宮崎市で津波の浸水が想定されているのは、日向灘に面した海沿いの低地と大淀川の河口まわり、青島から南の海沿いです。県が2013年に公表した津波浸水想定(最大クラス)を町・字の代表点で読むと、市内364のうち53が範囲に入り、いちばん深い青島は5〜10mです。
ただし、市の南部の海岸は一度沈んだことがあります。県は2026年の被害想定で、宮崎市南部の沿岸を「1662年外所地震によって水面下に沈んだ集落があったところ」と書いています。
先に結論
- ✓ 浸水面積3,940haは県内最大で、最大津波高は16m(県が2025年8月に更新した想定)
- ✓ 1mの津波が海岸に来るのは最短18分(県の2025年版)。内閣府の2025年版では最短17分
- ✓ 2024年8月8日の日向灘の地震では宮崎港で51cmの津波を観測し、全国で初めて南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出た
いま津波警報・注意報が出ているなら
この記事は平時に読む想定の地図です。いま出ている警報と予想の高さは気象庁の津波情報(予報区「宮崎県」)、避難指示は市の防災情報で確かめてください。海や川の近くにいるなら、読むより先に高い所へ。
宮崎市で津波が来る範囲

範囲に入る53のうち、深いのは南の青島で、一・二・三・六丁目と青島西二丁目が5〜10m。四・五丁目と大字熊野、大淀川の河口の田代町・新栄町、恒久六丁目が3〜5mで続きます。
大淀川の河口では、北岸の港・潮見町・小戸町と、南岸の恒久・城ケ崎・大淀に0.5〜3mの町が並びます。範囲は北の佐土原町下富田から海岸に沿って細長く続き、青島より南の白浜・内海・野島・小内海の海沿いにも及びます。

市の地域防災計画は、市域を「一ツ瀬川」「大淀川、清武川、加江田川」が貫流し「広大な宮崎平野を形成して日向灘に注いでいる」と書いています。地図でも、大淀川の河口の両岸と宮崎港の周りに色が集まっています。
大字折生迫や大字内海は、字の代表点が範囲の外なので表には出ていません。2025年版をもとにした市の計画では、白浜(折生迫)の最大浸水深は14.1m、内海は10.2mです。
| 町・字 | 2013年版の想定の深さ(代表点) |
|---|---|
| 青島一〜三・六丁目 | 5〜10m |
| 青島西二丁目 | 5〜10m |
| 恒久六丁目 | 3〜5m |
| 新栄町 | 3〜5m |
| 青島四・五丁目 | 3〜5m |
| 大字熊野 | 3〜5m |
| 田代町 | 3〜5m |
| 阿波岐原町 | 0.5〜3m |
| 一の宮町 | 0.5〜3m |
| 永楽町 | 0.5〜3m |
| 恒久四・五丁目 | 0.5〜3m |
| 恒久南三・四丁目 | 0.5〜3m |
| 港一〜三丁目 | 0.5〜3m |
| 港東三丁目 | 0.5〜3m |
| 佐土原町下富田 | 0.5〜3m |
| 小戸町 | 0.5〜3m |
| 昭栄町 | 0.5〜3m |
| 城ケ崎一・三・四丁目 | 0.5〜3m |
| 新別府町 | 0.5〜3m |
| 前原町 | 0.5〜3m |
| 大王町 | 0.5〜3m |
| 大字赤江 | 0.5〜3m |
| 大字田吉 | 0.5〜3m |
| 大字本郷南方 | 0.5〜3m |
| 大淀一丁目 | 0.5〜3m |
| 中西町 | 0.5〜3m |
| 潮見町 | 0.5〜3m |
| 東大淀一丁目 | 0.5〜3m |
| 日ノ出町 | 0.5〜3m |
| 稗原町 | 0.5〜3m |
| 旭二丁目 | 0.5〜3m |
| 宮の元町 | 0.5〜3m |
| 吾妻町 | 0.5〜3m |
| 恒久三丁目 | 0.5〜3m |
| 港東一丁目 | 0.5〜3m |
| 昭和町 | 0.5〜3m |
| 瀬頭二丁目 | 0.5〜3m |
| 瀬頭町 | 0.5〜3m |
| 堀川町 | 0.5〜3m |
深さは、国土交通省「位置参照情報」の町・字の代表点(およその中心)1点で、重ねるハザードマップに載っている宮崎県の2013年2月の想定(最大クラス)を読んだ値です。代表点が範囲の外でも、町・字の中の低い所は範囲に入っていることがあります(ハザードマップで色がない場所の意味)。
県は2025年8月7日に想定を更新しました。波源は同じ3ケースのまま、地形や堤防、潮位を新しくして計算し直したもので、宮崎市の浸水面積は、市の冊子版(2013年の想定)は4,010ha、2025年版は3,940haです。
自宅の最新の範囲は、市のWeb版かアプリ版(HAZARDON(ハザードン))のハザードマップで確かめてください。市の冊子版は2013年の想定のままで、新しい冊子は「令和9年3月までに完成する見込み」です。
揺れた瞬間に、部屋の中で起きることを減らすもの
地震のけがの3〜5割は、屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものです(東京消防庁)。壁にネジを打てない部屋でもできる手から並べます。
東京消防庁の実験では、L型金具で壁に直接ネジ止めするのが最も効果が高いとされています。賃貸で壁に穴を開けられない部屋での代わりがこれです。家具の両端の側板部を、できるだけ奥で突っ張ります。天井側にも強度が要ります。
