🗨️「ラピダスの工場に工業用水が通ったと聞きました。水はどこから来て、どれだけ使えるの?」
10月8日に通水式があり、10月から給水できる状態になりました。水は苫小牧市の安平川から、全長23.5キロの配水管で千歳市の工場へ届きます。量産を見すえた本格給水は2027年4月からで、1日2万4000立方メートルを毎日送る計画です。
[経済] この記事の要点
2026年10月8日 発表
- 千歳市で暮らす人
- 安平川や千歳川の水質に関心のある人
- ラピダスの量産計画に関心のある人
水はどこからどこへ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取水する川 | 苫小牧市を流れる安平川(北海道企業局の苫小牧地区工業用水道) |
| 届け先 | 千歳市内のラピダスの工場 |
| 配水管 | 全長23.5キロ |
| 通水式 | 10月8日。鈴木知事も出席 |
| 給水できる時期 | 10月から |
| 工事期間 | 工事開始から2年半 |
| 使い道 | 半導体の製造で、回路の洗浄などに使う |
Rapidus(ラピダス)の清水敦男専務執行役員は式典で、水の道は事業にとっての「動脈」にあたり、それが完成したと話しました。
式典の様子は、報道した北海道文化放送(UHB・ユーエイチビー)が映像でも公開しています。
この水を送るために、道は配水管と中継ポンプ場を整備してきました。道の資料(2025年度時点)では、配水管は2025年度末までに約8割が完成する予定で、中継ポンプ場は2025年7月に現地工事に入ったとされています。
給水量と事業費の数字
同じ工場には2025年にも、別の水道管で水が通っています。2本を並べると、規模のちがいがわかります。
| 項目 | 2025年2月の水道管 | 2026年10月の工業用水 |
|---|---|---|
| 整備した側 | 千歳市など | 北海道(企業局) |
| 水源 | 千歳川 | 安平川 |
| 管の長さ | 4.1キロ | 23.5キロ |
| 1日の量 | 約4000トン | 最大2万4000立方メートル(2027年4月から毎日) |
| 事業費 | 14億円弱 | 約198億円(全額ラピダス負担) |
| ねらい | 試作ラインの稼働 | 量産に向けた本格給水 |
水は1トンがおよそ1立方メートルなので、量は単純に比べて約6倍です。約198億円という事業費は、2023年11月の道議会経済委員会で企業局長が示した見通しで、日本経済新聞が伝えています。
10月に給水が始まってから、2万4000立方メートルを毎日送れる2027年4月までは、本格給水の前にあたる期間です。いま実際にどれだけ送っているのかは、UHBの記事に書かれていません。
千歳市の水道とのちがい
2万4000立方メートルは、千歳市で1日に使われる水道量の約7割にあたります。「それだけ使われたら千歳市の水道が足りなくなる」とは限りません。今回の水は市の水道ではなく、苫小牧市の安平川から取る工業用水だからです。
北海道企業局の局長は2023年11月、千歳市の水道利用には影響しないと道議会で説明しました。市の水道用には、千歳川を水源にした別の水道管が2025年2月に通っています。
取水元の水質調査
工業用水は飲み水として使うものではありません。ただ、安平川は取水地点より上流に上水道の取水点があるため、道が水質を調べています。
道によると、2024年7月に工業用水の原水(安平川)で、PFAS(ピーファス)のうちPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計が59ng/L(ナノグラム毎リットル)となり、国の指針値50を超えました。その後は四半期ごとにはかっていて、源武橋では2026年4月23日が2.2、7月24日が1.9です。次の採水は10月と2027年1月の予定です。
工場の排水がたどり着く千歳川では、道と千歳市が別に調べています。PFOSとPFOAの合計は、すべての調査地点で指針値50を下回っています。ラピダスはPFOSとPFOAに加えて、同じ仲間のPFHxS(ピーエフヘックスエス)も使わず、そのほかのPFASを含みうる材料は排水に流さず全量回収して処分するとしています。
2027年4月に変わること
ラピダスは2027年から半導体の量産をめざしています。道の資料でも、本格給水は2027年4月が目標です。10月に始まった給水の実績と、4月の本格給水の中身は、今後の道やラピダスの発表で明らかになります。
水が通った工場の中については、ラピダス自身が公式チャンネルで映像を出しています。
生活・仕事にどう効くか
- 千歳市の水道:道の企業局は2023年11月、千歳市の水道利用には影響しないと説明しています。今回の水は市の水道とは別の系統で、苫小牧市の安平川から引きます。
- 安平川の水質:道は安平川で四半期ごとにPFASを測っています。2026年7月24日の合計は1.9ng/Lで、国の指針値50を下回っています。
結局どうすればよいか
- 安平川のPFAS測定値は、北海道の公式ページで更新される(次の採水は10月と2027年1月の予定)
- 排水先の千歳川の調査結果も、北海道の公式ページで見られる
- 給水量の実績は報道に出ていないので、今後の道やラピダスの発表を待つ
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 北海道ニュースUHB「「ラピダス」工業用水の「給水」始まる」(Yahoo!ニュース配信)(2026年10月8日発表)
- 北海道「令和7年度 半導体関連産業の集積促進や人材育成等に向けた取組」(苫小牧地区工業用水道配水施設建設事業)
- 北海道「安平川における有機フッ素化合物(PFAS)に関する対応について」
- 北海道「千歳川におけるPFAS調査結果について」
- 日本経済新聞「ラピダス量産時の給水量、1日最大2万4000立方メートル」(2023年11月7日発表)
- 日本経済新聞「北海道千歳でラピダス向け水道管開通 1日4000トン供給」(2025年2月28日発表)
更新履歴
- 2026年10月8日 初版を公開
※本記事は2026年10月8日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント