🗨️「台風24号は南へ行ったんだから、もう終わりでしょう? うちの県はいつまで雨?」
終わりではありません。気象庁の5日9時45分の予報では、台風はいったん南下したあと東へ進み、8日に北上して9日9時に宮崎県の東海上へ戻ってきます。雨の量が多いのは今日ではなく6日0時からの24時間で、雨を降らせる主役は台風から別の熱帯低気圧と秋雨前線に移ります。
[災害] この記事の要点
2026年9月5日 発表
- 九州南部・四国・紀伊半島など、6日以降に予想雨量が増える地域の人
- 関東・東海で6日から7日に移動や外出の予定がある人
- 近畿で「警報級の大雨」と聞いて、自分の府県が対象か知りたい人
台風24号の現在地(5日9時)
気象庁が9月5日9時45分に発表した台風情報によると、台風24号(クロヴァン)の5日9時の位置と勢力は次のとおりです。
- 中心位置:北緯27.8度・東経126.5度(沖縄・久米島の北の海上)
- 中心気圧:990ヘクトパスカル
- 最大風速:20メートル(中心付近)/最大瞬間風速30メートル
- 移動:時速15キロ
台風としては下限に近い勢力です。それでも見過ごせないのは、勢力ではなく、これから描く経路のほうだからです。
進路が異例 ぐるりと一周して九州へ戻ってくる

予報の位置を並べると、進む向きが4回変わります。
| 日時 | 中心の位置 | 中心気圧 | 向き |
|---|---|---|---|
| 5日9時(実況) | 北緯27.8度・東経126.5度 | 990hPa | — |
| 6日9時 | 北緯24.7度・東経127.5度 | 994hPa | 南へ約340キロ下がる |
| 7日9時 | 北緯25.1度・東経132.1度 | 990hPa | 東へ大きく進む |
| 8日9時 | 北緯28.7度・東経132.6度 | 994hPa | 北上に転じる |
| 9日9時 | 北緯31.4度・東経131.6度(宮崎県の東海上) | 1000hPa | 熱帯低気圧に変わる |
南へ下がり、東へ回り、北へ上がる。地図に落とすと、円を描いて出発点の近くへ戻ってくる形になります。しかも戻ってくる先は、いま大雨が続いている九州の東側です。
南へ逃げてくれたと思っていました。これで終わりじゃないんですか。
終わりません。台風が遠ざかることと、雨がやむことは別です。しかも9日9時の予想位置は、宮崎県の東の海の上です。この記事を書いている9月5日の朝から数えて、あと4日ぶんの話になります。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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なぜループするのか 気象庁は理由を書いていない
気象庁の台風情報には位置と勢力しか載っていません。「なぜ円を描くのか」の説明は、公表文にはありません。この点は当サイトが2日前に確認したときと変わっていません。
いっぽう民間の気象事業者は、機構そのものを書いています。ウェザーニュースは9月4日15時53分の記事で、次のように説明しています。
台風24号と日本のはるか南にある熱帯低気圧が、ひとつの大きな反時計回りの流れを形成し、台風が南下、熱帯低気圧は北上するとみられます。
出典:ウェザーニュース「台風24号(クロヴァン)南下して沖縄付近を通過 来週は再北上の予想」2026年9月4日15時53分
2つの渦がひとつの大きな回転をつくり、その回転に乗って片方が下がり、片方が上がる——という形です。これは気象庁の発表ではなく、民間事業者の解説です。断定できる話ではないので、この記事も「そう説明されている」までにとどめます。2日前の時点でどこまで分かっていたかは、こちらにまとめています。
迷走台風24号はなぜ折り返す?(9月3日時点の解説の突き合わせ)
雨の主役が、台風から別の熱帯低気圧に入れ替わる
今回いちばん見落とされやすいのが、ここです。これから雨を降らせるのは、台風24号ではありません。
【台風情報】
— ウェザーニュース (@wni_jp) 2026年9月4日
9月4日(金)21時現在、台風24号(クロヴァン)はUターンして東シナ海を南下しています。
台風としては下限の勢力ですが、秋雨前線との作用で九州で大雨となっています。
今後は別の熱帯低気圧の影響も組み合わさり、四国や本州でも大雨に警戒が必要です。https://t.co/EaeOXbTAOM pic.twitter.com/w63rEXp8kR
台風24号が南で足踏みしているあいだに、日本のはるか南にあるもうひとつの熱帯低気圧が先に北上し、四国沖へ近づいてくる見通しです。そこへ秋雨前線が居座っている。台風の位置を追いかけていると、雨の予定を読み違えます。
台風本体から離れた場所で雨が強まる仕組みそのものは、別の記事で書いています。
「6日ごろまで」から「9日ごろにかけて」へ、期限が延びた
9月3日の時点では、近畿の雨は6日ごろまでという見通しでした。それが延びています。気象庁が5日5時37分に出した全般気象情報には、こう書かれています。
台風第24号や前線の影響により、西日本では5日は土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水や河川の増水や氾濫に警戒してください。また、6日から7日にかけては東日本から西日本の太平洋側を中心に再び大雨となるおそれがあります。
出典:気象庁「全般気象解説情報(台風第24号)」2026年9月5日5時37分発表
そして台風が熱帯低気圧に変わるのは9日9時の予想です。雨の話は、少なくとも来週の頭まで続きます。
地域別 どこで何ミリの予想か
気象庁が5日5時に出した24時間の予想最大雨量を、府県の区域ごとに並べます。左が「5日6時からの24時間」、右が「6日0時からの24時間」です。
| 区域 | 5日6時から24時間 | 6日0時から24時間 |
|---|---|---|
| 宮崎県(南部平野部) | 180ミリ | 200ミリ |
| 高知県(東部・西部) | 50ミリ | 200ミリ |
| 徳島県(南部) | 50ミリ | 200ミリ |
| 和歌山県(南部) | 80ミリ | 150ミリ |
| 奈良県(南部) | 30ミリ | 100ミリ |
| 神奈川県(西部) | 15ミリ | 80ミリ |
| 東京地方 | 10ミリ | 60ミリ |
| 静岡県(中部・伊豆・東部) | 20ミリ | 60ミリ |
| 兵庫県(南部・北部) | 10ミリ | 30ミリ |
| 大阪府 | 10ミリ | 20ミリ |
| 京都府(南部・北部) | 10ミリ | 20ミリ |
| 愛知県(西部・東部) | 15ミリ | 20ミリ |
この表から読めることは2つあります。
1つめ。ほとんどの区域で、右の欄(6日0時から)のほうが大きい。雨のピークは今日ではなく明日以降です。
2つめ。「近畿で警報級の大雨のおそれ」という言い方で聞くと府県ぜんぶが同じに見えますが、数字が集まっているのは和歌山県南部と奈良県南部です。大阪府と京都府は24時間20ミリの予想。同じ「近畿」でも、紀伊半島の南側とそれ以外では桁がひとつ違います。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
いま、雨雲はどこにあるか

