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住宅ローン控除 年末調整/調書方式は残高証明書なし

🗨️「年末調整に出す住宅ローンの残高証明書が、銀行から届きません。」

調書方式で住宅ローンを借りている人には、銀行の年末残高証明書は最初から届きません。銀行は残高を税務署へ送り、会社に出すのは税務署から届く控除証明書のほうです。ただし2024年に入居し、調書方式で控除証明書を書面で受け取った人は、今年の分から残高の欄が空欄になり、返済計画表を見て12月末の残高を自分で書きます。会社の締切までに出せないと年末調整では控除されず、国税庁の記載例の家庭なら138,200円が翌年の確定申告まで戻りません。

[不動産] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月2日 発表

影響を受ける人
  • 2025年に入居し、今年はじめて会社の年末調整で控除を受ける人
目次

銀行の証明書が来ない仕組み

調書方式では、借入先の銀行が残高を知らせる相手は本人ではなく税務署です。国税庁が令和8年9月に出したチラシの流れ図と本文をまとめると、次の順番になります。

時期だれが何をする
10月末日まで借入先の金融機関年末残高調書を税務署へ出す
11月中旬頃税務署電子交付を選んだ人の、e-Tax(イータックス)のメッセージボックスへ控除証明書を届ける
11月下旬頃税務署書面交付を選んだ人へ、入居2年目に2年目以降の分をまとめて郵送する
そのあと本人控除証明書を勤務先に出して年末調整を受ける

出典:国税庁「年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」(令和8年9月)

この流れのどこにも、銀行から本人へ送る書類がありません。国税庁の説明書(令和6年居住者用)も「調書方式(注3)の場合は、金融機関等から年末残高等証明書の交付がありませんので、同証明書の提出は不要です」と書いています。会社に出すのは税務署の控除証明書だけです。

去年の11月、この仕組みに初めて当たった人が、Yahoo!知恵袋にこう書いています。

住宅ローン控除の残高証明書についてです。前回は1年目だったので、確定申告に行きました。今年は2年目で、住宅ローン控除の申請を会社の年末調整でしようとしましたが、残高証明書が銀行からデータでいく調書方式だったみたいで、パソコンがないと出来ないことがわかりました。(以下略)

Yahoo!知恵袋の質問(2025年11月11日)原文

調書方式でも、紙で届く人はいます。分かれ目は、確定申告のときに控除証明書の受け取り方をどちらにしたかです。国税庁のチラシ(令和7年9月)は、電子交付を選んだ人にはe-Taxのメッセージボックスへ、書面交付を選んだ人には郵送で届くと分けて書いています。

電子で受け取ったのに会社が電子データを受け付けない場合も、e-Taxのホームページにある「QRコード付証明書等作成システム」で紙に出力できます。

?
読者

自分が調書方式かどうかは、どこを見ればわかるの?

おかあさん

家を買ったとき、借入先にマイナンバーを書いた「住宅ローン控除の適用申請書」を出していれば調書方式です。国税庁は調書方式の対象を、この申請書を出した人としています。覚えていなければ借入先に聞くのが確実です。今年も銀行から年末残高等証明書が届くなら、証明書方式のほうです

机に広げた税金の書類の上に、電卓アプリを開いたスマートフォンが置かれている
会社に出す書類がそろうのは11月です。調書方式の人には、銀行からの証明書がこの束に入りません(写真はイメージ)(写真: Pexels)

入居年ごとの届くもの早見表

今年(令和8年分)の年末調整で、何が届き、残高の欄がどうなっているかを入居した年で分けました。調書方式の人は、どの年でも申告書の「備考」欄に「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」と自分で書きます。

入居した年・方式今年届くもの(時期)残高の欄
2026年入居年末調整では受けられない。2027年に確定申告―
2025年入居・調書方式・書面税務署から2年目以降の分がまとめて郵送(11月下旬頃)令和8年分は印字あり
2025年入居・調書方式・電子e-Taxのメッセージボックス(11月中旬頃)記録あり
2024年入居・調書方式・書面2025年11月下旬頃にまとめて届いた束の「令和8年分」を使う空欄。返済計画表を見て書く
2024年入居・調書方式・電子e-Taxのメッセージボックス(毎年11月中旬頃)記録あり
証明書方式(借入先が調書方式に対応していない人など)銀行の年末残高等証明書(11月下旬頃)と、確定申告のあと税務署から届いた証明書兼申告書空欄。銀行の証明書から写す
2023年入居どちらの方式かは、国税庁の資料で入居年からは確定できない。借入先・勤務先の案内で確認方式による

