罰金が出るのはどういうときか
根拠は自然公園法第37条第1項第3号と、同法施行令第6条です。2022年4月1日から施行されました。特別地域等で、みだりに野生動物(鳥類または哺乳類)に餌を与えること、著しく接近し、または付きまとうことが規制されています。
ここは正確に読む必要があります。近づいた瞬間にいきなり罰金、という仕組みではありません。環境省職員等が中止を指示し、それに従わなかった場合に30万円以下の罰金の対象になります。つまり「注意されても続けた人」が対象です。
とはいえ、注意される行為であること自体は変わりません。「怒られるだけ」と思って車を止めるのと、「法律に書いてある行為だ」と知って止めないのとでは、そのあとの判断が変わってきます。
車の中にいればいいのか
いちばん聞きたくなるのはここだと思います。公式の答えはこうです。
車から目撃した場合であっても決して車を降りず、速やかに立ち去りましょう。(環境省 知床羅臼ビジターセンター「知床でのルール」)
「降りるな」と「速やかに立ち去れ」が並んでいます。降りなければ止まっていてよい、とは書かれていません。見つけたら止まる、ではなく、見つけたら離れる。これが公式のルールです。
車内にとどまったまま窓から撮ることの可否は、公式のページに書かれていません。ただ、数値基準のほうは人と動物の距離で定められているので、車の中であっても30メートルを切っていれば線は越えています。
見物した人が、そのクマの最後を決めている
知床財団は「問題個体」を次のように定義しています。人の活動に実害をもたらす個体、人につきまとう、または人を攻撃する個体。そして、人馴れしてしまうと人に対して徐々に大胆な行動をとるようになる、とも書いています。
この順番が大事です。人が止まって見る → クマが人と車に慣れる → 近づいてくる → 問題個体になる → 駆除される。写真を撮った人は、その場では何もしていないつもりでも、この流れの最初の一歩を押しています。
柵が立ったのは、クマを守るためでもあり、次に来る人を守るためでもあります。連休に知床へ行くなら、止まらない・降りない・通り過ぎる。この3つだけ持っていけば足ります。
生活・仕事にどう効くか
- 距離:知床国立公園では2023年10月13日から、規制の対象になる距離が数値で決まっている。著しい接近=離隔距離30メートル未満まで接近すること、つきまとい=離隔距離50メートル未満を保ってつきまとうこと。国立公園で距離の数値基準が定められたのは全国で初めて。
- 罰則:根拠は自然公園法第37条第1項第3号と同法施行令第6条で、2022年4月1日から施行。環境省職員等の中止の指示に従わない場合、30万円以下の罰金の対象になる。
- 公式ルール:知床羅臼ビジターセンターは「車から目撃した場合であっても決して車を降りず、速やかに立ち去りましょう。」と案内している。見つけたら止まるのではなく、見つけたら離れるのが公式の答え。
結局どうすればよいか
- 知床の道路でヒグマを見かけたら、止まらず、降りず、そのまま通り過ぎる
- 写真を撮りたいなら、30メートル・50メートルという数値が規制の線になっていることを先に知っておく
- ロープ柵が張られた駐停車スペースには入らない。柵は登山道ではなく、車で見物する人に向けて立っている
公式出典
- 環境省 釧路自然環境事務所「知床国立公園におけるヒグマへの接近等の規制について」(2023年10月12日発表)
- 環境省 釧路自然環境事務所(自然公園法第37条による野生動物への接近等の規制)(2022年4月1日発表)
- 環境省 知床羅臼ビジターセンター「知床でのルール」(2026年9月20日発表)
- 知床財団「ヒグマのこと」(2026年9月20日発表)
更新履歴
- 2026年9月20日 初版を公開
※本記事は2026年9月20日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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