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【ネパール大規模土石流】安否不明3000人近くに急増 日本人一家5人も不明、二次災害の恐れ

🗨️「ネパールの土石流、行方不明が3000人近くになったと聞きました。なぜここまで増えたのですか。」

当局が8月28日、水力発電所の作業員933人を新たに行方不明者のリストに加えたためです。時事通信の8月29日夜の報道では、死者682人・行方不明は日本人5人を含む約3,000人。生存率が大きく下がるとされる発生から72時間が過ぎ、数字はまだ動いています。

[災害] この記事の要点

何が起きたか

2026年8月26日朝、ネパールと中国チベット自治区の国境付近で大規模な土石流と洪水が発生した。時事通信の8月29日22時42分の報道では、死者はネパール側675人・中国側7人の計682人、行方不明者はネパール側2,426人・中国側554人の約3,000人。同じ29日でも15時07分のAFP(フランス通信社)の報道では死者633人で、半日のうちに50人近く増えている。行方不明者には日本人5人が含まれ、大阪市に住む夫婦と子ども3人の一家とみられると報じられている。ネパールのシャハ首相は、これまでに4,400人を超える人を救助したとしている。上流では土砂が川をふさいでできた「せき止め湖」が広がっており、二次災害の恐れから救助活動は難航している。

発表日・更新日

2026年8月26日 発表 (2026年8月30日 更新)

影響を受ける人
  • ネパール・ヒマラヤ方面を旅行中の家族と連絡が取れない人
  • これからネパール・チベット方面へ行く予定がある人
  • 山あいの川の下流に住んでいる人
目次

この記事でわかること

  • 安否不明者が3,000人近くまで急増した理由
  • 氷河の崩落が巨大な土石流に変わるまでの流れ
  • 上流に新しくできた「せき止め湖」で警戒されている二次災害

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この記事でわかること

  •  安否不明者が3,000人近くまで急増した理由
  •  氷河の崩落が巨大な土石流に変わるまでの流れ
  •  上流に新しくできた「せき止め湖」で警戒されている二次災害

ネパール土石流、行方不明が3000人近くに

2026年8月26日朝、ネパールと中国チベット自治区の国境付近で大規模な土石流と洪水が発生しました。発生から3日たった今も、亡くなった人と安否の分からない人の数は増え続けています。

報道機関によって集計の時点が違うため、数字には差があります。発生からの3日間で、発表がどう動いたかを並べます。

報道(時点)死者安否不明
8月27日の報道168人1,384人
8月29日 朝(AFP=フランス通信社 8時31分配信)586人(ネパール側579人・中国側7人)2,400人以上(ネパール側1,924人・中国側554人)
8月29日 夜(時事通信 22時42分配信)682人(ネパール側675人・中国側7人)約3,000人(ネパール側2,426人・中国側554人)

2日間で死者の発表は4倍になり、安否の分からない人は3,000人近くまで増えました。生存率が大きく下がるとされる発生から72時間は、すでに過ぎています。この記事の数字も8月29日夜の時点のもので、これから変わる前提で読んでください。

水力発電所の作業員など多数が安否不明

安否不明者が一気に増えたのには、はっきりした理由があります。AFPによると、当局は8月28日、水力発電所の作業員933人を新たに行方不明者のリストに加えました。

被災した川沿いには建設中のものを含む水力発電所が並んでいて、FNN(フジニュースネットワーク)が伝えた28日公開の映像には、発電所のトンネルから救出された作業員の姿が映っていました。

現地では道路と通信網が寸断されていて、連絡が取れないだけの人と、実際に被害にあった人の区別がついていません。重機を使った捜索は続いていますが、新たな洪水の恐れが伝えられるたびに中断を強いられています。

日本人一家5人も安否不明

ネパール政府観光局が公表した安否不明者の名簿には、日本人5人の名前がローマ字で掲載されています。

FNNは、この5人が子ども3人を含む一家とみられると伝えています。時事通信は、大阪市に住む夫婦と子ども3人の一家とみられると報じています。8月19日に大阪から中国に入り、車でネパールへ移動したあとに連絡が取れなくなったと報じられています。在ネパール日本大使館はネパール当局に捜索・救助を要請しています。

