会社の歯止めは既定では動かない
Microsoftは、機密情報をCopilotに渡さないための道具を用意しています。ただし、どれも管理者が設定して初めて動くものです。
| 仕組み | 止められること | 注意点 |
|---|---|---|
| DLP(入力の検査) | カード番号やパスポート番号など、決めた種類の情報を含む質問に答えない | プレビュー段階。検査するのは入力した文字だけ |
| DLP(Web検索の禁止) | 機密情報を含む質問を、外部の検索サービスに送らない | 社内データを使った回答は続く |
| 秘密度ラベル+DLP | 「社外秘」などのラベルが付いたファイル・メールの中身を答えに使わない | 引用の欄にはファイル名が出る場合がある。メールは2025年1月1日以降に送られたもの |
| 制限付きコンテンツ検出 | 指定したサイトをCopilotと社内検索に出さない | アクセス権は変えない。ファイルは今までどおり開ける |
DLPの文書によれば、Copilot向けのポリシーは「カスタム」テンプレートからしか作れず、設定を変えてから画面に反映されるまで最大4時間かかる場合があります。入れた初日から守られている、とは考えないほうが実態に合います。
ラベルで除外したファイルが「引用には出る」という点も見落としやすいところです。中身は答えに使われませんが、そういうファイルがあること自体は、表示される場合があります。
ファイルの添付は検査されない
利用者の側でいちばん気をつけたいのが、ファイルの添付です。DLPの文書には、はっきりこう書かれています。
DLP は、プロンプトに直接アップロードしたファイルの内容をスキャンできないため、アップロードされたファイルの機密データの評価は行われません。
Microsoft LearnのCopilot向けDLP(データ損失防止)の文書より
カード番号を質問欄に打てば止まる会社でも、同じ番号が並んだExcelを添付して「集計して」と頼めば、DLPの検査は通りません。学習には使われないので社外には出ませんが、会社の記録には残ります。
私は、Copilotに入れてよいかの線は「そのファイルを社内の共有フォルダーに置いてよいか」で引くのがいちばん迷わないと考えています。Copilotの保管も検索も、会社のファイルやメールと同じ仕組みの上に乗っているからです。
個人のChatGPTに入れてしまった場合は話が別で、先に切る設定があります。その手順はChatGPT 個人情報入力/先に切るのは設定にまとめました。
よくある質問
Q. Copilotに入れた社外秘が、ほかの会社の答えに出ることはありますか。
A. 職場のアカウントで使った場合、Microsoftは入力も応答も基盤モデルの学習に使わないとしています。学習を通じてほかの会社に出る道は、文書のうえではありません。
Q. Copilotの答えに、見たことのない他部署の資料が出てきました。
A. その資料が、あなたにも開ける設定で共有されていたということです。Copilotが権限を破ったわけではありません。資料の持ち主か情報システム担当に、共有範囲を伝えてください。
Q. 「学習させない」設定はどこにありますか。
A. 職場のアカウントは最初から学習の対象外なので、利用者が切る設定はありません。個人のMicrosoftアカウントで使うCopilotは、設定画面から会話を学習に使わないよう変更できます。
Q. GitHub Copilot(ギットハブ コパイロット)も同じ扱いですか。
A. 名前は同じでも別の製品で、規約も別です。この記事はMicrosoft 365のCopilotとCopilot Chatについての内容です。
Q. この記事の内容はいつ時点のものですか。
A. 2026年9月29日に確認したMicrosoft LearnとMicrosoftサポートの記載にもとづきます。製品名はMicrosoft 365 CopilotからMicrosoft Copilotへ変わりつつあり、機能も変わることがあります。
生活・仕事にどう効くか
- 社外秘を入力した:職場アカウントなら、AIの学習には使われません。ただし会社の記録として保管され、管理者が検索できる場所に残ります。
- 同僚の資料が答えに出た:Copilotが権限を破ったのではなく、その資料が最初から自分にも開ける設定で共有されていたということです。
- ファイルを添付して要約させた:会社がDLPを設定していても、プロンプトに直接アップロードしたファイルの中身は検査されません。
結局どうすればよいか
- Copilotにサインインしているのが、会社のメールアドレスか個人のアカウントかを確かめる
- 答えに見覚えのない社内資料が出てきたら、その資料の共有範囲を持ち主か情報システム担当に伝える
- 顧客名簿や個人情報の入ったファイルは、会社のルールが決まるまでCopilotに添付しない
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- Microsoft Learn「Microsoft Copilot のデータ、プライバシー、セキュリティ」(2026年7月9日発表)
- Microsoft Learn「Microsoft Purview DLP for Microsoft 365 Copilot および Copilot Chat」(2026年6月10日発表)
- Microsoft Learn「SharePoint 高度な管理を使用した Microsoft Copilot の準備」(2026年7月16日発表)
- Microsoft サポート「Microsoft Copilot のプライバシーに関する FAQ」(2026年9月29日発表)
更新履歴
- 2026年9月29日 初版を公開
※本記事は2026年9月29日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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