山形県南陽市(なんようし)で、国の「冠水想定箇所」に載っているのは2か所です。どちらもJR奥羽本線(山形新幹線)の下をくぐる県道の地下道で、郡山(こおりやま)アンダーと檜原アンダーといいます。
市の大雨の対応ページで、冠水による通行止めが2022年・2024年・2026年とくり返し並ぶのは、白竜湖(はくりゅうこ)の南の市道です。白竜湖線は2024年7月25日から4日18時間40分、全面通行止めでした。
この記事でわかること
- ✓ 2024年7月25日19時10分、市の資料に「郡山アンダーパス水没」。県道は19時6分から2時間14分、全面通行止めでした
- ✓ 市長は2023年3月の市議会で、白竜湖周辺を「地盤が低く周囲から水が集まる地形」と答えています
- ✓ 2024年7月の大雨で床下浸水した17棟のうち、11棟は赤湯旭町でした(市の資料)
大雨の日に、南陽市で「いま通れない道」を見るページ
「南陽市 冠水情報」と調べている人は、まず次の公式ページを開いてください。
- 南陽市「防災情報」(大雨のときに対応のページができ、市道の通行止めが載ります)
- 山形県「山形県の通行規制情報」(県が管理する国道と県道。A・Bの地下道はどちらも県道です)
- 山形河川国道事務所「道路のライブカメラ」(国道13号の「南陽バイパス」「赤湯こ線橋」など)
- 山形県 河川・砂防情報(吉野川などの水位と雨量)
- 気象庁 キキクル(浸水害・洪水の危険度)
避難の呼びかけは、市の防災用のX(旧Twitter)や公式LINEでも届きます。市道のことは、市の建設課(0238-40-8395)が窓口です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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国の一覧の2か所は、どちらも奥羽本線をくぐる県道
国土交通省 東北地方整備局の「冠水想定箇所」は、山形県で78か所あります。南陽市はAとBの2か所で、管理者はどちらも山形県置賜総合支庁(おきたまそうごうしちょう)です。
道路地図OpenStreetMap(オープンストリートマップ)で見ると、Aの郡山アンダーは県道南陽川西線が、Bの檜原アンダーは県道赤湯宮内線が、それぞれ奥羽本線の下をくぐる場所です。説明表の備考欄は、2か所とも空欄です。

地図の記号と同じ順です
A 郡山(こおりやま)アンダー(国の一覧)
県道南陽川西線がJR奥羽本線(山形新幹線)の下をくぐる地下道 管理番号 山形県-02-265
住所:南陽市郡山(番地の記載なし)。説明表の位置図では「郡山」と「郡山西」の文字の間
管理: 山形県置賜総合支庁 0238-26-6080 / 警察: 南陽警察署 / 消防: 南陽消防署
B 檜原アンダー(国の一覧)
県道赤湯宮内線がJR奥羽本線(山形新幹線)の下をくぐる地下道 管理番号 山形県-02-266
住所:南陽市三間通(みつまどおり・番地の記載なし)。山形鉄道フラワー長井線の南陽市役所駅の北東
管理: 山形県置賜総合支庁 0238-26-6080 / 警察: 南陽警察署 / 消防: 南陽消防署
※ 「檜原」の読みは、国の一覧にも説明表にも書かれていません。今回読んだ市の大雨の資料(2022・2024・2026年)に、この地下道の名前は出てきません
1 白竜湖(はくりゅうこ)
湖の南を市道白竜湖線などが通る。通行止めになった回は本文の表のとおり
ピンは湖の中心(OpenStreetMap)。通行止めになった市道の位置ではありません
Googleマップのリンクは、A・BはOpenStreetMapの地下道の位置、1〜3は湖と地名の点、4は国土地理院の住所検索の代表点で開きます。市道の通行止めの区間は市の位置図にしか無いため、写していません。住所の代表点は地下道の位置と関係がないため、標高は載せていません。
郡山アンダーは2024年7月25日に「水没」(市の資料)
市の総合防災課がまとめた資料(8月26日13時現在の第11報)の道路被害の欄には、「19:10 郡山アンダーパス水没→県に通行止め依頼済→21:20 通行止め 解除」とあります。同じ資料の交通規制の表では、県道南陽川西線(南陽郡山アンダー)の全面通行止めは19時6分から21時20分です。
市の雨量計「赤湯」は、この日の18時から19時に1時間42ミリ、降り始めから26日8時までに164ミリを観測しました。雨量計1か所の値で、郡山アンダーで降った量ではありません。
同じ夜の記録には「赤湯アンダーパスの降り口水没」「鍋田(なべた)踏切付近 冠水」とも書かれています。赤湯アンダーパスがどこの地下道かは、資料からは分かりません。赤湯地内の市道2路線も、20時50分から55分間、冠水で全面通行止めでした。
読者
郡山アンダーは、大雨の夜は通らないほうがいいですか?
