明石市で40坪の土地を買うとき、本町なら4,696万円、東藤江なら1,084万円かかります。同じ市内で3,600万円の開きです。
「明石なら神戸より安いはず」という感覚だけで物件を見に行くと、この差が予算の外に置かれたまま話が進みます。国土交通省が公表している明石市の実際の取引253件を町ごとに並べ直したので、どこで何が起きているかを先に見てください。
先に結論
- 明石市の土地は1坪42.9万円(中央値・253件)。神戸市垂水区・須磨区と同額でした
- 町別だと本町117.4万円、東藤江27.1万円で4.3倍。市の平均値は予算づくりに使えません
- 取引が最も多いのは大久保町62件、魚住町33件。件数は安い側の町に寄っています
- 建物込みで買うと差は縮みます。中古戸建て124.5万円/坪、新築戸建て144.8万円/坪
- 地価公示の中央値は32.9万円/坪。実際の取引はそれより31%高い値段で成立しています
明石市の土地は1坪42.9万円。神戸市垂水区・須磨区と同じ値段だった
2024年10-12月から2025年10-12月までに明石市で成約した宅地253件の坪単価は、中央値で42万9,751円でした。
これを隣の神戸市9区と並べると、明石市の位置がはっきりします。
| エリア | 土地の坪単価(中央値) | 取引件数 |
|---|---|---|
| 神戸市中央区 | 150.4万円 | 22件 |
| 神戸市灘区 | 138.8万円 | 35件 |
| 神戸市東灘区 | 130.6万円 | 74件 |
| 神戸市兵庫区 | 72.7万円 | 32件 |
| 神戸市須磨区 | 43.0万円 | 55件 |
| 神戸市垂水区 | 43.0万円 | 73件 |
| 明石市 | 43.0万円 | 253件 |
| 神戸市西区 | 33.1万円 | 81件 |
| 神戸市長田区 | 26.8万円 | 29件 |
| 神戸市北区 | 21.5万円 | 95件 |
明石市は「神戸市より安い」のではなく、明石市に隣接する垂水区・須磨区とまったく同じ値段です。安いのは神戸市の中でも西区・長田区・北区で、明石市はその上に立っています。
三宮に近い東灘・灘・中央区と比べると3分の1以下になりますが、それは明石が安いのではなく、阪神間の東側が別の値段で動いているという話です。
町別に並べると、本町117.4万円と東藤江27.1万円で4.3倍
市の中央値だけを見ていると、この記事でいちばん使える数字を落とします。取引が3件以上あった21の町を高い順に並べたのが次です。
明石市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町)
同じ40坪でも、本町なら4,696万円、東藤江なら1,084万円。土地代だけで3,612万円の差がつきます。この差は住宅ローンの返済額に直接乗るので、月々の支払いで言えば1万円や2万円の話ではありません。
高い側は明石駅・西明石駅の徒歩圏に集まり、安い側は大久保・魚住・二見という西寄りの地域です。JRで見れば明石駅から二見の最寄りである土山駅まで10分ほどの距離に、坪単価4.3倍の勾配がかかっています。
売り物が多いのは大久保町62件と魚住町33件。件数は安い側に寄っている
町別の取引件数を見ると、253件のうち大久保町が62件、魚住町が33件、二見町が25件。この3つで120件、市全体の47%です。
つまり明石市の不動産市場で実際に動いているのは、坪30万円台から40万円台の西側エリアです。本町や西明石北町のような坪80万円超の町は、それぞれ3件から4件しか成約していません。
これは物件探しの体感と直結します。予算を市の中央値である坪43万円で組むと、大久保町・魚住町・二見町では選択肢が広く、本町や小久保では候補がほぼ出てこない、という状態になります。
建物まで含めると差は縮む。中古戸建て124.5万円/坪、新築戸建て144.8万円/坪
土地だけを見ると4.3倍でしたが、建物込みで買うときは景色が変わります。同じ期間の明石市の成約価格は次のとおりです。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 42.9万円/坪 | 253件 |
| 中古戸建て | 124.5万円/坪(延床) | 151件 |
| 新築戸建て | 144.8万円/坪(延床) | 95件 |
| 中古マンション | 24.2万円/㎡ | 188件 |
| 賃貸 | 1,776円/㎡ | 36,010件 |
中古戸建ての坪単価は下位25%が101.5万円、上位25%が149.6万円で、差は1.5倍に収まります。建物の値段は町によって大きく変わらないので、土地の割合が下がるぶん町ごとの差が薄まるからです。
土地を買って建てるか、中古戸建てを買ってリフォームするかで、町選びの自由度が変わるということでもあります。中古を選べば高い町にも手が届く可能性があります。
リフォーム費用が分かると、土地から建てる案と総額で比べられます
私はこう見ています
明石市の地価公示(住宅地38地点)の中央値は坪32.9万円です。実際に成約した価格の中央値は42.9万円。買い手は公示価格より31%高い金額を払っています。
私はこれを、明石市が「値ごろな郊外」から「阪神間の一部として値段のつく街」に移りつつある途中の数字だと考えています。垂水区・須磨区と同額で並んだこと、そして取引件数が253件と神戸市のどの区より多いことが、その傍証だと見ています。
これは事実ではなく私の読みなので、根拠になっている数字のほうを持ち帰ってください。少なくとも、明石市の物件を「郊外価格」の前提で査定・比較すると実勢とずれます。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 町名まで決めてから予算を出す。 市の中央値である坪43万円は、大久保町では高すぎ、本町では足りません。候補地を町名で2つか3つに絞ってから、その町の実勢で計算してください。
2. 学区を先に確認して候補の町を絞る。 明石市には小中あわせて41校の通学区域があります。子どもの学校が決め手になる家庭なら、値段より先にここで候補が半分になります。町名を入れると該当校が出るようにまとめてあります。
3. 土地と中古戸建てを総額で並べる。 土地代の差は町で4.3倍でしたが、中古戸建てなら1.5倍です。建物にいくらかけるかで、住める町の範囲が変わります。
明石市の学区一覧を町名から調べる(41校)
明石市の土地相場を住所から調べる(無料)
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売る側から見た明石市の数字は明石市・西宮市の中古戸建てはいくらで売れたかにまとめています。町別ではなく四半期ごとの推移を追いたい人はこちらをどうぞ。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地253件、中古戸建て151件、新築戸建て95件、中古マンション188件
- 中古戸建ては1982年以降に建てられた物件に限定し、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。件数が少ない町の数字は1件の影響を受けやすいので、傾向として読んでください
- 地価公示:国土交通省の地価公示。明石市内の住宅地38地点の中央値
- 学区:明石市教育委員会の公表資料


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