🗨️「「国保逃れ」って、何をしていたの?」
個人事業主やフリーランスから会費を受け取り、法人の役員に形の上だけ就任させて、会社と本人で折半する社会保険に加入させる商売です。厚生労働省が2026年9月14日に公表した調査で、こうした事業者が38社、利用者は1万1610人確認されました。指導によって全員が社会保険の資格を失っています。
[経済] この記事の要点
2026年9月14日 発表
- 会費を払って「役員にしてもらう」形で社会保険に入っていた人
- 個人事業主・フリーランスで保険料の負担を重く感じている人
- 同様のサービスを勧められたことがある人
会費を払って「役員」になる商売
個人事業主やフリーランスは、健康保険については市区町村の国民健康保険に入ります。会社勤めの人が入る健康保険(社会保険)とは、保険料の出どころが違います。
| 国民健康保険 | 社会保険(健康保険) | |
|---|---|---|
| 入る人 | 個人事業主・フリーランス・無職の人など | 会社などに使用される人 |
| 保険料の負担 | 全額が本人 | 会社と本人で折半 |
| 扶養の扱い | 家族も1人ずつ算定に入る | 被扶養者は保険料がかからない |
同じだけ保障を受けても、負担する側から見ると社会保険のほうが軽く見えます。ここに目をつけたのが、今回確認された商売です。
やり方はこうです。会費を受け取ったうえで、その人を法人の役員に形の上だけ就任させる。役員として報酬を出す形をつくれば、その法人の社会保険に加入させられる。こうして国民健康保険から抜けさせる、というものでした。
38社、1万1610人
厚生労働省が2026年9月14日に公表した調査の数字です。
- 確認された事業者 … 38社
- 利用者 … 1万1610人
- 調査の期間 … 2026年3月から8月末まで
- ほかに疑いのある事業者 … 7社(調査中)
指導の結果、この1万1610人は社会保険の被保険者資格を失いました。役員としての実態がないと判断されたということです。
資格を失うと、払いすぎた分は戻ってくるんですか
むしろ逆の可能性があります。厚生労働省は、過去にさかのぼって保険料の支払いを求める場合があるとしています。本来は国民健康保険に入っているべきだった期間について、あらためて請求されうる、という話です
負担が重いと感じたときに先に見る場所
国民健康保険の保険料が重いという実感そのものは、多くの人が持っています。所得が下がった年でも前年の所得で計算されるため、時期がずれて効いてくるからです。
ただ、そこで実態のない役員になる道を選ぶと、あとで資格を失い、さかのぼって請求される可能性が出てきます。先に見るべきなのは、市区町村が持っている減免や分割の制度のほうです。
失業や廃業、災害、所得の大幅な減少といった事情がある場合、保険料の軽減や納付の猶予が用意されていることがあります。名称や条件は自治体ごとに違うので、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口で確認するのが早道です。
数字は厚生労働省が2026年9月14日に公表した調査結果によります。個別の資格や保険料の取り扱いは、加入している保険者と市区町村の窓口でご確認ください。写真はイメージです。
生活・仕事にどう効くか
- 確認された規模:事業者は38社、利用者は1万1610人。調査期間は2026年3月から8月末まで。
- 利用者に起きたこと:指導により1万1610人が社会保険の被保険者資格を喪失した。国民健康保険に戻ることになる。
- さかのぼりの可能性:厚労省は過去にさかのぼって保険料の支払いを求める可能性があるとしている。
結局どうすればよいか
- 会費を払って役員に就任する形で社会保険に入っている人は、その法人での勤務実態があるかを確認する
- 「保険料が半分になる」と勧誘する仕組みは、実態がなければ資格を失い、さかのぼって請求されうると理解しておく
- 保険料の負担が重い場合は、まず市区町村の国保の窓口で減免・分割の制度を相談する
公式出典
- 全国保険医団体連合会「『国保逃れ』は38社・11610人 厚労省が調査結果を公表」(2026年9月14日発表)
- 日本経済新聞「『国保逃れ』1万人超、厚労省が調査公表 保険料削減ビジネス広がる」(2026年9月14日発表)
更新履歴
- 2026年9月14日 初版を公開。
※本記事は2026年9月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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