山形県新庄市で、国の「冠水想定箇所」に載っているのは4か所です。休場(やすんば)街道アンダー、若葉町(わかばまち)アンダー、桧町(ひのきちょう)アンダー、東山アンダーで、4つとも線路の下をくぐる道です。このうち東山アンダーは2018年8月31日に、桧町アンダーは2024年7月25日の夜から翌朝まで、通行止めになった記録が市と県の資料に残っています。
2024年7月25日、気象庁の新庄の観測所(東谷地田町=ひがしやちたまち)は1日361.0ミリを観測しました。1957年からの記録で1位、2位(2018年8月5日の204.0ミリ)より157ミリ多い雨です。観測所1か所の値で、桧町や本合海(もとあいかい)で降った量ではありません。
この記事でわかること
- ✓ 2024年7月の大雨では、アンダーのほかにも県道や国道が「冠水」を理由に全面通行止めになりました(県の報告)
- ✓ この大雨で、新庄市全体の家の被害は全壊1・半壊15・床上浸水7・床下浸水44の計67棟でした(県の最新報・令和8年2月12日10時現在)
- ✓ 市の洪水ハザードマップは「雨水排水による浸水想定」を載せていません。国土地理院の内水の一覧にも新庄市はありません
大雨の日に、新庄で「いま通れない道」と川の水位を見るページ
- 山形県「山形県の通行規制情報」(県が管理する国道・県道の規制)
- 国土交通省 山形河川国道事務所「リアルタイム道路情報」(国道のライブカメラと規制)
- 国土交通省「道路情報提供システム」(国道・県道の規制)
- 山形県「河川・砂防情報」(県が管理する川の水位と雨量)
- 国土交通省 新庄河川事務所・川の防災情報(最上川など)
- 気象庁「キキクル」(浸水害・洪水の危険度)
避難指示は市の「災害・避難指示情報」に出ます。防災行政無線の放送の内容は、市の防災情報テレホンサービス(0233-22-5121)でも確かめられます。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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国の一覧は4か所、4つとも線路の下をくぐるアンダー
国土交通省 東北地方整備局の「冠水想定箇所」は、山形県で78か所です。新庄市の行を数えると4か所で、県道が3か所、市道が1か所でした。
県道の3か所(A〜C)は、Aが瀬見新庄線(せみしんじょうせん)、Bが泉田新庄線(いずみたしんじょうせん)、Cが曲川新庄線(まがりがわしんじょうせん)で、管理はどれも山形県最上総合支庁です。Bは新庄駅の南で最上中央公園の横、Cは陸羽西線(りくうさいせん)の下をくぐります。Dの東山アンダーは市道東山線で、管理は新庄市。説明表の備考欄は、4か所とも空欄でした。

地図の記号と同じ順です
A 休場(やすんば)街道アンダー(国の一覧)
県道瀬見新庄線 管理番号 山形県-02-250
住所:新庄市金沢(かなざわ・番地の記載なし)。説明表の位置図では「金沢新町」の文字のそば
管理: 山形県最上総合支庁 / 警察: 新庄警察署
※ 2026年9月17日、新庄警察署がここで冠水を想定した訓練をしました(山形新聞・さくらんぼテレビ)
B 若葉町(わかばまち)アンダー(国の一覧)
県道泉田新庄線 管理番号 山形県-02-252
住所:新庄市若葉町(番地の記載なし)。新庄駅の南、最上中央公園の横
管理: 山形県最上総合支庁 / 警察: 新庄警察署
C 桧町(ひのきちょう)アンダー(国の一覧)
県道曲川新庄線 管理番号 山形県-02-253
住所:新庄市十日町(とおかまち・番地の記載なし)。位置図では桧町と北町のそば
管理: 山形県最上総合支庁 / 警察: 新庄警察署
D 東山アンダー(国の一覧)
市道東山線 管理番号 山形県-02-451
住所:新庄市末広町(すえひろまち・番地の記載なし)。位置図では新庄河川事務所の南西
管理: 新庄市 / 警察: 新庄警察署
2 角沢(つのざわ)
2018年8月31日「角沢から大谷地冠水」(市の記録)。2024年7月9日と26日、県道新庄次年子村山線(しんじょうじねんごむらやません)の芦沢(あしざわ)や角沢〜芦沢が冠水で全面通行止め(県の報告)
ピンは角沢を通る県道新庄次年子村山線の上
県道は山形県
3 前波(ぜんなみ)
2024年7月25日13時17分〜26日10時30分、県道新庄戸沢線が冠水で全面通行止め(県の報告)
ピンは陸羽西線の代行バスの「前波」停留所の位置。県の報告に区間の番地はありません
県道は山形県
4 本合海(もとあいかい)大橋
2024年7月25日16時30分から、国道47号の本合海〜戸沢村古口の約9.2キロが道路冠水で全面通行止め(県の報告の国管理道路の欄)
ピンは本合海地内の国道47号の本合海大橋。区間の目安です
A〜Dは説明表の位置図に合わせたOpenStreetMap(オープンストリートマップ)の地下の道の位置です。1〜4は記録に番地が無いため、場所の目安です。説明表の住所は町名までで代表点がアンダーと合わないため、標高は載せていません。
東山アンダーと桧町アンダーは、大雨の日に通行止めになった記録がある
桧町アンダー(C)は、2024年7月25日22時30分に「冠水」で全面通行止めになり、翌26日9時に解除されました(県の7月26日14時の報告)。
東山アンダー(D)は、市の「平成30年8月豪雨による被害状況」の交通状況の欄に「3時10分 東山アンダー通行止め」とあります。2018年8月31日のことで、同じ日の5時35分には「東山地区冠水」、状況写真の見出しには「東山アンダー冠水現場」が並んでいます。
休場街道アンダー(A)と若葉町アンダー(B)が冠水で閉まった記録は、今回読んだ県の報告と市の記録には見当たりませんでした。市の2018年8月の状況写真には「金沢地内高架橋下浸水現場」(画像の説明に「8.5」)がありますが、どこの高架橋の下かは書かれていません。2024年7月25日に県道瀬見新庄線の「新庄市休場」が全面通行止めになっていますが、県の報告の理由の欄は「スーパー農道全面通行止め」で、冠水ではありません。
山形新聞(9月18日)によると、新庄警察署は2026年9月17日、休場街道アンダーで、大雨で20〜30センチ冠水したという想定の訓練をしました。近くの道路排水ポンプ場で停電時に手で動かす手順も確かめ、署の管内では7月末にもアンダーパスの冠水で車が動けなくなる事案があったといいます。場所は記事に書かれていません。さくらんぼテレビ(9月17日)は、国が9月から、大雨が予想されるときなどに通行止めにする国道のアンダーパスに、県内では酒田と鶴岡の2か所が選ばれ、新庄は外れたと伝えています。
読者
アンダーの手前で水がたまっているのが見えたら、どうすればいいですか?
新庄署の警備課長は、冠水した場所に行き当たったら入らずにその場で警察に通報し、迂回してほしいと呼びかけています(さくらんぼテレビ)。
アンダーのほかに冠水した道(2018〜2024年の県と市の記録)
県の被害報と市の「災害の記録」に出てくる、A〜Dのアンダー以外の道路の冠水と、冠水を理由にした通行止めです。どれも国の一覧には入っていません。
| 日付 | 道 | 場所 | 記録(出どころ) |
|---|---|---|---|
| 2018年8月31日 | ― | 小田島 | 2時20分「小田島地内道路冠水」(市) |
| 2018年8月31日 | ― | 吉沢地区 | 6時50分「吉沢地区川道路冠水」(市) |
| 2018年8月31日 | 奥羽本線の踏切 | 野中から中川原 | 6時50分に冠水(市) |
| 2020年7月28日 | 国道47号 | 畑地区 | 19時45分「道路冠水が始まる」(市) |
| 2022年6月27日 | 県道新庄戸沢線 | 五日町(いつかまち) | 冠水で全面通行止め 16時〜16時25分(県) |
| 2024年7月9日 | 県道新庄次年子村山線 | 芦沢 | 道路冠水で全面通行止め 11時〜14時45分(県) |
| 2024年7月25日 | 県道新庄戸沢線 | 前波 | 冠水で全面通行止め 13時17分〜26日10時30分(県) |
| 2024年7月25日 | 国道458号 | 升形(ますがた)の石神橋 | 冠水で全面通行止め 15時から(県) |
| 2024年7月25日 | 国道47号 | 本合海〜戸沢村古口(ふるくち)(約9.2キロ) | 道路冠水で全面通行止め 16時30分から(県の報告の国管理道路の欄) |
| 2024年7月25日 | 国道47号 | 新庄市畑〜戸沢村蔵岡(くらおか)(約4.3キロ) | 雨量超過・道路冠水で全面通行止め 17時15分から(同) |
| 2024年7月26日 | 県道新庄次年子村山線 | 角沢〜芦沢 | 冠水で全面通行止め 0時15分から(県) |
(市)は新庄市「災害の記録」、(県)は山形県の被害報(その回の途中の報を含む)です。県の報告は場所を地名で書いていて、番地はありません。
新庄の観測所の1日の雨、上位10日のうち4日が2018年以降
気象庁の新庄の観測所で、1日の雨が多かった上位10日のうち、2018年以降の日は1位・2位・3位・6位の4日です。

2024年7月25日は、1時間の最大も68.0ミリで観測史上2位でした。市は25日午後4時5分に「緊急安全確保」を出しています(市の広報)。同じ県の最新報で、この大雨による新庄市の死者は2人、軽傷は3人です。
3位の2022年6月27日は、県の報告(令和4年7月25日9時現在の最新報)で、新庄市全体の床上浸水が2棟、床下浸水が8棟。2位と6位が入る2018年8月は、市のまとめ(9月14日時点)で住居の浸水が床上3カ所、床下55カ所でした。
雨の値は、新庄市東谷地田町にある観測所1か所のものです。家の浸水やアンダーの冠水が起きた場所で降った量ではありません。
読者
2024年の67棟は、どの町で出たんですか?
県の最新報は市ごとの数だけで、町名は書いていません。どの家が道路にたまった水で、どの家が川からあふれた水で浸かったのかを分けた資料も、見つかっていません。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
新田川の堤防決壊は「川の氾濫」。道路の冠水と分けて見る
2024年7月25日は、川からも水があふれました。県の河川課の資料(令和6年9月2日現在)は、新庄市内の浸水被害として、新田川(にったがわ)の本合海と角沢、鍋倉川(昭和)、升形川(金沢)などを挙げています。本合海の新田川は「破堤」、つまり堤防が切れての浸水です。
県の最上総合支庁は2026年5月27日、「警官2名が殉職されるなど大きな被害のあった新田川」で、決壊した堤防4か所の復旧が終わると発表しました。新田川の被災箇所は26か所あり、新しく清水橋と駒場橋に水位計を置いています。
災害情報の研究者、牛山素行さんのnote(2024年7月28日公開)は、報道をもとに、25日23時40分過ぎに本合海で少なくとも4台の車が流されたと整理し、場所を新田川沿いの低い土地を横切る道路の付近とみています。当時の重ねるハザードマップでは、その付近は洪水浸水想定区域の外だったとも書いています。市の洪水ハザードマップは今、新田川の浸水想定を令和7年5月23日の県の告示のものとして載せています。

本合海には最上川の水門もあり、市の記録には2018年8月31日3時45分の「本合海地区内水排水ゲート閉鎖」があります。
住む前・借りる前に見る地図
新庄市の洪水ハザードマップは地区別の6面で、最上川・鮭川・升形川・泉田川などと、新田川や鍋倉川など16の川、あわせて22の川の浸水想定を載せています。
市は、この地図に「雨水排水による浸水想定」は載っていないと書いています。国土地理院の重ねるハザードマップが内水の浸水想定を載せている66件(2026年9月23日取得)にも、新庄市はありません。市の地図は写さず、見方だけ案内します。
- 洪水ハザードマップで、家と避難所までの道に色が付いていないかを見る
- 通勤・通学の道がA〜Dのアンダーを通るかを確かめ、大雨の日に使う別の道を決めておく
- 雨の日に、家の前の側溝があふれていないか、道がどちらへ下っているかを見る
\引っ越し先が洪水の浸水想定区域に入るかを住所で確認/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します。道路の冠水や内水は出ません
山形県のほかの冠水の記事
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 山形市 冠水 どこが危ないの?(市のアンダーパス15か所と国の一覧)
公式出典
- 国土交通省 東北地方整備局「道路防災情報Webマップ」冠水想定箇所 山形県(一覧と説明表 yamagataken-02-250・252・253・451。2026年9月23日取得)
- 気象庁「過去の気象データ」新庄 観測史上1〜10位の値
- 山形県「令和6年7月25日からの大雨」(令和8年2月12日10時現在の概要版、令和7年2月4日10時現在の詳細版と、令和6年7月25日19時・26日9時・26日14時・27日11時・28日11時の報告)、「7月7日からの大雨」(令和6年7月11日16時30分現在)、「6月27日からの大雨」(令和4年6月28日9時30分・7月25日9時現在)
- 山形県 県土整備部河川課「令和6年7月25日からの大雨に係る県管理河川の対応状況」(速報版・令和6年9月2日現在)
- 山形県 最上総合支庁「令和6年7月大雨で被災した新田川(新庄市本合海地内)の堤防決壊箇所(4箇所)の復旧完了について」(2026年5月27日)
- 新庄市「平成30年8月豪雨による被害状況」「【令和2年7月豪雨災害】経緯」「新庄市洪水ハザードマップ」「防災・防犯情報」「まちとぴオンライン 7月(令和6年度)」
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」内水(雨水出水)浸水想定区域の一覧
- 山形新聞「アンダーパスで水没車移動訓練 新庄署」(2026年9月18日・Yahoo!ニュース)/さくらんぼテレビ「豪雨時短時間で水位が上昇・アンダーパス冠水を想定した規制訓練 山形・新庄市」(2026年9月17日・Yahoo!ニュース)
- 牛山素行「2024年7月25日の大雨による新庄市本合海での車の被災箇所について」(note・2024年7月28日公開、8月11日加筆)
- 国土地理院 地理院タイル(地図)・住所検索API
- 道路・地名の位置:OpenStreetMap(© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず新庄市と山形県の最新の発表を確認してください。
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