🗨️「秋田のブナの実は今年どうなった? 昨年のようなクマの大量出没になる?」
東北森林管理局が10月6日に発表した今年のブナの結実は、秋田県が「並作」(豊凶指数3.2)で、豊作の3.5には届きませんでした。昨年は大凶作(0.0)で、秋の出没が約1万件に達しています。並作だった一昨年は、秋の出没が185件でした。それでも秋田県は、10月31日まで「出没注意報」を出しています。
[暮らし] この記事の要点
2026年10月8日 発表
- 秋田県内で、山や集落に近い場所に住む人・通う人
- 秋に山菜・きのこ採りや登山で、山に入る人
- 庭や畑に、柿や栗などの果樹がある家
ブナの結実は並作
東北森林管理局は10月6日、今年のブナの結実状況を発表しました。青森・岩手・宮城・秋田・山形の国有林141か所を、8月下旬から9月下旬に目で見て調べています。木の実り方を「全体」「部分」「一部」「非結実」に分けて、5点・3点・1点・0点の平均を「豊凶指数」にします。3.5以上が豊作、2.0以上3.5未満が並作、1.0以上2.0未満が凶作、1.0未満が大凶作です。
| 県 | 調べた場所 | 豊凶指数 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 青森県 | 38か所 | 3.1 | 並作 |
| 岩手県 | 24か所 | 3.5 | 豊作 |
| 宮城県 | 6か所 | 4.0 | 豊作 |
| 秋田県 | 51か所 | 3.2 | 並作 |
| 山形県 | 22か所 | 4.4 | 豊作 |
秋田県は51か所を調べました。全体が19か所、部分が18か所、一部が14か所で、実がまったくない場所はありません。指数は3.2で、豊作の3.5まで0.3足りない並作です。7月の開花調査では「豊作」(3.6)と見込まれていたので、実りは見込みより下がりました。
秋田朝日放送の報道は、秋は冬眠に備えてクマが活発になる季節だとして、県が農作物や敷地内の柿・栗を早めに収穫するよう求めていると伝えています。
クマの出る地域で用意しておくもの
出没地域に住む・通勤するなら、音で存在を知らせるのが基本です。遭遇を避けるための備えを挙げます。
出没地域では散歩やゴミ出しでも音を出すのが基本です。消音機能があると、街中では鳴らさずに持ち歩けます。
鈴で避けるのが前提で、これは遭遇したときの最後の手段です。屋外作業や通勤路が山際にある場合の備えとして。
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ブナの出来と秋の出没

秋田県内のブナは、2019年から大凶作と並作が1年おきに続いてきました(東北森林管理局の年度別の表)。今年の並作は、その順番どおりです。環境省のマニュアルは、秋のクマの出没件数は、ブナ科の木の実(堅果類)の豊凶に大きく左右されると書いています。
秋田県の「クマダス」の公開データ(9月30日時点)から、ツキノワグマの目撃と痕跡の件数を数えました。人身被害の記録は除いています。
| 年 | 秋田のブナ(結実) | 4〜7月 | 9月 | 10月 | 11月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 大凶作(0.1) | 705件 | 679件 | 1,454件 | 582件 |
| 2024年 | 並作(2.6) | 892件 | 83件 | 39件 | 63件 |
| 2025年 | 大凶作(0.0) | 2,358件 | 916件 | 5,776件 | 3,324件 |
| 2026年 | 並作(3.2) | 3,010件 | 99件 | これから | これから |
ブナが並作だった2024年は、9〜11月が185件でした。大凶作だった2023年は2,715件、2025年は10,016件です。今年の9月は99件で、並作だった2024年の9月(83件)に近い数字です。ただ、今年の4〜7月は3,010件と、昨年の同じ時期(2,358件)より多く、夏までは出没の多い年でした。8月は252件で、昨年の762件から減っています。
「並作なら、今年の秋は安心」とは言い切れません。環境省のマニュアルは、堅果類の豊作が予想された場合でも、大量出没が起きないとは限らないと書いています。今回の発表はブナだけの結果で、ミズナラやコナラなど、ほかのドングリの出来は含まれていません。
秋田魁新報も、10月7日にこの結果を伝えています。
