山口県下関市(しものせき)で、国が大雨のときに冠水するおそれがあるとしている道は、幡生(はたぶ)・新下関第5・清末(きよすえ)4号・才川の4つの市道の地下道です。市はこれとは別に、国の一覧に入っていない柏崎・安岡・新下関第6・小串(こぐし)駅の4つの地下道にライブカメラを付け、映像を市のホームページで公開しています。
市長は2025年6月の議会で、ゲリラ豪雨などで「地下道の冠水被害が多発」していると述べました。2025年8月の線状降水帯の大雨では、市の最終報に並ぶ市道の通行止め14件の中に、10日に止めた新下関第5地下道と柏崎地下道(ねずみトンネル)が入っています(止めた理由は最終報に書かれていません)。
この記事でわかること
- ✓ 新下関第5地下道は、冠水すると入口の設備が自動で閉まる地下道です。2024年9月の答弁では、この設備があるのは市内でここだけでした
- ✓ 市の内水ハザードマップ(本庁地区・2015年9月作成)は2003年7月の1時間64.5ミリの雨が前提。観測所「下関」では2003年のあと5日これを超え(当サイトで数えた値)、2024年7月11日は85.5ミリでした
- ✓ 市は、2003年以降に把握した浸水の場所を「道路冠水を含め100か所」と答えています(2021年9月)
雨の日に「いま通れない道」を見るページ
- 地下道の水:下関市ホームページ「防災ライブカメラの設置について」(4つの地下道。映像はYouTube(ユーチューブ))
- 新下関第5地下道:下関市ホームページ「下関市防災メール」で「地下道冠水情報」を選んで登録
- 県道・国道:山口県道路情報「道路見えるナビ」、国土交通省「道路情報提供システム」
- 川の水位:山口県土木防災情報システム
- 大雨の危険度:気象庁「キキクル」(浸水害の危険度)
カメラの映像は、通信状態や故障で映らないことがあります(市)。国道9号の長府(ちょうふ)外浦(そとうら)〜壇ノ浦は、前田の雨量計の連続雨量が150ミリで通行止めにする「事前通行規制区間」です(中国地方整備局の一覧。平成25年9月時点)。土砂崩れや落石などのおそれの区間で、冠水想定箇所とは別です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
国の一覧は、市道の地下道4つ
国土交通省 中国地方整備局の「冠水想定箇所」は、線路などの下をくぐる道のように、周りより道路が低く、大雨で車が水没するなどのおそれがある場所の一覧です(令和8年3月時点)。下関市の行は5つで、4つが市道の地下道です。
5つ目の国道191号 綾羅木(あやらぎ)新町は「冠水想定箇所対象外」とされ、理由は書かれていません。山口県の41行のうち、国道の5行はすべてこの「対象外」でした(当サイトで数えた値)。

4つの説明表の写真には、どれも「トンネル内降雨、停電時冠水注意」の看板が写っています(写真から当サイトが読み取った文言)。
地図の記号と同じ順です
A 幡生(はたぶ)地下道
国の冠水想定箇所(山口県-02-007)・市道 武久・幡生線。説明表の位置図では、幡生駅のそばで線路の下をくぐる道(位置図からの読み取り)
下関市幡生本町(説明表。番地の記載なし)
管理: 下関市 建設部 道路課 083-231-4325 / 警察: 下関警察署 083-231-0110 / 消防: 下関市消防局 083-233-9111
B 新下関第5地下道
国の冠水想定箇所(山口県-02-008)・市道 伊倉・延行線(市の答弁と位置図では「市道伊倉・有冨線」。違いの理由を書いた資料は見つかっていません)。下関国際高校前のJRアンダーパス
伊倉東町(説明表)
管理: 下関市 建設部 道路課 083-231-4325 / 警察: 下関警察署 083-231-0110 / 消防: 下関市消防局 083-233-9111
C 清末(きよすえ)4号地下道
国の冠水想定箇所(山口県-02-009)・市道 清末清末20号線。説明表の位置図では国道2号の近く(位置図からの読み取り)
清末東町(説明表)
管理: 下関市 建設部 道路課 083-231-4325 / 警察: 長府警察署 083-248-0110 / 消防: 下関市消防局 083-233-9111
D 才川地下道
国の冠水想定箇所(山口県-02-010)・市道 長府才川町44号線。説明表の位置図では国道2号のそば(位置図からの読み取り)
長府才川1丁目(説明表)
管理: 下関市 建設部 道路課 083-231-4325 / 警察: 長府警察署 083-248-0110 / 消防: 下関市消防局 083-233-9111
E 国道191号 綾羅木(あやらぎ)新町
国の一覧の行(山口県-02-004)。説明表の欄は「冠水想定箇所対象外のため個別箇所説明表なし」。対象外とした理由は書かれていません
綾羅木新町(説明表)
管理: 山口河川国道事務所(説明表)
点は中国地方整備局の地図データの位置です。
読者
国の一覧にない地下道は、水がたまらないんですか?