出典:国税庁「年末調整のための住宅ローン控除証明書の交付時期について」(令和8年9月)、「「調書方式」による住宅借入金等特別控除の適用について」(令和7年9月)、「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」、タックスアンサー1230番。証明書方式の税務署の書類が届く時期は、この表では扱っていない

表のうち、去年と様子が変わるのは2024年入居・書面交付の行です。去年の令和7年分は税務署の証明書に残高と控除見込額が印字されていて、会社の申告書へ写せば済みました。今年使う令和8年分は同じ束に入っていた1枚なのに、残高の欄が空いています。

国税庁の令和8年9月のチラシには、「年末残高や控除見込額(以下、「年末残高等」といいます。)が記載される住宅ローン控除証明書の交付は、入居2年目分のみとなります。」とあります。

?
読者

去年と同じ束なのに、今年の分だけ空欄? 印刷ミスじゃないの?

おかあさん

ミスではありません。国税庁の申告書の記載例にも、残高の欄は「調書方式で令和8年分以降の場合」は空欄で表示されると注記があります。書面の束は入居2年目にまとめて作られるので、3年目以降の残高はその時点で印字できないのだと私は読んでいます

2025年に入居した人は、今年が初めての年末調整です。書面なら11月下旬頃に令和8年分から先の束が届き、令和8年分には残高が印字されています。来年の令和9年分からは、2024年入居の人と同じように空欄の年が始まります。

空欄の残高は返済計画表で書く

空欄のときの書き方は、国税庁の記載例に一文で示されています。「調書方式の場合で令和8年分以降は、金融機関等から交付される住宅ローン返済計画表等を基に年末残高を記載してください。」

  1. 借入先から届いている返済計画表(返済予定表)で、2026年12月の返済が済んだあとの残高を探す
  2. 申告書の「住宅借入金等の年末残高」の欄に、その金額を書く。夫婦で連帯債務なら、証明書にある自分の負担割合をかける
  3. 年末残高に0.7%をかけ、100円未満を切り捨てる。申告書に印字された上限を超えたら上限で止める
  4. 「備考」欄に「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」と書く

年末調整の書類は12月の返済より前に出すので、書くのは12月末時点の予定の残高です。国税庁の記載例でも、銀行の証明書に載る残高には「予定額」と添えてあります。

国税庁の記載例金額
年末残高(予定額)39,500,000円
連帯債務で自分の割合50%19,750,000円
0.7%をかける138,250円
100円未満を切り捨てた控除額138,200円
この例の上限210,000円

出典:国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ(令和6年居住者用)」の記載例(令和6年中居住・省エネ基準適合住宅・新築の例)。上限は住宅の区分で変わる

繰上返済をした人は、返済計画表の数字をそのまま使えません。国税庁の記載例は、繰上返済などで控除申告書に記載された年末残高と実際の年末残高が違うときは「実際の年末残高により計算する必要があります」としています。繰上返済のあとの残高がわかる書類を借入先から取り寄せて使います。

?
読者

返済計画表が見つからない。どうすればいい?

おかあさん

借入先に問い合わせて取り寄せます。来年からの手間を減らすなら、e-Taxで電子交付に一括同意しておく方法があります。国税庁は、この手続きを「おおよそe-Taxによる控除証明書の交付を受けたい年分の10月末まで」に行うよう案内しています

木の机に置かれた書類の上で、スマートフォンの電卓に数字が表示されている
残高の欄が空欄なら、返済計画表から12月末の残高を探して自分で書き写します(写真はイメージ)(写真: Pexels)

私は、2024年入居・調書方式で書面を選んだ人は、来年以降のために一括同意を済ませておくのがよいと考えています。書面のままだと、控除を受けるあいだ毎年、返済計画表から残高を探して写す作業が続きます。電子交付なら毎年11月中旬頃に残高が記録された証明書が届き、自分で写す作業が減ります。

2022年以降に入居した人なら、控除で戻るのは年末残高の0.7%です。この0.7%と、いま払っている利息のどちらが大きいかは「住宅ローン控除があるから、借りたほうが得」は終わりました。戻るのは年0.7%、フラット35で払う利息は年3.29%ですで比べています。