いまの時点では、本州にも四国にも九州本土にも、強い雨雲はかかっていません。かかっているのは屋久島・種子島と、その南東に伸びる海上の帯です。この帯が北上してくるのが6日から7日、という順番になります。
今日は降っていないのに、警戒しろと言われても実感が湧きません。
その状態が今日の正体です。雨が弱いうちにしかできない準備があるので、今日は「警戒する日」ではなく「動かす日」だと考えてください。側溝の落ち葉、河川敷の駐車場に置いた車、地下の荷物。どれも降り始めてからでは手が出せません。

大雨で気をつける場所
長く降る雨で危ないのは、水が「集まる」場所です。
- アンダーパス(線路や道路の下をくぐる道):まわりより低いので水が集まる。入ってから深さに気づくと引き返せない
- 地下駐車場・地下の店舗・半地下の住居:出入口の段差を越えると一気に入る。停電すると機械式の駐車場から車を出せなくなる
- 河川敷の駐車場・グラウンド:上流で降った雨が、晴れている下流で増水させる
- 斜面のそば・盛土の上:長雨は地面に水が溜まってから崩れる。降り始めから何日目かで危険度が変わる
- 冠水した道路:マンホールの蓋が外れていることがあり、水面からは見えない
屋久島は、9月2日から降り続いた3日目の朝に特別警報になりました。1時間の雨の強さでは2019年5月の記録を超えていません。崩れたのは、量ではなく日数のほうです。同じことが、これから四国や紀伊半島で起きうる順番になっています。
「うちは坂の上だから浸水は関係ない」と思っている場合ほど、一度は住所で引いてみてください。浸水想定区域に入っていなくても、土砂災害警戒区域に入っていることがあります。今回の屋久島で出たのは、浸水ではなく土砂のほうのレベル5でした。
生活・仕事にどう効くか
- 予定:気象庁の予想雨量は、5日6時からの24時間より6日0時からの24時間のほうが多い府県が大半。動かせる予定は今日のうちに整理しておく。
- 地域差:同じ近畿でも、24時間150ミリの予想が入っているのは和歌山県南部と奈良県南部(100ミリ)で、大阪府と京都府は20ミリ。「近畿で警報級」を府県単位でそのまま受け取らない。
- 住まい:長雨は地盤に水が溜まってから崩れる。同じ雨量でも、降り始めから何日目かで危険度が変わる。屋久島は3日目で特別警報になった。
結局どうすればよいか
- 自分の市区町村の予想雨量を、気象庁の府県天気予報と警報級の可能性で確認する
- アンダーパス・地下駐車場・河川敷の駐車場など、水が集まる場所から車を動かしておく
- 6日から7日に移動の予定があるなら、代替日と払い戻し条件を今日のうちに確認する
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
- 迷走台風24号はなぜ折り返す? 5日夜に奄美の近くで南へ反転、「台風を動かす風が弱い」と解説したのは気象庁ではなく民間2社
- 屋久島 大雨 レベル5土砂災害特別警報は5日5時10分 ところが避難指示は、前の晩に町の6割・6,228人へ出ていました
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
公式出典
- 気象庁 台風情報(台風第24号・2026年9月5日9時45分発表)(2026年9月5日発表)
- 気象庁 台風情報の配信データ(実況・予報の位置と気圧)(2026年9月5日発表)
- 気象庁 警報級の可能性・3時間ごとの予想雨量(府県別)(2026年9月5日発表)
- 気象庁 全般気象情報(台風第24号・2026年9月5日5時37分発表)(2026年9月5日発表)
- ウェザーニュース「台風24号(クロヴァン)南下して沖縄付近を通過 来週は再北上の予想」(2026年9月4日発表)
- ウェザーニュース「台風24号(クロヴァン)はループして東へ 秋雨前線や熱帯低気圧で大雨のおそれ」(2026年9月4日発表)
- 気象庁 台風に関する用語・台風の一生(進路の解説)(2026年9月5日発表)
更新履歴
- 2026年9月5日 初版を公開(台風の位置は2026年9月5日9時45分発表、予想雨量は同日5時発表。記事の確認は同日10時40分時点)
※本記事は2026年9月5日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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