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賃貸 カメムシ 管理会社/共用部と室内で違う

🗨️「賃貸でカメムシが大量に出たら、管理会社は何かしてくれる? 駆除代はだれが払う?」

場所で分かれます。玄関先や廊下は共用部で、管理会社に、照明の光量を下げる、虫が寄りにくい灯りに替える、といった相談ができます。部屋の中は、網戸の破れやサッシの隙間のような建物の不具合として、貸主に修繕を相談できます。ただ、カメムシの駆除代を誰が払うかは、国土交通省の標準契約書にも、国と東京都のガイドラインにも書かれていません。契約書と管理規約を開くところから始めます。

[不動産] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月14日 発表

影響を受ける人
  • アパート・マンションの廊下や玄関先にカメムシが集まって困っている入居者
  • 部屋の網戸やサッシの隙間からカメムシが入る入居者
  • 管理会社への伝え方に迷っている貸主(大家)
虫がいる場所話を持っていく先頼めること根拠
玄関先・廊下・階段(共用部)管理会社・貸主廊下の照明の光量を下げる、虫が寄りにくい灯りに替える京都市「カメムシについて」/弁護士ドットコムの回答(2021年)
部屋の中の網戸・サッシ管理会社をとおして貸主破れ・歪み・隙間の点検と補修(修繕の相談)民法606条/標準契約書9条
カメムシの駆除そのもの契約書・管理規約で決まる費用の分担を、管理会社に確認する標準契約書・国のガイドラインに定めなし

出典は右端の資料です。虫の種類ごとの費用分担を決めた国の資料は、この記事を書いた時点では見つかっていません。

目次

場所で頼める相手が変わる

知恵袋には、賃貸マンションの住人が「管理会社に相談したら対策してくれるのでしょうか?」と尋ねた質問があります(2023年9月27日)。玄関前の廊下の電気に、カメムシが湧いているという相談です。この問いの答えが人によって割れるのは、虫がいる場所が違うと、頼む相手も根拠も変わるからです。

玄関先や廊下のような共用部と、部屋の中の網戸やサッシは、分けて考えます。この記事は、その分け方と、公的な資料で言えること・言えないことを整理したものです。

共用部は管理会社に相談できる

玄関の外側や廊下、階段は、住人のひとりが管理する場所ではありません。弁護士ドットコムの法律相談(相談日2021年6月16日)で、村山徹弁護士は、アパートの玄関の外側について次のように答えています。

「管理会社が管理しなければならない共用部分に当たると考えられます」
弁護士ドットコム「賃貸アパートの虫駆除について」村山徹弁護士の回答(2021年)

この回答は、ムカデとカメムシの大量発生について、駆除費用を管理会社に請求できると考えられるとしています。ページには「2021年06月時点の情報」と注記があり、ひとりの弁護士の見解です。

反対の声もあります。知恵袋の別の質問(2023年9月11日)のベストアンサーは、「屋外から飛来するカメムシを食い止める事は不可能に近い」と書き、管理費に飛来の予防は含まれないのが普通だとしています。どちらも個人の見解で、決まりではありません。

夜に廊下の灯りがともる集合住宅の外観(イメージ)
写真はイメージです(特定の物件ではありません)

共用部で、公的な資料から具体的に言えるのは照明です。京都市は、集合住宅の廊下などは消してもよい照明を落として光量を下げること、近紫外線の出ない防虫用ランプに替えることで、飛来を抑えられるとしています。管理会社への相談は、「廊下の灯りに虫が集まっているので、光量を下げるか、虫が寄りにくい灯りに替えられないか」という形にすると、相手が動きやすくなります。

網戸・隙間は修繕の相談になる

部屋の中の話は、民法606条から始まります。条文は、賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うと定め、ただし書きで、借りている人の責めに帰すべき事由で必要になった修繕は例外としています。国土交通省の賃貸住宅標準契約書も、第9条1項で、貸主は借主が物件を使うために必要な修繕を行うこと、借主の故意や過失で必要になった修繕の費用は借主が負担することを定めています。

カメムシが部屋に入るのは、隙間があるからです。堺市は、2〜3ミリ程度の隙間があれば屋内に侵入してくるので、網戸や窓の隙間をふさぐよう案内しています。京都市は、建物の外壁に飛来して隙間を見つけて潜り込み、窓の隙間や換気扇口、給排気口から室内に入ると説明しています。ここで話は「虫」から「建物」に移ります。

私は、管理会社への伝え方を、虫の話にしないほうがよいと考えます。「カメムシが多いので何とかしてほしい」は、管理会社にも打つ手がありません。「網戸の隅が破れている」「サッシが閉まりきらない」「窓枠に隙間がある」なら、修繕の窓口に載せられます。

ただし、カメムシ対策としての網戸の補修が貸主の修繕義務に入るかを書いた公的な資料は、見つかりませんでした。入るかどうかは、建物の状態と契約書の特約で変わります。東京都のガイドラインは、小規模な修繕について、貸主の修繕義務を免除して借主が自分の費用でできるという特約を定められると説明しています。契約書の特約欄に「小修繕は借主負担」とあれば、網戸の小さな補修は自分持ちになることがあります。

駆除代の決まりは見当たらない

調べた資料「害虫」「駆除」「虫」の語
民法606条・615条・616条(e-Gov法令検索)条文は「修繕」「通知」「使用及び収益」。害虫の語はなし
国土交通省「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」と解説コメント本文に見当たらない
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」本文に見当たらない
東京都「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」本文に見当たらない

各PDFの本文を、文字として検索した結果です。画像だけのページは含みません。

自治体の案内も同じ向きです。大阪市は「駆除は土地の所有者又は管理者が自らの責任で行ってください。大阪市では、薬剤の配布や駆除は行っておりません。」と書いています。宇都宮市は、衛生害虫の駆除は土地または家屋の所有者が対応することになっているとし、川口市は「ご自身で専門業者(有料)に駆除を依頼していただくようお願いします」と案内しています。どれも害虫全般の案内で、カメムシだけを名指ししたものではありません。

金額の相場も、公的な資料はありません。業者のサイトに載る金額は出典がはっきりしないので、この記事には載せません。先に業者を呼ぶと、費用を全額払ってもらえない危険があると、先の弁護士は書いています。まず管理会社に頼むのが順番です。

勝手にやる前にメールで連絡

連絡の前に、契約書を開いて「修繕」「共用部」「特約」の欄を確かめます。そのうえで、次の順で進めます。

  • 虫の写真と、日時、場所(室内か、玄関先か、共用廊下か)を記録する
  • 管理会社へメールで連絡し、やり取りの履歴を残す
  • 返事がなければ、貸主(大家)に直接伝える

民法615条は、賃借物が修繕を要するときは、借りている人は遅滞なく貸主に通知しなければならないと定めています。電話だけで済ませず、日付が残る形にしておくのは、この通知の証拠にもなります。

やらないほうがよいことも2つあります。標準契約書の別表第2は、階段、廊下等の共用部分に物品を置くことを、貸主の書面による承諾がなければ行えない行為に挙げています。捕虫器や殺虫剤を共用廊下に置く前に、確認が要ります。第8条2項は、増築、改築、移転、改造若しくは模様替を、書面による承諾なしに行うことを禁じています。窓枠やサッシに手を入れる前にも、同じ確認をします。

窓の隙間をふさぐ用品は、貼る場所の材質に合うものを選びます。賃貸では、剥がすときに仕上げを傷めにくいものが向いています。

剥がしやすい隙間テープを見てみる

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話がまとまらないときは、消費者ホットライン188(相談は無料。通話料がかかります)が、最寄りの消費生活センターを案内します。

i この記事は、2026年10月14日に確認した公的な資料にもとづきます。契約書の内容は物件ごとに違うため、個別の判断は契約書と管理会社の案内、必要に応じて消費生活センターなどの窓口で確認してください。

生活・仕事にどう効くか

  • 共用部(玄関先・廊下):弁護士ドットコムの回答は、玄関の外側を管理会社が管理する共用部分とみています。京都市は、廊下の照明を落とす、防虫用ランプに替えることで飛来を抑えられるとしています。
  • 部屋の中(網戸・サッシ):民法606条は貸主に修繕の義務を定めています。カメムシ対策としての補修が含まれるかを書いた公的資料はなく、建物の状態と契約書の特約で変わります。
  • 駆除の費用:標準契約書と国のガイドラインに、害虫の駆除費用の定めは見当たりません。自治体は駆除を引き受けず、所有者や管理者に戻しています。

結局どうすればよいか

  • 虫の写真と、日時、場所(室内・玄関先・共用廊下)を記録する
  • 契約書の「修繕」「共用部」「特約」の欄を開く
  • 管理会社へメールで連絡する(網戸の破れ・サッシの隙間・廊下の照明の3点で伝える)
  • 共用部に物を置く、窓枠に手を入れる、の前には、契約書の承諾の条項を確かめる

公式出典

更新履歴

  • 2026年10月14日 初版を公開

※本記事は2026年10月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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