「7日間」はどこから出てきた数字か
ここがいちばん誤解されやすいところです。食品衛生法には「食中毒なら何日間の営業停止」という定めがありません。
公表文には根拠が書かれています。
食品衛生法第6条第3号の規定に違反するので同法第60条第1項を適用
港区「食中毒発生に伴う不利益処分の公表について」(令和8年9月3日)
6条3号は、病原微生物に汚染された食品などを販売してはならないという条文です。そして60条1項が、違反した営業者に対して「期間を定めて」営業の全部または一部を禁止・停止できると定めています。日数はここで自治体が決めます。
だから、同じ食中毒でも3日のこともあれば、もっと長いこともあります。患者数・原因の特定状況・衛生管理の実態などをふまえて、保健所が個別に判断しているというのが実際の姿です。「7日間だったから軽い」といった読み方はできません。
公表は罰ではなく、情報提供の制度です
店名の公表の根拠は食品衛生法第69条です。これは「見せしめ」の規定ではなく、同じ食品を食べた人に気づいてもらうための情報提供として置かれているものです。
だからこそ、期間が区切られています。処分が終わり、同じ食品を食べた人が症状を出す期間も過ぎれば、公表を続ける理由がなくなるからです。港区のページから名前が消えていたのは、制度が想定どおりに動いた結果ということになります。
イベント出店でも、常設の店と同じ扱いです
今回の原因食品は「イベント会場で販売した」ものでした。祭りや催事の出店だから軽い、ということはありません。調理して提供する以上、営業停止命令の対象になります。
夏から秋にかけては、地域の祭りやイベントで食べ物を出す機会が増える季節です。出す側になるなら、保冷・加熱・記録の3つは常設の店と同じ基準で見られる、と考えておくほうが安全です。
なお、この記事では店名・営業者名を書いていません。港区の公表ページでも削除されているためです。
生活・仕事にどう効くか
- 営業停止の日数:食品衛生法に「何日」という定めはない。60条1項で期間を定めて停止を命じる仕組みで、今回は7日間だった。
- 公表の根拠:食品衛生法69条。処分をしたことを公表する規定で、罰ではなく情報提供として位置づけられている。
- 公表の長さ:自治体が期間を決めており、過ぎると施設名・営業者名が伏せ字に置き換わる。港区の今回のページはすでにその状態。
結局どうすればよいか
- 「食中毒を出した店はずっと名前が出る」と思っているなら、それは違う。自治体の公表は期間を区切って行われる
- イベント出店・臨時営業でも、常設の店と同じように営業停止命令の対象になる
- 調べたいときは処分が出た直後に自治体のページを見る。あとから探しても伏せ字になっている
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 港区「食中毒発生に伴う不利益処分の公表について」(令和8年9月3日)(2026年9月3日発表)
- e-Gov法令検索「食品衛生法」(2026年9月12日発表)
更新履歴
- 2026年9月12日 初版を公開。患者数は港区の公表時点(9月3日)の数字。店名・営業者名は港区の公表ページで削除済みのため記載していない
※本記事は2026年9月12日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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