🗨️「偽物じゃなくて本物を売ったのに、なんで商標権侵害になるの?」
商標を付けた商品を、権利者の許諾なく譲渡・引き渡す行為そのものが侵害になるからです。品物が真正品かどうかは、その判断とは別の話です。
[事件・事故] この記事の要点
2026年9月10日 発表
- 中古店・フリマアプリでブランド品を買っている人
- 自分の持ち物をフリマアプリで売っている人
- 海外の通販サイトでブランド品を買おうとしている人
工場から出た「本物」が、中古店に流れた
警視庁が2026年9月10日に書類送検したのは、兵庫県内のかばん製造販売会社と、その元取締役です。容疑は商標法違反など。この会社は吉田カバンのブランド「PORTER(ポーター)」の製造を受託していた側で、作った製品の一部を納品せずに抜き取り、中古買い取り店へ売っていたとされています。
送検の容疑になっているのは、2025年5月から2026年1月までにリュックや財布など約100点を約174万円で売却した分。警視庁は、2019年12月から2026年1月までに約3,700点が持ち出され、約3,000万円になったとみています。
ここで引っかかるのが、品物そのものは正規の工程で作られた「本物」だという点です。偽物を作って売った事件ではありません。
侵害になるのは「無断で流通させたこと」のほう
商標権は、指定した商品について、その商標を使う権利を専有するものです(商標法25条)。ここでいう「使う」には、商標を付けた商品を譲渡したり引き渡したりする行為が含まれます。つまり権利者の許諾なく商標付きの商品を市場へ出せば、品物が真正品でも侵害になりうるという構造です。
製造を受託した会社が持っているのは「注文された数を作って納める」権限であって、余りを自分の判断で売る権限ではありません。納品されなかった製品は権利者の管理下を一度も通っていないので、正規の流通品とは扱いが変わります。
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