🗨️「台風25号はまだ遠いのに、関東はもう降っているの?」
20日21時の台風25号の中心は日本の南、千葉県勝浦市からおよそ600キロ離れています。それでも20日22時のアメダスでは、1時間降水量の多い上位10地点をすべて神奈川・千葉・東京が占めました。24時間では伊豆諸島の大島が215.5ミリ、勝浦市が162.5ミリ。雨と風のピークは21日午後から夜で、いま降っている雨はその前段です。
[災害] この記事の要点
2026年9月20日 発表
- 関東南部と伊豆諸島では20日夜の時点で1時間20〜30ミリの雨が降っている
- 21日は関東南部で24時間300ミリ、伊豆諸島で350ミリの雨が予想されている
- JR東日本は21日午後から千葉県内を中心に計画運休を決めている
台風はまだ600キロ先、雨の強い順に並べると上位10地点が関東
気象庁が20日21時45分に発表した台風情報によると、台風25号(ドゥージェン)の中心は20日21時に北緯30.3度・東経137.6度、日本の南にあります。千葉県勝浦市まではおよそ600キロ、八丈島まででもおよそ380キロ離れています(中心位置からの距離は当サイトで算出)。
それでも、雨が強く降っているのは台風の近くではありません。20日22時のアメダスで1時間降水量を全国1,285地点で並べたところ、上位10地点は神奈川・千葉・東京の10か所でした。

| 地点 | 1時間降水量 | 24時間降水量 |
|---|---|---|
| 海老名(神奈川) | 29.5ミリ | 80.5ミリ |
| 館山(千葉) | 29.0ミリ | 157.0ミリ |
| 辻堂(神奈川) | 24.0ミリ | 96.0ミリ |
| 茂原(千葉) | 19.5ミリ | 116.5ミリ |
| 平塚(神奈川) | 19.5ミリ | 65.0ミリ |
| 坂畑(千葉) | 18.0ミリ | 132.0ミリ |
| 府中(東京) | 17.0ミリ | 53.0ミリ |
| 我孫子(千葉) | 16.0ミリ | 58.0ミリ |
気象庁アメダス20日22時の観測値から作成(上位8地点を抜粋)。1時間に10ミリ以上を観測したのは全国で25地点あり、その大半が関東に集まっている。
24時間で見ると、積み上がっているのは島と房総です。伊豆諸島の大島で215.5ミリ、三宅島で163.0ミリ、千葉県では勝浦市162.5ミリ、館山市157.0ミリ。勝浦市は16時までの24時間が122ミリでしたから、夕方からの6時間でさらに40ミリ増えたことになります。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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なぜ中心が遠いのに、これだけ降るのか
理由は2つあります。ひとつは台風の大きさです。同じ21時45分の発表では、風速15メートル以上の強風域が中心の北東側に700キロ広がっています。中心が600キロ先でも、関東はすでに台風の圏内に入っています。
もうひとつは空気です。関東甲信地方気象解説情報(20日17時06分発表)は「台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、引き続き関東甲信地方は大気の状態が非常に不安定となる見込みです」と書いています。台風が押し出す湿った空気が先に届き、そこで雨雲が発達するため、中心の到着を待たずに雨になります。
発達した雨雲が同じ場所に次々とかかると、短い時間で雨量が跳ね上がります。気象庁は20日16時01分、伊豆諸島に線状降水帯の半日前予測を出しました。対象は21日昼前から夜のはじめ頃です。
今夜から明け方、雨の範囲はどこまで広がるか
気象庁が20日夕方に出した各地の解説情報では、予想される1時間降水量は20日が多い所で40ミリ、21日は70ミリまで上がります(関東南部と伊豆諸島)。20日の40ミリは、側溝から水があふれ、アンダーパスに水がたまり始める強さです。
総雨量の予想は次のとおりです。いずれも予想であって、この数字がそのまま降ると決まっているわけではありません。
| 地域 | 20日18時〜21日18時 | 21日18時〜22日18時 |
|---|---|---|
| 伊豆諸島 | 350ミリ | 100ミリ |
| 関東南部(東京・千葉・神奈川・埼玉) | 300ミリ | 150ミリ |
| 関東北部(茨城・栃木・群馬) | 150ミリ | 150ミリ |
| 甲信(山梨・長野) | 130ミリ | 100ミリ |
関東甲信地方気象解説情報(20日17時06分発表)の予想24時間降水量。線状降水帯が発生した場合は局地的にさらに増えるおそれがある、と同じ情報に明記されている。
