姫路市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪20.2万円で予算を組むと、阿保では坪52.9万円なので届かず、花田町では坪6.4万円なので余ります。同じ市内、同じ1坪で8.2倍の開きです。
姫路市には2024年10-12月から2025年10-12月までに438件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで40町ぶん並びます。ここまで町が並ぶと、「姫路市の相場はいくら」という1つの数字は、どの町の予算づくりにも使えません。
国土交通省が公表している実際の成約価格を町ごとに並べ直しました。候補地がどのあたりに立っているかを先に見てください。
先に結論
- 姫路市の土地は1坪20.2万円(中央値・438件)。1区画は220㎡=66.6坪が中央値です
- 町別だと阿保52.9万円、花田町6.4万円で8.2倍。市の1つの数字はどの町にも当てはまりません
- 坪単価が市の中央値の4分の1を下回る町が10あります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場として読めません
- 表には「広畑区」と「広畑区小松町」のように、区でまとめた行と町名まで入った行が混在しています
- 建物込みなら中古戸建て79.8万円/坪、新築戸建て104.4万円/坪。2つの価格帯は重なっています
姫路市の土地は1坪20.2万円。1区画66.6坪で概算1,342万円
2024年10-12月から2025年10-12月までに姫路市で成約した宅地の坪単価は、中央値で20.2万円でした。坪単価が極端に外れた44件を除いたうえでの438件です。残った438件の幅は、1坪2.0万円から145.5万円まであります。
1区画の面積の中央値は220㎡、坪にすると66.6坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で1,342万円になります。ただし坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として使ってください。
町別に並べると阿保52.9万円と花田町6.4万円で8.2倍
成約3件以上の町は40あります。全部を1本ずつ並べると読めなくなるので、取引件数の多い13町を抜き出しました。
姫路市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の40町から、取引件数の多い13町を抜き出しました。色の薄い1本は農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いのある町です
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは40町のうち13町だけなので、候補地の住所で確かめてください。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
最も高いのは阿保の52.9万円(7件)、最も安いのは花田町の6.4万円(12件)で、8.2倍の差です。件数5件以上の町に絞っても、この2町の組み合わせは変わりませんでした。
40町の端どうしを比べれば差はもっと開きます。ただし端に来る町は成約が3件や4件しかなく、1件の外れ値で中央値が動きます。だから見出しに使う倍率は、件数のある町どうしで取っています。
市全体の20.2万円は、40町のどこかにぴったり当てはまる数字ではありません。大津区13件と広畑区15件がちょうど20.2万円で並びましたが、これは市の中央値と同じ値になった町がたまたま2つあった、というだけです。
坪3万円台の町を「安い住宅地」と読まない
坪単価が市の中央値20.2万円の4分の1を下回る町が10あります。豊富町4.8万円、別所町佐土3.6万円、四郷町3.2万円、梅ケ谷町3.2万円、夢前町前之庄2.2万円、余部区2.2万円、夢前町菅生澗1.7万円、香寺町恒屋1.5万円、安富町名坂0.5万円、船津町0.1万円です。
この10町の数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。
坪3.2万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。
この記事が「姫路市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。物件情報でこの水準の坪単価を見かけたら、値段の前に用途地域と地目を確認する順番になります。10町とも成約は3件から10件で、1件の内容が中央値を動かす規模でもあります。
「広畑区」と「広畑区小松町」が同じ表に並んでいる
町別の集計には、区でまとめた行と、町名まで入った行が混ざっています。同じ土俵の数字ではないので、そのまま隣に並べて比べられません。
| 行 | 件数 | 坪単価の中央値 |
|---|---|---|
| 広畑区 | 15件 | 20.2万円 |
| 広畑区小松町 | 3件 | 28.1万円 |
| 広畑区高浜町 | 6件 | 26.1万円 |
| 広畑区蒲田 | 6件 | 17.7万円 |
広畑区としての数字は20.2万円ですが、区の中の町を見ると17.7万円から28.1万円まで開きます。飾磨区も同じ形で、区全体は34件で24.1万円、飾磨区今在家は7件で21.2万円、飾磨区構は4件で24.0万円です。
別所町9件の11.6万円と、別所町佐土3件の3.6万円も同じ関係になっています。町でまとめた数字の中に、別の水準の地区が入っているということです。
先ほどの棒グラフでも、この2種類の行が混ざったまま並んでいます。区の行は「その区をならした値」、町の行は「その町だけの値」として、粒度を分けて見てください。区の数字を見て「広畑区は坪20.2万円」と決めてしまうと、坪28.1万円の小松町で物件を見たときに予算が届きません。
