「販売図面が2枚になったので、レインズにも2枚とも上げておこう」。これはできません。レインズに登録できる図面は、1物件につき1点までです。2枚目のファイルを選ぶと、1枚目が置き換わります。
やっかいなのはこの先です。「じゃあ仕様はどうなっているのか」と検索すると、1ページ目に出てくる数字が古い。「1MB(メガバイト)以内」「PDFは不可」と書かれたページが、2026年9月の今も上位に残っています。そのページ自身が「2009/1/4改定システム対応」「2011/8/18改定システム対応」と書いています。
レインズは2022年1月に3つのシステムが1本にまとまり、そのときに図面の仕様も変わりました。今のレインズが受け付けるのは、PDFのほかにJPEG(ジェイペグ)・GIF(ジフ)・TIFF(ティフ)の3形式。サイズは2MBまでです。この記事では、機構が今出しているマニュアルの原文で、現行の数字だけを並べます。
この記事でわかること
- ✓ 図面は1物件1点。形式はPDF・JPEG・GIF・TIFF、サイズは2MBまで
- ✓ 検索上位に残る「1MB」「PDF不可」「近畿は3MB」は2009〜2011年の仕様
- ✓ 図面の中身は「1枚に、上部へ間取り図・案内図・詳細情報、下部に商号」と決められている
レインズに登録できる図面は1物件に1点
機構が会員に配っているクイックマニュアルに、そのまま書かれています。
図面(物件資料)は、1物件につき1点を登録することができます。
「1点」はファイルの数です。だから、間取り図の図面と設備一覧の図面を別々に登録する、という使い方はできません。2枚に分けるのではなく、1枚に収めるという設計が前提になっています。
ここで混同しやすいのが「画像」です。図面とは別の枠で、写真は1物件につき10点まで登録できます。外観・室内・周辺は画像のほうに入れるので、図面1点に全部を詰め込む必要はありません。
読者
2枚目を登録しようとしたら、1枚目が消えました。バグですか。
仕様どおりです。マニュアルにも、誤って違う図面を登録したときは選び直せばよい、という趣旨の案内があります。上書きは想定された動きで、追加ではありません。
ファイル形式はPDF・JPEG・GIF・TIFF、サイズは2MBまで
マニュアルの記載は次の2行です。
・ ファイル形式 : PDF、JPEG、GIF、TIFF
・ ファイルサイズ : 2MBまで (サイズが大きい時は自動的に縮小されます)
図面と画像を並べると、こうなります。
| 点数 | ファイル形式 | サイズ | |
|---|---|---|---|
| 図面(物件資料) | 1物件1点 | PDF・JPEG・GIF・TIFF | 2MBまで |
| 画像(写真等) | 1物件10点 | JPEG・GIF | 2MBまで |
実務でいちばん効くのは「PDFがそのまま通る」という点です。「レインズ 図面 ファイル 変換 ソフト」という検索が出てくるのは、PDFを画像に変換しないと登録できないと思っている人がいるからですが、PDFのまま登録できます。変換ソフトを買う必要はありません。
もうひとつ、「サイズが大きい時は自動的に縮小されます」という注記も見落とされがちです。2MBを超えたら弾かれるのではなく、縮小されて通ります。ただし縮小されるということは、細かい文字がつぶれる可能性があるということです。図面の中の注記や設備の一覧を小さな文字で入れている場合は、登録後に自分でダウンロードして読めるか確かめたほうが確実です。
検索で出てくる「1MB」「PDF不可」は2009〜2011年の仕様
ここが、この記事を書いた理由です。
「レインズ 図面 登録」で検索すると、1ページ目に図面作成ソフトの解説ページが出てきます。そこには「ファイルフォーマット:jpeg,gif,tiff/ファイルサイズ:1MB以内」と書かれています。近畿については「3MB以内」という別の数字も並んでいます。冒頭で触れた、あのページです。
ページの見出しには、こう添えられています。「全国(東日本・中部)レインズでの設定(2009/1/4改定システム対応)」「近畿レインズでの設定(2011/8/18改定システム対応)」。15年前と14年前の仕様が、今も検索1ページ目にあります。
