静岡県藤枝市(ふじえだ)で、国と県が大雨のときに冠水するおそれがあるとしている道は、JR東海道本線の下をくぐるさんげんや地下道と田沼(たぬま)地下道の2つです。ただ、2022年9月23日夜からの台風15号の大雨で、市が把握した道路の冠水は41件ありました。市は、小河川があふれて起きた冠水だと説明しています(2022年9月の委員会)。
この夜、市役所の雨量計は1時間124.5ミリでした(市の答弁)。市の内水ハザードマップ(計画規模)の前提、1時間68.9ミリの約1.8倍です(当サイトの計算)。市は、家の罹災証明の申請から、マップが想定していなかったところも浸水したと答えています。
この記事でわかること
- ✓ さんげんや地下道には、2010年12月の事故のあと、冠水時に回る回転灯と自動通報システムを付けたと市が答えています(2011年9月)
- ✓ 2025年9月5日にも、記録的短時間大雨情報で「藤枝市付近で約110ミリ」が出ました
- ✓ 市は2026年度に内水ハザードマップを刷新すると答えています(予定)
雨の日に「いま」を確かめるページ
- 県道・国道の通行止め:静岡県「道路通行規制情報提供システム」。市町の道は載らないので、市道のさんげんや地下道は出ません
- 国が管理する国道:国土交通省「道路情報提供システム」
- 川の水位と雨:藤枝市「水位・雨量観測システム」(カメラは川だけ。当サイトで確認)、静岡県「サイポスレーダー」
- 浸水の危険度:気象庁「キキクル」
- 市の知らせ:藤枝市「キックオフメール」(記録的短時間大雨情報でも届きます)、市の公式X(エックス)と公式LINE
国と県の一覧は、線路の下の地下道2つ
国土交通省 中部地方整備局の「冠水想定箇所」で、静岡県の140か所のうち藤枝市は2か所です(当サイトで数えた値)。静岡県の一覧(2026年3月31日時点)も同じ2つです。
「焼津藤枝線」の中港地下道と西町地下道は、路線名に藤枝とありますが、焼津市の地下道です(焼津市の記事)。

地図の記号と同じ順です
A さんげんや地下道
市道4-133号。国の冠水想定箇所(静岡県-02-035)と県の一覧(藤枝1)の両方に載っています。県の一覧の「交差施設」はJR東海道本線
住所:国の説明表は下青島(しもあおじま)1222、県の一覧は上青島(かみあおじま)152-27(書き方が違う理由は資料にありません)
管理: 藤枝市 054(643)3111 / 警察: 藤枝警察署 054(641)0110 / 消防: 藤枝市消防本部 054(641)5000(県の一覧)
B 田沼(たぬま)地下道
県道 藤枝大井川線。国の冠水想定箇所(静岡県-02-036)と県の一覧(県(島田)2)の両方に載っています。県の一覧の「交差施設」はJR東海道本線
住所:国の説明表は田沼1丁目31-23、県の一覧は前島(まえじま)1180-6(書き方が違う理由は資料にありません)
管理: 静岡県島田土木事務所 0547(37)5276 / 警察: 藤枝警察署 054(641)0110 / 消防: 藤枝市消防本部 054(641)5000(県の一覧)
点は中部地方整備局の地図データの位置、連絡先は静岡県の一覧(2026年3月31日時点)です。
読者
一覧にない道は、水がたまらないんですか?
県は「この箇所以外にも道路が冠水する場合があります」と書いています。一覧にないことは、冠水しない証明になりません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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さんげんや地下道は、事故のあとに回転灯を付けた市道
2011年9月の市議会で、議員が「下青島のさんげんや地下道」を挙げて集中豪雨への対応を尋ねました。
都市建設部長は「昨年12月の事故の対策」として、冠水時に作動する回転灯を南北2か所に2基ずつ、電話回線による自動通報システムを設置し、豪雨のときはパトロールの重点地点にしていると答えました。会議は2011年なので、事故は2010年12月です。事故の中身は答弁に書かれておらず、報道も見つけられていません。
2020年9月には基盤整備局長が、地下道では「センサーが冠水を感知し、警報装置が作動し、車両の進入を防ぐ対策」を取っていると答えています。どの地下道かは答弁になく、さんげんや地下道の回転灯や自動通報も含めて、今も同じように動いているかを書いた資料は見つけられていません。
田沼地下道は、県が管理する県道の地下道
田沼地下道がある県道の藤枝大井川線は、市の答弁では通称「田沼街道」です。
県は、県が管理するアンダーパス16か所を、冠水位5センチで通行注意、15センチで通行止めにしています(管理者の判断で止めることもあります)。16か所がどこかは県のページになく、田沼地下道が入るかは確かめられていません。
県は2026年9月18日17時から、沼津市の三ツ目ガード下で、沼津市に「レベル4大雨危険警報」が出たら先に通行止めにする規制を始めました。警報を基準にした規制は今のところここだけで、県は拡大を検討するとしています。県は同じページで「三ツ目ガード下を含む全箇所は、線状降水帯に関する気象予測により、冠水の可能性があると判断した場合、事前通行規制の実施を果断に対応する。」とも書いています(「全箇所」がどこかは書かれていません)。

2022年9月の台風15号、市役所の雨と道路冠水
静岡地方気象台の資料では、23日夜から24日未明に「1時間に110ミリ以上の雨」の記録的短時間大雨情報が県内に16回出て、「藤枝市付近」は3回でした(23日21時59分・22時08分・24日0時16分。当サイトで数えた値)。
124.5ミリは市役所の雨量計1か所の値で、市内のほかの場所で降った量ではありません。

市長は2022年11月30日の市議会で、11月28日現在の道路冠水を41件、建物の被害を364件(住家と非住家)と述べました。41件の場所の一覧は、市のサイトで見つけられていません。
県河川砂防局のまとめ(2023年1月31日現在)では、藤枝市の家の浸水は床上232戸・床下125戸です。県の記録は県全体の浸水の原因を川の氾濫(外水)と川への排水不良(内水)などとしていて、藤枝市の内訳は書かれていません。
市は11月の議会で、内水ハザードマップは1時間約70ミリが前提で、今回は想定していなかったところも浸水したと答えました。特に山間部、「バイパスから北側の地域」は内水の被害を想定していなかったが一部で浸水した、と説明しています(家の罹災証明の申請データから)。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します(道路の冠水・内水は出ません。県が2025年3月31日に指定した区域(洪水予報河川・水位周知河川以外の瀬戸川・大久保川など)が入っているかは確かめていません)
2025年9月5日は「藤枝市付近で約110ミリ」
気象庁は2025年9月5日13時28分、13時20分までの1時間に「藤枝市付近で約110ミリ」の記録的短時間大雨があったと発表しました。観測所の名前ではなく「藤枝市付近」という書き方です。気象庁は、雨量計で観測したときは観測点の名前を、気象レーダーと雨量計を組み合わせて解析したときは市町村の名前を書くと説明しています。市内のアメダス高根山(標高415メートル)の1時間の最大は、この日45.5ミリでした。
県の最終報(第37報・2025年11月28日14時現在)で、藤枝市の住家は半壊12棟、一部破損5棟、床上浸水7棟、床下浸水34棟。県は、被害の原因(竜巻・大雨など)の内訳は不明としています。
読者
「藤枝市付近で約110ミリ」なのに、高根山は45.5ミリなんですね。
45.5ミリは高根山の雨量計1か所の値で、約110ミリは観測点の名前で出た値ではありません。家の近くは、キキクルの色や市の観測システムの雨量計で確かめてください。
内水ハザードマップは2種類、2026年度に刷新の予定
