🗨️「雨で通行止めになる基準って、全国で同じじゃないんですか」
まったく違います。国道の事前通行規制でいちばん低いのは北海道島牧村の80ミリ、いちばん高いのは静岡市清水区の400ミリ。同じ「雨で閉まる道」でも5倍のひらきがあります。しかも同じ路線のなかでも区間ごとに数字が違うので、路線名だけでは判断できません。
[交通] この記事の要点
2026年9月16日 発表
- 山あいの国道を通勤・通学で毎日使っている人
- 大雨のときに車で移動する予定がある人
- 通勤路が規制区間にかかる場所へ引っ越しを考えている人
いちばん低いのが80ミリ、いちばん高いのが400ミリ
大雨のときにニュースで「事前通行規制のため通行止め」と流れます。この規制は、国が「この区間は雨で崩れやすい」と判断した場所にあらかじめかけてあるもので、区間ごとに「連続雨量が何ミリに達したら止める」という数字が先に公表されています。
問題は、その数字が全国で同じではないことです。
| 場所 | 路線 | 閉まる基準 |
|---|---|---|
| 静岡市清水区(静岡) | 国道52号 | 400ミリ |
| 下呂市東上田(岐阜) | 国道41号 | 350ミリ |
| 熊野市(三重) | 国道42号 | 320ミリ |
| 中津川市〜南木曽町(岐阜・長野) | 国道19号 | 280ミリ |
| 国頭村(沖縄) | 国道58号 | 250ミリ |
| いわき市(福島) | 国道49号 | 200ミリ |
| 亀山市〜甲賀市(三重・滋賀) | 国道1号 | 180ミリ |
| 豊田市稲武(愛知) | 国道153号 | 150ミリ |
| 飛騨市神岡町(岐阜) | 国道41号 | 120ミリ |
| 島牧村(北海道) | 国道229号 | 80ミリ |
いちばん低い80ミリと、いちばん高い400ミリで5倍のひらきがあります。

渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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基準が高い=安全、ではない
ここを取り違えると、読み方が逆になります。400ミリのほうが安全で、80ミリのほうが危ない、という意味ではありません。
基準は、その斜面がどれくらいの雨に耐えられるかを調べて決めたものです。ですから400ミリの区間は「400ミリまで持ちこたえる前提で造られている」、80ミリの区間は「80ミリで判断する必要がある斜面だ」ということになります。
地域の雨の降り方も効いています。紀伊半島の南部のように、300ミリ級の雨がふつうに降る地域では基準も300ミリ台です。北海道は100ミリ台が主流で、本州より全体に低くなっています。「その土地でどれくらい降るか」と「その斜面がどこまで耐えるか」の両方が入った数字です。
同じ路線でも、区間で3倍ちがうことがある
路線名で覚えると外します。岐阜県内の国道41号を例にすると、こうなります。
- 下呂市東上田 350ミリ
- 七宗町・白川町・下呂市金山・高山市久々野 いずれも150ミリ
- 飛騨市神岡町 120ミリ
同じ国道41号のなかで、120ミリから350ミリまで約3倍の差があります。三重県の国道42号でも、熊野市の区間が320ミリ、尾鷲市の区間が300ミリと20ミリ違います。確認するときは、路線名ではなく区間名まで見る必要があります。
雨以外が条件になっている区間もある
ほとんどの区間は連続雨量だけで決まりますが、例外があります。
| 場所 | 路線 | 条件 |
|---|---|---|
| 桜島(鹿児島) | 国道224号 | 土石流/桜島爆発による噴石落下、降灰 |
| 飛騨市神岡町(岐阜) | 国道41号 | 連続雨量120ミリ/雪崩の発生が予想される時 |
| 国頭村(沖縄) | 国道58号 | 250ミリ/180ミリ以上かつ時間雨量60ミリ/波浪による路上越波 |
桜島の国道224号は、条件に噴石と降灰が入っている全国で唯一の区間です。沖縄の国道58号は3段構えで、雨量が基準に届かなくても、波が道路を越えれば閉まります。
数字が公表されていない「予防的通行規制区間」
もうひとつ、連続雨量の欄が空欄になっている区間があります。予防的通行規制区間と呼ばれるもので、規制条件も書かれていません。
数字が無いということは、「何ミリまでなら通れる」と先に読めない区間だということです。気象状況や現地の状態を見て判断されるため、予告なく閉まることがあります。数値基準のある区間と重なって指定されている場所もあり、その場合は基準に届く前に閉まる可能性があります。
「連続雨量」は降り始めからの合計
最後に、いちばん誤解されやすい言葉です。連続雨量は1時間あたりの雨量ではありません。降り始めてからの合計で、雨がやんで一定時間たつとゼロに戻ります。
気象庁が「激しい雨」と呼ぶのは1時間に30ミリ以上の雨ですが、それが1時間降っただけでは連続雨量は30ミリです。400ミリに届くのは、台風や前線で何日も降り続いたときです。短時間の強い雨より、長く降り続く雨のほうがこの基準には効いてきます。
自分が通る区間が規制区間かどうかは、各地方整備局の道路防災情報のページで区間名まで確認できます。通勤路が該当するなら、迂回路を1本決めておくと、降り出してから慌てずにすみます。規制がかかると、雨がやんでも斜面の点検が終わるまで解除されません。数時間から、崩れていれば数日かかります。
生活・仕事にどう効くか
- 移動:基準は区間ごとに決まっているため、同じ路線を走っていても場所によって閉まる早さが違う。
- 住まい:事前通行規制区間は「斜面が崩れやすい」と国が判断した場所。通勤路が該当するかは、家を選ぶときの判断材料になる。
結局どうすればよいか
- 自分が通る国道の区間名と基準値を、地方整備局の道路防災情報で確認する
- 連続雨量は降り始めからの合計と覚える(1時間あたりの雨量ではない)
- 規制がかかると解除まで数時間から数日かかるため、迂回路を先に決めておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 国土交通省 道路防災情報 事前通行規制区間(中部地方整備局・国道52号)(2026年9月16日発表)
- 国土交通省 道路防災情報 事前通行規制区間(北海道開発局・国道229号)(2026年9月16日発表)
- 国土交通省 道路防災情報 事前通行規制区間(九州地方整備局・国道224号)(2026年9月16日発表)
- 国土交通省 道路防災情報 事前通行規制区間(沖縄総合事務局・国道58号)(2026年9月16日発表)
更新履歴
- 2026年9月16日 初版を公開。2026年9月16日時点で各地方整備局が公表している基準値をもとに記載。
※本記事は2026年9月16日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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