四日市市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は13か所です。
13か所の名前を並べると、同じ言葉が並びます。アンダーパス、アンダーパス、アンダーパス。13か所のうち9か所の名前に「アンダーパス」が入っています。
この記事でわかること
- ✓ 13か所のうち9か所が「アンダーパス」。鉄道の下をくぐる道が4か所あります
- ✓ 内水氾濫ハザードマップは令和7年10月31日から重要事項説明の対象になりました
- ✓ ただし7つの地区は対象外で、13か所のうち2か所はその地区にあります
箇所の数・種別・住所は国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所」三重県239か所と、箇所ごとの説明表13枚から自分で数えました。地図の条件と対象外の地区は四日市市上下水道局と四日市市防災情報のページ、町名と地区の対応は市の「町名・該当地区名一覧」です。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
13か所のうち4か所が、線路の下をくぐる道です

三重県の一覧を数えると239か所。松阪市27、津市22、熊野市20、鈴鹿市17、志摩市16と続き、四日市市は13か所で県内8番目です。県庁所在地でも人口最多の市でもいちばんにならないのが、このリストの面白いところです。
13か所の名前を見ていくと、くぐる相手がはっきり書かれています。鉄道の下が4か所。近鉄が2か所(四日市関ヶ原線近鉄アンダーパス、楠町小倉近鉄アンダーパス)、JRが1か所(川北10号JRアンダーパス)、三岐線が1か所(三岐線アンダーパス)。
道路の下も3か所あります。国道1号の下をくぐる県道、東名阪の下、そして国道365号の西浦バイパス。残りは内堀・河原田環状・赤堀・内山と、地名だけが付いたアンダーパスです。
| 管理番号 | 区分 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|
| 三重県-02-101 | 主要地方道 | 国道1号采女南交差点付近 | 采女町2942-2付近 | 0.3m |
| 三重県-02-190 | 市道 | 楠町小倉近鉄アンダーパス | 楠町小倉610付近 | 1.9m |
| 三重県-02-191 | 市道(未認定道路) | 赤堀アンダーパス | 赤堀三丁目12番地30付近 | 3.9m |
| 三重県-02-098 | 国道365号 | 西浦バイパスアンダーパス | 西町229番地1付近 | 4.3m |
| 三重県-02-189 | 市道 | 四日市関ヶ原線近鉄アンダーパス | 滝川町5番地16付近 | 4.7m |
| 三重県-02-001 | 国道1号 | (名称なし) | 川北 | 5.2m |
| 三重県-02-024 | 市道 | 河原田環状アンダーパス | 河原田町1404付近 | 5.3m |
| 三重県-02-023 | 市道 | 内堀アンダーパス | 内堀町277付近 | 5.7m |
| 三重県-02-022 | 市道 | 川北10号JRアンダーパス | 川北町1153番地3付近 | 10.6m |
| 三重県-02-020 | 県道三畑四日市線 | 国道1号アンダーパス | 釆女町1833番地1付近 | 13.4m |
| 三重県-02-099 | 国道477号 | 東名阪アンダーパス | 菅原町354付近 | 34.8m |
| 三重県-02-021 | 市道 | 三岐線アンダーパス | 市場町1165付近 | 36.2m |
| 三重県-02-192 | 市道 | 内山アンダーパス | 内山町8279付近 | 70.2m |
住所は説明表に書かれたものです。標高は住所から引いたので、実際の底はこれより低くなります。
1つ、目を引く欄がありました。赤堀アンダーパスの路線名が「未認定道路」になっています。道路法の道路として認定されていない道、という意味です。それでも国の一覧には載っています。冠水するかどうかに、道の肩書きは関係ないということです。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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標高は0.3メートルから70メートルまで開きます

