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渋谷区 冠水 どこが危ないの?

渋谷区で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は5か所です。国道が3か所、区道が2か所。国道の3か所は、管理者がどれも国土交通省の東京国道管理第二課です。

そして5か所は、どれも区内で高いほう寄りの町にあります。初台一丁目の標高41.4メートルは、区内80の町丁目で3番目の高さです。いちばん低い広尾五丁目の12.4メートルには、冠水注意箇所が1つもありません。

この記事でわかること

  •  地図から開ける国の一覧では5か所。都県ごとの一覧では6か所で、差の1か所は千駄ヶ谷の都道です
  •  「すり鉢の底」は感想ではなく、東京都下水道局が資料に書いている言葉です
  •  渋谷駅の地下の雨水貯留施設は東口だけではありません。西口にも同じ4,000立方メートルがあります
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箇所の数・種別・路線名・住所・管理者は、国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」の東京都分から数えました。地図から開ける一覧が135か所、令和8年6月15日更新の都県ごとの一覧が153か所です。標高は国土地理院の標高データ(1メートルまたは5メートルのレーザ測量)で、住所は国土交通省の位置参照情報の代表点です。「すり鉢の底」と整備水準は東京都下水道局の『技術調査年報』2021年・第45号、貯留施設の諸元は東急株式会社とUR(ユーアール)都市機構の共同リリース、浸水の記録と地図の扱いは渋谷区の「洪水ハザードマップ・浸水実績」ページと同区の質問集から取りました。
目次

5か所は国道が3つ、区道が2つです

国が都県ごとに出している一覧では、東京都に153か所あり、渋谷区は6か所です。地図から開ける一覧のほうは135か所で、渋谷区は5か所。都内で11番目でした。この記事は、1か所ずつの説明表がそろっている地図の一覧の5か所を軸に見ていきます。

内訳は、初台アンダー・渋谷駅ガード下・南平台アンダーの3か所が直轄国道。残る2か所は区道で、小田急線とJR(ジェイアール)山手線の下をくぐる道です。

管理番号 名称 種別 路線 住所 標高
02-003 初台アンダー 直轄国道 国道20号 初台1丁目 41.4m
02-011 渋谷駅ガード下 直轄国道 国道246号 渋谷2丁目〜道玄坂1丁目 31.4m
02-012 南平台アンダー 直轄国道 国道246号 道玄坂1丁目〜神泉町 31.5m
02-050 小田急線山谷架道橋下 区道 1052号 代々木3丁目 38.6m
02-051 JR山手線宮益架道橋下 区道 1046号 渋谷2丁目 31.4m

表の標高は、その道がある町丁目の代表点で引いた値です。ガード下や架道橋の路面そのものの高さではありません。

国道の3か所は、管理者が3つとも東京国道管理第二課(03-3512-9090)。区道の2か所は渋谷区(03-3463-1211)です。大雨のときにこの道を閉めるかどうかを決めるのは、5か所のうち3か所で国になります。

3か所が国の道、2か所が区の道。電話のかけ先が分かれます
3か所が国の道、2か所が区の道。電話のかけ先が分かれます

もうひとつ。国が都県ごとに出している令和8年6月15日更新の一覧では、渋谷区は6か所あります。地図に出てこない1か所は、都道 明治通りの「千駄ヶ谷ぎょえんトンネル」です。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

緊急脱出用ハンマー シートベルトカッター付(JIS規格適合品)

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

キーホルダー型 LEDライト(充電式・小型)

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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区内80町丁目に置くと、5か所の位置が出ます

渋谷区の町丁目は80あります。標高がいちばん低いのは広尾五丁目の12.4メートル、いちばん高いのは笹塚一丁目の41.9メートル。幅は29.5メートルで、0メートル未満も5メートル未満も1つもありません。

この80の中に置くと、位置がはっきりします。初台一丁目41.4メートルは高いほうから3番目、代々木三丁目38.6メートルが8番目、神泉町35.8メートルが17番目。道玄坂一丁目31.5メートルと渋谷二丁目31.4メートルも、真ん中より上です。

