「使い捨てになっていますが、往復で同じものを使っても大丈夫なんでしょうか?」。2017年1月、飛行機用の耳栓イヤープレーンについて、Yahoo!知恵袋にこんな質問が投げられました。ベストアンサーは「10年使っても大丈夫。」でした。
ところが、販売元のコンサイスは同じ耳栓について「再使用はおすすめしません」と書き、水洗いも「不可」としています。さらに、実際に4回のフライトで試した価格.comマガジンの記事には「洗って、複数回使用可能」とあります。同じ商品に、答えが3つあるわけです。
運営者はこの耳栓を買っていません。使い心地は、実際に使った人の名前を添えて紹介します。並べるのは、販売元の説明、検証記事の評価、JAL(日本航空)が書いている耳の痛みの仕組みの3つです。
コンサイス
イヤープレーン(大人用)1ペア ケース付き
気圧調整フィルター内蔵遮音値NRR20dB水洗い不可
セラミックのフィルターで、気圧の変化をゆっくり耳に伝える仕組みの耳栓です。
画像:Amazon.co.jp の商品ページより(クリックでAmazonの商品ページが開きます)
この記事で確かめたこと
- ✓ 販売元コンサイスは「往復のご旅行を目安」とし、再使用はすすめていません。水洗いも不可です。
- ✓ 付けるのは痛くなる前です。上昇の前に付けて高度が安定したら外し、下降はベルト着用サインで付けて、ドアが開くまで付けておきます。
- ✓ JALは、かぜや鼻炎で鼻の粘膜が腫れると耳管が開かなくなると書き、旅行前に治療を受けておくよう求めています。
\大人用と小児用があります/
耳の穴が小さい人向けに小児用も売られています。
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使い捨てか、洗って何度もか。答えが3つある
まず販売元の説明です。コンサイスの商品ページとパッケージの裏面には、同じ文が載っています。
多孔性の特殊フィルターを内蔵しています。 機内のホコリや空気中の汚れ、水分などがつまると効力が減少するため、再使用はおすすめしません。 往復のご旅行を目安にご使用いただき、次回のご旅行時には新品をご使用ください。
つまり販売元の答えは「行きと帰りの1往復まで」。知恵袋の質問者が気にしていた往復での使い回しは、販売元の想定の範囲内です。一方で「10年使っても大丈夫。」という回答は、販売元の説明とは逆の向きになります。
価格.comマガジンの記事は、イヤープレーンの再利用欄に「○ 洗って、複数回使用可能」と書いています。これに対し、コンサイスの仕様欄は水洗い:不可です。記事は2018年10月の公開なので、書き手が当時手にした説明と今の表記が同じかどうかは確認できませんでした。いま買うなら、パッケージに書かれた販売元の説明のほうに合わせるのが確実です。
フィルターがつまっても見た目では分かりません。効き目が落ちたと気づくのは、次のフライトで耳が痛くなったときです。
繰り返し使える気圧調整耳栓がほしい場合は、別の製品になります。たとえば別会社の製品のサイレンシア エアーは、公式の仕様表で水洗い「可」とし、繰り返し使用可能とうたっています。遮音値は30dB(SNR)です。
取り上げたきっかけ
価格.comマガジンの筆者(Mr.TATE)氏はイヤープレーンを、デュッセルドルフからアブダビまでのフライトで付けています。評価は耳キーン予防効果が「◎ 同率1位」、快適さが「◎ 2位」、遮音性が「○ 3位」でした。
“耳キーン”予防効果と装着時の快適さ、そして遮音性能のバランスにすぐれたモデルです。
柄が短くやわらかいため、耳の奥まで入れるのに手間取ることもあるとしつつ、「3〜4回のトライですぐにうまくなる」とも書いています。耳の中が敏感でカナル型のイヤホンも長く使いたくないという同氏が、違和感なく付けていられたそうです。
どんな耳栓か
画像:Amazon.co.jp の商品ページより
本体はやわらかいシリコンで、ギザギザの円周リングが付いた側を耳に入れます。中には空気孔と、セラミックの多孔性フィルターがあります。フィルターを通して気圧の変化が少しずつ耳の中へ伝わるので、急な変化がそのまま鼓膜にかからない、という仕組みです。
パッケージの付け方は「耳上部を軽く引き上げ」、リングの側を耳穴に当てて「ネジのように回しながら」入れる、というものです。使える場面として、販売元は飛行機の上昇・下降時のほか、新幹線でトンネルを通るときも挙げています。
主な仕様
| 品名 | イヤープレーン(大人用) |
|---|---|
| 内容 | 耳栓1ペア(2個)、携帯ケース付き |
| 遮音値 | NRR20dB |
| 材質 | 本体:シリコン/フィルター:セラミック |
| サイズ | 28mm(全長)×12mm(直径) |
| 水洗い | 不可 |
| 使用の目安 | 往復のご旅行(再使用はおすすめしない) |
| 価格 | コンサイス公式ストアの通常価格1,650円(税込) |
| 対象年齢・適合する耳穴の大きさ | 確認できませんでした(別に小児用が販売されています) |
出典:コンサイス公式ストアの商品ページ(2026年9月23日閲覧)
付けるのは「痛くなる前」
耳が痛くなってから付けても遅い、というのが販売元の説明の組み立てです。パッケージの見出しは「離着陸時など、気圧が大きく変動する前にお使いください」。手順は次の通りです。
- 上昇:機体が上昇する前に付け、水平飛行に入って高度が安定したら外す。
- 飛行中:気流が不安定なときや、機内の騒音が気になるときはそのまま使ってよい。
- 下降:ベルト着用のサインに合わせて付け、着陸後にドアが開くまで使う。

着陸したら外す、ではなく「ドアが開くまで」と書かれているところが見落としやすい点です。付けたままでもアナウンスなど必要な音声は聞こえる、とパッケージにあります。
同氏も、すき間があると効果が失われるとして、耳をつまんで上に引っ張りながら入れる方法が各社の説明書で勧められていると紹介しています。同氏が試した別の小さな耳栓では、奥まで入らずすき間ができ、離陸時に効果がきっちり得られなかったと書いています。
耳栓だけでは足りないとき
JALは、耳が詰まる・痛くなる理由を、中耳の空気が気圧の変化で膨らんだり縮んだりしようとするためと説明しています。中耳は耳管という細い管で鼻とつながっていて、この管が開くことで圧がそろいます。
かぜやアレルギー性鼻炎で鼻の粘膜が腫れると耳管が開かなくなり、中耳が炎症を起してしまいます。
予防としてJALが挙げているのは、旅行前にかぜやアレルギー性鼻炎の治療を受けておくことです。飛行中に痛くなったら、つばを飲みこむ、あくびをする、飴をなめる。それでもだめなら耳抜き(バルサルバ法)を、あまり強くやらないように、と書いています。
耳に病気があって治療中の人、鼻がつまっている人は、耳栓を買う前に耳鼻科で相談するほうが先です。耳栓は耳管を開けてはくれません。
こんな人は見てもよさそう
- 離着陸のたびに耳が痛くなり、耳抜きがうまくできない人。
- 年に数回の旅行で、往復ごとに新しいペアを使うことに抵抗がない人。
- 新幹線でトンネルに入るたびに耳が詰まる感じがある人。
逆に、1ペアを何年も使い回したい人には、販売元の想定と合いません。洗って繰り返し使えるとうたう製品を選ぶほうが、説明どおりの使い方ができます。
この記事で確認した情報源
- ・コンサイス公式ストア「イヤープレーン」(仕様と再使用の注意。)
- ・価格.comマガジン Mr.TATE氏「“耳キーン”対策に耳栓は有効か?」(2018年10月13日公開の比較記事。)
- ・JAL「出発前」機内で発生しやすい症状とその対処法(耳の痛みの仕組みと予防。)
- ・サイレンシア公式「気圧調整用シリーズ」(繰り返し使える製品の例。)
- ・Yahoo!知恵袋「飛行機用耳栓、『イヤープレーン』を使ったことがある方に質問です!」(2017年1月19日。)
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