県ごとの最新値は少しずつ違います。神奈川県には22時05分に新しい解説情報が出ていて、21日0時から22日0時までの24時間降水量は東部200ミリ、西部250ミリ。千葉県は17時36分の発表で全域300ミリです。
千葉県には注記がついています。8月の千葉豪雨で堤防が傷んだことを受けて、千葉市と八千代市は大雨警報の発表基準を通常より下げた暫定基準で運用中です。同じ雨量でも、この2市は警報が早く出ます。
雨と風のピークは21日の午後から夜

予報では、21日9時に八丈島の西南西およそ180キロ、21日21時には勝浦市の東南東およそ80キロまで進みます。中心気圧は21日21時で965ヘクトパスカルと、20日21時の970ヘクトパスカルより低くなる予想です。弱まりながら近づくのではありません。
| 地域 | 強まる時間帯 | 気象庁が挙げている現象 |
|---|---|---|
| 伊豆諸島 | 21日昼前〜夜遅く | 最大風速35メートル、最大瞬間風速50メートル、波9メートル |
| 千葉(北東部・夷隅・安房) | 21日夜のはじめ頃〜夜遅く | 海上で最大瞬間風速50メートル、波8メートル |
| 神奈川 | 21日昼過ぎ〜夜遅く | 土砂災害に厳重警戒、相模湾で波5メートル |
| 東京・埼玉など関東南部 | 21日昼前〜22日午前中 | 1時間70ミリ、低い土地の浸水と河川の増水 |
| 静岡 | 21日昼前〜夕方 | 線状降水帯が発生する可能性 |
伊豆諸島の風について、気象庁は「一部の電柱が倒壊したり、建物の一部が広範囲に飛散するおそれもある猛烈な風」と書いています。停電した場合、暴風が続く間は復旧作業に出られません。
道路冠水は「入らない」以外に手がない

日本自動車連盟(JAF)の冠水路走行テストでは、水深60センチのセダンは時速10キロでも走れなくなりました。水深30センチでも、時速30キロで進むとエンジンルームに多量の水が入ります。
危ないのは止まった後です。国土交通省の資料では、水圧でドアが開かなくなる水深は外開きで26センチ、内開きで47センチ。歩いて移動できる限界は30センチとされています。水深30センチは、車が止まる深さであり、ドアが開かなくなる深さであり、歩いても進めなくなる深さです。
今夜から明日にかけて、特に避けたい場所を挙げます。
- アンダーパスと立体交差の下。周りより低く、水が集まって深くなる
- 地下駐車場と地下道。入口から流れ込むと逃げ場がない
- 川沿いの道路と、側溝のふたが外れている区間
- 「さっきは通れた」場所。水位は数分で変わる
見た目では水深が分かりません。通れそうに見えても入らず、手前で引き返してください。
電車と飛行機は21日の午後から順に止まる
20日22時04分の時点で、すでに止まっている区間があります。JR外房線の上総一ノ宮〜安房鴨川は大雨の影響で運転見合わせ中で、再開の見込みは立っていません。千葉〜上総一ノ宮でも遅れが出ています。
21日は、JR東日本が千葉県内を中心に計画運休を決めています。時刻が公表されているものだけを並べます。
| 路線・区間 | 運転を取りやめる時間 |
|---|---|
| 内房線(君津〜安房鴨川) | 21日14時頃から最終列車まで |
| 外房線(誉田〜安房鴨川) | 21日14時頃から最終列車まで |
| 青梅線(青梅〜奥多摩) | 21日14時頃〜22日10時頃 |
| 東金線 | 21日15時頃から最終列車まで |
| 八高線(高麗川〜寄居) | 21日15時以降、最終列車まで |
| 総武本線(佐倉〜銚子)・成田線(成田〜銚子)・鹿島線 | 21日16時頃から最終列車まで |
| 烏山線 | 21日18時頃から全列車 |
| 常磐線(勝田〜いわき) | 21日20時頃から |
| 久留里線 | 21日終日 |
JR東日本「関東エリアの運行情報・運休情報」20日22時04分現在。首都圏の在来線には「20日夜間から22日早朝にかけて遅れや運休が発生する場合があります」という同じ文言の告知が広く出ている。
房総半島の南から14時、15時、16時と東へ順に止まっていくのが、今回の計画運休の形です。帰りの列車で戻る予定なら、行きより先に帰りの時刻を確かめてください。
飛行機は、2社で発表の時刻が違います。全日空(ANA)は20日18時55分現在で、21日は成田・羽田・八丈島・静岡を発着する便が対象。八丈島空港の便は20日・21日とも全便欠航が決まっています。日本航空(JAL)は20日22時00分現在で、21日の対象は東京羽田、運航するかどうかは今後の気象情報を見て決めるとしています。
大阪・関西に出ているのは「潮位」と「高波」だけ
関西でも台風の名前は流れていますが、気象庁が近畿で出している解説情報は2件だけです。兵庫県(20日15時34分発表)は「高い潮位」、和歌山県(20日16時00分発表)は「高波」。大雨の情報ではありません。