冠水注意箇所がある5つの町は、どれも区内で高いほうに並びます
冠水注意箇所がある5つの町は、どれも区内で高いほうに並びます

いっぽう低いほうは、広尾五丁目12.4メートル、恵比寿一丁目13.0メートル、渋谷三丁目14.1メートル、東三丁目15.0メートルと続きます。低いほうの4つは、どれも国の一覧に名前がありません。

ただし、この標高は町丁目の代表点で引いた値です。道路の底そのものの高さではありません。

町名で測ると、渋谷の谷は見えません

ここで数字が合わなくなります。「渋谷駅ガード下」の住所は渋谷2丁目から道玄坂1丁目で、代表点はどちらも31メートル台。渋谷は谷のはずなのに、区内では高いほうに出てきます。

座標を指定して引き直すと、こうなりました。スクランブル交差点あたりで15メートル台、東口の明治通りあたりで16メートル台。宮益坂を上がると33メートル台、道玄坂を上がると34メートル台です。

駅前と坂の上の差は、およそ18メートル。渋谷区の町丁目は坂をまたいで細長いので、代表点が斜面の中腹に落ちます。この4つの座標はこちらで指定したもので、公式の代表点ではありません。

雨の日の街。濡れた横断歩道が信号の光を映している
雨の日の街。濡れた横断歩道が信号の光を映している(写真: Pexels)

この地形を、東京都は自分の資料にこう書いています。「渋谷駅周辺はすり鉢状の谷地形となっており、渋谷駅はすり鉢の底に位置しているため、降雨時に雨水が貯まりやすく、平成11年には地下街への浸水被害も発生している」。

東急株式会社とUR都市機構の共同リリースにも「すり鉢状の地形であるため、降雨時の雨水が溜まりやすい」とあります。すり鉢は比喩ではなく、公式の説明です。

「すり鉢の底」は、東京都下水道局が資料に書いている言葉です
「すり鉢の底」は、東京都下水道局が資料に書いている言葉です

渋谷駅の地下には、水を溜める場所が東西に2つあります

そのすり鉢の底に、箱が埋まっています。渋谷駅東口の雨水貯留施設です。地下約25メートル、南北約45メートル・東西約22メートルの構造物で、約4,000立方メートルの雨水を一時的に貯められます。

整備したのは東急株式会社とUR都市機構(渋谷駅街区土地区画整理事業の共同施行者)、維持管理は東京都下水道局です。供用開始は、東急とURのリリースで2020年8月31日とされています。

取水が始まるのは「1時間あたり50mmを超える強い雨が降った場合」。溜めた水は、天候の回復後にポンプで下水道幹線(古川幹線)へ排水します。集水エリアは「東口駅前広場から宮益坂上交差点付近まで」。33メートル台の坂の上から落ちてくる雨を、底で受ける箱です。

よく知られているのは、ここまでです。ところが渋谷駅にはもう1つあります。東京都下水道局の資料に「平成11年度に策定した『雨水整備クイックプラン』に基づき、西口地区において、平成18年に雨水貯留管(貯留量4,000m3)を整備完了した」とあります。

西口にも、同じ4,000立方メートルがあります。東口より14年早い、平成18年の完成です。

東口は貯留施設、西口は貯留管。4,000立方メートルずつあります
東口は貯留施設、西口は貯留管。4,000立方メートルずつあります

渋谷区は、この施設の整備主体でも管理者でもありません。区が担ったのは、事務局を務めた部会と「渋谷駅中心地区まちづくりガイドライン2007」に、浸水対策の施設整備を位置づけた側です。

\住所を入れると、その場所の水のリスクがまとめて出ます/

渋谷区の住所で調べてみる ›

洪水・内水・土砂・地震を1画面で

この住所は浸水しやすい場所ですか?