一覧に載っていないことは、水がたまらないことの証明にはなりません。市は、市内の地下道は10か所あると説明しています。
新下関第5地下道は、冠水すると自動で閉まる
下関国際高校前のJRアンダーパスです。市によると、流れてくる雨水は、ふだんからポンプで近くの川へ出しています。市は2024年5月、両側の入口に、エアーバルーン式の自動緊急遮断設備を付けました。
なぜここに付けたのか。市は2024年9月の議会で、「過去の冠水被害が多くて車の立ち往生も発生」していて、通行量も多いからだと答えています。
読者
閉まったかどうかは、どこで分かりますか?
市は防災メールで「冠水注意レベル」(道路はもう冠水している)と「冠水危険レベル」(通行止め)の2段階で知らせるとしています。答弁では、通行止めと解除は「しもまちアプリ」でも通知されます。
国の一覧にない4つの地下道に、ライブカメラ
市は2025年6月の委員会で、緊急通報装置が整備されていない地下道にカメラを付ける事業を説明し、市内に10か所ある地下道のうち2025年度は4か所に付ける計画を示しました。計画では、壁に水深を示すシートを貼り、そこを映すとしていました。映像が見られるのは次の4つです(市のページ・2026年6月5日更新)。
| 地下道 | 場所(市のページの町名) | 国の一覧 |
|---|---|---|
| 柏崎地下道(ねずみトンネル) | 大坪本町 | 入っていない |
| 安岡地下道 | 安岡町一丁目 | 入っていない |
| 新下関第6地下道 | 一の宮町一丁目 | 入っていない |
| 小串駅地下道 | 豊浦町大字小串 | 入っていない |
市は2026年度の予算でも、「冠水被害が頻発している地下道等」にカメラを付ける事業を説明しています(2026年3月の委員会)。
市のページは町名までで、地下道の正確な位置は示していません。このため4つは地図に入れていません。
2025年8月10日の線状降水帯と、浸水の件数
10日は前線上の低気圧が通るときに線状降水帯が発生し、下関地方気象台は山口県西部に「顕著な大雨に関する気象情報」を出しました。竹崎町にある気象台の観測所「下関」では、24時間の雨が366.0ミリで観測史上1位(1908年からの記録)、1時間の最大は67.0ミリ(17時21分まで)でした。観測所1か所の値で、浸水した町で降った量ではありません。

市が「最終報」とした8月13日8時30分現在の資料(8月9日からの大雨)では、床上浸水18件・床下浸水10件(どちらも現地未確認を含む)。床上は13の町丁目に分かれ、いちばん多いのは新地西町の3件でした(当サイトで数えた値)。その後の山口県のとりまとめ(9月1日9時02分現在、気象台の資料に掲載)では、下関市は床上浸水17棟・床下浸水10棟・半壊22棟・一部破損7棟です。県の8月13日7時の発表では下関市は床上18棟・床下10棟で、そこから変わった理由を書いた資料は見つかっていません。
県の8月13日の発表には、友田川と武久川の「溢水」もあります。川の水があふれたもので、下水道や水路からあふれる内水とは別の水です。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します(道路の冠水・内水は出ません。県が2026年3月24日に告示した川の区域が入っているかは確かめていません)
内水ハザードマップ(本庁地区)は、2003年の雨が前提
下関市内水ハザードマップは、下水道で想定する雨を超える豪雨のときに浸水が想定される区域の地図で、市内5地区のPDFがあります。本庁地区の地図は2015年9月作成で、前提の雨は2003年7月18〜19日の豪雨(1時間最大64.5ミリ、24時間207.0ミリ)。凡例は、深さ1〜20センチを「道路冠水」としています。