読者

家族がネパールにいます。どこに問い合わせればいいのでしょうか。

おかあさん

外務省領事局の海外邦人緊急事態課、03-3580-3311の内線5138か5139です。旅行日程・宿泊先・旅券番号を用意してからかけると話が早く進みますよ。

連絡先の一覧と、電話の前に用意するものは発生翌日にまとめた記事で確認できます。

なぜこれほど大規模な土石流になったのか

今回の土石流には「現地で大雨が降っていないのに起きた」という、直感に反する点があります。原因はまだ確定していませんが、FNNの取材に答えた専門家は、次の流れが起きたとみています。

  1. 標高約5,200メートル付近で氷河の一部が崩落する
  2. 大量の氷と岩石が約1,200メートル下の谷へ一気に落ちる
  3. 土砂を巻き込みながら川へ流れ込み、川を一時的にせき止める
  4. せき止めた土砂が「天然のダム」になり、内側に水がたまって湖のようになる
  5. たまった水の圧力でダムが決壊し、水と土砂が一気に下流へ流れ出す

この5段階の流れは、Reuters(ロイター通信)が公開した3Dの地形図で立体的に確認できます。ランタン渓谷を上空から見た図の上に、氷河の下部が崩れる/氷と岩が雪崩となって谷を下る/下流で洪水が起きる、という3つの段階がオレンジ色の矢印で示されています。文章だけでは追いにくい高低差が、ひと目で分かります。

▶ Reutersの3D図解で見る「氷河崩落→洪水」の流れ

Reuters「ネパール土石流を引き起こした氷河の崩落」(2026年8月28日公開)/外部サイト(Reuters)が開きます

アメリカ地質調査所(USGS)は、崩落のときの揺れがマグニチュード5.2に相当したと分析しています。地震が崩落を引き起こしたのではなく、崩落そのものが地震のような揺れを生んだ可能性が指摘されています。

約20キロ下流の国境検問所の付近では、わずか30分ほどで川の水位が最大9メートル上がったと報じられています。3階建ての建物がまるごと沈む高さの水が、雨も降っていない谷を襲ったことになります。

帝京平成大学の小森次郎教授はFNNの取材に対し、地震を起点とする説について「タイミングが早すぎる」と述べたうえで、1970年代以降、氷河が崩れる記録は確実に増えつつあると指摘しています。温暖化との関係が示唆されていますが、今回の災害の直接の原因と断定はされていません。

上流で崩れた土砂が川をふさぎ、決壊して下流を襲う流れは、日本でも「河道閉塞」という名前で起きています。令和6年能登半島地震では6河川14か所で川がふさがれました。自分の家の近くの川と斜面のリスクは、住所を入れれば確認できます。

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衛星画像に写った、崩れる前と後

崩落が実際にどれだけの規模だったのかは、上空から撮った画像を並べると一目で分かります。Reutersは、崩落の前と後に別々の衛星がとらえた2枚を比較する形で公開しています。

8月24日にセンチネル2号が撮影した画像には、標高5,200メートルにある氷河の末端部が写っています。その2日後、8月26日にランドサット9号が撮影した同じ場所には、氷河が破断したあとの土砂崩れのがれきが広がっていました。崩落が起きたのは標高5,127メートルの地点で、ランタン・リルン峰のふもとにあたります。

Reutersの図解には、崩れた範囲の大きさが直感でつかめるように、ドバイのブルジュ・ハリファ(高さ828メートル)と並べた比較も添えられています。

▶ 災害前後の衛星画像を見る

Reuters「ネパール土石流を引き起こした氷河の崩落」(2026年8月28日公開)/外部サイト(Reuters)が開きます

秒速50メートル、100キロ先まで届いた洪水

中国政府の地質学者によると、土石流が流れ下る速さは秒速約50メートルでした。時速に直すと180キロです。広がった範囲は20キロ以上におよび、人が異変に気づいてから動ける時間は、ほとんど残っていなかったとみられています。

チベット側のギロン(吉隆)にある国境施設の監視カメラが、その瞬間をとらえていました。Reutersが確認した映像には、ネパール側の渓谷から茶色い泥流が峡谷を下ってきて、建物と逃げようとする人をそのままのみ込んでいく様子が記録されています。

▶ 土石流発生時の映像・被災状況を見る

Reuters特集ページ(人が流される場面を含みます)/外部サイト(Reuters)が開きます

水はそこで止まりませんでした。洪水はヒマラヤから標高差4,500メートル以上を一気に下り、100キロ以上先のインド国境近くで、川が流れる道すじそのものを変えています。