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「渋谷区 冠水 どこ」に、区は答えを持っています

渋谷区は、過去に浸水した場所の記録を公開しています。区の質問集には、記録の種類がこうあります。「①床上浸水②床下浸水③地下浸水④道路冠水の4つです」。

道路冠水が、そのまま項目に入っています。平成12年4月以降のデータで、元になっているのは水防本部活動に基づく情報収集、罹災証明、消防からの情報提供の3つです。

見る場所は「渋谷区地図情報システム」の「洪水ハザードマップ・浸水実績図」です。対象期間は平成12年4月1日から令和8年3月31日まで、令和8年5月26日に最新の情報が反映されました。問い合わせ先は土木部企画管理課管理係(03-3463-2773)です。

これより詳しい記録は無い、とも区は書いています。「ありません。載っている情報が全てです」。渋谷区役所11階の窓口でも見られます。

そのうえで、区自身がこう書き添えています。「洪水ハザードマップはあくまで予想になります。必ずしも洪水ハザードマップと浸水実績が一致するということはありません」。

内水の地図は、区は未作成で都は指定済みです

渋谷区のハザードマップの作成状況の表には、こうあります。「雨水出水(内水)|未作成|作成時期未定」。高潮は「作成予定なし」です。

ここだけを読むと、渋谷区に内水の地図は無いことになります。実際は違います。

1つめ。区の洪水ハザードマップは内水を含んでいます。区の質問集に「洪水浸水想定区域に加えて、雨水出水(内水氾濫)も加味されています」とあり、「水害種別(外水・内水・高潮)ごとには作成しておりません」とも書かれています。

2つめ。東京都下水道局の「城南地区河川流域雨水出水浸水想定区域図」は、令和8年3月25日に水防法第14条の2第2項で指定されました。関係区は8区あり、渋谷区もその1つです。

区のハザードマップがまだ無いだけで、内水の区域指定は都がすでに出しています。家を買うときの説明については、区のページが「水害のリスクを説明するためにハザードマップが、宅地売買などで必須説明事項に規定されました」と書いています。

同じ「内水ハザードマップ」でも、根拠の法律があるものと無いものがあります
同じ「内水ハザードマップ」でも、根拠の法律があるものと無いものがあります

その地図が前提にしている雨は、1時間最大153ミリ・24時間総雨量690ミリです。いっぽう東京都の下水道は1時間50ミリが基本で、大規模地下街だけ75ミリ。渋谷駅東口地区は、その地下街対策地区9つのうちの1つです。

渋谷川の護岸も、昭和61年から平成14年にかけて1時間50ミリの雨に対応できる形で整備されました。50ミリでつくった街に、153ミリの地図が配られています。

ちなみに令和元年10月の台風19号のとき、渋谷区内の1時間最大雨量は25ミリでした。

水に入ってしまった車から出るまで

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

5か所とも、何かの下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが、くぐる道の怖いところです。

鉄道の橋げたの下を、道路がくぐっていく日本の街の風景
鉄道の橋げたの下を、道路がくぐっていく日本の街の風景(写真: Pexels)

JAF(ジャフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。

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車が動かなくなったら110番と119番へ。ドアの高さの半分を超えると、内側からはほぼ開けられません。外に出られないときは、無理に移動せず高いところで待ってください。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの区や市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの区市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。

この記事のまとめ

渋谷区で道路が冠水しやすい場所は5か所。初台アンダー、渋谷駅ガード下、南平台アンダーの3か所は国道で、管理者は3つとも東京国道管理第二課です。残る2か所が区道。都県ごとの一覧では6か所で、地図に出てこない1か所は千駄ヶ谷ぎょえんトンネルでした。

5か所は区内80町丁目のうち高いほうに並び、初台一丁目は3番目の高さ。いちばん低い広尾五丁目には1か所もありません。ところが座標で引き直すと、スクランブル交差点あたりは15メートル台、坂の上は33〜34メートル台。町名で測るかぎり、渋谷の谷は見えません。東京都下水道局は渋谷駅を「すり鉢の底」と書いていて、その底には東口の雨水貯留施設と西口の雨水貯留管が、4,000立方メートルずつあります。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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