🗨️「AIで契約書をチェックするのは違法なのでしょうか。弁護士法に触れませんか」
平時の契約書チェックは、法務省が価値中立な領域として扱っています。線が引かれたのは、すでにもめごとになっている案件を、弁護士の関与なしに処理するサービスです。2026年8月21日のガイドラインが向いているのは、使う人ではなくサービスを出す側です。
[AI] この記事の要点
2026年10月9日 発表
- 仕事や副業でAIに契約書を見てもらっている人
- 賃貸・業務委託などの契約書をAIで確認したい個人
- AIの法務サービスを検討している会社の担当者
線を引かれたのは、サービスを出す側
「AIに契約書を見せて、直すところを聞く」。これは違法なのか、という疑問は根強くあります。理由は弁護士法第72条です。弁護士でない人が、報酬を得る目的で、法律上のもめごとに関して鑑定(法律上の判断を示すこと)や代理、和解などの法律事務を業として行うことを禁じています。
2026年8月21日、法務省はこの72条とAIの関係について、新しいガイドラインを出しました。名前は「ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について」。2023年8月のガイドラインを補う文書です。
まず押さえたいのは、このガイドラインが向いている先です。対象は、弁護士ではない事業者が、報酬を得る目的で、企業などにAIの法務支援サービスを出す場面です。個人が自分の契約書を見直す話ではなく、サービスを出す側が72条に触れないための線引きが書かれています。消費者向けのサービスは別に考える必要がある、とも明記されています。
AIを自分の側に置くなら、最初の1冊
3冊とも入口が違います。手が止まっている場所で選んでください。
最初の1円までがいちばん短い本です。第1章がLINEスタンプ作りから始まるので、何から触ればいいか分からずに止まっている段階なら、ここから手が動きます。巻末の20ジャンル一覧がそのままアイデア帳になります。
自分の経験や知識を有料記事にして売る型を、集客から書き方まで通しで扱っています。AIの章は8章のうち1章だけで、残りは「何を誰に売るか」の設計です。売る場所をnoteに決めた人向け。
AIの話は出てきません。2023年刊で、売るものを決める・商品にする・集客する・売る、という土台だけを会話形式で扱います。AIの手順書を読んでも手が止まる人は、たいていここが空いています。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
分かれ目は「もめごとが起きているか」
ガイドラインが分水嶺に置いたのは、そのサービスが「価値中立」かどうかです。法的なもめごとがすでに表に出ている案件や、ほぼ避けられない案件の処理を目指して作られていなければ、価値中立と見られます。
| AIのサービスの中身 | ガイドラインの扱い |
|---|---|
| 契約書などの書面の作成・審査・管理、法令のリサーチ、社内のコンプライアンス確認の支援 | 紛議向けでなく、注意書きや弁護士への案内などの対策があれば、一般に72条に抵触するおそれはない |
| 「この条項には訴訟リスクが生じる可能性がある」といった一般的なリスクの指摘 | それだけでは直ちに該当しない。ただし具体的な紛争に関連してなされれば該当し得る |
| 訴状・準備書面・答弁書・和解契約書など、もめごとを前提にした書面を、弁護士の関与なしに作ることに特化した機能 | 違反のおそれがあるとされる |
| 弁護士が自分で中身を確かめ、必要なら直す形で使う | 直ちに72条に抵触するものではない |
つまり、平時の契約書チェックは、AIを使っても許される領域に置かれています。線の向こう側にあるのは、すでに争いになっている案件です。
72条の要件のひとつが「報酬を得る目的」です。2023年のガイドラインでは、利用料などの利益を一切受け取らずにサービスを出すなら、通常はこれに当たらないとしています。一方で、見た目は無料でも、自社の有料サービスに誘導する場合や、顧問料・会費を払った人にだけ出す場合は、実質的な対価があるとして当たり得ると書かれています。
「無料で試せる」と書いてあっても、そのあと有料プランへ案内される契約書チェックは、無料だから安心とは言えない、ということです。見極めるのは使う人ではなく、サービス側です。

使う側が気をつけること
ガイドラインは使う人を裁く文書ではありません。それでも、読み解くと使い方の目安は見えてきます。
- もめている最中の契約は、AIだけで進めない。相手と争いになっている、争いになりそう、という案件は、まさに線の向こう側です。弁護士に相談する場面です。
- AIの指摘は参考にとどめる。ガイドライン自身が、AIにはハルシネーション(もっともらしい誤り)や偏りが完全にはなくならない、と認めています。
- 契約書には個人情報や取引先の情報が入っている。貼る前に、名前や金額を伏せる習慣をつけたほうが安全です。
入力した情報がどこへ流れるかは、AIを仕事に入れるときの別の関門です。
仕事は判断に寄っていく
私は、この整理が示す仕事の変わり方を、こう見ています。条項の抜けや食い違いを探す作業は、AIが早く拾えるようになります。その一方で、「この条件で相手と本当に結ぶのか」「争いになったらどう動くのか」という判断は、人に残ります。ガイドラインが「弁護士が自ら精査して修正する形」を問題のない使い方としているのも、同じ理由でしょう。
これは弁護士だけの話ではありません。人事や採用でもAIは評価や記録を担い、判断は人に残るという線が引かれ始めています。
AIを入れても仕事が減らないのはなぜか、という点はAIを入れたのに仕事が減らないのはなぜ?で、仕組みから整理しています。
よくある質問
Q. ChatGPTなどに契約書を見せて、直す点を聞くのは違法ですか。
A. 今回のガイドラインが問題にしているのは、サービスを報酬目的で出す側です。平時の契約書の確認は、紛議向けでない価値中立なサービスの例として挙げられています。ただし、個別の事情で判断が変わると法務省自身が書いています。
Q. 無料のAI契約書チェックなら、必ず問題ありませんか。
A. 2023年のガイドラインでは、利益を一切受け取らない場合は通常「報酬を得る目的」に当たらない一方、有料サービスへの誘導や会員限定の提供は当たり得るとされています。
Q. すでに相手とトラブルになっている契約は、AIで作った書面を使えますか。
A. ガイドラインは、訴状・答弁書・和解契約書など、もめごとを前提にした書面を弁護士の関与なしに作ることに特化したサービスを、違反のおそれがあるものとしています。利用者の立場でも、弁護士に相談する場面です。
Q. この内容はいつ時点のものですか。
A. 2026年10月9日に確認した、法務省の令和8年8月21日付ガイドラインと令和5年8月のガイドラインにもとづきます。今後、有識者の検討会で見直される予定とされています。
生活・仕事にどう効くか
- 個人・事業者:契約を結ぶ前の確認は価値中立の領域。争いになっている契約は弁護士に相談する。
- 会社の法務・総務:AIは条項の抜けを探す補助。結ぶかどうかの判断は人に残る。
- サービスを出す側:利用目的の確認、参考情報である旨の明記、紛議案件の入力不可の表示など、対策が推奨されている。
結局どうすればよいか
- AIに契約書を見せるときは、個人名・金額・取引先名を伏せて貼る
- 相手と争いになっている、なりそうな契約は、AIで書面を作らず弁護士に相談する
- 無料をうたうAIでも、有料プランへの誘導があるサービスは提供側の説明を読む
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 法務省「ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について」(令和8年8月21日)(2026年8月21日発表)
- 法務省「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(令和5年8月)(2023年8月1日発表)
更新履歴
- 2026年10月9日 初版を公開
※本記事は2026年10月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント