エンジンが止まっていても、車は動きます
この事故で多くの人が引っかかるのが「エンジンはかかっていなかった」という一文だと思います。エンジンが止まっていれば車は動かない、という感覚がありますが、実際は逆です。車が止まっていられるのは、動かないように何かで押さえているからで、エンジンは関係ありません。
押さえているのは基本的に2つです。ひとつはパーキングブレーキ(サイドブレーキ・フットブレーキ式・電動のいずれか)。もうひとつは駆動系で、オートマ車ならPレンジ、マニュアル車ならギアを入れておくことです。

オートマ車とマニュアル車で、押さえる場所が違う
ここがマニュアル車の話につながります。オートマ車はPレンジに入れると変速機の中でロックがかかりますが、マニュアル車にPレンジはありません。だからマニュアル車では、パーキングブレーキに加えてギアを入れた状態で降りるのが基本の手順になります。上り坂なら1速、下り坂ならバックギア、と教わった人も多いはずです。
| 車 | 停めるときに押さえるもの |
|---|---|
| オートマ車 | パーキングブレーキ + Pレンジ |
| マニュアル車 | パーキングブレーキ + ギアを入れる(Pレンジは無い) |
| 傾きのある場所 | 上の2つに加えて、前輪を縁石側へ向ける |
前輪の向きは地味ですが効きます。万一動き出しても、タイヤが縁石に当たってそこで止まるからです。逆に前輪をまっすぐにしていると、動いた車はそのまま道路のほうへ出ていきます。
歩く側から見ると「止まっている車」は安全に見える
子どもと歩いていて警戒するのは、走ってくる車と、バックで出てくる車です。停まっている車は、たいてい景色の一部として通り過ぎます。今回のように無人の車が動く場面は、そもそも予測の対象に入っていません。
だからこの事故から持ち帰れることは、歩く側にはあまり多くありません。列で歩くときに車道側との距離を少し取るくらいです。仕組みを変えられるのは、停める側にしかありません。鍵を抜いて降りる前に、何が車を押さえているかを一度だけ思い出す。それだけの話です。
自分の家の前の道が、通学路や散歩の経路になっているかどうかは、町の様子を調べると見えてきます。
生活・仕事にどう効くか
- 駐車のしかた:エンジンが止まっていても、止める力がかかっていなければ車は動く。停止状態を保つ措置は、鍵を抜いたあとの話として残る。
- 歩く側:止まっている車は安全だと考えがちだが、動き出す方向は前とは限らない。列で歩くときは車道側との距離を取る。
- 見守り:散歩や通学の経路に、傾きのある路肩や、車の頭を下に向けて停める場所が無いかを一度見ておく。
結局どうすればよいか
- 自分の車を離れるときに、止める力が何でかかっているのかを確認する(オートマ車はPレンジ+パーキングブレーキ、マニュアル車はギアを入れる)
- 傾きのある場所では、前輪を縁石側に向けて停める
- 子どもの散歩・通学の経路で、車が停まっている路肩の傾きを一度見ておく
公式出典
- UX新潟テレビ21「車が無人の状態で発進 約6m進み園児の列に衝突、園児5人がケガ」(2026年9月18日発表)
- 新潟ニュースNST「80代男性が駐車した車が突然発進…散歩中の園児の列に衝突」(2026年9月18日発表)
更新履歴
- 2026年9月18日 初版を公開
※本記事は2026年9月18日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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