会社の締切に間に合わないとき

会社が年末調整の書類を集める締切と、住宅ローン控除の書類が届く時期は、別々に決まっています。2022年11月1日、銀行の証明書を待つ人がYahoo!知恵袋にこう書いています。

足利銀行を利用してますが、住宅ローン控除のための証明書はいつ届きますか? まだ住宅控除の用紙が1枚だけあり、年末調整のため会社に提出しなければならないのです。

Yahoo!知恵袋の質問(2022年11月1日)原文

税務署の用紙は手元にあるのに、銀行の証明書がまだ来ていない状態です。国税庁の説明書は、銀行の年末残高等証明書を「各年の11月下旬頃に金融機関等から送付されます」としています。調書方式でも、書面で受け取る2年目の人に届くのは11月下旬頃、電子なら11月中旬頃です。

締切が11月中旬より前にある会社では、書類がそろわないまま締切を迎えます。11月に入ったら、担当者に「住宅ローン控除の書類は11月下旬に届く」と伝え、どう扱うかを先に聞いておきます。電子交付の人は、会社が電子データのまま受け付けるか、QRコード付証明書等作成システムで紙に出すかも一緒に確かめます。

i 締切までに書類が出せなくても、控除そのものは翌年の確定申告で受けられます(タックスアンサー1230番)。証明書方式で銀行の年末残高等証明書が遅れた人は、翌年1月31日までに届けば勤務先に出して年末調整の再計算を受ける方法もあると、国税庁の質疑応答事例は示しています。借入先が複数ある人は、全ての年末残高等証明書が必要です。

よくある質問

Q. 2023年に入居した人は、どちらの方式ですか。
A. 入居した年だけでは決まりません。決め手は、借入先に「住宅ローン控除の適用申請書」を出したかどうかです。今年も銀行から年末残高等証明書が届けば証明書方式です。届かないときは、借入先に方式を確かめてください。

Q. 入居した年も、会社の年末調整で控除を受けられますか。
A. 受けられません。タックスアンサー1230番は「住宅借入金等特別控除の適用を受ける最初の年分は、確定申告を行う必要があります」としています。年末調整で受けられるのは2年目以後の年分です。2026年に入居した人は、2027年に確定申告をします。

Q.「確定申告をe-taxで行ったので、住宅借入金等特別控除証明書も電子なのでしょうか?」(Yahoo!知恵袋、2021年11月13日の質問)
A. 調書方式について国税庁のチラシは、e-Taxで申告したかどうかではなく、確定申告で控除証明書の「受取方法」を電子交付と書面交付のどちらにしたかで分けています。電子を選んでいれば、e-Taxにログインし、メッセージボックスの「通知書等」から「住宅借入金等特別控除証明書」を選ぶと見られます。

Q. 控除を受けられない年はありますか。
A. 国税庁の説明書(令和6年居住者用)では、合計所得金額の見積額が2,000万円を超える年分は受けられません。床面積が40㎡以上50㎡未満の特例の家は1,000万円を超える年分です。

Q. これから家を買う人も、同じ控除を受けられますか。
A. 2028年以降に入居する新築では、土砂災害の区域などにある家が控除の対象から外れます。詳しくは住宅ローン控除が使えない土地ができます|2028年入居の新築から、土砂災害の区域は対象外にまとめました。

銀行からの封筒を待つ前に、去年届いた束と返済計画表を一度開いてみてください。今年の分の残高の欄が空いていれば、そこを埋めるのは自分です。借り換えや住み替えで借入額を考え直すときは、年収から無理のない借入額を下のボタンで試算できます。

結局どうすればよいか

  • 借入先に「住宅ローン控除の適用申請書」を出したかを確かめる。覚えていなければ借入先に調書方式かどうかを問い合わせる
  • 2024年入居・調書方式で書面交付の人は、去年11月に届いた束から令和8年分を出し、返済計画表で2026年12月の予定残高を確かめる
  • 来年以降も残高が記録された証明書を受け取りたいなら、e-Taxで電子交付への一括同意を行う。国税庁の案内では「おおよそe-Taxによる控除証明書の交付を受けたい年分の10月末まで」

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公式出典

更新履歴

  • 2026年10月2日 初版を公開(国税庁の令和8年9月・令和7年9月のチラシと令和6年居住者用の説明書を同日に確認したもの)

※本記事は2026年10月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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