公示の23.2万円と成約の20.2万円。これは「値下がり」ではない
姫路市の地価公示は住宅地96地点で、坪単価の中央値は23.2万円です。実際に成約した土地の中央値20.2万円との差は-12.9%でした。
この差を「値下がりした」と読むのは間違いです。公示は住宅地として選ばれた標準地の評価額、成約は実際に売れた土地の価格で、数えている対象が違います。姫路市の438件には、先に見た農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。
公示価格は、候補地の周辺に標準地があるときの目安として使う数字です。予算そのものは、候補の町の成約価格で組むことになります。
中古戸建て79.8万円と新築戸建て104.4万円。直して住むという道
建物まで含めて買う場合の姫路市の数字を並べます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 20.2万円/坪 | 438件 |
| 中古戸建て | 79.8万円/坪(延床) | 173件 |
| 新築戸建て | 104.4万円/坪(延床) | 84件 |
中古戸建ては下位25%が52.9万円、上位25%が110.2万円。新築戸建ては下位25%が78.6万円、上位25%が121.9万円です。中古の上位25%は、新築の下位25%を上回っています。2つの価格帯は重なっていて、坪単価だけでは新旧が分かれません。
中古を買って直す道を選ぶと、坪単価の低いほうから入って、直す費用の側を自分で決められます。ただし工事費は物件ごとに変わるので、成約価格の表からは出てきません。1社の見積もりだけでは高いのか安いのかも判定できないので、総額で比べたい人は複数社に出してもらうところからになります。
直す費用が出てはじめて、新築と総額で並べられます
マンションは築年で数字が変わる
姫路市の中古マンションは119件で、中央値は1㎡あたり20.0万円でした。築年帯で分けると景色が変わります。
| 築年帯 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 0-10年 | 20件 | 50.0万円/㎡ |
| 11-20年 | 16件 | 30.8万円/㎡ |
| 21-30年 | 26件 | 22.6万円/㎡ |
| 31-40年 | 52件 | 14.7万円/㎡ |
| 41年以上 | 5件 | 13.7万円/㎡ |
この築年は2026年を基準にした区切りです。築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。築41年以上の行は5件しかないので、傾向として見るだけにしてください。
件数が最も集まっているのは築31-40年の52件で、市の中央値20.0万円/㎡より下の帯です。広さで分けると、90㎡以上が28.7万円/㎡、50〜70㎡が20.0万円/㎡、30㎡未満が17.0万円/㎡でした。借りる側の相場は1㎡あたり1,707円です。
私はこう見ています
「姫路市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。阿保と花田町で8.2倍、広畑区の中だけでも17.7万円から28.1万円、そして40町のうち10町は住宅地の数字として読めない。438件を町別に割ると、そういう形が出てきます。
私は、市の中央値は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、阿保では候補が出てこず、花田町では土地に払いすぎます。姫路市のように40町ぶんのデータが並ぶ市では、平均像を1つ出すこと自体が判断を鈍らせる方向に働くと見ています。
ここは私の読みなので、根拠にした数字のほうを持ち帰ってください。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。 市の20.2万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した13町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。
2. 候補の町が住宅地かどうかを先に確かめる。 坪が極端に安い町は、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。安さの理由が土地の使い道にあるなら、それは予算の話ではありません。
3. 土地を買って建てる案と、中古を買って直す案を総額で並べる。 土地は坪20.2万円、中古戸建ては坪79.8万円、新築戸建ては坪104.4万円。どれで組むかで、住める町の範囲が変わります。
姫路市の学区一覧を町名から調べる
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市全体をならした数字は姫路市の不動産相場にまとめています。同じやり方で近隣の市を見たい人は、明石市の町別の坪単価と西宮市の町別の坪単価もどうぞ。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地438件、中古戸建て173件、新築戸建て84件、中古マンション119件
- 宅地の集計では、坪単価が極端に外れた44件を除いています。除いたあとの幅は1坪2.0万円から145.5万円です
- 中古戸建て・新築戸建ては、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 町別の集計は成約3件以上の町のみ。件数の少ない町の数字は1件の取引に動かされるので、傾向として読んでください
- 町別の行には、区でまとめたものと町名まで入ったものが混在しています。粒度をそろえて比べてください
- 地価公示:国土交通省の地価公示。姫路市内の住宅地96地点の中央値
- 賃貸:姫路市の50,010件から算出した1㎡あたりの中央値


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