気象庁の記録で、観測所「下関」の1時間の雨が64.5ミリを超えた日は、2003年のあと5日あります(順位表から当サイトで数えた値)。最大は2024年7月11日の85.5ミリで、1908年からの記録で1位です。市はこの日の豪雨で「多くの市街地や道路の冠水被害が発生」したと答えています(2024年9月の議会)。
国土地理院の「重ねるハザードマップ」の内水(想定最大規模)の掲載一覧に、下関市は入っていません(2026年9月25日に確認)。家のまわりの内水は、市のPDFの地図で見てください。
この記事では、内水ハザードマップの区域は写さず、見方だけを案内しています。
市が把握している浸水の場所と、後田(うしろだ)町の調査
市は2021年9月の議会で、全国的に局地的な大雨が頻発し始めた2003年以降、「道路冠水を含め100か所」の浸水被害を把握していると答えています。場所の一覧は、市のサイトでは見つけられていません。
2026年3月の委員会で市は、後田町地区で水路の流れなどを調べると説明しました。質問した議員は「東駅が近年、毎年冠水していて」と述べています(議員の発言)。後田町は、2025年8月9日からの大雨で五丁目に床上浸水2件と床下浸水1件、四丁目に床下浸水1件が出た町です(市の最終報)。
貴船町では、県道にバイパス管を埋める工事が2026年度末に、北側の道路の水路の入れ替えが2028年1月に終わる予定です(2026年3月の委員会・上下水道局)。質問した議員は「毎年のように冠水する」通りだと述べました(議員の発言)。
\川の洪水と土砂の区域を住所で見る/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します(内水の区域と道路の冠水は出ません。山口県が「洪水予報河川及び水位周知河川」以外の河川として2026年3月24日に告示した市内の川(県の一覧に綾羅木川・友田川・粟野川など)の区域が入っているかは確かめていないので、県の「洪水浸水想定区域図」でも見てください)
ほかの市はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の市区ごとの記事のまとめ)
- 山口市 冠水 どこが危ないの? 6か所の呼び名が「地下道」と「ずい道」に割れています(同じ山口県)
公式出典
- 国土交通省 中国地方整備局「冠水想定箇所」山口県(一覧と説明表 yamaguchi-02-004・007〜010、地図データ)/道路防災情報Webマップ(冠水想定箇所は令和8年3月時点)/事前通行規制区間 山口県
- 下関市ホームページ「防災ライブカメラの設置について(再掲)」(2026年6月5日更新)/下関市ホームページ「地下道緊急遮断設備の設置について」(2024年5月30日更新)/下関市ホームページ「下関市防災メール」
- 下関市ホームページ「令和7年8月9日からの大雨・洪水に伴う災害対策状況について」(最終報・8月13日8時30分現在)/下関市ホームページ「内水ハザードマップ」(本庁地区・平成27年9月作成)
- 下関市議会 会議録(2021年9月16日、2024年9月13日・17日、2025年6月10日・17日、2026年3月13日・17日)
- 下関地方気象台「令和7年8月9日から12日にかけての山口県の大雨について」(9月2日修正)/同「令和6年7月10日から11日にかけての山口県の大雨について」/気象庁「観測史上1〜10位の値」下関
- 山口県「令和7年8月9日からの大雨に関する状況について(8月13日7時00分時点)」/山口県「洪水浸水想定区域の指定・公表状況について(事前公表)」
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」内水の掲載一覧/国土地理院 地理院タイル(地図)
この記事の数値は公表資料と会議録を集計したものです(2026年9月25日取得)。避難や通行の判断は、必ず下関市と山口県の最新の発表を確認してください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント