🗨️「大阪市の人口がまた増えたそうですが、増えているのは梅田や難波のあたりですか?」
7月の1か月では逆でした。北区は0人、中央区は1人。いちばん増えたのは住吉区の222人で、都心2区はどちらも転出超過です。
[地価・住宅市場] この記事の要点
大阪市が2026年8月18日14時、令和8年8月1日現在の推計人口を公表した。総数2,818,354人で前月から727人増。7月中の人口異動は自然動態が1,080人減、社会動態が1,807人増。区別では住吉区が222人増で最多、北区は増減0、中央区は1人増だった。
2026年8月19日 発表
- 大阪市内で住み替え先の区を決めようとしている人
- 大阪市内で部屋を貸している賃貸オーナー
- 大阪市内の土地・戸建て・マンションの売却を考えている人
- 関西で資産価値の推移を見ている人
この記事でわかること
- 7月に人が増えた区と、まったく増えなかった区
- 地価が上がっている区と、人が実際に移った区がずれていること
- 1世帯あたり人数が区で1.65倍違うこと
増えたのは梅田でも難波でもありません
「大阪で人が増えているのは梅田や難波の都心だ」——2026年7月の1か月に限れば、そうではありません。大阪市が18日に公表した区別の内訳を開くと、いちばん増えたのは住吉区の222人、次が平野区の161人でした。市の南側です。
| 区 | 7月の増減 | 自然動態 | 社会動態 |
|---|---|---|---|
| 住吉区 | +222 | △61 | +283 |
| 平野区 | +161 | △115 | +276 |
| 西区 | +136 | +21 | +115 |
| 都島区 | +116 | △27 | +143 |
| 淀川区 | +109 | △47 | +156 |
| 中央区 | +1 | +32 | △31 |
| 北区 | 0 | +22 | △22 |
| 西淀川区 | △74 | △57 | △17 |
| 城東区 | △73 | △105 | +32 |
市全体では2,818,354人で、前月から727人増えました。率にすると0.03%です。数としては小さいのに中身が偏っていて、24区のうち5区(西淀川・城東・東淀川・阿倍野・大正)は減っています。
都心の2区は、出ていった人のほうが多い
北区と中央区が動かなかった理由は、内訳を見ると分かります。北区は転入より転出が22人多く、中央区は31人多い。この2区は7月に転出超過でした。プラスに見えているのは、生まれた人が亡くなった人より多かったぶん(北区+22、中央区+32)で相殺したからです。
転出超過だった区は北区・中央区・阿倍野区・西淀川区・福島区の5つ。オフィスと商業の中心にある2区が、そこに並んでいます。7月の1か月分の数字なので、これだけで「都心回帰が終わった」とは言えません。ただし、人が動いた先はこの月に限れば南部と淀川沿いでした。
24区のうち19区で、亡くなる人が生まれる人を上回りました
市全体の自然動態は1,080人の減少です。出生1,657人に対して死亡2,737人。区ごとに見ると、自然動態がプラスだったのは北区・福島区・中央区・西区・天王寺区の5区だけで、残る19区はマイナスでした。
いちばん大きいのは西成区の187人減、次が平野区の115人減、城東区の105人減です。それでも平野区が全体で161人のプラスになっているのは、転入が転出を276人上回ったからです。大阪市の人口が増えているのは、生まれているからではなく、外から入ってきているからという構図が、区の単位でもそのまま出ています。
人が増えた区と、地価が上がった区は一致しません
ここからは当サイトで持っている国土交通省の地価公示データ(2026年)を、区ごとに集計した結果と並べます。集計条件は「利用の現況が住宅」の標準地に限り、区ごとの中央値を取ったものです。
| 区 | 7月の人口増減 | 住宅地の中央値 | 前年比 | 標準地の数 |
|---|---|---|---|---|
| 住吉区 | +222 | 27万9,500円/m2 | +6.0% | 16地点 |
| 平野区 | +161 | 18万7,000円/m2 | +4.0% | 16地点 |
| 淀川区 | +109 | 29万1,500円/m2 | +8.0% | 10地点 |
| 北区 | 0 | 55万7,000円/m2 | +10.0% | 4地点 |
| 東淀川区 | △52 | 25万4,000円/m2 | +8.8% | 19地点 |
人がいちばん増えた住吉区と平野区は、地価の伸びが市内で下のほうです。反対に、伸び率が二桁の北区は7月の人口増がゼロでした。値段が上がっている場所と、実際に人が引っ越した場所が別だということです。
私はこれを、都心の住宅が「買われている」一方で「住まれる速度」は追いついていない、と見ています。地価は将来の期待や投資の資金でも動きますが、住民票は実際に生活を移した人しか動かしません。同じ月の2つの数字がずれるのは、この違いが出ているためだと考えます。
なお、西区・中央区・浪速区は住宅の標準地が1〜2地点しかなく、中央値をその区の代表として読むには足りません。上の表からは外しています。
1世帯あたり1.76人。浪速区は1.31人です
同じ資料には世帯数も載っています。市全体は1,604,021世帯で、人口を割ると1世帯あたり1.76人。区ごとに割ると差がはっきり出ます。
| 区 | 1世帯あたり |
|---|---|
| 浪速区 | 1.31人 |
| 西成区 | 1.51人 |
| 北区 | 1.56人 |
| 市全体 | 1.76人 |
| 平野区 | 1.94人 |
| 鶴見区 | 2.17人 |
浪速区と鶴見区で1.65倍の開きがあります。同じ市内でも、単身者の住まいが積み上がっている区と、家族で住んでいる区に分かれている、ということです。部屋を借りる側でも貸す側でも、区を選ぶ時点で相手が変わります。
この数字は、あとで書き換わる予定です
最後に前提を1つ。今回の推計人口は令和7年国勢調査の速報集計にもとづく数値です。令和7年11月1日から令和8年7月1日までの推計人口も、令和2年国勢調査ベースから速報ベースに修正されています。総務省から確報が出たら、市はそれにもとづいて推計をやり直し、さかのぼって修正した数値を公表する予定だと書いています。
つまり2,818,354人という数字は、いま公表されている中では最新ですが、確定値ではありません。資料の数字を引用するときは、どの基準の推計かを添えておくと安全です。
生活・仕事にどう効くか
- 住まい探し:7月に人が集まったのは住吉区・平野区・淀川区。住宅地の地価は住吉区27万9,500円/m2、平野区18万7,000円/m2で、市内では上昇率が低い区にあたる。
- 賃貸経営:1世帯あたり人数は浪速区1.31人に対し鶴見区2.17人。同じ市内でも単身向けと家族向けで需要がはっきり分かれる。
- 売却の判断:地価の伸びが二桁の北区は7月の人口増がゼロ。値段の動きと人の動きは同じ方向とは限らない。
結局どうすればよいか
- 住み替え先を絞るなら、区の総数ではなく社会動態(転入-転出)で見る
- 気になる区の実際の取引価格を相場検索で確かめる
- 数字を引用するときは「令和7年国勢調査 速報集計にもとづく推計」と添える(確報で遡及修正される)
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
自分の場合を調べる(無料ツール)
公式出典
- 大阪市「報道発表資料 令和8年8月1日現在の大阪市推計人口を公表します」(2026年8月18日発表)
- 大阪市「大阪市 推計人口(令和8年8月1日現在)」(PDF・区別内訳)(2026年8月18日発表)
- 国土交通省 国土数値情報 地価公示データ(2026年)※当サイトで「利用の現況=住宅」の標準地に限り区ごとの中央値を集計(2026年3月16日発表)
更新履歴
- 2026年8月19日 初版を公開
※本記事は2026年8月19日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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