13か所の標高を引くと、いちばん低いのが国道1号采女南交差点付近の0.3メートル、いちばん高いのが内山アンダーパスの70.2メートルでした。
低いほうは海側です。楠町小倉が1.9メートル、赤堀三丁目が3.9メートル、西町が4.3メートル、滝川町が4.7メートル。13か所のうち8か所が標高6メートル未満に固まっています。
高いほうは内陸の丘です。内山町が70.2メートル、市場町が36.2メートル、菅原町が34.8メートル。この3つが飛び抜けていて、あいだがほとんどありません。海側の平らな土地と、内陸の丘。同じ市のなかで、冠水する理由が2種類あることになります。
電話をかける先は、1か所ごとに違います
説明表には、管理者・警察署・消防署の名前と電話番号が入っています。13か所ぶんを並べると、きれいに割れました。
管理者は、国が1か所(三重河川国道事務所)、県が4か所(四日市建設事務所)、市が8か所。警察署は四日市南警察署が10か所、四日市北警察署が2か所、四日市西警察署が1か所。消防は12か所が四日市市消防本部で、1か所だけ四日市北消防署でした。
取手市や津島市を調べたときは、管理者も警察も消防も全部同じ名前で、1つも割れませんでした。四日市市はそうではありません。「道路が冠水している」と伝えたい相手が、場所によって変わります。自分の家の近くの箇所がどこの担当なのか、平時に説明表を開いて番号を控えておくと、当日あわてずにすみます。
もうひとつ、資料の見た目にも差があります。13枚の説明表は2種類の様式が混ざっていて、番号の若い6枚と、098番以降の7枚で欄の並びが違います。管理者の欄も「四日市市役所」と書かれたものと「四日市市」と書かれたものがあり、同じ市役所を指しているのに表記がそろっていません。あとから足された箇所は、あとの様式で書かれている、ということだと思います。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
令和7年10月31日から、内水の地図も重要事項説明の対象です
四日市市の内水氾濫ハザードマップは、水防法第14条の2に基づく雨水出水浸水想定区域をもとに作られています。市は宅地建物取引業者向けのページで、こう書いています。「令和7年10月31日から内水氾濫ハザードマップも対象に追加されています」。
不動産を買うとき借りるとき、水害ハザードマップでその物件がどこにあるかを説明することが義務づけられていますが、対象は水防法に基づいて作られた地図だけです。四日市市の内水の地図は、その対象に入りました。
想定している雨は1時間147ミリ。およそ1000年に一度の雨です。この数字は市が決めたものではなく、国が全国を降り方の似た15の地域に分けて、それぞれの地域で観測された最大の雨から設定したものです。だから同じ地域の市は同じ値になります。静岡県焼津市も147ミリ、関東の市は153ミリ、新潟県上越市は130ミリでした。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
7つの地区は、内水の地図の対象外です

ここに大きな注意書きがあります。内水氾濫ハザードマップの作成状況の欄に、こう添えられています。「保々、川島、桜、県、四郷、小山田、水沢地区は対象外」。市内の7地区には、内水の地図がありません。
そこで、国の一覧13か所の住所を市の「町名・該当地区名一覧」で引き直しました。市場町は保々地区、内山町は小山田地区。13か所のうち2か所が、内水の地図の対象外の地区にあります。
しかもこの2つは、標高が高いほうから1番目と2番目です。内山アンダーパスが70.2メートル、三岐線アンダーパスが36.2メートル。国が「ここは冠水する」と名指ししているのに、市の内水の地図には色が塗られていない場所があるということになります。
これは市の手落ちではありません。内水の地図は公共下水道の区域をもとに作るので、下水道が入っていない内陸側は最初から対象になりません。ただ、住む人からすれば理由はどうあれ「地図に載っていない」ことに変わりはありません。丘の上でも、掘り下げた道は水をためます。
過去に実際に浸かった場所は、別の資料で確かめられます。市の公開型GISの「既往浸水履歴図」で、昭和34年(1959年)からの浸水実績が地図の上に出ます。住民からの通報をもとに危機管理課がまとめたものなので、ここに無い場所が安全という意味ではありません。
止水板の設置に、最大50万円の補助があります
四日市市には、建物の出入口に取り付ける止水板への補助があります。費用の2分の1、上限50万円。市内全域が対象です。住宅でも店舗でも事業所でもよく、所有者だけでなく使用者も申請できます。
順番が決まっていて、まず事前相談、次に申請、交付決定通知を受け取ってから発注します。交付決定の前に契約・購入・着工したものは対象外です。
この制度は予算額に達すると受付が止まります。市のページには「今年度の予算額に達したため申請受付を一時中断しております」という案内と、「令和8年5月8日より申請受付を再開いたします」という案内が並んで出ています。申し込む前に、危機管理課へ今の状況を確認してください。
もし車で水に入ってしまったら


13か所のうち9か所は、上を鉄道か道路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。標高0.3メートルの采女南交差点付近は、その典型です。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 津市 冠水 どこが危ないの? 県内239か所の半分は、くぐる道ではありません(三重県)
- 焼津市 冠水 どこが危ないの?(静岡県) 同じ1時間147ミリで地図を引いた市です
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません(愛知県)
- 津島市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 10か所とも標高が海面より低い市です
- 岐阜市 冠水 どこが危ないの? 14か所のうち12が「地下道」で、国道は1つもありません(岐阜県)
この記事のまとめ
四日市市で道路が冠水しやすい場所は13か所。9か所の名前に「アンダーパス」が入り、うち4か所は近鉄・JR・三岐線の下をくぐります。標高は0.3メートルから70.2メートルまで開き、8か所が6メートル未満に固まっています。
市の内水氾濫ハザードマップは1時間147ミリを想定したもので、令和7年10月31日から重要事項説明の対象になりました。ただし保々・川島・桜・県・四郷・小山田・水沢の7地区は対象外で、国の一覧13か所のうち市場町と内山町の2か所はその地区に入ります。地図に色が無いことと、水がたまらないことは別です。
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