那須塩原市で家を建てる土地を探すと、40坪や50坪の区画を前提に組んだ予算表がそのまま崩れます。実際に売れた土地は1区画320㎡、坪に直すと96.8坪で、坪単価の中央値4.3万円と組み合わせた総額は概算416.0万円でした。
国土交通省の不動産情報ライブラリに載っている那須塩原市の土地の成約は228件(2024年第4四半期〜2025年第4四半期)。そのうち坪単価が極端な31件は集計から外しています。残った取引の坪単価は0.5万円から29.8万円まで開いていて、その真ん中が4.3万円という並びです。
町別に見ると、取引5件の沓掛が坪13.9万円、同じく取引5件の鹿野崎が坪2.6万円。同じ96.8坪を買っても、町が変われば土地代は5.3倍ちがいます。
先に結論
- 那須塩原市の土地は1区画320㎡(96.8坪)。坪単価の中央値4.3万円と組み合わせた総額は概算416.0万円です
- この総額は別々に取った2つの中央値を掛けた概算で、実在する1件の値段ではありません
- 町別は沓掛(5件)坪13.9万円、鹿野崎(5件)坪2.6万円で5.3倍。町を決めた時点で土地代がほぼ決まります
- 地価公示(住宅地11地点)は坪8.0万円。実際の成約はそれより46.5%低い水準です
- 中古戸建ては延床坪69.1万円、新築戸建ては89.7万円。土地の坪単価とは分母が違うので引き算できません
町別の坪単価は5.3倍。取引が5件以上あった13町
那須塩原市で取引が3件以上あったのは26町です。ここでは取引が5件以上あった町だけを抜粋し、そこからさらに横林と戸田の2町を外しました(外した理由はグラフのあとに書きます)。3件や4件の町は、1件の特殊な取引で中央値が動いてしまうからです。
那須塩原市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引5件以上の13町を抜粋)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上と下で5.3倍です。26町の端どうし、沓掛の坪13.9万円と黒磯の坪1.1万円で測ると12.4倍になりますが、黒磯は3件しかありません。1件の値段で跳ねる数字なので、この記事では件数5件どうしで測った5.3倍を採りました。
外した2町の話をします。横林は坪0.9万円(6件)、戸田は坪0.1万円(7件)でした。取引3件の上塩原は坪0.0万円です。どれも市全体の中央値4.3万円の4分の1を下回る水準で、市街化調整区域や農地・山林の取引が混ざっている疑いがあります。「那須塩原でいちばん安い町」として住宅用の予算に持ち込める数字ではないので、住宅地の比較からは外しました。
窓口で「土地の予算は概算の416万円くらいで」と伝えたとき、沓掛の区画を勧める担当者と鹿野崎の区画を勧める担当者では、机に載る土地の広さがまるで変わります。坪単価が5.3倍ちがうというのは、そういうことです。
1区画320㎡が中央値。総額416万円は「概算」です
那須塩原市で成約した土地の面積の中央値は320㎡、坪に直すと96.8坪でした。坪単価の中央値4.3万円と組み合わせると、1区画あたりの総額は概算で416.0万円になります。
この416.0万円は、実在する1件の値段ではありません。坪単価の中央値と面積の中央値は別々に取った数字で、それを掛け合わせた概算です。同じ96.8坪でも、沓掛なら上に、鹿野崎なら下に振れます。
それでも、この面積は予算の組み方を変えます。96.8坪あれば、駐車場と庭を取ったうえでまだ余ります。平屋も選べる広さです。都市部の40坪を前提にした間取りをそのまま持ち込むと土地が余り、余ったぶんの草刈りと手入れが毎年ついてきます。予算は坪単価ではなく、区画の広さから逆算してください。
坪単価の幅も見ておきます。極端な31件を除いたあとでも、坪0.5万円から29.8万円まで開いていました。中央値の4.3万円は、この長い裾野の真ん中にある数字です。沓掛の坪13.9万円のような水準の土地が売りに出ていても、それだけで相場外れとは言えません。
地価公示は坪8.0万円、実際の成約は4.3万円
那須塩原市の地価公示(住宅地11地点)の中央値は坪8.0万円です。実際に成約した土地の中央値4.3万円は、それより46.5%低い水準でした。
ここは読み違えやすいところです。公示価格は住宅地として選ばれた標準地の値段、成約価格は実際に売れた土地の値段で、母集団が違います。46.5%の差は「那須塩原の土地が値下がりした」という意味ではありません。成約のほうには、住宅地として整った区画ではない土地も入っています。
使い道はこうです。ニュースで見た公示価格をそのまま96.8坪に当てはめると、土地の予算を高いほうに見積もることになります。逆に、売り出し価格が公示に近い水準で出ていても、それだけで高すぎるという証拠にはなりません。二つは別の物差しです。
住宅地の公示地点は11です。市内の全域をこの11地点が代表しているわけではない、という前提でも読んでください。
中古戸建て69.1万円・新築戸建て89.7万円は「延床坪」の値段
那須塩原市の土地以外の成約も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 土地 | 4.3万円/坪(土地面積あたり) | 228件 |
| 中古戸建て | 69.1万円/坪(建物の延床あたり) | 74件 |
