国と岡山県の想定では、旭川があふれると、岡山市中区の原尾島・竹田など10か所は、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
旭川には江戸時代からの放水路(百間川)がありますが、国の想定は流域に48時間で756mmの雨が降った場合です。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が3日〜1週間続く町・字の中心は23か所で、うち岡山市南区が15か所、北区が6か所、東区が2か所の想定
- ✓ 国が「既往最大洪水」とするのは1934年9月の室戸台風。死者60名、流潰家屋2,929戸
- ✓ 2018年7月は完成直前の百間川へ洪水を分け、旭川の水位を約1.3m下げたと国は説明(速報値)。ただ国は「現在でも降雨によっては同じような水害が起きる可能性もあります」とも書いている
旭川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は旭川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
地図は岡山県の旭川です。北海道の旭川市や、秋田県の旭川(雄物川水系)とは別の川です。
町・字の中心が10〜20mに入るのは上流の5か所で、真庭市の赤野や岡山市北区の御津矢原などです。

旭川と百間川にはさまれた中区に3m以上の色が集まります。旭川の西側の岡山駅から中心部にかけては0.5〜3mが中心で、3〜5mの所もあります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
町・字の中心が区域に入るのは、岡山市北区247か所、中区97か所、南区74か所、東区40か所、真庭市16か所、美咲町1か所です。
中区は130か所のうち97か所が入り、3〜5mが62か所です。
北区は3〜5mが53か所、5〜10mが6か所です。
南区は71か所が0.5〜3mで、3〜5mは浦安西町の1か所です。東区は3〜5mが19か所です。

3日〜1週間続くのは、南区の浦安西町・浦安本町・南輝三丁目・泉田一丁目などです。
3m以上が72か所ある中区は、97か所のうち73か所が12時間〜1日の想定です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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旭川の過去の水害と最近の大雨

1934年の室戸台風では旭川・百間川の堤防が決壊し、国は同じ年の12月に、百間川を完全な放水路にする計画に改めました。
岡山市の中心部には、この水害でどこまで水に浸かったかを示す水位標識があります。
道路面からの高さは、烏城(岡山城)公園で2.90m、後楽園で1.98m、天満屋 岡山本店(国土交通省が設置)で1.50mです(岡山河川事務所の一覧)。
2018年7月の豪雨では、国の区間より上流の県の管理区間で、岡山市北区御津国ヶ原の堤防が決壊しました。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、2026年9月の台風第25号で、旭川と百間川の観測所はどこも水防団待機水位に届きませんでした。

今の水位を見る場所

国が川の整備の基準地点にしているのは、岡山市北区の下牧です。川の防災情報では、下牧・相生橋と百間川の原尾島橋などが洪水予報の観測所です。
2018年7月の豪雨で、下牧と原尾島橋は観測史上最高の水位を記録しました(国の河川整備基本方針)。
旭川沿いは下牧と相生橋、中区の百間川沿いは原尾島橋が、避難判断水位を超えるかを見ます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
岡山の百間川(旭川放水路)の効き目と限界
「百間川が完成したから旭川はもうあふれない」とは言い切れません。国の整備計画の目標は、年超過確率1/70程度の洪水(下牧で川に流す量が毎秒5,000m³)までです。
国の旭川放水路(百間川)の工事は1970年度に着工し、約50年かけて2019年6月に完成しました。
完成直前の2018年7月の豪雨では、分ける前の毎秒4,200トンのうち1,200トンを百間川へ流し、旭川の水位を約1.3m下げたと国は説明しています(速報値)。
百間川が無かった場合、JR岡山駅付近の約180ha・約3,300戸が浸水するおそれがあったとしています。
国は2024年3月に基本方針を変え、下牧で毎秒9,400m³のうち2,800m³を流域の洪水調節施設で調節する計画にしました。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む岡山市 冠水 どこが危ないの? 国の位置図は25か所です ›
ここで扱った浸水想定は、国と岡山県が旭川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 岡山河川事務所「2. 旭川水系の概要」
- 国土交通省「旭川水系河川整備基本方針(変更)」(令和6年3月)
- 岡山河川事務所「台風の脅威 今に残る大洪水の記録」
- 岡山河川事務所「平成30年7月豪雨 適正な分派で浸水被害を防止」(速報値)
- 岡山市「平成30年7月豪雨における状況」
- 岡山河川事務所「旭川放水路「百間川」の歴史」
- 岡山河川事務所「岡山浸水想定区域図(想定最大規模)」旭川
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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