🗨️「道路の陥没って、あの八潮のような大事故のイメージしかないんだけど」
実際にはもっと小さい穴が、全国で年に2,600件以上あいています。石岡市で起きたのは幅3メートル。国の統計を開くと、どこで多いのかがはっきり分かれていました。
[交通] この記事の要点
2026年9月10日 発表
- 国道6号沿いを日常的に走っている人
- 自宅前の道が古い下水道の上にある人
- 道路の陥没を「よその大事故」だと思っている人
石岡で起きたこと
9月8日の午後2時ごろ、茨城県石岡市で、国道6号につながる一方通行の側道が落ちました。穴の大きさは幅およそ3メートル、長さおよそ2.5メートル。通りかかった乗用車の前輪がそこにはまり、車は動けなくなりました。運転していた男性は軽いけがで、救急搬送されています。
道路を管理している国土交通省の常陸河川国道事務所によると、原因は今のところ不明です。同事務所が原因を調べ、対策を検討しています。現場は通行止めになりました。
ここから先、報道はふつう続きを書きません。書けないからです。原因が出るまでは何も断定できない。そこで、別の角度から見ます。この規模の陥没は、日本で年に何回起きているのか。
渋滞と通行止めで動けなくなったときに要るもの
迂回路を調べるにも、その場で待つにも、要るのはトイレと電源の2つです。車に積みっぱなしにできる小さいものだけ挙げます。
渋滞と通行止めで動けなくなったとき、いちばん先に困るのがトイレです。高速道路上ではパーキングまで降りられないので、車に積んでおくものの中では優先度が高い1つです。
渋滞中はナビと地図と渋滞情報でスマホを使い続けるので、電池は思ったより早く減ります。迂回路を調べる段になって充電が無いと、動けるのに動けません。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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年2,625件。半分以上は大都市
国土交通省の国土技術政策総合研究所が、全国およそ1,600の地方公共団体を対象に毎年調べています。下水道管路に起因する道路陥没の令和4年度の集計は、こうなっていました。
| 管理者の区分 | 令和4年度の陥没件数 | 管路1,000kmあたり |
|---|---|---|
| 大都市(政令市+東京23区) | 1,528件 | 13.5件 |
| 人口30万人以上の都市 | 514件 | 6.3件 |
| 人口10万〜30万人の都市 | 394件 | 3.1件 |
| 人口5万〜10万人の都市 | 127件 | 1.8件 |
| 人口1万〜5万人の都市 | 50件 | 0.6件 |
| 全国 | 2,625件 | 5.3件 |
年2,625件は、1日あたり約7件です。そのうち1,528件、つまり6割近くが政令指定都市と東京23区で起きています。管の長さをそろえて比べても、大都市は1,000kmあたり13.5件で、全国平均5.3件の2.5倍でした。
ここで注意が1つ。この表は「下水道管路に起因するもの」だけの集計です。石岡市の穴の原因はまだ発表されていないので、この2,625件のうちの1件になるかどうかは分かりません。数字を借りてくるのは「同じ規模の穴がどれくらいの頻度で起きるか」を知るためであって、原因を当てるためではありません。

意外なことに、増えてはいない
大きな陥没事故が報じられるたびに「増えている」と言われますが、この統計の折れ線は逆を向いています。
| 年度 | 全国の陥没件数 |
|---|---|
| 平成26年度 | 3,313件 |
| 平成28年度 | 4,575件(熊本地震を含む) |
| 令和2年度 | 2,747件 |
| 令和4年度 | 2,625件 |
平成28年度だけ4,575件と跳ねていますが、これは地震動・液状化によるものを除いて数え直すと3,234件になります。地震の年は別の理由で跳ねる、ということです。それを除いた系列で見ると、平成26年度3,243件から令和4年度2,607件へ、静かに下がってきています。
それでも1日7件
減ってはいる。けれども1日に7件は起きている。そして石岡市のように、たまたまそこを走っていた車がはまることがある。この2つは両立します。
自宅の前の道がいつ敷かれた下水道の上にあるかは、市区町村の下水道台帳で分かる自治体もあります。ただし、そこまで調べても「明日落ちるかどうか」は分かりません。できるのは、穴や段差、路面のへこみを見つけたときに通報することくらいです。国道と高速道路には道路緊急ダイヤル #9910があります。市道なら市区町村の道路担当課です。
生活・仕事にどう効くか
- 全国の件数:下水道管路に起因する道路陥没は令和4年度に全国2,625件。うち1,528件が政令指定都市と東京都区部に集まっている。
- 延長あたりの密度:管路1,000kmあたりの陥没は全国平均5.3件。大都市は13.5件で、全国平均の2.5倍。
- 減っているのか:全国件数は平成26年度の3,313件から令和4年度の2,625件へ、おおむね減少している。増えているわけではない。
結局どうすればよいか
- 陥没の一次情報は道路管理者。国道なら国交省の河川国道事務所が原因調査と対策を出す
- 自分の街の傾向は、国交省国総研が毎年出している全国調査で確かめられる
- 穴を見つけたら近づかず、道路緊急ダイヤル#9910(国道・高速)か市区町村へ
あわせて読む・調べる
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公式出典
- 国土交通省 国土技術政策総合研究所「下水道管路管理延長(令和4年度末時点)及び下水道管路に起因する道路陥没の発生状況(令和4年度)」(2026年9月10日発表)
- 国土交通省 常陸河川国道事務所(2026年9月10日発表)
更新履歴
- 2026年9月10日 初版を公開
※本記事は2026年9月10日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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