突っ張り棒だけだと効きが落ちます。同じ資料が、ポール式にはストッパー式や粘着マット式の併用をすすめています。マット単独でも効果は小さいので、上の棒と2つで1組と考えてください。
お湯でも水でも作れて、袋のままおにぎりの形になります。断水すると鍋も食器も洗えません。洗い物の出ない形を先に入れておくと、水の減り方が変わります。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
何メートルの津波が何分で来るか
県が2025年8月7日に更新した想定では、宮崎市の海岸に3mの津波が来るのは最短20分、5mは22分、10mは34分です。最大津波高16m・1mまで18分は、市の冊子版(2013年の想定)と同じ値です。
内閣府が2025年3月31日に公表した想定では、宮崎市の最大津波高は15mで、2012年の前回は16mでした。1mの津波が来る最短の時間は17分で、県より1分早い計算です。
| 想定 | 値 | 出どころ |
|---|---|---|
| 最大津波高 | 16m | 宮崎県 2025年8月 |
| 1mの津波が来る時間 | 最短18分 | 宮崎県 2025年8月 |
| 最大津波高(満潮時) | 15m | 内閣府 2025年3月(11ケースの最大値) |
| 1mの津波が来る時間 | 最短17分 | 内閣府 2025年3月(県の被害想定詳細の比較表) |
| 浸水面積(1cm以上) | 3,940ha | 宮崎県 2025年8月(県内最大) |
| 津波による死者の想定 | 約900人 | 宮崎県 被害想定 2026年3月詳細版(県の想定ケース①・冬の深夜) |
県の想定ケース①は、内閣府2025年のケース⑪の波源を使って県が計算し直したもので、内閣府のケース①とは別のものです。
青島から南は、逃げる時間がさらに短くなります。市が2026年4月にまとめた計画では、陸が濡れ始めるまで小内海で15分、内海と野島で16分、青島で18分です。
「18分あれば間に合う」とは言い切れません。市の計画は逃げ始めるのを地震から10分後と置いていて、小内海で歩ける時間は残り5分、距離にして300mです。
市はこの計画で、青島・白浜・内海・野島・小内海に、津波が来るまでに逃げ込めるビルや高台が無い地域があるとして、津波避難タワーの整備場所(仮)を7か所挙げました。
県の解説書の注記:「この津波浸水想定は、現在の知見を基に津波の浸水予測を行ったものであり、想定より大きな津波が来襲し、津波高は高く、到達時間は早くなる可能性があります。」
宮崎市に来た過去の津波

1662年10月31日(寛文2年9月20日)の外所(とんどころ)地震は、日向灘で起きたマグニチュード7.6の地震です。国土地理院の自然災害伝承碑の説明では、熊野の一帯は地盤沈降と津波で「家屋246戸が海に没し、水死者15人」の被害を受けました。
熊野に残る外所地震供養碑は、説明に「ほぼ50年ごとに新たな碑が建立されている」とあります。国土地理院の伝承碑は市内に3基あり、津波の碑はこの1基です。
| 碑 | 場所 | 伝承内容の要旨(国土地理院「自然災害伝承碑」) |
|---|---|---|
| 外所地震供養碑 | 大字熊野 | 外所地震の地盤沈降と津波で家屋246戸が海に没し、水死者15人。ほぼ50年ごとに新たな碑が建てられている |
2024年8月8日16時42分の日向灘の地震(マグニチュード7.1)では、宮崎港で51cmの津波を観測しました。気象庁は16時44分に宮崎県に津波注意報を出し、19時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表しました。
逃げる場所と、いま出ている情報
宮崎市の津波避難ビルは272施設です(市のページ「宮崎市の防災対策体制」2024年4月30日更新)。避難ビルや高台の無い二ツ立・蛎原・島山の3地区には、市が津波避難タワーや複合施設を整備しました。
市は、大津波警報・津波警報だけでなく、津波注意報が出たときも避難指示を出します。避難の対象になる地域は、警報の種類で変わります。
- 市のWeb版ハザードマップか、アプリ「HAZARDON(ハザードン)」で、自宅の浸水深と「30分以内浸水深30cm到達地域」を見る。市のマップで2025年8月の新しい想定が入っているのは、Web版とアプリ版だけ
- 市の「指定緊急避難場所(津波)」の一覧で、近くの津波避難ビルを確かめる。ビルには食料品や飲料水の備蓄は無い
- 宮崎市防災メールに登録する。津波情報・避難情報を、日本語のほか英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語・やさしいにほんごで受け取れる
- 加江田川より南に住んでいるなら、市の「津波避難場所最適化計画」で、自分の地区の浸水開始時間を見ておく
津波警報は気象庁が予報区「宮崎県」に出します。市単位では出ません。県は2025年10月9日、宮崎市を含む沿岸10市町すべてを津波災害警戒区域(イエローゾーン)に指定しました。区域は2025年版の津波浸水想定の範囲と同じです。
県の解説書の留意事項:「浸水域外でも浸水が発生したり、浸水深がさらに大きくなったりする場合があります。」色がない場所が、来ない場所ではありません。
宮崎市のほかの災害リスク・ほかの市
- 宮崎市 冠水 どこが危ないの?