国が冠水を想定している地下道です。強い雨の夜は、県の通行規制情報で南陽川西線を確かめてから出てください。道に水が見えたら入らない、が基本です。
白竜湖の南の市道は、2022・2024・2026年に冠水で通行止め
市の防災情報のページには、2022年8月、2024年7月、2026年7月(2回の雨)の大雨の対応が残っています。4回とも、白竜湖線・金沢線・椚塚(くぬぎづか)1号線などの市道が通行止めになりました。2022年の市の位置図では、白竜湖の南から椚塚にかけての道に「冠水」の札が並んでいます。
| 市道 | 2022年8月3日 | 2024年7月25日 | 2026年7月26日〜 | 2026年7月30日〜 |
|---|---|---|---|---|
| 白竜湖線 | 全面 | 全面 | 全面 | 全面 |
| 金沢線 | 全面 | 一部 | 全面 | 全面 |
| 椚塚1号線 | 全面 | 全面 | 一部 | 一部 |
| 北町椚塚線(赤湯・椚塚) | 全面 | 一部(2区間) | 一部(2区間) | 一部(2区間) |
| 十分一1号線(金沢・側道) | 全面 | 一部(2区間) | 一部(2区間) | 一部(2区間) |
| 川尻線 | 全面 | 一部 | ― | ― |
| 川尻椚塚線 | ― | 一部 | ― | 一部 |
2022年は市のページの「全面通行止め箇所」と位置図の「冠水」の札、2024・2026年は市の資料の交通規制の表(災害内容「道路冠水」)です。「―」は表に名前が無い回です。市の位置図は転載に市への相談が要るため、この記事の地図には線を引いていません。

2026年は、白竜湖線が7月29日10時に解除され、7月30日17時にまた全面通行止めになりました。1回目の規制は7月24日(金)17時からで、市の資料にある雨の降り始め(7月25日22時)より前です。2024年も、北町椚塚線(赤湯地内)は7月18日から規制されていました。雨の前から規制が始まっている理由を書いた資料は見つかっていません。
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白竜湖の南の冠水について、市長の答弁と川尻線の工事
2023年3月9日の市議会で、議員が「旧国道13号線付近から東側の椚塚から白竜湖にかけての一帯」の内水の氾濫を取り上げました。市長の答弁は次のとおりです。
「白竜湖周辺は地盤が低く周囲から水が集まる地形となっており、流下先の吉野川の水位が上がると、そこに至るまでの用排水路の水位が上昇して冠水が広がり、水が抜けにくいといった特性があります」
山形県の文化財の説明も、白竜湖を「南陽市の北東部標高200m内外の低地」と書いています。
同じ答弁で市長は、赤湯から高畠町へ向かう市道川尻線の金沢・松沢地区までの区間が「雨による道路冠水で度々通行止め」になるとして、2022〜2024年度の3か年でかさ上げ工事を進めていると話しました。2022年3月の予算特別委員会で建設課長は、2019・2020年度にも冠水し「大体2週間くらい全体的に通行止めの期間がございました」と答えています。
市の2024年度の決算資料には川尻線の事業に約7,800万円とありますが、工事が終わったかどうかは確かめられませんでした。川尻線の名前は、2026年7月の2回の通行止めの表にはありません。表に載らなかった理由を書いた資料は見つかっていません。
家の浸水は2024年7月に床下17棟(市の資料)
2024年7月25日の大雨で、市が調べた家の被害は床上浸水0棟、床下浸水17棟でした。赤湯旭町以外は、宮内本町・池黒(いけぐろ)・宮崎・露橋(つゆはし)・高梨・蒲生田(かもうだ)に1棟ずつです。

赤湯旭町では、2026年7月30日15時44分にも、普通河川の川尻川があふれて小屋が浸水するおそれがあると市の資料に書かれています。この年の2回の大雨で、市の資料の住家被害は「なし」でした。山形県の被害報(8月19日13時00分現在)の建物被害にも、南陽市の名前はありません。
地図の4のあたり、露橋・宮崎・関根については、2023年3月の市議会で議員が、最上川に合流する川の周りで「雨量が増えるたびに内水の氾濫が危惧され」ると発言しました。2024年7月25日も、宮崎で溢水があり消防署と消防団が対応しています(市の資料)。
2013年7月と2014年7月の大雨は、市の地域防災計画の記録では「吉野川越水氾濫」で、床上・床下の浸水は92棟と481棟でした。記録には川の氾濫と土砂災害が並べて書かれ、何棟が川の氾濫による浸水かは書かれていません。白竜湖の南の市道の冠水とは分けて見てください。
読者
白竜湖の南で道が冠水するなら、あのあたりの家も浸かるんですか?
2024年7月の床下浸水17棟の地区名に、椚塚と金沢は入っていません。家を探すときは、家の場所と、毎日通る道の両方を調べてください。
住む前・借りる前に見る地図
市の「南陽市洪水・土砂災害ハザードマップ」(2026年3月31日更新)は、最上川・吉野川など11の川の洪水浸水想定区域と、土砂災害警戒区域を載せています。北部と南部の2冊です。
市のハザードマップのページに、内水(川があふれなくても雨がたまる水)だけの地図は見当たりません。洪水の地図は川があふれた場合の想定で、白竜湖の南の道や郡山アンダーの冠水の記録とは別のものです。洪水の想定は、国土地理院の重ねるハザードマップでも確かめられます。
- 家から職場・駅までの道に、白竜湖線・金沢線・椚塚1号線などが入っていないか
- 通勤で郡山アンダーや檜原アンダーを通るなら、奥羽本線を越える別の道を1本決めておく
- 洪水ハザードマップで、家の色と避難所までの道を見る
\部屋を決める前に、住所で洪水と土砂の区域を確認/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に、その住所が入っているかを出します(道路の冠水や内水は出ません)
ほかの冠水記事(山形市と全国のまとめ)
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 山形市 冠水 どこが危ないの?(市のアンダーパス15か所と国の一覧)
公式出典
- 国土交通省 東北地方整備局「道路防災情報Webマップ」冠水想定箇所 山形県(一覧と説明表 yamagataken-02-265・266)
- 南陽市「防災情報」令和4年8月3日(水) 大雨に対する災害対応(道路情報と位置図)・令和6年7月豪雨に対する災害対応(第11報・8月26日13時現在)・令和8年7月26日から31日にかかる大雨に対する災害対応(7月26日からの大雨 第9報・7月29日17時現在/7月30日からの大雨 第5報・8月3日17時現在)
- 山形県「被害・対応状況」令和6年7月25日からの大雨等の被害の概況(令和8年2月12日10時現在)・7月26日からの大雨による被害状況(8月19日13時00分現在)・8月3日からの大雨等の状況について(令和5年3月22日17時00分現在)
- 南陽市議会 会議録(令和4年3月定例会・予算特別委員会 3月14日、令和5年3月定例会 3月9日)
- 南陽市「令和6年度 主要な施策の成果報告書」(市道冠水対策事業費)/南陽市地域防災計画 資料編「災害の記録」
- 南陽市「南陽市洪水・土砂災害ハザードマップ」を更新しました。(令和7年度)・著作権について
- 山形県「山形の宝 検索navi」白竜湖泥炭形成植物群落
- 国土地理院 住所検索API(地区の代表点)/地理院タイル(地図)
- 地下道・地名の位置:OpenStreetMap(© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず南陽市と山形県の最新の発表を確認してください。
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