| 新築戸建て | 89.7万円/坪(建物の延床あたり) | 30件 |
| 中古マンション | 6.3万円/㎡(専有面積あたり) | 11件 |
| 賃貸 | 1,537円/㎡ | 9,910件 |
土地の4.3万円と戸建ての69.1万円は、割っている分母が違います。土地は成約総額を土地面積で割った値、戸建ては成約総額を建物の延床面積で割った値です。差額を「建物のぶん」と読むことはできません。
比べてよいのは、同じ延床坪で計算している中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。中古の中央値は69.1万円で、25%から75%の帯は40.9万円から87.9万円。新築は89.7万円で、帯は81.2万円から122.7万円でした。中古の上位帯は、新築の下位帯と重なっています。条件のよい中古は、新築の安いほうと同じ単価で取引されているということです。
中古マンションは11件で、専有面積1㎡あたりの中央値が6.3万円。築31〜40年の帯が9件で5.0万円、専有30〜50㎡の帯が5件で6.7万円でした。11件しかないので傾向として読める数字ではありません。築年帯はデータを作った2026年が基準で、築31〜40年は1986〜1995年築にあたります。1982年より前の物件は元データから外れています。
賃貸は1㎡あたり1,537円、9,910件。土地を買う前に借りて地域を見る進め方を残すなら、家賃が10年でどう動いたかをまとめた記事も合わせてどうぞ。
もうひとつ、96.8坪の区画で総額に乗ってくるのが解体費です。古い家ごと安く買って建て替える、実家を片づけて売る。どちらの場面でも、建物を壊す費用は土地の値段とは別に出ていきます。土地が坪4.3万円という水準の市では、解体費が総額に占める割合は小さくありません。
工事費が分かると、古家付きで買う案と更地を買う案を総額で比べられます
買う前に、その住所の地盤と浸水を見ておく
96.8坪という区画は、整形された宅地だけとは限りません。敷地の一部だけ条件が違う、という土地も混ざります。買う前に住所単位で調べておくと、造成や地盤改良の費用を予算に入れるかどうかを先に決められます。
住所を入れて災害リスクを調べるページを用意しています。河川の氾濫や地盤の沈下も含めて、その場所の条件を確認してから金額の相談に入ってください。
私はこう見ています
那須塩原市で予算を組むなら、地価公示ではなく成約の中央値から入るべきだと私は考えています。差が46.5%あるからです。11地点の標準地から出た坪8.0万円は、実際に売買が成立した水準からは離れていました。
くり返しますが、これは「公示価格が高すぎる」という話ではありません。標準地と実際の売買では母集団が違うので、一致しないほうが自然です。私が言いたいのは、どちらを予算表の出発点に置くかで、96.8坪という広い区画では金額のずれが積み上がるということです。
正直に書いておきます。この記事の町別の数字は、いちばん件数の多い青木でも22件、見出しに使った沓掛と鹿野崎は5件ずつです。5.3倍という開きは、幅を持って読んでください。同じ町のなかでどこを買うかで、この差は簡単に埋まります。
予算を決める前にやる3つのこと
- 区画の広さから逆算する。那須塩原市の中央値は320㎡(96.8坪)です。40坪を前提にした総額の感覚のままだと、土地の予算が足りなくなります。
- 町を先に絞る。沓掛の坪13.9万円と鹿野崎の坪2.6万円で5.3倍。同じ96.8坪を買っても、支払う金額が変わります。
- 建物を壊す費用まで含めて比べる。中古戸建ては74件、新築戸建ては30件が成約しています。古家付きの土地・中古・新築を並べるなら、解体費と工事費を入れた総額で比べてください。
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地228件、中古戸建て74件、新築戸建て30件、中古マンション11件
- 土地の228件のうち、坪単価が極端な31件は集計から除いています。除外後の坪単価は0.5万円から29.8万円
- 坪単価の中央値と1区画の面積の中央値は、それぞれ独立に取った数字です。掛け合わせた総額416.0万円は概算で、実在する1件の成約価格ではありません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ(26町)。この記事では、そのうち取引5件以上の町を抜粋して13町を掲載しています
- 市の中央値の4分の1を下回る町(横林・戸田・上塩原)は、市街化調整区域や農地・山林の取引が混ざっている疑いがあるため、住宅地の比較からは外しました
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算や大小の比較はできません
- 中古マンションの単価は成約総額を専有面積で割った値。築年帯はデータ生成時(2026年)が基準で、築31〜40年は1986〜1995年築。1982年より前の物件は元データから除外されています
- 地価公示:国土交通省の地価公示。那須塩原市内の住宅地11地点の中央値。標準地と実際の成約は母集団が違うので、差を値上がり・値下がりとは読めません
- 賃貸:那須塩原市の募集賃料9,910件の1㎡あたり中央値


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