帯に避難指示(緊急)を出しました。市の洪水ハザードマップは2026年4月に改訂され、想定する川が4河川から31河川に増えています。
先に結論
- ✓ 代表点で深さ3m以上は13。0.5m以上の浸水が1〜3日続くのは12で、3日以上続く町・字はない
- ✓ 須川の鮨洗観測所は、避難判断15.90mから氾濫危険16.30mまで0.40m
- ✓ 大郷地区の避難場所4か所のうち3か所は、市の一覧で洪水の欄が「×」
山形市で川の氾濫・洪水が危ない場所

市内534の町・字のうち、代表点が浸水の範囲に入るのは161。深さ3メートル以上(2階まで浸水)は13あります。
「深いのは須川と馬見ヶ崎川が合流する北部」とは言い切れません。深さ5〜10メートルの2つは、南反田をはじめ、どちらも市の西部の須川の西岸にあります。
3〜5メートルは11。市の北部の大字中野など6つと、須川沿いの飯塚町など4つが入ります。

| 町・字 | 近くの川(目安) | 想定の深さ(代表点) | 0.5m以上が続く時間 |
|---|---|---|---|
| 南反田 | 須川・藤沢川 | 5〜10m | 1〜3日 |
| 東古館 | 須川・藤沢川 | 5〜10m | 12時間〜1日 |
| 大字中野・北田・三社・下田・塚野目 | 須川・馬見ヶ崎川 | 3〜5m | 1〜3日 |
| 大字下椹沢 | 須川 | 3〜5m | 1〜3日 |
| 大字西中野 | 須川 | 3〜5m | 12時間〜1日 |
| 藤沢川(地名) | 須川・藤沢川 | 3〜5m | 12時間〜1日 |
| 西原一丁目・飯塚町 | 須川 | 3〜5m | 12時間未満 |
| 百目鬼 | 遅沢川 | 3〜5m | — |
深さと時間は、国土交通省「位置参照情報」の町・字の代表点(およその中心)1点で、重ねるハザードマップの洪水浸水想定区域(想定最大規模)を読んだ値です。国と県が川ごとに作った想定を重ねた最大値なので、どの川の想定かは分けられません。「近くの川」は地図上の位置から添えた目安です。代表点が範囲の外でも、町・字の中の低い所は範囲に入っていることがあります(ハザードマップで色がない場所の意味)。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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山形市を流れる主な川と水位の基準
須川は国と県で区間が分かれます。山形市飯塚町から最上川の合流点までは国の区間で、国と気象台が洪水予報を出します。
上流の上山市関根から山形市大字飯塚までは県の区間で、県と気象台が洪水予報を出します。
馬見ヶ崎川は、大字成安から下流が国の洪水予報の区間、大字上宝沢から大字渋江までが県の水位周知の区間です。立谷川・村山高瀬川・小鶴沢川も水位周知河川です。
| 観測所(川) | 氾濫注意水位 | 避難判断水位 | 氾濫危険水位 |
|---|---|---|---|
| 鮨洗(須川・国) | 14.00m | 15.90m | 16.30m |
| 石堂(須川・県) | 1.60m | 1.80m | 2.10m |
| 坂巻(須川・県) | 2.50m | 2.60m | 2.80m |
| 長町(馬見ヶ崎川) | 3.90m | 4.70m | 5.10m |
市の計画は、洪水予報河川の観測所が避難判断水位に達してさらに上がる予測なら高齢者等避難、氾濫危険水位に達したら避難指示を出す目安です。
鮨洗は避難判断から氾濫危険まで0.40メートル、県の区間の坂巻は氾濫注意から避難判断まで0.10メートルです。
0.5m以上の浸水が続く時間

0.5メートル以上の浸水が1〜3日続くのは、代表点で12。うち9は、大字中野など市の北部で、須川と馬見ヶ崎川の合流点に近い字です。代表点で3日以上続く町・字はありません。
市は「浸水深が浅い区域でも、長時間の浸水の場合は、ライフライン(電気・ガス・水道)の復旧に時間がかかり、生活に影響が出ます」としています。
代表点が家屋倒壊等氾濫想定区域に入る町・字は、氾濫流(堤防が壊れて流れ込む水の勢い)で1、河岸侵食(川岸が削られる)で1です。市のハザードマップは、河岸侵食と氾濫流の区域を「早期に区域外への避難が必要な場所」に入れています。
山形市の過去の洪水

市の既往災害一覧表では、明治から戦前までは馬見ケ崎川の出水の記録が続きます。1907年8月の大雨では、九十九橋(現在の馬見ケ崎橋)が流失しました。
年表のほか、1956年と1966年にも、大郷など須川沿いの地区で被害が出ています。1998年8月7日には、鮨洗観測所で「警戒水位を上回る15.18m」を観測しました。
市のハザードマップは、市内の川で「堤防の強化や河川の断面を大きくするなどの改修が現在も行われており」と書いています。
逃げるタイミングと、水位を見る場所

市は「急激な水位の上昇や夜中に避難が想定される時には、基準水位に達していなくても、避難指示などの発令を行う場合があります」としています。
市のハザードマップは、浸水深3.0メートル以上の区域や家屋が倒壊・流出する恐れが高い区域、橋を渡る必要がある区域は「早期に区域外への避難が必要です」としています。
川沿いの家や、避難の道に橋がある人は、水位が上がる前に動く必要があります。市は、増水した川では「橋が壊れたり流されたりする恐れがあります」としています。
地下の部屋や半地下の車庫は、水が入ると短い時間で出られなくなります。国土交通省は「閉じている扉の向こうに水がある程度溜まると、外開き扉も内開き扉も開けることができなくなる」としています。
避難先にも条件があります。市の避難場所一覧では、大郷コミュニティセンター・大郷小学校(ともに大字中野)と第七中学校は、洪水の欄が「×」です。
大郷地区で洪水の欄が「○」なのは、べにっこひろば(樋越)だけです。椹沢・南沼原・明治のコミュニティセンターも、洪水のときは開きません。
川ごとの水位は川の防災情報(国土交通省)で10分ごとに見られます。気象庁は「レベル3大雨警報やレベル4大雨危険警報が発表された場合には、自分の今いる場所の近くの河川の危険性が高まっていないかを洪水キキクルで確認」するよう呼びかけています(洪水キキクル)。
外水氾濫と内水氾濫

この記事の洪水浸水想定区域は、川からあふれる外水氾濫の地図で、内水氾濫は含みません。道路の冠水の場所は「山形市 冠水 どこが危ないの?」にまとめています。
自宅の洪水リスクを調べる
- 市の山形市洪水ハザードマップ(洪水避難地図)(2026年保存版・令和8年4月改訂)の地区ごとの拡大図で、自宅の深さと「早期に区域外への避難が必要な場所」を見る
- 重ねるハザードマップで住所を入れ、「洪水」の浸水継続時間と家屋倒壊等氾濫想定区域まで表示する
- 市の避難場所一覧で、洪水の欄が「×」でない避難先を決めておく。分からないことは市の河川整備課(023-641-1212・代表)へ
県は「ある地点における水害リスクを把握したい場合は、必ず周辺にあるすべての河川の浸水想定区域図を確認する必要があります」としています。国と県の須川の図も「支川の(決壊による)氾濫、シミュレーションの前提となる降雨を超える規模の降雨による氾濫、高潮及び内水による氾濫等を考慮していません」と書いています。色がないことは、浸からない証明ではありません。
山形市のほかの災害リスク・ほかの市
- 山形市 冠水
- ハザードマップ 色なし うちは安全ってこと?
- 鶴岡市 河川氾濫
- 一関市 河川氾濫 (岩手県)
- 奥州市 河川氾濫 (岩手県)
- 北上市 河川氾濫 (岩手県)
- 福井市 河川氾濫 (福井県)
- 坂井市 河川氾濫 (福井県)
この記事のまとめ
山形市の洪水で深い想定は、須川の西岸の南反田のあたりと、須川と馬見ヶ崎川の合流点に近い大字中野などの北部です。
鮨洗は避難判断から氾濫危険まで0.40メートルです。自宅の番地で深さを確かめ、3メートル以上の区域なら、洪水で開く避難場所を先に決めておいてください。
出典(すべて2026年9月23日に確認)
- 山形市「山形市洪水ハザードマップ(洪水避難地図)データ」(令和8年4月改訂)
- 山形市「山形市洪水ハザードマップ(洪水避難地図)の改訂について」
- 山形市 洪水ハザードマップ2026年保存版「概要」
- 山形市 洪水ハザードマップ2026年保存版「洪水ハザードマップの見方と使い方」
- 山形市 洪水ハザードマップ2026年保存版「避難のタイミング」
- 山形市 洪水ハザードマップ2026年保存版「避難の注意点」
- 山形市 洪水ハザードマップ2026年保存版「避難場所一覧」
- 山形市「浸水継続時間について」
- 山形市地域防災計画(令和6年度・本編)
- 山形市地域防災計画 資料編「既往災害一覧表」(令和5年9月1日現在)
- 山形県「洪水浸水想定区域」
- 山形県「洪水浸水想定区域図(東南村山地域)」
- 山形県「最上川水系須川 洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」(平成30年4月27日指定)
- 国土交通省山形河川国道事務所「浸水想定区域の指定・公表」
- 国土交通省山形河川国道事務所「最上川水系須川 洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」(平成29年1月20日指定)
- 国土交通省山形河川国道事務所「最上川水系馬見ヶ崎川 洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」(平成29年1月20日指定)
- 国土交通省「浸水時の地下室の危険性について」
- 地図:国土地理院「重ねるハザードマップ」・地理院タイル/町・字の代表点:国土交通省「位置参照情報」(2025年版)
- 国土交通省「川の防災情報」
- 気象庁「よくある質問(FAQ)」新たな防災気象情報(令和8年4月10日)
- アイキャッチ:地理院タイル(全国最新写真)を加工して作成
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