姫路市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は16か所です。兵庫県162か所のうち、西宮市21・たつの市18に次いで3番目に多い市です。
16か所のうちのひとつに、全国でここにしか出てこない言葉が使われています。市之郷から阿保へ抜ける市道の「市川潜道(いちかわせんどう)」です。
この記事でわかること
- ✓ 「潜道」は全国4,413か所の一覧の中で、姫路市の1か所だけで使われている言葉です
- ✓ 16か所のうち15か所に排水ポンプ。説明表に「メール配信」と書いてあるのも姫路だけです
- ✓ 令和6年8月15日の集中豪雨では、冠水の深さが約60センチに達しました
箇所の数・種別・名称・住所・関連設備は国土交通省 近畿地方整備局「道路冠水注意箇所」兵庫県162か所と、箇所ごとの説明表16枚から数えました。語の数え方は全47都道府県の一覧の地先名を自分でパースしたものです。警報表示板と位置図、令和6年8月の冠水は姫路市 建設局 道路管理部 道路管理課の公表ページ、県の基準は兵庫県「大雨時は道路アンダーパス部の冠水に注意!!」です。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
「潜道」は全国でここだけの言葉です

47都道府県の一覧に並ぶ4,413か所の地先名を、語ごとに数えてみました。いちばん多いのが「アンダー」で1,104回。「地下道」が639回、「アンダーパス」が631回、「ガード」が210回と続きます。
少ないほうを見ると、「トンネル」が53回、「ずい道」が12回、「函渠(かんきょ)」が7回。そして「潜道」はたった1回。姫路市の市道 幹第46号線、市之郷から阿保にかけての「市川潜道」です。
これは偶然ではありません。姫路市のページのタイトル自体が「大雨時のアンダーパス(潜道)の通行にご注意ください!」。市が日ごろ使っている言葉が、そのまま国の一覧に1か所だけ残っているということです。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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16か所のうち15か所に排水ポンプがあります

説明表の「関連設備」の欄に、「メール配信」と書いてある市はこのシリーズで姫路が初めてです。多いところでは「排水ポンプ、注意看板、水位板、回転灯、電光表示板、メール配信、路面表示、水位センサー」と8つ並びます。
逆に、排水ポンプしか書かれていないのが2か所。岩端町の「名古山・薬師山トンネル」と、久保町の「山陽電気鉄道本線アンダー」です。
住所を国土地理院の標高データに通すと、いちばん低いのが網干区垣内中町の1.1メートル、いちばん高いのが夢前町前之庄の96.4メートルでした。ただし夢前町をのぞく15か所は、1.1メートルから16.9メートルの間に収まります。夢前町は2006年に姫路市と合併した北部の町で、ここだけ土地の高さが違います。
種類でいうと、市道13・県道2・国道1。別所町別所に3か所あって、3か所ともJR神戸線の下です。夢前台にも4か所あり、2か所がJR姫新線、2か所が国道2号の夢前橋の下。網干238号線の1か所は、車ではなく自転車と歩行者のための道です。
表示板は3段階で変わります

市は、アンダーパスの入口付近に「警報表示板」と「警告灯(回転灯)」を置いています。表示は3段階で、それぞれの文面まで市が公表しています。
冠水注意のときは「アンダーパスの一番深い所で冠水が発生しています。そのまま通行すると、浸水し、車両に被害が発生したりする恐れがありますので、無理に通行せず、可能な限り他の道路へ迂回してください」。
その先はもっと強い言い方になります。「アンダーパスの一番深い所で重大な冠水が発生しています。通行すると、車が浸水し、動けなくなる恐れが非常に高いため、絶対に通行しないでください」。
ただし、表示板が置かれていない道が2本あると市は書いています。幹第3号線(久保町)と城南47号線(西駅前町)です。久保町は、国の説明表でも関連設備が「排水ポンプ」だけの場所でした。別々の資料の記述が、同じ場所を指しています。
令和6年8月の豪雨で、深さは60センチになりました

市は、令和6年8月15日の集中豪雨のときの写真を載せています。添えられた説明はこうです。「冠水の深さは、約60センチメートルに達しました」。
60センチは、車にとってどういう深さか。30センチから50センチでエンジンが止まり、車内と車外の水位が違うとドアが開かなくなります。そして50センチを超えると、車内の空気で車体が浮いて傾き、制御できなくなります。60センチは、その先の数字です。
市はほかに、姫路市東夢前台の市道で冠水したアンダーパスへ進入した車両の写真も載せています。また、令和8年8月の千葉豪雨を踏まえて内閣府・警察庁・消防庁・国土交通省・気象庁が作った「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」のチラシも紹介しています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
市の位置図は14本、国の一覧は13か所
市のページには「市管理道路の中には……他の土地よりも低いところを通る道路(アンダーパス)が市内に13箇所あります」と書かれています。国の一覧の姫路市の市道も13か所。数が合っています。
これは珍しいことです。これまで調べた市では、たいてい市のほうが多く出てきました。新潟市は国の18に対して市が270、薩摩川内市は国の15に対して市のセンサーが39。姫路は一致した最初の市です。
ただし、同じページからリンクされている位置図のPDFには、市道の名前が14本並んでいます。令和3年5月に作られた図です。国の一覧に出てこないのは城南47号線(西駅前町)の1本。そしてその城南47号線は、市が「警報表示板を置いている箇所から除く」と書いた2本のうちの1本でもあります。
水に入ってしまった車から出るまで

兵庫県は、県が持つアンダーパスの冠水情報板について基準を公表しています。水深が5センチになれば「通行注意」、15センチになれば通行を止める表示。濁った水では深さが分からないので、側壁に最大水深と15センチの位置を表示しているとも書いています。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 西宮市 冠水 どこが危ないの?(兵庫県) 1本の県道の5か所が、JR・名神・阪急・国道171号を順にくぐります
- 神戸市 冠水 どこが危ないの?(兵庫県) 13か所すべてに警報の装置、カメラが付いているのは6か所だけです
- 岡山市 冠水 どこが危ないの?(岡山県) 国の位置図は25か所です
- 倉敷市 冠水 どこが危ないの?(岡山県) 32か所とも「地下道」。県内でいちばん多く、27か所が標高5メートル未満です
- 大阪市 冠水 どこが危ないの?(大阪府) 65か所のうち43か所に「冠水実績あり」と書いてあります
この記事のまとめ
姫路市で道路が冠水しやすい場所は16か所で、兵庫県内では3番目に多い市です。市道13・県道2・国道1。市之郷から阿保へ抜ける「市川潜道」の「潜道」は、全国4,413か所の一覧の地先名でここにしか出てこない言葉です。16か所のうち15か所に排水ポンプ、14か所に水位センサーがあり、10か所には「メール配信」も書かれています。
標高は網干区垣内中町の1.1メートルから夢前町前之庄の96.4メートルまでで、夢前町をのぞく15か所は1.1メートルから16.9メートルの間に収まります。市の警報表示板は3段階で、通行を止める表示のときは「絶対に通行しないでください」と出ます。令和6年8月15日の集中豪雨では、冠水の深さが約60センチに達しました。
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