これは誰かが嘘を書いたという話ではありません。そのページには「実際に弊社が各レインズでの登録検証を行ってはいません」「将来、レインズの仕様変更があった場合は設定の方法も変わってきます」という断り書きもきちんと付いています。書かれた当時は正しく、そのあとレインズ側が変わった、というだけです。
何が変わったのか。近畿レインズの告知に、はっきり書かれています。
2022年1月より、近畿レインズは新システムに変わります。新システムは、現在「東日本・中部レインズ」「近畿レインズ」「西日本レインズ」の3つに分かれたシステムを統合し、全国4指定流通機構が単一のシステムを共同利用することになります。
西日本レインズの資料では、稼働日まで特定されています。「4機構共通レインズシステム は 2022年1月6日7時から稼働 いたします。」
ここで一点、実務者がよく間違える部分があります。統合されたのは4つではなく3つのシステムです。東日本と中部は統合前から同じシステムを使っていました。2021年に出た図面関係の通知が東日本と中部の連名になっているのは、そのためです。
旧システムと新システムの違いは、同じマニュアルの変更点まとめに表で載っています。
| 旧システム | 新システム(2022年1月〜) | |
|---|---|---|
| 図面ファイル | 1物件1点/PDF/1MBまで | 1物件1点/PDF・JPEG・GIF・TIFF/2MBまで |
| 画像ファイル | 1物件30点/JPEG・GIF/1MBまで | 1物件10点/JPEG・GIF/2MBまで |
図面はサイズが倍になり、形式が3つ増えました。一方で画像は30点から10点へ減っています。「新しくなったから増えたはず」と思って昔の感覚で20点分の写真を用意すると、半分は載りません。
「近畿は3MB」という数字にも出どころがあります。あれは「図面の登録」ではなく、近畿レインズにあった「図面の作成」機能の数値でした。そしてその機能——流通図面作成機能は、2022年の統合で廃止されています。今のシステムに3MBの枠はありません。
\図面に載せた表現が規約に触れていないか/

図面の中身は「1枚に収める」と決められている
ファイルの数だけでなく、中身の作りにもルールがあります。中部圏不動産流通機構のレインズ利用ガイドライン(令和7年1月1日改正版)に、こう書かれています。
図面は1枚とし、上部に間取り図・案内図・詳細情報等、下部に商号等を配置してください。
2次元コードやURLなどのリンク情報は図面下部の商号欄(帯欄)に記載してください。
「1点」はファイルの数、「1枚」は紙面の数です。両方が指定されています。
このルールが載っているのは、ガイドラインの「事例」の章です。どんな事例に対して書かれたものか、原文を引きます。
登録された図面には、間取りや詳細情報など物件の内容は一切入っておらず、「メール配信の御案内」のみの表示があった。
図面登録をした会員のホームページにメールアドレスを登録して、はじめて図面が配信される仕組みだった、と続きます。機構はこれに対して、レインズ利用規程第6条第1項を挙げ「登録する図面には物件に関する適正な情報を記載してください」と答えています。
つまり、2次元コードやURLを図面下部の帯欄に限定しているのは、レイアウトの美しさの話ではありません。図面本体を空にして、外へ誘導するための紙にしてしまう使い方を止めるためのルールです。
A4一枚に何を載せて何を書かないかはマイソクの作り方|A4一枚に載せる項目と、書いてはいけない表現にまとめています。レインズの図面も、載せられる面積は同じ1枚です。
\物件ページの表示も同じ規約の対象です/
図面のテンプレートは近畿レインズが無料で配っている
「レインズ 図面 テンプレート」は、この分野で最も打たれている語のひとつです。答えは、近畿レインズの公開ページにあります。会員ログインは要りません。
- Excel図面テンプレート本体(.xlsx)。売買5種別(土地/戸建/マン/外全/外一)と賃貸2種別(居住用/事業用)の7種類のシートに分かれています。更新日は2024年11月22日
- 利用マニュアル(PDF・7ページ)。同じく2024年11月22日更新
- 付録の『設備・条件入力支援』ツール(ZIP・一部マクロ入り)。情報提供日は2021年6月23日
動作確認されているのはMicrosoft Excel(マイクロソフト エクセル)2013以降です。マニュアルの手順④には「レインズへ図面登録するには、PDF 形式にする必要があります」とあり、エクスポートからPDFで保存する手順が図つきで載っています。