- 津波 到達時間/南海トラフは最短2分
- 日奈久断層帯の割れ残り 八代海区間は動いていない
- ハザードマップ 色なし うちは安全ってこと?
- 静岡市 津波 どこまで来るの? (静岡県)
- 仙台市 津波 どこまで来るの? (宮城県)
- 浜松市 津波 どこまで来るの? (静岡県)
- 高知市 津波 どこまで来るの? (高知県)
- 千葉市 津波 どこまで来るの? (千葉県)
- 横浜市 津波 どこまで来るの? (神奈川県)
- 大阪市 津波 どこまで来るの? (大阪府)
- 徳島市 津波 どこまで来るの? (徳島県)
- 大分市 津波 どこまで来るの? (大分県)
- 那覇市 津波 どこまで来るの? (沖縄県)
- 小田原市 津波 どこまで来るの? (神奈川県)
- 館山市 津波 どこまで来るの? (千葉県)
- 八戸市 津波 どこまで来るの? (青森県)
- 宇和島市 津波 どこまで来るの? (愛媛県)
- 釧路市 津波 どこまで来るの? (北海道)
- 和歌山市 津波 どこまで来るの? (和歌山県)
宮崎市の津波は海岸に沿って細長く広がり、1mの波が最短18分で来る想定です。青島から南は陸が濡れ始めるまで15〜19分です。
自宅の町が表にあるなら、市のWeb版ハザードマップで最新の深さを見て、揺れが収まったらすぐ歩いて向かう津波避難ビルか高台を1つ決めておくところまでが準備です。
出典(すべて2026年10月4日に確認)
- 宮崎県「県としての「津波浸水想定」の更新について(南海トラフ巨大地震等)」(令和7年8月7日)※宮崎県ホームページへのリンク
- 宮崎県「津波浸水想定について(解説)」令和7年8月7日改定 PDF ※宮崎県ホームページへのリンク
- 宮崎県「県としての「津波浸水想定」の設定について」(平成25年2月・令和2年2月)※宮崎県ホームページへのリンク
- 宮崎県 地震・津波被害想定(令和8年2月公表・詳細版3月)※宮崎県ホームページへのリンク
- 宮崎県「宮崎県津波災害警戒区域の指定について」※宮崎県ホームページへのリンク
- 宮崎市「津波ハザードマップ」
- 宮崎市「宮崎市の防災対策体制」
- 宮崎市「指定緊急避難場所(津波)」
- 宮崎市「津波避難ビルの指定について」
- 宮崎市「宮崎市津波避難場所最適化計画(加江田川以南)」(令和8年4月)
- 宮崎市地域防災計画
- 宮崎市「宮崎市防災メール」
- 地震調査研究推進本部「宮崎県の地震活動の特徴」
- 気象庁「令和6年8月 地震・火山月報(防災編)」特集 PDF
- 内閣府「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会」報告書・市町村別一覧表(令和7年3月31日)
- 気象庁「津波予報区について」
- 国土地理院「自然災害伝承碑」
- 地図:国土地理院「重ねるハザードマップ」(津波浸水想定)・地理院タイル/町・字の代表点:国土交通省「位置参照情報」(2025年版)
- 気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」
- アイキャッチ:地理院タイル(全国最新写真)を加工して作成
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント