🗨️「ネパールの土石流、安否不明が2400人を超えたと聞きました。なぜ急にそんなに増えたのですか。」
当局が8月28日、水力発電所の作業員933人を新たに行方不明者のリストに加えたためです。AFP(フランス通信社)の8月29日朝の報道では死者586人・行方不明2,400人以上。日本人一家5人の安否も分かっていません。
[災害] この記事の要点
2026年8月26日朝、ネパールと中国チベット自治区の国境付近で大規模な土石流と洪水が発生した。AFPの8月29日8時31分の報道では、死者はネパール側579人・中国側7人の計586人、行方不明者はネパール側1,924人・中国側554人の計2,400人以上。FNN(フジニュースネットワーク)は同日朝の時点で死者558人・安否不明2,482人と伝えており、報道時刻と集計方法で数字に差がある。行方不明者には日本人5人が含まれ、子ども3人を含む一家とみられると報じられている。上流では土砂が川をふさいでできた「せき止め湖」が広がっており、二次災害の恐れから救助活動は難航している。
2026年8月26日 発表 (2026年8月29日 更新)
- ネパール・ヒマラヤ方面を旅行中の家族と連絡が取れない人
- これからネパール・チベット方面へ行く予定がある人
- 山あいの川の下流に住んでいる人
この記事でわかること
- 安否不明者が2,400人を超えるまで急増した理由
- 氷河の崩落が巨大な土石流に変わるまでの流れ
- 上流に新しくできた「せき止め湖」で警戒されている二次災害
この記事でわかること
- ✓ 安否不明者が2,400人を超えるまで急増した理由
- ✓ 氷河の崩落が巨大な土石流に変わるまでの流れ
- ✓ 上流に新しくできた「せき止め湖」で警戒されている二次災害
ネパール土石流、安否不明者が2400人超に急増
2026年8月26日朝、ネパールと中国チベット自治区の国境付近で大規模な土石流と洪水が発生しました。発生から3日たった今も、亡くなった人と安否の分からない人の数は増え続けています。
報道機関によって集計の時点が違うため、数字には差があります。8月29日朝の時点で確認できる主な発表を並べます。
| 報道(時点) | 死者 | 安否不明 |
|---|---|---|
| FNN(フジニュースネットワーク)8月29日 7時54分更新 | 558人(ネパール側553人・中国側5人) | 2,482人 |
| AFP(フランス通信社)8月29日 8時31分配信 | 586人(ネパール側579人・中国側7人) | 2,400人以上(ネパール側1,924人・中国側554人) |
27日の時点の報道では「死者168人・行方不明1,384人」でした。2日間で死者の発表は3倍以上になり、安否不明者は2,400人を超えました。この記事の数字も8月29日朝の時点のもので、これから変わる前提で読んでください。
水力発電所の作業員など多数が安否不明
安否不明者が一気に増えたのには、はっきりした理由があります。AFPによると、当局は8月28日、水力発電所の作業員933人を新たに行方不明者のリストに加えました。
被災した川沿いには建設中のものを含む水力発電所が並んでいて、FNNが伝えた28日公開の映像には、発電所のトンネルから救出された作業員の姿が映っていました。
現地では道路と通信網が寸断されていて、連絡が取れないだけの人と、実際に被害にあった人の区別がついていません。重機を使った捜索は続いていますが、新たな洪水の恐れが伝えられるたびに中断を強いられています。
日本人一家5人も安否不明
ネパール政府観光局が公表した安否不明者の名簿には、日本人5人の名前がローマ字で掲載されています。
FNNは、この5人が子ども3人を含む一家とみられると伝えています。8月19日に大阪から中国に入り、車でネパールへ移動したあとに連絡が取れなくなったと報じられています。在ネパール日本大使館はネパール当局に捜索・救助を要請しています。
家族がネパールにいます。どこに問い合わせればいいのでしょうか。
外務省領事局の海外邦人緊急事態課、03-3580-3311の内線5138か5139です。旅行日程・宿泊先・旅券番号を用意してからかけると話が早く進みますよ。
連絡先の一覧と、電話の前に用意するものは発生翌日にまとめた記事で確認できます。
なぜこれほど大規模な土石流になったのか
今回の土石流には「現地で大雨が降っていないのに起きた」という、直感に反する点があります。原因はまだ確定していませんが、FNNの取材に答えた専門家は、次の流れが起きたとみています。
- 標高約5,200メートル付近で氷河の一部が崩落する
- 大量の氷と岩石が約1,200メートル下の谷へ一気に落ちる
- 土砂を巻き込みながら川へ流れ込み、川を一時的にせき止める
- せき止めた土砂が「天然のダム」になり、内側に水がたまって湖のようになる
- たまった水の圧力でダムが決壊し、水と土砂が一気に下流へ流れ出す
アメリカ地質調査所(USGS)は、崩落のときの揺れがマグニチュード5.2に相当したと分析しています。地震が崩落を引き起こしたのではなく、崩落そのものが地震のような揺れを生んだ可能性が指摘されています。
約20キロ下流の国境検問所の付近では、わずか30分ほどで川の水位が最大9メートル上がったと報じられています。3階建ての建物がまるごと沈む高さの水が、雨も降っていない谷を襲ったことになります。
帝京平成大学の小森次郎教授はFNNの取材に対し、地震を起点とする説について「タイミングが早すぎる」と述べたうえで、1970年代以降、氷河が崩れる記録は確実に増えつつあると指摘しています。温暖化との関係が示唆されていますが、今回の災害の直接の原因と断定はされていません。
上流で崩れた土砂が川をふさぎ、決壊して下流を襲う流れは、日本でも「河道閉塞」という名前で起きています。令和6年能登半島地震では6河川14か所で川がふさがれました。自分の家の近くの川と斜面のリスクは、住所を入れれば確認できます。
新たな「せき止め湖」 二次災害の恐れ
いま現地でいちばん警戒されているのは、同じことがもう一度起きる可能性です。
ネパールと中国の当局は、土石流の影響で国境付近の川に新たな「せき止め湖」ができたと発表しました。AFPによると上流ではせき止め湖の面積が拡大していて、28日の報道では、雨の影響で水位は9月1日ごろにピークを迎える見込みと伝えられています。
28日には「チベット側でせき止められた水が再びあふれ出した」という情報が入り、ネパール警察は救助隊に避難を命じました。中国側も救助隊に1キロ後方へ下がるよう指示しています。
今後も被害人数が増える可能性
道路と通信網の寸断で、被害の全容はまだつかめていません。行方不明者の数字は集計の時点や方法によって差があり、今後も更新されます。
救助と捜索は、二次災害の危険と隣り合わせのまま続いています。この記事の内容は2026年8月29日朝の時点の報道にもとづきます。現地の状況と日本人の安否については、外務省や報道各社の最新の発表を確認してください。
生活・仕事にどう効くか
- 家族が現地にいるとき:外務省領事局の海外邦人緊急事態課(03-3580-3311 内線5138・5139)が相談窓口。旅行日程・宿泊先・連絡手段の有無・旅券番号を手元に用意してから電話すると話が早く進む。
- これからネパール・チベット方面へ行く予定があるとき:被災地周辺では道路や通信網が寸断され、新たな洪水の恐れで救助隊にも避難命令が出ている。出発前に外務省の海外安全ホームページで最新の現地情報を確認する。
- 日本に住んでいる人にとって:上流で崩れた土砂が川をふさぎ、決壊して下流を襲う現象は日本でも「河道閉塞」として起きる。令和6年能登半島地震では6河川14か所で川がふさがれた。自分の空が晴れていても、上流が崩れれば水は来る。
結局どうすればよいか
- 家族と連絡が取れないときは、旅行日程・宿泊先・旅券番号を用意して外務省 海外邦人緊急事態課(03-3580-3311 内線5138・5139)へ相談する
- ネパール・チベット方面への渡航予定があるなら、外務省の海外安全ホームページで最新情報を確認する
- 山あいの川の下流に住んでいる人は、自分の地域で雨が降っていなくても市町村の避難情報を確認する習慣をつける
公式出典
- AFPBB News「ネパール・中国大洪水、行方不明者が2400人超に急増 死者は600人に迫る」(2026年8月29日発表)
- FNNプライムオンライン「ネパール土石流 二次災害の懸念高まる これまでに558人死亡 日本人一家5人の安否不明」(Yahoo!ニュース掲載)(2026年8月29日発表)
- FNNプライムオンライン「ネパールで行方不明の日本人はヤマモトトシタカさんカヨコさんら子ども3人含む一家か 現地当局が名簿発表」(Yahoo!ニュース掲載)(2026年8月28日発表)
- FNNプライムオンライン「『目を疑う惨状』少雨のネパールでなぜ土石流? 原因は崩落氷河が川をせき止めた“天然ダム”の決壊か」(Yahoo!ニュース掲載)(2026年8月28日発表)
- FNNプライムオンライン「なぜネパールで大規模土石流が発生したのか M5超の揺れ記録した大規模崩落が原因との説も」(Yahoo!ニュース掲載)(2026年8月28日発表)
- AFPBB News「ネパール・チベット洪水で形成のせき止め湖氾濫、救助隊に一時撤退命令」(2026年8月28日発表)
更新履歴
- 2026年8月29日 初版を公開(8月29日朝時点でAFP・FNNが報じた数字にもとづく)
※本記事は2026年8月29日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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