この「PDF形式にする必要があります」は、Excelテンプレートから登録する場合の手順の話です。レインズが受け付ける形式そのものは PDF・JPEG・GIF・TIFF の4つなので、他のソフトで作った図面をJPEGで登録することもできます。
私が「1点まで」を制限だと思わない理由
ここからは意見です。
図面が1点しか入らない仕様は、実務では不便です。リフォーム履歴も設備一覧も周辺環境も載せたい物件では、1枚では足りません。
ただ、機構がガイドラインでわざわざ止めているのが「連絡先だけの図面」だった、という事実のほうを私は重く見ています。1点しか入らないなら、その1点に何を載せるかがそのまま会社の姿勢になります。間取りも詳細も入れずにメール登録へ誘導する紙を置いた会社と、1枚に必要な情報を収めた会社が、同じ「図面あり」として並ぶ。枚数の制限は、中身の差を隠せなくする仕組みでもあると考えています。
物件の紹介文をAIに書かせる場面が増えていますが、そこで起きる問題も根は同じです(AIの物件コメントをそのまま出せない理由)。器が小さいほど、何を入れるかの判断が表に出ます。
よくある質問
レインズの図面は2枚登録できますか
できません。図面は1物件につき1点までです。2枚目を選ぶと1枚目が置き換わります。写真は図面とは別枠で、1物件10点まで登録できます。
PDFで登録できますか
できます。現行のファイル形式はPDF・JPEG・GIF・TIFFの4つです。PDFで登録した場合は一覧にプレビューが表示されず、クリックしてPDFを開く形になります。JPEG・GIF・TIFFで登録するとプレビューが表示されます。
ファイルサイズの上限は何MBですか
2MBまでです。マニュアルには「サイズが大きい時は自動的に縮小されます」と付記されています。縮小で細かい文字がつぶれることがあるので、登録後に読めるか確認してください。
4つのレインズで仕様は違いますか
2022年1月6日から4機構が単一のシステムを共同利用しているため、図面の点数・形式・サイズは共通です。ただし利用ガイドラインは機構ごとに出ています。この記事で引いた「図面は1枚とし」の記述は中部圏不動産流通機構のガイドラインのものです。
変換ソフトは必要ですか
PDF・JPEG・GIF・TIFFのいずれかで出力できるソフトを使っているなら、専用の変換ソフトは要りません。ExcelやWordしか使っていない場合も、PDFでエクスポートすれば登録できます。
物件ページに「このあたりはどんな街か」を、入力ゼロで置けます
自社サイトにタグを1行貼るだけで、住所から相場・災害リスク・土地の高さ・町ごとの成約価格が出る窓を置けます。周辺施設を手で入力する必要はありません。
出典
- 近畿レインズ会員サイト「共通レインズIP型システム クイックマニュアル」(PDF・33ページ。図面は1物件1点、形式PDF・JPEG・GIF・TIFF、2MBまで、自動縮小の記載、画像は10点まで、旧システムからの変更点まとめ。2026年9月4日取得)
- 近畿レインズ「4機構レインズシステム統合化に関するお知らせ」(3つのシステムを統合し4機構が共同利用する旨。2026年9月4日確認)
- 西日本不動産流通機構「2022年1月から西日本レインズシステムは4機構共通レインズシステムに変わります」(PDF。2022年1月6日7時稼働、流通図面作成機能の廃止。2026年9月4日取得)
- 中部圏不動産流通機構「レインズ利用ガイドライン 令和7年1月1日改正版」(PDF・32ページ。事例4「連絡先のみを記載した図面の登録」、図面は1枚とし上部に間取り図等・下部に商号等、2次元コードやURLは帯欄。2026年9月4日取得)
- 近畿レインズ「Excel図面テンプレートについて」(テンプレート本体と利用マニュアルの更新日2024年11月22日、7種類のシート、Excel 2013以降、PDF出力の手順。2026年9月4日確認)
数字と引用は2026年9月4日時点で各機構の公開資料を直接開いて確認したものです。システムの仕様は改定されることがあるため、登録前にご自身の所属機構の案内をご確認ください。


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