🗨️「うちの町にも災害救助法が適用されたって聞いたけど、何がどう変わるの?」
まず変わるのは「誰が救助をやるか」と「誰が払うか」です。避難所の設置や炊き出しの実施主体が市町村から県に移り、市町村の費用負担はなくなります。被災した人にお金が振り込まれる制度ではありません。
[災害] この記事の要点
2026年8月27日の大雨で、石川県は羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町の4市町に、富山県は高岡市・氷見市・小矢部市・射水市の4市に災害救助法を適用した。内閣府も同日、「令和8年8月27日からの大雨に伴う災害に係る災害救助法の適用について」を災害救助法の適用状況のページに掲載している。
2026年8月27日 発表
- 石川県 羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町に住んでいる人
- 富山県 高岡市・氷見市・小矢部市・射水市に住んでいる人
- 浸水・土砂で自宅が傷み、これから修理や片づけの費用を考える人
この記事でわかること
- 災害救助法が適用された8つの市と町
- 適用で変わるのは「誰がやるか」と「誰が払うか」だということ
- 受けられる救助の中身と、再建の支援金が別の法律である理由
この記事でわかること
- ✓ 8月27日に災害救助法が適用された8つの市と町
- ✓ 適用されると最初に変わるのは「誰が救助をやるか」「誰が払うか」だということ
- ✓ 受けられる救助の中身と、再建の支援金が別の法律である理由
8月27日、石川と富山の8つの市と町に適用された
2026年8月27日の大雨を受けて、石川県と富山県はそれぞれ災害救助法を適用しました。内閣府の「災害救助法の適用状況」にも、同日付で「令和8年8月27日からの大雨に伴う災害に係る災害救助法の適用について」が掲載されています。
| 県 | 適用された市町 | 発表 |
|---|---|---|
| 石川県 | 羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町 | 27日午前10時、知事が公表 |
| 富山県 | 高岡市・氷見市・小矢部市・射水市 | 27日午前、災害対策本部員会議で決定 |
いずれもこの日の朝に緊急安全確保や避難指示が出た地域を含みます。市町村名までは各県の発表と各社の報道によります。
先に変わるのは「誰がやるか」と「誰が払うか」
内閣府の資料「災害救助法の概要」には、適用の前と後で自治体の役割がどう入れ替わるかが表で整理されています。ここが、報道で最初に「県が避難所を運営する」と伝えられる部分の中身です。
| 適用しない場合 | 適用した場合 | |
|---|---|---|
| 救助をやる主体 | 市町村 | 都道府県(法2条)。市町村は県の補助(法13条2項) |
| 県の立場 | 後方支援と総合調整 | 実施主体。事務の一部は市町村へ委任できる(法13条1項) |
| 市町村の費用負担 | あり | なし(法21条) |
| 県の費用負担 | — | かかった費用の最大100分の50。残りは国(法21条) |
国が持つ割合も一律ではありません。その自治体の普通税収入見込額に対して救助費用がどれくらいの規模になるかで、100分の50、100分の80、100分の90 の3段階に分かれます。費用がふくらむほど国の負担割合が上がる形です。
じゃあ、被災した人に直接お金が入るということですか?
そこは違います。動くのは自治体どうしのお金で、住民が受け取るのは現金ではなく救助そのものです。
受けられるのは現物の救助。今年6月に1つ増えている
災害救助法4条1項が定める救助の種類は、避難所と応急仮設住宅の供与、炊き出しなどの食品の給与と飲料水の供給、被服・寝具その他生活必需品の給与と貸与、医療と助産、被災者の救出、住家の被害が広がるのを防ぐ緊急の修理、日常生活に必要な最小限度の部分の修理、学用品の給与、埋葬と遺体の捜索・処理、障害物の除去、そして福祉サービスの提供です。
最後の福祉サービスの提供は、令和7年6月1日の改正で新しく加わった項目です。令和6年1月の能登半島地震の教訓を受けた改正で、今回適用された8市町はまさにその地震の被災地と重なります。
住宅の応急修理は、令和元年の台風15号を契機に「準半壊」(損害割合10%以上20%未満)まで対象が広がっています。ただし修理費が振り込まれるのではなく、自治体が業者に払う現物の救助として行われます。先に自分で契約すると対象外になることがあるので、順番を市町村に確かめてください。
全壊が出ていなくても適用できる
災害救助法の適用要件というと「住家が何棟壊れたか」を思い浮かべますが、それは3つある基準のうちの一部です。人口に応じた住家の滅失の数を見る基準(施行令1条1項1号から3号)に加えて、多数の人が生命または身体に危害を受けるおそれが生じ、避難して継続的に救助を必要とする場合という基準(同項4号)があります。
27日は、羽咋市・中能登町・宝達志水町と志賀町の一部に警戒レベル5の緊急安全確保が出て、孤立した集落も生まれました。全壊の棟数が固まる前でも適用に踏み切れるのは、この4号があるからです。
家の再建にもらえるお金とは、別の話なんですね。
別の法律です。災害救助法は応急の段階まで。そのあとの復旧・復興は被災者生活再建支援法などが担当します。
「再建の支援金」は別の法律の話
内閣府の資料でも、応急救助は災害救助法、復旧・復興は被災者生活再建支援法や災害弔慰金法と、段階ごとに担当する法律が分けて図示されています。災害救助法が適用されたからといって、自動的に再建の支援金が出るわけではありません。
また、被害の程度を証明する罹災証明書は市町村が発行するもので、災害救助法の適用とは別の手続きです。片づけを始める前に、部屋ごと・被害箇所ごとの写真を撮っておくと、判定でも保険の請求でも使えます。
生活・仕事にどう効くか
- 避難所:救助の実施主体が市町村から県へ移る(災害救助法2条)。市町村は県の補助に回り、県から事務の委任を受けて窓口を続けることが多い。窓口の場所が変わるという意味ではない。
- お金:救助にかかった費用について、市町村の負担はなくなる(法21条)。県の負担は最大で100分の50、残りは国が持つ。住民の手元に現金が届く仕組みではない。
- 住まいの修理:住宅の応急修理が救助の対象に入る。ただし現金給付ではなく、自治体が業者に払う現物の救助として行われる。
結局どうすればよいか
- 自分の市や町が適用されたかを、県または市町村の災害情報ページで確認する
- 浸水・土砂で家が傷んだら、片づける前に部屋ごと・被害箇所ごとの写真を撮っておく(罹災証明の判定と保険の両方で使う)
- 住宅の応急修理を使う可能性があるなら、自分で先に業者と契約せず、市町村の窓口に順番を確認する
公式出典
- 内閣府 防災情報のページ「災害救助法の適用状況」(令和8年8月27日からの大雨に伴う災害を掲載)(2026年8月27日発表)
- 内閣府政策統括官(防災担当)「災害救助法の概要」(令和7年10月)(2025-10発表)
更新履歴
- 2026年8月27日 初版を公開
※本記事は2026年8月27日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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