今秋ブナの実、秋田は「並作」 東北森林管理局、結実結果を発表 https://t.co/AtKdDLQr88
— 秋田魁新報社 (@sakigake) 2026年10月7日
注意報と県の呼びかけ
秋田県は、4月に出した「ツキノワグマ出没警報」を9月30日で終え、10月1日から31日までは「出没注意報」に切り替えました。県は、出没件数は減少傾向だが、秋は出没が増えるおそれがあり、9月23日には山林内で人身被害もあったとして、警戒を求めています。
県の一覧では、今年度の人身被害は8件8人で、このうち1人が亡くなっています(9月24日10時現在)。昨年度は59件67人でした(4月13日現在)。鹿角市の八幡平地区や仙北市の玉川地区などは、人に積極的に近づくクマによる事故が起きたため、入山が禁止されています。
大館市も10月6日、田代岳の周辺で人に積極的に接近するクマが確認されたと、公式Xで知らせています。
【田代岳周辺のクマ注意情報】
— 秋田県大館市 (@odate_city) 2026年10月6日
9/26(土)にもお知らせしましたが、田代岳周辺で人に積極的に接近するクマが確認されました。周辺に生息している可能性がありますので、人に接近するクマと遭遇した場合は林政課、大館警察署へ通報、又は秋田県のクマ情報サイト「クマダス」へ情報提供をお願いします。
県の基本の対策は、鈴や声、スマホなどで音を出して、人の存在を知らせることです。県は、県内で起きた事故の大半は、鈴やラジオなどを持たずにクマと鉢合わせした結果だとしています。ほかに、車庫や物置の扉を普段から閉めること、米や米ぬか、生ごみ、家畜飼料など、クマが食べるものを屋外に放置しないことを挙げています。
出会ったときの動き方
- ゆっくり後ずさりして、静かにその場を立ち去る。背中を見せて走って逃げない
- 住宅地では、建物や車の中に避難する。間に合わないときは、電柱や塀を自分とクマの間にはさむ
- クマ撃退スプレーは有効だが、最終手段。スプレーも避難先もないときは、顔と首を守る防御姿勢をとる
- 子グマを見かけても、近づかない。近くに母グマがいる可能性が高い
県は、クマによる事故では首から上のけがが非常に多いと書いています。「命に別状はありません」と報じられていても、顔面まひや失明に至る重傷の場合も多く発生しています。クマと出会わない行動が、いちばんの安全策です。環境省のマニュアルも、背中を見せて逃げると攻撃性を高めることがあるため、クマを見ながらゆっくり後退するよう書いています。
ブナの結実調査の見方と、来年の見通しは、新潟県の例をこちらの記事にまとめています。新潟 ブナ 豊作/15年ぶり、クマは来年が心配
生活・仕事にどう効くか
- 山に入るとき:県は10月1日から31日まで出没注意報を出し、9月15日から10月31日を「秋のクマ事故防止強化期間」にしています。9月23日には、山林の中で人が襲われました。
- 庭先の柿や栗:秋田朝日放送の報道によると、県は農作物や敷地内の柿・栗を早めに収穫するよう求めています。米や米ぬか、生ごみ、家畜の飼料を屋外に置かないことも、県の基本の対策です。
結局どうすればよいか
- 山に入るときは、鈴やラジオ、声で音を出し、できるだけ複数で行動する
- 庭や畑の柿・栗は早めに収穫し、米ぬか・生ごみ・飼料は屋外に置かない
- クマを見たら、市町村か警察に連絡し、県の「クマダス」で情報を共有する
公式出典
- 東北森林管理局 プレスリリース「令和8年度のブナの結実状況について」(2026年10月6日発表)
- 秋田朝日放送「クマのえさとなるブナの結実状況 秋田県内「並作」も冬眠に備えクマ活発になる季節で注意も」(Yahoo!ニュース配信)(2026年10月8日発表)
- 秋田県「ツキノワグマ情報」(出没警報から注意報への切り替え)(2026年9月28日発表)
- 秋田県「ツキノワグマによる人身被害状況 令和8年度」(2026年9月24日発表)
- 秋田県オープンデータ「ツキノワグマ等情報マップシステム『クマダス』データ(9月30日時点)」(2026年10月7日発表)
- 環境省「クマ類の出没対応マニュアル」第1章 出没に備える/第3章 遭遇した際にとるべき行動
更新履歴
- 2026年10月8日 初版を公開
※本記事は2026年10月8日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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