🗨️「防災庁ができると聞きました。今と何が変わるのですか?」
内閣府の防災担当(220人)を組織ごと作り直し、内閣直下の庁として352人体制にします。ほかの省庁に対して尊重義務をともなう勧告権を持つのが最大の違いです。2026年11月の創設を目指していますが、日付はまだ確定していません。
[災害] この記事の要点
2026年9月1日 発表 (2026年9月2日 更新)
- 災害のたびに自治体の窓口で手続きをしている人
- 南海トラフ地震・日本海溝千島海溝地震の想定区域に住んでいる人
- 防災計画や事業継続計画をつくる立場の人
いまの内閣府防災と、どこが違うのか
防災の仕事そのものは今も内閣府の防災担当が担っています。変わるのは、置かれる場所と人数と権限の3つです。内閣官房の資料では、内閣直下の庁になることで「内閣官房を助ける」立場から「内閣の事務を内閣官房と共に助ける」立場に変わる、と説明されています。
| 現在(内閣府 防災担当) | 防災庁 | |
|---|---|---|
| 定員 | 220名 | 352名 |
| 位置 | 内閣府の一部門 | 内閣直下の庁 |
| 責任者 | 特命担当大臣(防災) | 防災大臣・事務次官 |
| 他省庁への権限 | 調整が中心 | 尊重義務をともなう勧告権 |

4つの部門に分かれる
防災庁の中は4部門です。総合政策部門が官房機能と技術開発、災害事態対処部門が大規模災害への対処と訓練・人材育成、防災計画部門が災害リスク評価と復旧・復興の基本政策、地域防災部門がデジタル技術を使った被災者支援と防災教育を受け持ちます。地方機関は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震と南海トラフ地震に向けて設置を検討中で、まず本庁の設置が先行します。
「役所が増えるだけで、うちの避難所は変わらない」
そう受け取られやすいところです。ただし資料に書かれている狙いは、組織を増やすことではなく、平時に手が回らなくなる状態をなくすことです。能登半島地震のときも、災害対応をしている間は防災施策の企画立案が事実上中断せざるを得なかった、と内閣官房自身が認めています。人を張り付けたまま次の備えを考えられる体制にする、というのが増員の理由です。
もうひとつ、避難所の環境については、国際的な人道支援の基準であるスフィア基準を踏まえた抜本改善が基本方針に明記されています。段ボールベッドや簡易トイレの数といった、これまで自治体まかせになっていた部分に国の目安が入る方向です。
創設日はまだ決まっていない
法律は2026年7月17日に公布済みで、施行日は政令で定めることになっています。報道では11月創設を目指すとされていますが、何日かは公表されていません。国の司令塔ができても、最初に動くのは各家庭の備えです。防災の日に合わせて、住所でハザードマップを開くところから始めてください。

352人が向き合う被害想定
増員の根拠として資料に並んでいるのは、これから起きるとされる災害の規模です。東日本大震災の死者は19,787人、全半壊家屋は410,100棟でした。今後の想定はこれを上回ります。
| 想定される災害 | 想定死者数(最大) | 想定避難者数(最大) |
|---|---|---|
| 南海トラフ地震 | 約29.8万人 | 約650万人 |
| 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震 | 約19.9万人 | 約60万人 |
| 首都直下地震 | 約1.8万人 | 約410万人 |
富士山の噴火では、溶岩流などの想定影響範囲内に約79万人が住み、事前に避難する人は約11万人と見込まれています。火山灰は首都圏を含む広い範囲に及ぶおそれがあります。
生活・仕事にどう効くか
- 災害が起きたとき:被災自治体のワンストップ窓口として国がニーズを把握する形になります。窓口が県・国で分かれて同じ書類を出す場面が減ることが期待されています。
- 平時:各省庁への勧告権があるため、耐震化や避難所の環境改善など、これまで省庁ごとに止まっていた対策に横串が入ります。
- 住まい選び:災害リスク評価を国が定期的に出す形になれば、土地を買う前に見る材料が増えます。今のところ具体的な公表方法は決まっていません。
結局どうすればよいか
- 自宅の住所でハザードマップを一度開き、浸水・土砂・地震の3つを確認する
- 非常持ち出し品と3日分の食料・水を、9月1日の防災の日に合わせて入れ替える
- 勤め先や自治会の防災計画に、連絡手段と集合場所が書かれているか見る
公式出典
- 内閣官房 防災庁設置準備(2026年7月21日発表)
- 内閣官房防災庁設置準備室「防災庁の設置について」(令和8年7月21日)(2026年7月21日発表)
- 内閣府 防災情報のページ「被害を減らすために」(2026年9月1日発表)
更新履歴
- 2026年9月2日 初版を公開
※本記事は2026年9月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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