市の内水ハザードマップ(2021年6月)は、7年に1度の大雨(1時間68.9ミリ)の計画規模と、1000年に1度(1時間147ミリ)の想定最大の2種類です。市の説明資料では、地図面にアンダーパス(地下道)などの危険箇所と、2003年以降の浸水箇所が載っています。
市長は2025年12月の議会で、近年の豪雨の被害を反映した版に2026年度に刷新すると答えました。いま市のページにあるのは2021年6月の版です。
市長は2026年6月、高洲(たかす)・高柳(たかやなぎ)地区について、宅地化で農地が減り、黒石川・小石川の水位が上がると水路から雨水を出せなくなる「いわゆる内水被害が発生しているものと考えられます」と答えました。県と焼津市・藤枝市の水災害対策プラン(2026年3月改定)は、藤枝市内の黒石川上流部で「近年、浸水被害が度々発生している」と書いています(高洲・高柳がこの「上流部」に入るかは、プランに書かれていません)。岡出山(おかでやま)三丁目では、市が2024年6月から浸水対策の調査を始めました。名前が挙がったのは例で、市長は「市内各地で浸水被害」とも述べています。
| No. | 町(代表点) | 市の答弁など | 地図 |
|---|---|---|---|
| 1 | 岡出山(おかでやま)三丁目 | 市が2024年6月から浸水対策の調査(業務委託) | 地図で開く |
| 2 | 高洲(たかす) | 市長「いわゆる内水被害が発生しているものと考えられます」(2026年6月) | 地図で開く |
| 3 | 高柳(たかやなぎ) | 同上(高洲・高柳地区として) | 地図で開く |
地図の1〜3は当サイトが置いた町の代表点で、浸水した地点ではありません。市の地図は許可なく複製・転用できないため、写さず見方だけ案内しています。
市の止水板の補助(費用の2分の1・上限30万円)は、2026年度の予算が終わり、受付を止めています(2026年9月17日更新の市のページ)。
\川の洪水と土砂の区域を住所で見る/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します(内水の区域と道路の冠水は出ません。県が2025年3月31日に指定した瀬戸川・大久保川などの区域が入っているかは確かめていません)
ほかの市はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国のまとめ)
- 焼津市 冠水 どこが危ないの?(隣の市)
- 静岡市 冠水 どこが危ないの?
公式出典
- 国土交通省 中部地方整備局「冠水想定箇所」静岡県(一覧と説明表 shizuokaken-02-035・036、地図データ)/道路防災情報Webマップ
- 静岡県「静岡県道路冠水想定箇所」(一覧表・2026年3月31日時点)/静岡県「アンダーパスにおける予防的な事前通行規制の導入について」(2026年9月18日更新)/静岡県道路通行規制情報提供システム
- 藤枝市「内水ハザードマップを確認しよう」/藤枝市「藤枝市内水ハザードマップを作成しました」(2021年6月)/藤枝市「洪水・土砂災害ハザードマップを確認しよう」
- 藤枝市「河川水位や雨量を確認しましょう」/藤枝市「キックオフメール」/藤枝市「止水板の購入や設置にかかる費用を補助します」/藤枝市「雨水貯留タンクや浸透ますの設置費を補助します」
- 藤枝市議会 会議録検索(2011年9月9日、2019年9月11日、2020年9月9日、2022年9月29日・11月30日、2024年9月11日、2025年12月3日、2026年6月17日)
- 静岡地方気象台「令和4年台風第15号に関する静岡県気象速報」/同「令和7年台風第15号に関する静岡県気象速報」/気象庁「静岡県記録的短時間大雨情報 第4号」(2025年9月5日13時28分)/気象庁「気象防災速報(記録的短時間大雨)」
- 静岡県交通基盤部「令和4年台風第15号による豪雨災害の記録」(2023年2月・市町別浸水被害は県河川砂防局まとめ 2023年1月31日現在)/静岡県「台風第15号による被害状況について【第37報】」(2025年11月28日14時現在・最終報)
- 志太地域流域治水協議会(静岡県・焼津市・藤枝市)「小石川・黒石川水災害対策プラン」(2026年3月改定)/静岡県「洪水浸水想定区域図」藤枝市
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」内水の掲載一覧/国土地理院 住所検索API・地理院タイル(地図)
この記事の数値は公表資料と会議録を集計したものです(2026年9月25日取得)。避難や通行の判断は、必ず藤枝市と静岡県の最新の発表を確認してください。
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