11月8日に愛知県知多市で震度5強を観測した地震は、静岡県西部の地下約40kmで発生しました。沈み込んだフィリピン海プレートの内部で、岩盤が斜めにずれた可能性があります。
震源の位置と震度は気象庁の発表、断層のずれ方は防災科研の自動解析に基づきます。プレート内部という分類は、深さとこの地域の過去の地震を照らし合わせた推定です。
震源は静岡県西部
「一番揺れた場所の真下で地震が起きた」とは限りません。11月8日午前1時4分ごろの地震では、地震波が出始めた場所は静岡県西部の地下で、いちばん強い揺れを観測した地点は愛知県知多市緑町でした。
| 気象庁の発表 | 観測・推定値 |
|---|---|
| 発生時刻 | 2026年11月8日 午前1時4分ごろ |
| 震源 | 静岡県西部、深さ約40km |
| 規模 | マグニチュード5.7 |
| 最大震度 | 5強(愛知県知多市緑町) |
| 津波 | この地震による津波の心配なし |

地下約40kmで起きたこと
東海地方の沖では、海側のフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいます。プレートは岩盤の大きな板です。地下で岩盤に力がかかり、断層面に沿って急にずれると、そこから地震波が広がります。

陸の下で起きる地震には、陸側の浅い岩盤がずれる場合と、その下に沈み込んだプレートの中でずれる場合があります。静岡県西部では、2001年に浜名湖付近の深さ約40kmで起きた地震や、2020年に深さ45kmで起きた地震が、いずれもフィリピン海プレート内部の地震と報告されています。今回の震源もこの地域の同程度の深さにあり、沈み込んだプレートの内部で起きた可能性があります。
岩盤はどうずれたか
防災科学技術研究所の自動解析では、断層を挟んで横方向にずれる動きと、傾いた断層面に沿って片側が下がる正断層の動きが混じっていたと読めます。二つの別々の地震が起きたという意味ではなく、一つの斜めのずれを、水平方向と断層面を下る方向に分けたものです。

地震波からは、動いた断層面の候補が二つ得られます。今回の解析だけでは、実際にどちらの面が動いたかや、ずれた向きを地図の上で一つに決められません。地表に名前の付いた活断層が動いたとも、この解析だけでは判断できません。
防災科研の自動解析の数値
すべり角は二つの候補面でそれぞれ約−34度、約−131度です。防災科研のカタログでは愛知県東部、深さ40km、モーメントマグニチュード5.5と表示されます。これは別の方法で推定した地名・規模で、震源・震度情報としては気象庁の静岡県西部、マグニチュード5.7を使っています。断層面が二つ出る理由は気象庁の発震機構解の解説を参照。
津波と南海トラフとの違い
強い揺れがあっても、津波が出るとは限りません。地震による津波は、海底が急に持ち上がったり沈んだりして、その上にある海水がまとまって動くと発生します。今回は内陸の地下約40kmが震源で、気象庁は津波の心配なしと発表しました。津波の有無は、震度だけで判断せず、地震ごとに気象庁の発表を確認してください。
南海トラフ巨大地震で想定されるのは、陸側と海側のプレートの境目が広い範囲でずれる現象です。今回考えられるプレート内部のずれとは、動く場所が違います。今回の地震だけから巨大地震の前兆かどうかを判断することはできません(気象庁・南海トラフ地震の予測可能性)。
自宅の揺れと津波の備え
家の備えを見直すなら、寝室から始めると具体的です。寝ている場所に家具が倒れ込まないか、出口の前に転倒しやすい物がないかを確認します。海や川の近くでは、自宅だけでなく、職場や通学先から高い場所まで歩ける経路も、自治体の津波ハザードマップで確かめておきましょう。
公式資料
2026年11月8日公開。アイキャッチは概念イラストです。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。












コメント