Reutersは、標高5,127メートルの崩落地点から、ティムレ、シャプルベシ、ハクベシ、ベトラワティ、トリスリ、デビガートを経て、標高500メートルを下回るコルプルタルまで、トリシュリ川沿い100キロ以上の高低差をたどった地形図を公開しています。シャプルベシ・ベトラワティ・デビガートの衛星画像には、土石流に巻き込まれた数百棟の建物が黄色い点で示されています(画像の出典はプラネット・ラボとオープンストリートマップ)。

国際総合山岳開発センターは8月26日、この鉄砲水がボテコシ川とトリシュリ川の流域に、大量の水と堆積物、巨石を送り込んだと発表しました。上流の氷河が崩れた一度きりの出来事が、100キロ下流の川の形まで変えたことになります。

▶ 氷河から100キロ下流までの標高・地形図を見る

Reuters「ネパール土石流を引き起こした氷河の崩落」(2026年8月28日公開)/外部サイト(Reuters)が開きます

新たな「せき止め湖」 二次災害の恐れ

いま現地でいちばん警戒されているのは、同じことがもう一度起きる可能性です。

ネパールと中国の当局は、土石流の影響で国境付近の川に新たな「せき止め湖」ができたと発表しました。AFPによると上流ではせき止め湖の面積が拡大していて、28日の報道では、雨の影響で水位は9月1日ごろにピークを迎える見込みと伝えられています。

28日には「チベット側でせき止められた水が再びあふれ出した」という情報が入り、ネパール警察は救助隊に避難を命じました。中国側も救助隊に1キロ後方へ下がるよう指示しています。

i せき止め湖は土砂が偶然積み上がってできた即席のダムで、人工のダムと違って水量を調整する設備がありません。決壊すれば、26日と同じ形の土石流が再び下流を襲うことになります。

今後も被害人数が増える可能性

道路と通信網の寸断で、被害の全容はまだつかめていません。行方不明者の数字は集計の時点や方法によって差があり、今後も更新されます。

救助された人は、シャハ首相によるとこれまでに4,400人を超えました。一方でネパール政府は8月29日、復興には40億〜50億ドル、日本円でおよそ6,400億〜8,000億円が必要だとして、国際社会に支援を求めています。アジア開発銀行は500万ドル(約8億円)の緊急無償支援を決め、日本政府もテントや毛布を供与する方針を示しています。

救助と捜索は、二次災害の危険と隣り合わせのまま続いています。この記事の内容は2026年8月29日夜の時点の報道にもとづきます。現地の状況と日本人の安否については、外務省や報道各社の最新の発表を確認してください。

生活・仕事にどう効くか

  • 家族が現地にいるとき:外務省領事局の海外邦人緊急事態課(03-3580-3311 内線5138・5139)が相談窓口。旅行日程・宿泊先・連絡手段の有無・旅券番号を手元に用意してから電話すると話が早く進む。
  • これからネパール・チベット方面へ行く予定があるとき:被災地周辺では道路や通信網が寸断され、新たな洪水の恐れで救助隊にも避難命令が出ている。出発前に外務省の海外安全ホームページで最新の現地情報を確認する。
  • 日本に住んでいる人にとって:上流で崩れた土砂が川をふさぎ、決壊して下流を襲う現象は日本でも「河道閉塞」として起きる。令和6年能登半島地震では6河川14か所で川がふさがれた。自分の空が晴れていても、上流が崩れれば水は来る。

結局どうすればよいか

  • 家族と連絡が取れないときは、旅行日程・宿泊先・旅券番号を用意して外務省 海外邦人緊急事態課(03-3580-3311 内線5138・5139)へ相談する
  • ネパール・チベット方面への渡航予定があるなら、外務省の海外安全ホームページで最新情報を確認する
  • 山あいの川の下流に住んでいる人は、自分の地域で雨が降っていなくても市町村の避難情報を確認する習慣をつける

公式出典

更新履歴

  • 2026年8月29日 初版を公開(8月29日朝時点でAFP・FNNが報じた数字にもとづく)
  • 2026年8月30日 Reutersの図解特集(3D地形図・災害前後の衛星画像・100キロ縦断図・国境の監視カメラ映像)への参照リンクを4か所に追加し、土石流の速度(秒速約50メートル)と到達範囲(100キロ以上下流)を追記。あわせて死者・行方不明者の人数を8月29日夜時点(死者682人・行方不明約3,000人)に更新

※本記事は2026年8月30日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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