兵庫県の情報は、台風の接近で気圧が下がり南部の沿岸で潮位が上がるという内容で、20日夜のはじめ頃と21日夜のはじめ頃の満潮の時間帯を挙げています。和歌山県は南部で21日昼前まで高波に警戒、台風が最も近づくのは21日昼前としています。
22時の時点で、大阪府・京都府・奈良県・滋賀県には台風25号に関する府県気象情報が出ていません。関西で気をつけるのは海沿いの潮位と波で、大阪が進路に入っているわけではありません。
20日夜から22日朝までの流れ
| 時間 | 状況 |
|---|---|
| 20日夜 | 関東南部と伊豆諸島で1時間20〜30ミリの雨。外房線の一部が運転見合わせ。土砂災害の警戒は20日夜のはじめ頃から始まっている |
| 21日午前 | 台風は9時に八丈島の西南西180キロ。伊豆諸島は昼前から暴風。関東も雨が強まり始める |
| 21日午後〜夜 | 雨と風のピーク。千葉県内の在来線は14時から順に運休。21日21時の中心は勝浦市の東南東80キロ |
| 22日午前 | 台風は日本の東へ。雨がやんでも河川の増水と土砂災害の危険は残る。八高線や総武本線は始発から午前中に遅れの可能性 |
千葉県は20日17時に災害即応体制へ移行しました。県知事も同じ夜、翌日の計画運休への注意を呼びかけています。
台風25号の接近に伴い、県では17時より災害即応体制に移行しています。市町村や関係機関と連携しながら万全の対応を行っていきます。
— 熊谷俊人(千葉県知事) (@kumagai_chiba) 2026年9月20日
JRの一部路線・区間で明日、計画運休がありますので、ご注意下さい。皆さまもそれぞれの備えを万全にお願いします。 https://t.co/slEBnndVsL
最後に、雨がやんだ後のことを1つだけ。気象庁は22日午前中まで土砂災害への厳重警戒を求めています。土砂災害は雨のピークを過ぎてから起きることがあります。22日の朝に外へ出るときも、斜面の近くと増水した川には近づかないでください。
生活・仕事にどう効くか
- 21日に車で出かける人:アンダーパスや低い道路は水深が分からない。冠水した道路には入らず手前で引き返す
- 21日に電車を使う人:千葉県内の在来線は14時から16時にかけて順に運休する。帰りの列車が無くなる時刻を先に確かめる
- 伊豆諸島にいる人・向かう人:21日昼前から最大瞬間風速50メートルの予想。八丈島空港の便は20日・21日とも全便欠航が決まっている
結局どうすればよいか
- 21日の外出は、計画運休の時刻より前に用事が終わる形に組み直す
- 冠水した道路へは進入せず、アンダーパスと地下駐車場を避ける
- 22日の朝も、斜面の近くと増水した川には近づかない
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 気象庁 台風解析・予報情報(台風第25号)(2026-09-20 21時45分発表発表)
- 気象庁 アメダス(全国の観測値)(2026-09-20 22時の観測値発表)
- 気象庁 関東甲信地方気象解説情報(台風第25号)(2026-09-20 17時06分発表発表)
- 気象庁 東京都気象解説情報(線状降水帯半日前予測)(2026-09-20 16時01分発表発表)
- 気象庁 千葉県気象解説情報(台風第25号)(2026-09-20 17時36分発表発表)
- 気象庁 神奈川県気象解説情報(台風第25号)(2026-09-20 22時05分発表発表)
- JR東日本 関東エリアの運行情報・運休情報(2026-09-20 22時04分現在発表)
- 全日空(ANA) 国内線運航状況のご案内(2026-09-20 18時55分現在発表)
- 日本航空(JAL) 運航状況のご案内(国内線)(2026-09-20 22時00分現在発表)
- ウェザーニュース 台風25号(ドゥージェン) 強い勢力で関東に接近予想 大雨や暴風に厳重警戒を(2026年9月20日発表)
- tenki.jp 台風25号 明日21日午後が雨風のピーク 大雨による土砂災害や道路冠水に厳重警戒(2026年9月20日発表)
- 日本自動車連盟(JAF) 冠水路走行テスト(2010-04-08実施発表)
- アイキャッチ・本文写真 Pexels(無料素材)(2026-09-20確認発表)
- 国土交通省 地下空間における浸水対策ガイドライン(2026-09-20確認発表)
更新履歴
※本記事は2026年9月20日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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